第二百七十三話 Cの時代の愛 / 永遠に美しく…
出立73~4日目(通算323~24日目)コロンビア21~22日目 ポパヤン3日目~イピアレス1~2日目
Kさんと同行し、国境の町を目指す。なんせ遠いもので(8時間かかる)、6時半のバスを目指して宿を出た。
当初予定していた信頼と実績のボリビアーノ社のバスだが、カウンターに人の姿はなく、数社ある中でバスとブースの大きいところを選ぶ。35,000ペソ。
バスは7時前に出発。地元民が多く、旅行者っぽいのは欧米人が一人いるくらいだ。
山道の様だが、運転手が希望者に黒いビニール袋を配るという不穏当な動きを見せたことで不安になり、ジェスチャーで地元民に揺れるか聞いたら、ニコニコしながら、そりゃもう抜群よ!と返す。何てこった!車酔いを警戒するKさんもこれには苦笑い。しかし、行くしかない。
調べれば夜の便もあるのかもしれないが、宿には朝~昼の便しか記載がなかった。まぁ、どのみち私は昼の便で行くつもりだった。
実はこの国境付近、かなり治安が悪いという噂がある。
数年前まで反政府ゲリラが大々的に活動していたというのだ。最大手とは停戦したけど二番手がまだ元気~みたいな話もある。
一方で、こんな話もある。ゲリラも生活があり、平日は仕事をして、週末だけゲリラ活動をしているらしい、というものだ。週末ゲリラ、つまり『血の色クローバーZ』状態。
やる気出して夜頑張らないとも限らないので、昼の便で行けるポパヤンまでやって来たという側面も実はあった。
しかし車内は至って平穏。Wi-fiも遅いが偶に動く。まぁ、山道なんで、小さい画面見てる場合じゃないんですけど、走り出して小一時間で早くも休憩。どうやら朝食タイムらしい。
昨日買ってあったので、それで済ます。トイレは無料だが、やはり品物は少々割高。
バスの写真。なんか雰囲気あるというか、どっちかっていうと東南アジアっぽいイラスト。
ここから地獄の山道。結構寝たけどね。
バスの車窓から。大体右側が景色見れそうだったので、そっち側がおすすめ。
以降はほぼ休憩なしだが、社内にトイレがあり、たまに道端で行商人を乗せるので、食べるものには困らないだろう。
何だかんだで8時間ちょっとでイピアレスに。
バスターミナルカラフル!っていうか寒っ!
そして謎の鳥のモニュメント。携帯ゲームに出てきそう。本当に謎。
宿はブッキングサイトで一番安いところをチョイス。セントロの近くなのだが、このセントロへの道のりがヤバい。
この心臓破りの坂!45度はあるね。
最近の荒行のせいか、はたまたサレントも高地だったのもあってか、取り立てて苦労はなかったが、Kさんは結構きつそうだった。後ほど他の人のブログを見たところ、一気には登れなかった旨の記載が多かったので、これは高地に慣れていないと、重い荷物を背負っての移動は厳しいかもしれない。
イラストがやたら多いイピアレス。カラフル都市にしようとしているんだろうか。
宿は個室の割に安いが、やはり多少はボロい。あと、私の部屋にWi-Fi届かない。まぁ、いいけど。
そこから少々街歩き。コーヒーを飲んで、明日移動のKさんは戻ったので、ここから単独行動。
イピアレスの街は国境の町という割に思ったより大きめでゴミゴミしている。ポパヤンの旧市街の整った街並みとのギャップはスゴイ。そして標高も2,900mとかなり高く、夜は冷え込むらしい。短パンとサンダルで乗り込んだKさんマジ意味不明ww
両替場もあるが、個人の両替商もおり、壁に沿って並んでいる。こんなに並んでいて意味あるのかわからんが、強盗対策かもしれない。
売っているものも観光客向けはなく、日用品がほとんど。そしてインディヘナ系がさらに増え、ふくよかで背が低い人達が多い。美人が減った……
Kさんから日本人女性目線のコロンビア人男性の容姿について聞いていたので気を付けてみてみると、確かに美人が多いコロンビア。が、イケメン率は低い。以前は多いように書いたが、個人的に抱かれてもいいかな、というイケメンは片手で余裕で足りるくらいしかいなかった……より正確に言うと、男に興味がなくて見ていなかったのだが、一体これはどういうことなんだろうか。
