第七十四話 Tより永遠に/バンコクの熱い風
出立84日目 タイ25日目 バンコク2日目
扇風機マックス&窓全開で寝たので、寝覚めはなかなかによろしい。
朝食は、昨日見つけたパン屋に行ってみたが、欧米人であふれかえっていた。
店内飲食は諦め、どこか食べれるところを探す。
このパン屋、種類は多いがやや高い(まぁ、日本に比べれば安いけどね、そりゃ)。
しかし全く公園らしきものが見当たらない。交通量も多いし、暑いしでテンションが……
王宮前にようやっとベンチのある公園を発見。日陰がないのがアレだが、この際贅沢はいい。
と、そこへ水撒きのおばちゃん登場。ベンチの横の気に躊躇なく水をやる。
かかるだろ!そういう仕事なのはわかるけど、ちょっと気を使ってくれよ!
気を取り直して、目の前の王宮&ワットプラケオという、バンコクでもいや、タイでも有名なこちらに向かう。
しかし、圧倒的な人並みに、もう入る前から嫌になってきた。
「どっちかが嫌になったら出よう」
「もう嫌なんですが……」
ああ、リョウ君の心が折れそうだ!
事態は決着した。
王室絡みの施設は、肌の露出が多い場合には入場できない。
我々は短パンだったのである!
無料で長いパンツを借りることはできたのだが、もう人混み見に来たような感覚になっていたため、ここは無視で。
気を取り直して、ワット・ポーへ向かう。
チケットは100THBとやや高めだが、小さい水のボトルをくれたので、まぁ、パン食って喉も乾いていたし、いいところだろう。
と思っていたら、で、出たーっ!!!
涅槃仏である。
悟っちゃったブッタ先輩がドーンと全長46m、高さ15mで寝そべる。
だいたいゾフィー隊長と同じくらいの大きさだ。デカい!デカすぎる!写真のベスポジがわからん!!
足の裏にも無数の仏。偏平足は超人の証だそうな。そうか、日本の子どもに増えてるらしいし、よかったじゃないか。
本堂脇にはよくわからん、解説の壁画が。
人類進化のミッシングリンクを埋める説として、宇宙人が人間を作った、という説があるが、どことなくそれをにおわせる様な、意味深な図である。
次は川の向こう側へ。
渡し船で3THBというよくわからない安さ。地元民も使うからだろう。
水は汚くて大きく揺れるが、川風は気持ちよく、汗が滴っている我が身には心地よい。
目指すはあちらのワット・アルン。
三島由紀夫の小説「暁の寺」の題材になったとかで、日本人観光客も多い。
仏塔は登ることができ、眺めもなかなかいい感じである。ただし、階段は急。そこそこのアドベンチャー感。
ああ、いい風が吹くなぁ……。
拝観後、足元のカフェへ。
うーむ、恐ろしく疲れた。人あたり、なのかもしれん。
ちょっと人が多すぎる。王宮なんてあのまま入っていたら、他どこにも行く気になれなかっただろうなぁ……などと思いながら「地球の歩き方」をみると、拝観料500THBと出ている。500THBっ!!?
うーむ、行かなくてよかった……。
とりあえず、ワット見ないといけないみたいなのはクリアできてよかったわ。
ホテルに戻った我々は、一休みして、夕食へ。
タイ料理はもう……ということで、近場の「香港ヌードル」みたいなファーストフード店っぽいところへ。
久しぶりの中華味、うまし!
カオサンロードで土産物屋を冷やかし、フルーツスタンドでスイカ購入。うまいな、やっぱ夏はスイカだな!
何だかバンコクはイマイチ感がぬぐえない。
そして、タイ飯に飽きてきた。潮時なのだろうな。