新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三十四話 サインはV/争いのない日々を、荒野に花束を

出立34日目 ベトナム11日目 ホーチミン2日目

 

ベトナム入って初の快晴!

 

今日はホーチミン市内の観光地をグルグルだ!

 

慌てずに行こうじゃないかと、10時過ぎに飯を食って街に繰り出す。

 

そこでバイクタクシー兼ガイドをやっているおっさんにつかまる。

どうも日本人客を多く乗せているらしく、ノートには利用した日本人たちの写真とコメントが書かれていた。

一時間10万ドンで、ガイドとタクシーをやってくれるらしい。

はっきり言って、タクシーを使うならこのおっさんの話は魅力的である。

タクシーはどうせぼってくるし、同じ額で一、二度乗れれば万々歳くらいだからだ。

ディープなガイドもしてくれる、とノートにはあった。

 

しかし、私は明日はツアー利用の身。これ以上のライドは潔しとしないので、断った。

飯代は一回5万ドンくらいなので、そこもあるにはあったが、歩きたかったので。

子のおっさんはしかしつこく、しばらくストーキングされた。。。

 

さて、そんなことやっているうちに、本日の目標その一、統一会堂に着いたのだが、

やっていない。

なんと、昼休みで13時半まで開かない様だ。

その後、そこを飛ばして数件行くも、同じく昼休み。そ、そんな事態、想定してないぞ!早く言えよ!

さすが社会主義だな。

 

仕方がないので、戦争証跡博物館前のカフェで休憩。

快晴のこの日の気温は、気になって調べた18時で27℃と出ていた。

つまり日中は・・・・・・。

汗が止まらず、何か冷たいものでも入れなければ、死んでしまいそうだったため、カフェに入ったのである。

マンゴーティーという、マンゴースムージーをアイスティーにぶち込んだ代物で、かき混ぜながら飲む。サイコーだわ。日本でもやればいいのに。あるか知らんけど。

ちなみに、この日までに氷は大丈夫そうというジャッジが出ていた。

屋台で出た氷については、溶け切る前に飲み干す、で対処中なので、どこまで真理かわからんが、一般家庭でも浄水器から水を飲んでるっぽいので、氷もそれから作ってるんではないだろうかと思いたい。

 

さて、気を取り直しての「戦争証跡博物館」である。

これは言わずもがな、ベトナム戦争にまつわるもので、外ではヘリやら飛行機やら戦車やらが展示され、中は写真メインのパネル展が主である。

 

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一部、ヘリ。やっぱ、これ系はテンション上がる。

 

中は、主に戦時中のベトナム国内の惨状、世界各国の抗議デモ、戦後の枯葉剤の影響と分けることができるが、これがかなり精神に来る。

 

従軍したカメラマンによる、かなり生々しい写真が並ぶのである。

爆弾で吹き飛ばされた死体、幼い弟をかばうように死んだ子どもや親子の死体、バギーにつながれて引きずられるベトナム人、負傷した仲間を運ぶアメリカ兵。

枯葉剤(主に『エージェント・オレンジ』)によって奇形として生まれてきた子どもたちやその家族の写真。驚いたことに、当時駆り出されていたアメリカ兵らの子どもたちにも、枯葉剤の影響が出ていたのだ。これは恥ずかしながら知らかった。

 

見ていて辛くもあり、しかし背けることのできない現実があった。

日本でいえば、原爆というものがある。

今、まさしく日本は戦後からの大きな転換期にあり、我らが首相は大きな決断をしようとしている。

個人的には、現在存在するような、「自衛のための最低限度の実力」という名の武力の存在を否定はしない。

世界は未成熟であり、対隣国との関係においても、抑止力として働いていることは、残念ながら事実である。

しかし、日本が保有するこれらの実力とは伝家の宝刀であり、その正しく意味するところのとおり、「抜いたら終わり」なのである。つまり往来でいきなりパンツを脱いだら終わりなのと同じだ。

そこを履き違える、パンツだけに、ということだけは思いとどまっていただきたいのだ、選挙前だし。

 

ちなみに世界各国の反戦模様だが、日本のコーナーができるほど大きく取り上げられていた。

 

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・・・なんだ、共産系ばっかじゃないか。

それはそうか、この国も(以下略)。

しかし、本当に訴えていたのがこの団体だけだったとしたら、うちの国サイテーだな。

国益とかこういうのに出しちゃダメだろ。

 

今回の写真展は、しかし力強いベトナムの人々の姿も垣間見れる。

 

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「A Dream」と題がついていた。戦後の彼らの写真は、笑っているものが多かった。

後で街であった、枯葉剤の影響と思われる人も、笑って道を教えてくれた。

 

人は強い。

そのことが少し希望をくれた気がした。

 

ちなみに展示を見ながらしばらく、「炎のさだめ」を口ずさみ続けるくらい心が渇いていたwww

一応リンク貼っとく。


炎のさだめ/装甲騎兵ボトムズ - YouTube

 

さて、そんなこんなで、見られなかった統一会堂である。

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要は過去の国会議事堂的な建物で、ここで会談が行われたよーっていう展示。

 

ふーんって感じである。戦争証跡博物館の後では霞みまくって、来た意味すら分からんかったわ。これで入場料二倍とか!

メッセージを伝えたいか、うちスゲーだろって気持ちを伝えたいかの違いだな。

 

続いてサイゴン大教会

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デカい。町中に急にある。

表のマリア像に多数のハトが止まっていた。平和の象徴だしな。意図的か?

 

続いてムスリム寺院があるというので、行ってみた。

外観は結構派手目だったが、なぜか周りの建物に逆らって、斜めに建てられている。

さらに中に入ると、肝心な祭壇らしき場所の中央には、窪みがあるだけ……

 

あっ、そうか!偶像崇拝禁止だ!建物が斜めなのも、おそらく、その窪みの方向がメッカだからだ。

なるほど、こうなっているとは……。

 

更にその横では、寝転がりながらスマフォいじってる、どう見てもムスリムの男性が。

ちょっと話しかけてみると、思った以上にフレンドリーだった!

 

パキスタン出身のM氏。

イギリスにいたことがあるらしく、母国ベトナムの話を交えながら、日本の話もした。

特におもしろかったのが、結婚の話だ。

ムスリムは4人まで妻を持てるらしいのだが、それに対する異文化のギャップである。

いい雰囲気になった女性に、

「僕と結婚してくれるかい」

「うれしい」

「では君は四人目の妻だ」

「えっ、ちょっ、ナニソレ??」

とかね。

「いやーでもさぁ、ほかの娘口説いてると最初の妻が怒るんだよねー、コーランが認めてるのに。でも実際、結婚しても他の娘に目移りするのが男の本能だろう?」

 

……なんか、ムスリムに対する見方代わったわ、いい意味で。

 

国とか思想とかでなくて、結局個人がイイ奴かどうかなんだろうな。

アメリカの行動に意気消沈し、ムスリムによって気持ちが明るくなるなんて、きっと国内にいたら想像もできなかったことだよなー。来た甲斐あり。

 

このときから、BGMは「YATTA!」に変更。

一応リンク貼っておく。


yatta - YouTube