広場。謎の像と青白の教会がここのランドマークだろうか。中に入ってみると……
キタコレ!久しぶりの電飾系!東南アジアの寺院でおなじみのこれも、教会だとなんか新鮮。
地味目な印象の多かった北部に比べ、南下するごとに派手になってきたがここに極まれり!って感じ。この分だとエクアドル以南の国もイケイケっぽそう。
バスターミナルの方まで戻ってもう一つの大きな教会へ。
謎の像はまたしても猛禽系の鳥に載っている。コロンビアのビール「Aguila」の名前も、こいつから来ているのかもしれない。
国境行きのタクシーを見にバスターミナルへ一度行ったが、帰りに犬に少し囲まれ、流石にトラウマ発動して動けなくなる。ちょっと前に追い抜いた女性が犬を鎮めてくれたおかげで事なきを得たが、普段は大丈夫でも、吠えられるとやはりキツイ。
一度宿に戻り、夕飯時に再び街へ。
鶏の丸焼き屋さんで、どれがいいのかわからなかったので他の人の頼んでいたのを頼むと、1/4サイズであった。
で、でかい。スープ付きで5,500ペソ。
味付けは濃いめだが中の肉と合わせて食べれば丁度良い。ケチャップやマスタード、サルサもあり、味の変化を付けられる。これをビニール手袋をして豪快に食うわけだ。
うん、旨いに決まってるね!この肉食っている感じ、自分の中の縄文の遺伝子が騒ぎ出す。
手が汚れなくて思いっきりいけるので大変いいのだが、日本で流行らなそうなのは作業っぽいからだろうか。ケンタッキーとかあった方が絶対いいだろ、手袋。
満腹を抱えて街に出ると、もう結構な数の店のシャッターが閉まっている。人は結構いる。特別治安が悪いとは思わないが、いいともいえない雰囲気かな。ビールを売っている店を探したが、開いているのは薬局ばかり。というか、薬局多すぎるぞ。二軒おきとかにいらんだろ。それとも傷がたえないのか……?
翌朝早くにKさんは旅立ったらしい。
私は8時過ぎにはもう宿の工事が始まったこともあり(内装のためか、粉塵がね)、取り急ぎ朝食を、近所のパン屋で。
チーズパンとココナツパン、コーヒーを合わせて1,800ペソ。安すぎる。味もそこそこなので、申し分ない。
さて、イピアレスの観光といえば、やはり外せない場所が「Santuario de Las Lajas」、日本でいうところのラスラハス教会である。
何がすごいって、「世界一美しい教会」なんですって!
来ましたよ、何とかイチ何々な何とか。アイスランドでは「宇宙一旨いホットドッグ」を食べましたね。あれはクリントン元大統領が言ったということがわかりましたが、これは果たして誰が言ったのか!?
そんな疑問を抱えつつ、教会前からコレクティーボに乗る。宿のおっさんは「153」だったかな?と言っていたが、係の奴に聞いたらこれに乗れ、というのがあり、それに乗る。
市民の足として走り回るコレクティーボは小型のバス。1,200ペソで一律料金だ。
なんだかMaps.meで見るとえらい遠いとこで降ろされたが、このタイプはそこまでらしく、バスターミナルとかから出るちゃんとした奴に乗れば、すぐ近くまで行ってくれるらしい。確か2,200ペソとか。
では、世界一美しい教会がこちらです!
うん、遠いね!さっきも言ったとおり、遠いところで降りたからね、仕方ないね。
この教会、大渓谷の中に建っているということもあり、この雄大な景色の中にある。うーむ、ひょっとして、この周りの景色込みで世界一なんじゃないか?
大体3kmくらい歩くことになったが、どうせイピアレスの小さい街じゃあ対して体も使わない。というか、もうこの街でやることはないし、ガンガン歩くぜ!
道の途中にキリスト像。復活でもしてるんだろうか。イイですね、教会行く感を盛り上げてくれる!
突如目の前に学生楽団が。ああ、なんか、サレントでも似た感じでやってたな。ローマ法王が来ていることも影響あるのかもしれない。しかし、コロンビアの若者はあまり彼を好きじゃない、と聞いたが……。
谷をぐるりと回って目的地へ。教会周辺には土産物店が並ぶ。イピアレスにはなかったから、ここでバランスとっているのだろうか。インディヘナっぽいアイテムが多い。ま、写真ないけどね。
さ、お待たせしました、今度こそどうぞ!
