第五十八話 Tより永遠に/満ちる花と腹
出立64日目 タイ5日目 チェンライ3日目
タイは本当に日本の地方都市みたいで、過ごしやすい。
今日もリョウ君の調子が良くないので、ソロ活動。
といっても、そろそろ見るところはないので、のんびりトリップである。
昼前に出発し、山岳民族博物館を目指す。
その目の前の公園で、日本で言うところの菊人形のように、マネキンに花のドレスを着せていた。
公園中が花に満ちており、特にリリィがたくさん。寅さんなら喜ぶだろう。
これからリリィになる可能性のある娘さんや、昔リリィだった可能性のある夫、園内はにぎわっていた。
なかなかの出来だが、マネキンっていうのが、なんていうか、怖い、最終的に。
民族博物館は、タイ北部に現住する、複数の民族の生活スタイルの紹介から、生活用品、衣装なんかを展示している。10分もあれば見れるものだが、民芸品コーナーで彼らの作ったものが売っており、ナイトマーケットでも見かけないものがあった。
日本語でスライドショーが鑑賞できたので、内容も補完できて何よりである。
ちなみに、チケットには同じビルの1階でコーヒーを飲めるチケットがついてくるのだが、このコーヒーがまずかった。砂糖とクリープ入れなければしんどいとは、本物だな。
昨日飲んだ「YODDOI COFFEE」がおいしかったので、反動も大きかったのでは、と推察。
腹が減ったので、昼飯を探していると、中学校らしき建物の周りに食堂が点在。今朝ほどまで行っていた店は40THB基本だったが、なんとヌードル30THBという価格。
この後通りかかった町はずれも同じような金額帯だった。
地元民向けが進んだ店なのだろう。
ちょっと町はずれにあるワットに行ってみたが、ここは特に面白いものもなく、市場の方へ流れていく。
幼稚園の周りに出たら、屋台が多い。小学校周りも多かったが、ここも多いな。
すり身類を上げて甘ダレを絡めたものを購入。10THB。安いなぁ。
疲れてきたので、市場を回りつつホテル方面へ。
地元の女子高生でにぎわいそうな喫茶店で、レッドティー(多分紅茶のこと)とワッフルコンボ(アイス添えられている)で一息。
このレッドティー、おそらく何か既成のものがあるのだろうが、頼んでもいないのに甘い。そして、マジで赤いというか、着色されたオレンジ色(ティシュがオレンジに染まる)。
そういえばチェンコーンで飲んだタイティーはミルクが入ってオレンジ色で、一体なんだコレはと、ひそかに盛り上がっていたのだが、なるほど、同じものを使ったのだな。
ホテルに戻り、リョウ君と、近場の鍋屋でも行ってみるべ、となった。
ムーガタ鍋とかいう、こちらでは一般的な鍋で、以前カンボジアで経験した、山と谷でそれぞれ、肉を焼き、野菜を煮るお鍋である。
一人頭、169THB!おお、すごい……。
リサーチ不足であったが、この鍋を取り扱うところ、基本的にビュッフェスタイルで、つまりは食べ放題である。
しまった、ワッフルとか屋台で買い食いとか、しなきゃよかった!!
後の祭りなので、仕方ない、買い食いしたことは忘れて、思う様食ってやったわ!!食うの楽しすぎデプー。
タイは牛肉はあまり一般的ではないらしく、肉も豚、鳥、山羊がメインであった。あとイカとか臓物系とかもあった。
中には卵豆腐とか、ハムとかカニカモとか、なんかもうよくわからんものもある。
難点は、
・この鍋自体の問題かもしれんが、野菜を煮るところに入れるのがただの水っぽいので、たれを付けなければいけない
→ そのタレが頑張れば4種類用意できるものの、軒並み辛い、味の濃いもの
・肉があまりうまくない。ゴム食ってるような感じ、と悪意を込めればいえる
前者に関しては、ポン酢とか贅沢なこと言わないので、せめてニョクナムオンリーとかそういうのがほしい。
まぁ、ジュース飲み放題(気の抜けがちなコーラとか)、締めに麺やらピラフやらも食えるし、アイスクリームもあるので、楽しめる。クリームソーダとか作ってみたが、相棒に日本人ならではの発想と言われた。そうかもしれん。
リトライがあるかは不明だが、腹パンパンになったので、満足である。
明日は検討の結果、移動となった。次はさらなる大都市。都市が苦手な我々は大丈夫なのか。大丈夫だな。