第三十九話 熱狂のC/カンボジアン・リゾート
出立40日目 カンボジア4日目 プノンペン4日目~シアヌークビル1日目
移動日である。
7:15 ホテルピックアップのバスで、カンボジア西の果て、カンボジア湾に面した、一大マリンリゾートである。
……しかし、待てど暮らせどバスは来ない。
ホテルのフロントへの3回目の確認で、まぁ、要は忘れられていたことが分かった。
おのれ、発展途上国。
本来の出発時刻から2時間遅れで、スタート。
4時間の行程である。
バスは小型で、かなりパンパン。必要以上にエアコンが効いていて寒いが、席では調整できない旧式。やはりベトナムよりも途上だ。不安である。
発車早々、黒い小袋が配られ出す。断ったが、使用方法は一つしか浮かばない。
そんなに揺れる予定なのか。
途中一回の休憩をはさむが、この時点で3時間近く経過。地図上では中間地点。
やはり、適当か。
バスは5時間近くかかってバスターミナルへ。そのあと町中まで別のバスで移動する。
そこからは歩いて行けそうだったので、舗装の甘い荒れた道を鞄を引いて歩く。
相変わらず日差しが強く、肌が焼けるように暑い。湿度が低い点がありがたく、日陰ならば何も問題ない。
やはりタクタクの兄ちゃんらが声をかけてきてウザイ。
基本的に料金は高いので、相手にしない。
ホテルに到着、16時。
本来の時間に出ていれば14時にはついたわけだ。やれやれだぜ。
今回の宿は場所柄もあり、小さいプールのついたレジャー仕様。欧米人たちが泳いでいる。いいけど、海行けよ。
まだ日も高いため、軽く飯を食いがてら、海岸に行ってみる。
途中の屋台で焼き鳥を購入。一串に各部位が揃っている。通常の味は日本のものと変わらず、ビールが飲みたくなる。
ここにカンボジアの甘辛タレをお好みでつけていただく。
海沿いだからか、BBQ関係の店がやたらと多い。ちなみに一串1,000リエル(30円)。
10分ほど歩くと海が見えてきた。おお!キレイだ!
プノンペンの川がほとんどごみの匂い放つどドブ川だったから、余計に好印象!
17時近くだというのに、体を焼いたり泳いだりしている……欧米人。
アレ?欧米人しかいないぞっ!?
来るまでの店でも、ピザやハンバーガーの記述、前述のBBQを扱うところが多かった。
調べてみると、どうやらカンボジア第三の観光地として、現在ビーチリゾート開発を激烈に行っているらしい。そしてそのターゲットは、言うまでもない。
明日のために水着を8ドルで購入。何か、カンボジアに入ってから、物価が余り易く感じられないな。ドルだからだろうか。
文字の制約があるので、必然的に英語表記のある店を多く使用しているからかもしれない。
夕食を、と屋台風のところに行くと、先ほどホテルで見かけた青年がおり、席を一緒にした。
ドイツでエンジニアをやっている彼は、背の高いイケメンである。
ベトナム~タイまで、なんとなくコースが一緒であり、と言うか、まぁ、そうなるんだろうな。
途中、突然世界が闇に包まれた。停電である。彼の話では本日二回目らしく、どうも安定していなさそうだ。
ホテルに戻ると、同室の欧米人たちは皆陽気に挨拶してくれた。
フレンドリーさではこれまでの都市では見られなかったものだが、この陽気がそうさせているのだろうか。
明日はシェリムアップ行の手配を整え、ビーチで一日過ごしてみようと思う。
相変わらず、雪まみれのクリスマスツリーの飾りが不似合いな国である。