このちょっと上からの角度が一番有名か?実際は後ろに見える階段から入ってくるので、いきなりはこの画が見られない。いきなり中に入る感じになる。
たくさんの遊歩道があり、眺めることができるので、そんなに美しいか、様々な角度でちょっと見てほしい。
なんでもどこぞの少女がこの辺差し掛かった時にマリア様の姿が岩場に浮かんだとかで、その部分に教会を建てるに至ったのだ。
正面から。
そこに至る参道にも天使がいっぱいで、楽団を結成。あれ、さっきの子どもたちってひょっとして……
内部。
岩場にマリア様の絵があり、その周りを取り囲む形に。うむ、豪華だね。
ステンドグラスには発見時を表したっぽいイラストが使われていた。
遊歩道を少し歩くと、渓谷を堪能できる。若者たちがよくわからんが群れていたりする。
ガブリエル像も近くに。階段の上り下りで、意外と大変。
パパことローマ法王の立て看板があったので、一緒に写る。なんかすごい感じになるな。
戻ってきて中の椅子に腰かけていたら、ゾクゾク人が集まってミサ開始。ああ、アジア人への視線が強いわ!おそらくこの中に一人だから仕方がない。
それにしても、ギターとか使ってポップな曲で始まったかと思うと、ブルースみたいのが流れたり、なんか讃美歌ばっかだろうというこちらのイメージを見事にブレイクしてくれるなぁ。
スペイン語なので早々に切り上げ、博物館があるという地下へ。
地下には懺悔室もあり、そこには巨大なリリス……イエスが鎮座している。
何だろう、こういう電飾、本当にこれで合っているんでしょうか。
博物館の展示によると、マリア様は最初野晒しだったが、時を経るごとに屋根が付き、あばら家になり、教会になり、それを建て直して今に至るという。400年くらい昔からある由緒正しい感じみたいだ。
他には、教会の模型、よくわからんマリア像のモニュメント、渓谷ということもあってたくさん物が出土するのだろう。
インディヘナ感あふれる、というか見たこともないわけわからん土偶みたいのが並んでいる。これで3,000ペソなら面白いね。
帰りも同じ場所まで戻ってバスに乗る。
セントロに行くと言っていたが、行きに乗った場所には止まらず、おかげで坂の下まで来てしまった。クッソ、皆はMaps.meで確認だぞ!
あの坂は嫌だったが、今度は階段が現われた。また鳥モチーフだ。何なんだろうな。そういえばこの街、やたら鶏肉レストラン多いけど、胃袋でも感じよう、みたいなことなんだろうか。
宿の近くのレストランで遅めの昼食。まぁ、無駄に歩いたりしたからね。
いつもの定食コンボで、スープはラビオリ入りだった。
メインはこちら、牛ステーキ。
硬いかと思ったら意外に柔らかい&うまくてびっくり。これで6,000ペソならいい。
ジュースはラズベリーかな。
さて、もうやることもないので、明日の国境越えの確認と次の国の情報収集を行い、早めの夕飯。
屋台が出ていたので、ここで買う。国境の町でアジア人は珍しいのだろう。カメラ目線の兄ちゃんも積極的に絡んでくる。
翌日の朝食も兼ねて、パン屋でクロワッサンを購入。
結構豪華な感じになったな。
ソーセージはポテトも入って3,000ペソ。
クロワッサンは食べてみたらハムとチーズ入りであった。これで1個500ペソは破格の値段だ。
そして最後なので、クラブコロンビアとポーカーをいただく。
当初は二週間くらいの予定だったのに、気付けば3週間越え。コーヒーと美女が溢れる、素晴らしい国であった。
翌日からは今回4つ目の国にして、初の陸路での国境越えだ。
次回も私と地獄に付き合ってもらう!
第二百七十二話 Cの時代の愛 / あなた色に染めて色の街
出立71~2日目(通算321~22日目)コロンビア19~20日目 カリ3日目~ポパヤン1~2日目
宿の食事はパン、シリアル、フルーツ、コーヒーなんかを好きに取れという感じなので、ここぞとばかりにフルーツを食って栄養補給だ。
さて、カリはすることもないので脱出だ。来るときに運転手の情けに甘えた区間は歩き、まぁ、それでも3kmくらいなので、荷物は重いが何とか駅までたどり着いた。
サレントで買った5Lの水のボトルが多少軽くなったのもよかったかな。
バスを待っていたらチョコレート売りのお姉さんがボトルに水を入れてくれと言うので、これ幸いと注ぐ。お礼にチョコレートをくれた。一石二鳥や。ちなみに彼女のようにお菓子やたばこやらを売りにバスに乗る人も結構多く、ボゴタでもよく見たし、都市間の移動のバスでも乗り込んでくる。まぁ、メキシコとかでもあったし、中南米の文化なんだろう。
ここからバスで来た時と同じ駅で降り、歩いていく。迷わなかった分、近く感じる。
インフォメーションセンターにはなぜか制服警官がいるところに闇を感じるが、彼に聞いてチケット売り場へ。
バスターミナルの2階で「ポパヤン」行を購入、27,000ペソ。
12:15発のミニバンということで、30分ちょっと待ち、出発。
サレントからの道に比べて山道は少なく、すぐに眠りに落ちた。ので、休憩があったかわからないが、3時間ちょっとでポパヤンの街に。チェックインを済ませてもまだ3時半。少し観光に出よう。
ポパヤンの街はカウカ県に位置する、高地にある都市。そのため、朝晩は多少冷え込む。観光は旧市街に固まっており、ここだけならすぐに歩いて回れる。
ご覧のように白い。どうやら環境条例みたいなもので白に統一しているらしく、おかげで街並みは美しい。
しかし、町中に信号がないためにバイクや車がビュンビュン。怖い、怖いぞ!
