第二百七十話 Cの時代の愛 / 大きいことが生むもの
出立68日目(通算318日目)コロンビア16日目 サレント4日目
未明にメキシコで多きな地震があったと聞く。
取り急ぎ知人・友人に被害はなさそうなので一安心だが、余震もあるだろうし、まだまだ怖い思いをしそうだ。
私のところは全く揺れに気付かなかったが、訪問した国に後々何か起こるという「世界の破壊者」効果がまた出てしまった。旅しない方が世界平和のためだろうか。
本日は宿を移る。
延泊の都合だが、セールで安くなっていたこの宿も、普通だと少し高いので、ちょっと外れにある宿へ。
テントの施設もあるっぽいし、
猫だらけで楽しい空間だった。
移動した先は家族経営のところで、これまたいい感じ。そしてまた猫だらけ。多いな、猫。まぁ、犬もいっぱいいるが。
先日行けなかったコーヒー農園「Ocaso」に本日は向かう。
道の途中でイタリアンガールと会う。「どこかで会ったような……」と彼女は言ったが、前日のココラ渓谷のビューポイントで挨拶した程度だ。ま、私は覚えてましたけどね、かわいいから。
彼女と話しながら農園を目指す。日本に興味を持ってくれる人は多いが、最終的に物価の話に落ち着くな。そして、逆にヨーロッパの国々に興味を持ち切れていないなぁ、と我が身を顧みる。
先日私が行った「La Finca de Don Elias」に向かう彼女と別れを告げ、いざ「Ocaso」へ。
ここはサレント最大規模の農園で、もっとも有名なコーヒーツアーが体験できる。まぁ、値段も15,000ペソなので3つの中で一番高いが。1時間に1回ということで、11時半前に着いた私は30分ほど待つことに。
時間になっても誰も来ないなーと思っていたが、直前にカップル、始まった直後に3人組が来て加わったので、計6人でのツアーになった。これが良かったかもしれない。
工程については当然大きな差はないが、パネルを使っての説明があったり、コーヒー摘み体験ができる。
赤いのと黄色いのは熟しているとされるが、表面だけ見て取ったら、まだ青いのもあった。
雨上がりだったので、結構濡れたが、コーヒーの実を積む作業なんて、初めて……じゃなかったな。タイでやってたわ。
実から取り出した豆をなめ、残りを器具にかけて分離させる作業も。しかしハンドルを回すだけで簡単に分離できるのがすごい。ビルドはそれで混ぜるのにね。
大きな違いのもう一つは、大型の機械があることだ。
乾燥用のスペースも2段で広く、3つくらいある。更に時短用の乾燥機的な設備もある。
ざっと取り扱う豆を見せてくれる。
一列目左から1級品、2級品、皮、二列目は、なんだっけこれ、実ごと乾燥させたもの、薄皮ごと乾燥させたもの、上に行って、名前忘れたが一つの実に1つしか豆が入ってないもの(全体の5%とか)って感じ。1級は基本輸出だが、ここでは30%は残しているらしい。まぁ、ツアー用とお土産用だね。
焙煎はやはりアルメニア(街の名前ね)で行うらしく、ここでは最終までやっていないが、ここでその工程の説明。1級と2級の香りを試させてくれる。むぅ、確かに違う!
最後は1級品をドリップで試飲。浅めに炒った、フルーティな一品で、3つのツアーでは一番うまかったかもしれない。
カップルの男性が、コーヒー好きじゃないといっていたが、これはおいしい、と杯を空ける。
そういえば、行き一緒だったイタリアンガールはコーヒー好きじゃないといっていたが、彼女の考えは変わっただろうか(ソロなら行かなくても、といったら、自然が好きだから~ということだった)。
全部で1時間半ほど。3軒目だが予想以上に楽しかった。少人数だったのもよかったかもしれない(11時からの回は15~20人くらいいそうだったし)。やはり誰と行ったか、とかは大切なんだね。
ジープで帰る彼らを見送り、コーヒーを買って帰路につく。値段なり、と言ってしまえばそれまでだが、「La Finca de Don Elias」は家族経営のアットホームさ、「Ocaso」は大規模ゆえの説明(工程)の丁寧さがそれぞれ楽しめるので、どちらかしか行かない場合は値段と時間等を考慮するといいだろう。
街に戻って昼食をおとといの店で。
本日は豚肉焼きとポテトサラダ。久しぶりの豚肉だが、この「獣の肉食ってる感」は、御三家の中ではやっぱ豚だよね。
帰りに「Salentoで一番のコーヒー屋!」と宿にあったと思われるこちらへ。
今日のガイドの姉ちゃんが「フレンチプレスが好き」と言っていたこともあり、っていうかさっきドリップ飲んだし、そうする。3,000ペソ。
コーヒーのオイルが良く出るから、と彼女は言っていたが、成分が多く含まれてそうな感じはある。
先程ツアーが一緒だったカップルが、お会計して出てきたが、早くも彼氏の方はコーヒーOKになったんだろうか。スゲー切り替え早いな。
よく見たら一軒挟んでカフェがあり、サレントNo.1はどちらのことなのか、わからなくなった。
宿に戻ってしばらくして、雨が降り出した。まぁ、良かった。夕飯どうしようかって感じだが、猫と一緒に雨を眺めて過ごせばよかろう。宿の夫婦は本当にいい人って感じだ。ここ長くしてもよかったかもしれない。
ホットチョコレートの差し入れを奥さんがしてくれ、温まる。
そして止まない雨の中を駆け抜け、チキン食って帰って来る。すっかりチキンがなじみになった。
何やら離れがたいものが増えてしまったが、次に来るときに取っておくのがいいだろう。明日は移動日だ。
メキシコの地震は思ったよりも深刻だった。特にオアハカは相当大変だ。見たことのある景色が崩れているかもしれない。亡くなられた方のご冥福と、国民全体の安寧、一日も早い街の復旧を祈るばかりである。
来週は私と地獄に付き合ってもらう。