コロンビアはキリスト教国家の色が強く、この街は教会だらけ。そういえば、これまでの街にもローマ法王グッズみたいなのが売られていて、テレビでも訪問がトップニュースになっていた。ここも例外ではない。
セントロにある「Torre del Reloj」
「Catedral Nuestra Senora de La Asuncion」
なぜこんなアングルかというと、どうもイベントがあるようで、建物の前にはテントが張られて写真がうまく撮れないのだ。なんてこった!
中も白い。ご本尊(?)は躍動感たっぷりのイエスか?立川に降りてきた直後のテンションがこんな感じだろう。
ちょっと小高い丘の上にある「Capilla de Belen」。
階段には例によって復活までの14の苦難の道が石像で再現されていたが、途中から場面が動いていないように見えた。信者なら「ああ、あの場面ね!」とすぐわかるんだろうな。
帰りにすれ違ったおっさんが、「日本人か。気を付けろよ、変なのが屯してたから」みたいなことをスペイン語で真摯に伝えてくれた。それなら行きしなにすれ違って、確かにちょっと警戒していたところだ。まぁ、行きに挨拶したからね、帰りもそんな感じで何事もなかった。笑顔は大切ですね。
結構カフェもあり、「San Domingo cafe」なるところでEspresso。本当はドリップとかが良かったけど、ないなら仕方ない。また別の店を探そう。
ちなみに、この街でもコーヒー農場見学ができるみたいだが、30,000ペソと高い。バンの中からコーヒープラントが見えたが、そこまでの移動費を込みにすると致し方ないのかも。
外観が黄色い「Iglresio San Juan」は
中も黄色い。
さて、こんなもんかな。夕食は中華料理屋があるというので行ってみた。
炒飯と炒め物で14,000ペソと値が張るが、たまには贅沢もいいだろう。ジュースを飲んで待っていると、やって来た。
いや多いわ!
なんかこう、ブルガリアの中華屋を思い出す量!量も値段も2/3にしませんか!?
ちょっと味が濃いけどうまい。まぁ、米がね、やはり日本の炒飯に慣れているとパサつきが気になってしまう。奥の黄色いの、デザートだと思っていたらどうもパインを使ったソースだったようで、確かにこれかければ丁度いい味になったかも、と食後に後悔。
悔しいので水で薄めて飲み干した。
セントロがテント設営で埋まっているためか、暗くなっても町は静か。浮浪者はいるが警官もそこそこいるため、治安も悪くなさそう。しかし、昼に大量に居た、歯ブラシを売りつけようとしてくる兄ちゃんたちは何だったんだろうか。
翌朝、早朝4時過ぎに同じ部屋の欧米人共がガヤガヤと荷造りして、出て行った。
コイツ等、喫煙禁止ってあるのに吸っていやがったり、女子割り効かせてもマジクソだな、と思っていたが、「ドミなのに平気で電気付けて用意する」というあるあるを回避していった点だけは、評価したい。
いつの間にか一人になった部屋でダラダラと過ごす。いやぁ、実は、することなさそうなので。
とはいえ、行こうと思っていた丘を目指して宿を出る。
途中でこのデカい丸い揚げ物を買う。エンパナーダの究極体みたいなもので、米とチキン、更にゆで卵半分をマッシュポテトで包んで揚げた、ボリュームたっぷりの逸品。
おにぎりを頬張る感覚で、結構腹に溜まる。これで2,000ペソなら満足だ。
この小高い丘。表記的には国境の町「トゥルカン」が見えるっぽい。
いい眺め。上からだと意外と白い街並みが一部なのがわかる。
謎の像。この目線の先にポパヤンが広がるが、街のヤンキーたちによって、威厳はややない。
ぼーっと眺めていると、おばはんが話しかけてきた。まぁ、スペイン語なのでほとんどわからんが、ポパヤンの街について、天気がいいと富士山的な火山が見えるとか、あの辺が私の高校とか、そんなことを教えてくれた。いきなり日本人とわかったのもすごいね。
この街にカフェは数あれど、どうもEspressoマシーンのみなんじゃないか疑惑から、紅茶専門店っぽいのを覗くも、インスタ女子が好みそうなフルーツ紅茶っぽいのしかなさそうだったので、チョコラテを売りにしたカフェへ。
店内には軽食もある。なんで砂糖ついてんねん、と思ったら、ビターチョコを牛乳に溶かしているらしく、全く甘くない。こういう味なんだーと感心してから砂糖を投入した。
まぁ、キューバのアレにはマジで及ばないが、ほっと一息つくには申し分ない。2,200ペソ。安いな。
本当にやることなくなったので、宿に戻ってダラダラと昼寝。
いっぱいだったベッドも今や二人。二人して横になってっスマホ弄っている状況。
そうこうするうちに、どうも日本人が来たっぽいぞ、と思ったら、カリで一緒になったKさんだった。一気に国境の街まで行くと聞いていたが、お別れの挨拶もできなかったし、良かった。
夕飯は見つけていた安食堂へ。
いつものDEL DIAで、チキンにしたが、何とフルーツ(パインかな)ソースで仕上げたオシャレな一品だった。まぁ、米には合わないが。
余談だが、コロンビアの米はほんのり塩味が付いているので、これだけでも十分食える。あぁ、キューバも塩味付いていたか。
左の丸いのは子芋をトマトベースのソースで和えたもので、メインのおかずww
ここにジュースもつき、何と4,500ペソ。200円いかない脅威の値段。しかも味だって悪くない。昨日の炒飯の1/3以下ってどういうことなんだ?
後は今後の準備をして本日は終わり。しかし、たまにはこんな日も必要だ。そういう意味ではいいステイになったように思う。
明日はいよいよ、国境の街に向かう。この旅最大の危機が迫る!
次回も私と地獄に付き合ってもらう!
第二百七十一話 Cの時代の愛 / 仮にも狩りには会いたくない
出立69~70日目(通算319~20日目)コロンビア17~8日目 サレント5日目~カリ1~2日目
雨は上がり、気持ちのいい朝だ。宿は朝食付きで、それを待つ間に庭を見ながらのんびりと飲むコーヒーもいい。少し肌寒いのもいい具合だ。
猫は他にもいるが、取りあえずソファー組を。前夜に携帯のストラップにじゃれついてきたのが茶色い方
大型犬。ドイツとスウェーデンの大型犬のハーフ、アレキサンダー。メータークラスでマジでデカい。小学生の時「バスカヴィル家の犬」を読んで「犬ってwww言うてもwww」とか思っていたが、これなら納得。
ここの息子(調理担当)を父親と思っているらしく(オヤジさんの話)、そう言え昨日の夜も息子相手にはめっちゃ子犬の様な声を出してじゃれついていた。大男がキャンキャン言っている様なもので、若干引くww
「彼らの関係はよくわからない、不思議な感じ」というのもうなずける。
一日の滞在では短い気もしたが、これから行くのは修羅の街。気を引き締めて、日が暮れる前に行かねば。
本日の移動先カリまでは、サレントからアルメニアに出て、そこから向かう形になる。
サレントのバス停に行くと、丁度出るところだった。4,200ペソ。
50分くらいでアルメニアのバス停に。
ここにはコーヒーと遊園地を一緒にしたテーマパークがあると聞いた。それはそれで面白そうだな。
さらにバスを乗り継ぐ。これは何社かあるようだが、おばさんの呼び込みに向かう。
22,000ペソ。多分競合しているから価格に差はないだろう、と値段は聞かなかったが、暇なら尋ねてみるといい。
11:30とチケットにはあったが、人数が集まったからなのか、15分前くらいに出発。
宿のオヤジさんから聞いていた通り、大体3時間で到着。途中休憩もあったように思う。降りてないけど。
地味に山道なので、酔いやすい人は酔い止めがいるって感じだった。
ちょっとふらつきながら下車。ここからが問題だ。
日本人の場合、情報はネット上のものに限られるが、ぱっと見た感じバスステーションからの移動方法を乗せているブログが見当たらない。
そしてカリはコロンビア随一のクライムシティ。一歩間違えればデンジャーゾーンと脅す記事ばかり。そういうことじゃねぇだろ!
取りあえず宿からのメールでタクシーを手配してくれることはわかったが、Wi-fiないと…だし、流しのタクシーは危険だから配車サービス使うべし、というが、まぁこれも高い。
そこで一応、「MIO」という、ボゴタで言うところのトランスミレニオ的な専用レーンを持ったバスがある、と聞いたので、これを使うことにした。Maps.me上では宿の近くに駅あるし。
しかし、これも考え物だった。
まずバスステーションの最寄り駅が遠い。結構歩く。
しかもうっかりちょっとヤバそうな方に行きそうだった。
ヤバそうかなーと思っていたところでおっさんに話しかけられ、警官のとこまで連れて行ってくれた。
彼からMIOの駅の場所を聞き、そちらに歩いていく。
ただ、MIOは路線バスがメインの路線(Estacion MIO)を走り、枝葉で普通のバス(Parado MIOとか)がその先をカバーする形になっている。
そのため、宿まで行くのはどの路線なのかガッツリ事前に調べておかないと、利用できない。
バスターミナルから「Las Americas」まで歩き、そこからどのバスがどこの駅に停車するかを路線図で確認し、乗り継ぐ。
さらに路上でバスを拾っていくわけで、恐ろしく手間だ。
しかも、メイン路線は都度チケットを買えばいいが、基本的には専用カードがないと利用できない。多分駅で買えるんだと思うが、私はこれを知らずに枝葉のバスに乗ったため、かなりどうしようもなかった。
運転手が情けで無賃乗車させてくれたおかげで助かったが、復路は歩こうかな、悪いし。。。
ただ、降りるまでは1,900ペソで乗れる点はデカい。
宿で後ほど日本人にあったが、タクシー出来た彼は10,000ペソした、というから、乗り継ぎ分合わせて4,000くらいなら、半額以下で来られる。まぁ、時間と手間がものすごいから、お勧めしないけど。
というわけで、16時過ぎにチェックイン。
安い宿で郊外にあるため、周りは住宅街。遅くに出歩くにはビビる。まぁ、レストランもバーもプールまでついているので、ここだけで事足りるといえば足りるのだが。
偵察もかねて近場を回ってみたが、あまり飲食店はない。パン屋で食べることにした。
ポテト揚げたヤツにソーセージ乗せたヤツと、ピザっぽいパンにビール、7,500ペソ。
前者の味はご想像通り、後者はパイナップルトッピングで、アイスランドの首相がキレるタイプのやつだ。嫌いじゃないけどね。
宿で過ごしている時に、前述の日本人Kさんに会った。
メデジンから来たというが、日本人コミュニティで過ごしたていたという。
何でも、今はなき日本人宿「シュハリ」も、1か月以上滞在する場合は宿泊できるんだとか。他にも有名な日本人「かおりさん」なる人とのつながりで、計2カ月滞在していたという。
はえー、すごいなぁ、2カ月って。
まぁ、しばらく日本人宿はイイかなぁ、という感じだったので、一応そんな話もあるよ、ということで。
移動でヘトヘトだったので、この日はもう寝る。
翌朝、朝食をとって宿でのんびり。ちょっとカリの観光を調べてみるが、これがまぁ、ほとんどないww
ま、目的があってきたので、外出する。
カリはコロンビア第三の都市(人口的には2位?よくわからん)。
ただし、都市機能としてはボゴタとメデジンに大きく溝を開けられている状況だ。
なによりも治安。ここ数年で大きく改善されたが、世界の都市の殺人発生率ランキングでワースト10入りの常連(シリアやイラクを除いたランキング)だった経緯がある(2016年には確か25位)。
それも近年は富裕層の生活地域での犯罪が多く、スラムに行かなければOKというのでもない。
事前情報では警官も2都市に比べると少ない、と聞いていたが、週末だからなのか、そこそこ見かける。思ったよりも雰囲気も悪くないので、結構改善が進んでいるのかもしれない。
同じ部屋だった欧米人は、昨日の夜パーティに出掛けたというから、奴らの感覚も含めて、何とも言えない状況だ。
観光名所その一、「Igresio San Antonio」は、中に入れない、っと。
カリ遠景の画像はこの近くから。チャラ付いた兄ちゃんたちの横を通るときは緊張感が増すね。
そこから市街に向かって歩く。サレントでは見なかった路上生活者が復活している。
教会だ。日曜日だし、ミサ以外は閉まってるんかなぁ。
その前の広場。手前は……トラか?なんでトラなんだ?
よくわからんが、背中の鞍みたいのは、家族連れが子供を乗せて記念撮影してい居たので納得。そうやって楽しみタイガーするのね。
髭反りを前の前の宿に忘れたため、それを買いにマーケットへ。
日曜日でシャッターの閉まった店もあるが、露店は溢れている。
ここらの街の定食屋に入る。
お馴染みの定食「DEL DIA」。安い食堂はもうこれのみなので、絵面は似て来るねww
スープはコンソメかサンコチョ(コロンビア家庭の味。多分ww)か選べ、サンコチョに。あとはメインと付け合わせが選べるので、チキンカツとスパゲッティに。ちょっとお子様ランチみたいだな。これにジュースが付いて7,500ペソなんだからお得だ。
ちなみに、ジュースの氷は今のところ当たっていない。
コロンビアの飯はマズいと聞いていたが、今のところおいしくいただけている。チキンカツもジューシーで、レモンを絞れば丁度いい感じ。
サンコチョは骨とか煮込んでるんかな、獣系の風味で、ラーメンのスープを単体で成り立つように昇華したイメージが近いか。
結局スーパーでお買い物を済ませ、帰る。
宿には大型犬が二頭いて、帰るたびに玄関まで来る。不審者なら追い出そうという、誠に頼もしい&かわいい。
もう一個見忘れた観光名所。何か多分、地元のアーティストの作品かな。通りの隅にポツンとあるが、これがトリップアドバイザーの上位に入ってくるあたり、観光資源のなさがヤバい。
そしてこの誰も写っていない像を撮るのが案外大変だった。それくらい観光資源が(以下略)
他にもないかなーと思ったが、大きなキリスト像が山の向こう、7km先にあると聞いて断念。もういいよ、信仰してないし、なんか、ハバナで見たし。
鳥?のモニュメント。
そういえば鳥コンセプトのホテルがあったり、町中のアートでもやたら鳥モチーフが多かったり。なんかあるんかね、そういう。わからんが。
と、既にこの街への興味が薄れてきた状況で丘の上の像。英雄なんだろうなぁ。
彼の目線の先には、カリの街並みが広がる。市民が溢れており、子どもが私に「チーナ!チーナ!」という声が。おい、性別違うぞ。
宿にはプールがあり、日が沈みかけていたがせっかくなので入る。
ちょっと寒いが、湯船のない生活をしていると、無性にこう、浸かりたくなるんだよね。
ちなみにこのクソ欧米人どもが寛いでいるのは、プールに入るための階段のあるところ。他にも家族連れとかいたのに、ダラダラとビールを飲んでいるだけ。こういう配慮のないことしちゃう辺り、そりゃあ植民地とか作っちゃうよな、って感じ。貴様らの『ぼくのなつやすみ』は絶版だぁ……。
暗くなってきたところで、ちょっとだけキリスト教増を目指したときに見つけた、ホテル裏のチキン専門店へ。
フライの他、丸焼きなども取り扱う、まぁ、中南米によくあるポジョ屋さんだろう。
ここでも定食メニューのみ。
サンコチョと丸焼きの鳥1/4。副菜は毎回聞いたことない方を選んでいるが、どうやら小ぶりな豆だった様だ。辛味と香辛料の少ないカレーってところか。占める前だったのか、少しさめていたが、6,500ペソだし、特に文句はない。
ジュースはスイカかな。日本の駅中のジューススタンドで飲んだら、これだけで6,500ペソいくだろうな。
宿に戻ってKさんと話す。タクシーを使ったとはいえ、昨晩サルサのパーティに行ったという。そういうもんか。
飛行機の関係から、ボチボチ次の国での動きを決めなければいけないことがわかる。ああ、ちょっとめんどくさいなぁww
翌日はまた移動だ。
次回も、私と地獄に付き合ってもらう!
第二百七十話 Cの時代の愛 / 大きいことが生むもの
出立68日目(通算318日目)コロンビア16日目 サレント4日目
未明にメキシコで多きな地震があったと聞く。
取り急ぎ知人・友人に被害はなさそうなので一安心だが、余震もあるだろうし、まだまだ怖い思いをしそうだ。
私のところは全く揺れに気付かなかったが、訪問した国に後々何か起こるという「世界の破壊者」効果がまた出てしまった。旅しない方が世界平和のためだろうか。
本日は宿を移る。
延泊の都合だが、セールで安くなっていたこの宿も、普通だと少し高いので、ちょっと外れにある宿へ。
テントの施設もあるっぽいし、
猫だらけで楽しい空間だった。
移動した先は家族経営のところで、これまたいい感じ。そしてまた猫だらけ。多いな、猫。まぁ、犬もいっぱいいるが。
先日行けなかったコーヒー農園「Ocaso」に本日は向かう。
道の途中でイタリアンガールと会う。「どこかで会ったような……」と彼女は言ったが、前日のココラ渓谷のビューポイントで挨拶した程度だ。ま、私は覚えてましたけどね、かわいいから。
彼女と話しながら農園を目指す。日本に興味を持ってくれる人は多いが、最終的に物価の話に落ち着くな。そして、逆にヨーロッパの国々に興味を持ち切れていないなぁ、と我が身を顧みる。
先日私が行った「La Finca de Don Elias」に向かう彼女と別れを告げ、いざ「Ocaso」へ。
ここはサレント最大規模の農園で、もっとも有名なコーヒーツアーが体験できる。まぁ、値段も15,000ペソなので3つの中で一番高いが。1時間に1回ということで、11時半前に着いた私は30分ほど待つことに。
時間になっても誰も来ないなーと思っていたが、直前にカップル、始まった直後に3人組が来て加わったので、計6人でのツアーになった。これが良かったかもしれない。
工程については当然大きな差はないが、パネルを使っての説明があったり、コーヒー摘み体験ができる。
赤いのと黄色いのは熟しているとされるが、表面だけ見て取ったら、まだ青いのもあった。
雨上がりだったので、結構濡れたが、コーヒーの実を積む作業なんて、初めて……じゃなかったな。タイでやってたわ。
実から取り出した豆をなめ、残りを器具にかけて分離させる作業も。しかしハンドルを回すだけで簡単に分離できるのがすごい。ビルドはそれで混ぜるのにね。
大きな違いのもう一つは、大型の機械があることだ。
乾燥用のスペースも2段で広く、3つくらいある。更に時短用の乾燥機的な設備もある。
ざっと取り扱う豆を見せてくれる。
一列目左から1級品、2級品、皮、二列目は、なんだっけこれ、実ごと乾燥させたもの、薄皮ごと乾燥させたもの、上に行って、名前忘れたが一つの実に1つしか豆が入ってないもの(全体の5%とか)って感じ。1級は基本輸出だが、ここでは30%は残しているらしい。まぁ、ツアー用とお土産用だね。
焙煎はやはりアルメニア(街の名前ね)で行うらしく、ここでは最終までやっていないが、ここでその工程の説明。1級と2級の香りを試させてくれる。むぅ、確かに違う!
最後は1級品をドリップで試飲。浅めに炒った、フルーティな一品で、3つのツアーでは一番うまかったかもしれない。
カップルの男性が、コーヒー好きじゃないといっていたが、これはおいしい、と杯を空ける。
そういえば、行き一緒だったイタリアンガールはコーヒー好きじゃないといっていたが、彼女の考えは変わっただろうか(ソロなら行かなくても、といったら、自然が好きだから~ということだった)。
全部で1時間半ほど。3軒目だが予想以上に楽しかった。少人数だったのもよかったかもしれない(11時からの回は15~20人くらいいそうだったし)。やはり誰と行ったか、とかは大切なんだね。
ジープで帰る彼らを見送り、コーヒーを買って帰路につく。値段なり、と言ってしまえばそれまでだが、「La Finca de Don Elias」は家族経営のアットホームさ、「Ocaso」は大規模ゆえの説明(工程)の丁寧さがそれぞれ楽しめるので、どちらかしか行かない場合は値段と時間等を考慮するといいだろう。
街に戻って昼食をおとといの店で。
本日は豚肉焼きとポテトサラダ。久しぶりの豚肉だが、この「獣の肉食ってる感」は、御三家の中ではやっぱ豚だよね。
帰りに「Salentoで一番のコーヒー屋!」と宿にあったと思われるこちらへ。
今日のガイドの姉ちゃんが「フレンチプレスが好き」と言っていたこともあり、っていうかさっきドリップ飲んだし、そうする。3,000ペソ。
コーヒーのオイルが良く出るから、と彼女は言っていたが、成分が多く含まれてそうな感じはある。
先程ツアーが一緒だったカップルが、お会計して出てきたが、早くも彼氏の方はコーヒーOKになったんだろうか。スゲー切り替え早いな。
よく見たら一軒挟んでカフェがあり、サレントNo.1はどちらのことなのか、わからなくなった。
宿に戻ってしばらくして、雨が降り出した。まぁ、良かった。夕飯どうしようかって感じだが、猫と一緒に雨を眺めて過ごせばよかろう。宿の夫婦は本当にいい人って感じだ。ここ長くしてもよかったかもしれない。
ホットチョコレートの差し入れを奥さんがしてくれ、温まる。
そして止まない雨の中を駆け抜け、チキン食って帰って来る。すっかりチキンがなじみになった。
何やら離れがたいものが増えてしまったが、次に来るときに取っておくのがいいだろう。明日は移動日だ。
メキシコの地震は思ったよりも深刻だった。特にオアハカは相当大変だ。見たことのある景色が崩れているかもしれない。亡くなられた方のご冥福と、国民全体の安寧、一日も早い街の復旧を祈るばかりである。
来週は私と地獄に付き合ってもらう。