第二百六十九話 Cの時代の愛 / ここらが気合の見せ所?
出立67日目(通算317日目)コロンビア15日目 サレント3日目
コーヒー農園で説明してくれていた姉ちゃんが「明日私もその宿に行く」と言っていたので何かと思ったら、レセプションに座っていた。働き者である。
さて、朝食を済ませた私はセントロへ向かい、ジープを探す。
目的地のココラ渓谷は入り口までかなりあるため、まずはジープで行くという寸法だ。
このジープはかつて、コーヒー運搬等の際に使われていた名残らしく、そのコーヒー農園にも走っている。3,000ペソだったかな。
ココラ渓谷までは3,800ペソ。席が埋まると後ろの台に立ち乗りになり、何と4人もの人間が立つことになった。私は左端にライド。せ、狭い……。
かつては後ろに豆を積み過ぎて「ウィリージープ」と呼ばれてたとかで、確かになんかひっくり返りそうww
サレントの標高的に、当然山道があり、カーブの際はもう、楽しくてしょうがない。
15分くらいだろうか。渓谷の入り口に着く。ここからは徒歩になる。しばらく歩いてから入山料的に2,000ペソ払う。
ぼちぼち歩くが、男の独り歩きなので、ぐんぐん進んでいく。
目の前にはカップルのみ。仲良く歩く様にちょっとアレな気持ちになるが、そんなことどうでもよくなるくらいに景観がいい。
パーム椰子。ワックスとかそういうのの原料になるとかで、高さ70mくらいになるとか。
当然、世界一高くなる椰子。84年のゴジラより少し小さい、ウルトラマンUSAの3人くらいですね。しかもこれがめちゃ硬い。倒木したやつもまだ硬い。どうして倒木したのか知りたいレベル。
どんどん山道になっていく。漂うジャングル感。
緑はもちろん、水もキレイ。
ティガのピラミッドが奥にありそう。つり橋は結構ボロイが、我が県民の得意な「凍った道を歩く」時と同じ原理で行けば、手すりも使わず普通に歩けることが分かった。
たまに野生なのか何なのか、犬が現われて道を案内?してくれる。
ガンガン来られると一瞬恐いんですけどねww
多少標高が変わるからなのか、霧が出てきたからなのか、徐々に気温が下がっていく。しかし歩いて暑いから、鳥肌立ってちょっと赤いのに汗かいているという、どないせぇっちゅうねん状態。
そうこうしている内に分岐点が。「Akaime」というところに遠回りすると、ハチドリが見られる、という話を入手していたので、向かうことにした。往復で2kmくらい余計に歩くことになるが、ハチドリが見られるなら価値があるだろう。しかしそんな簡単に見られるわけがないしな、と思いつつ向かう。
こんな見た目。5,000ペソ支払って入るわけだが、何とエサ場が用意され、1羽どころかたくさん舞っている。おいおい、ガンガン見られるじゃん!
美しい。
目がなんか、昭和のガメラシリーズの怪獣みたいに見えるな。
羽ばたき中を撮るのが結構大変で悪戦苦闘。多くの人が同様にしていた。
ここではほかにも多くの鳥が見られるらしい。そういえば、今いる宿でもオオムみたいの飼ってたな。これ書いてる時点で「Rico!Rico!」とか叫んでる。何がそんなに「おいしい!」んですかね。
さらに料金には飲み物代が含まれており、コーヒーかチョコラテか、こちらの「アグアパネラ」か選べる。キャラメルをお湯で解いた感じと聞いていたが、何か黒砂糖の方が近い感じ。
何故かケソ(チーズ)が付く。小腹がすいていたので丁度良かった!ワンダンクして食うのもあり!
少し道を戻り、本格的な山道に突入。3~4歳くらいの子どもをそれぞれ背負って登る、強者の夫婦もいた。ヤバい、鍛え方が違うな。。。
到着!見晴らしがいい!山頂を「Montana」というらしく、ため息をつく瞬間に世界地図が変わっていきそうな景観。
花もたくさん咲いているし、レストランもあった。
来た道を戻ってもいいが、渓谷を見ながら下れる道があるようなので、そちらへ向かう。
ああ、これは、こっちの方が楽だね。全然落差の無い、緩やかで穏やかな道。
こんな景色も見られるし、花も咲いていてそれを撮りながらのんびり歩く余裕もある。
犬や馬も歩いていたが、変わったところで行けばアルマジロも見た。いやー野生のアルマジロなんて初めて見たわ~死んでたけど。
心ないクソ野郎が捨てたお菓子のゴミを拾っていい人アピールしつつ、牧場の斜面を降りていく先人たちに倣って滑りながら降りる。
牛がたくさん。そういえば、行きの斜面にもいたな、牛。なんでこんなところにいるんだヤギみたいな状態よく見ると凶悪な角。動物は、いつ牙をむいてくるかわからなんのだ。
こうして4時間ちょっとくらいで麓に戻り、ジープでサレントに戻った。これまでの過酷な体験が功を奏したか、さほど疲れずに終えることができた。
昨日の店の横で、昼定食。6,000ペソ。
スープは鶏の臓物入りのコンソメ風味。うまい。君らね、これを串に刺して炭火で炙り、塩を振ればそれだけでうまいんだよ?焼き鳥食いたい。
メインはチョリソ。大胆に大きめのが一本。皮がカリッカリになっていて旨い。ジュースはコロンビアの安い定食屋の定番、レモネードだ。
セントロに出ると、学生たちがブラスバンド?の練習をしていた。小さくてやることのない街だからか、結構みんな見ていた。
ここにあるもう一つのカフェ「Mundo Cafe」へ。
Espressoマシーン主体だが、淹れ方は不明だが「トラディショナルスタイル」があったのでそれに。2,500ペソ。
酸味もありつつコクがある、コロンビアの定番スタイルだ。
輸出に回されなかった、等級の落ちるものが国内には出回るというが、やはり取れたて炒りたて挽き立ての3つの立てがあれば味は違う。この辺はそばと一緒ですな。
そして何より、ここの姉ちゃんがかわいい。思わず一緒に写真撮ってもらうレベル。
店の外観写真の、店内右側がその人だ!
ありがたいことに、もうやることのなくなるのんびりした街、サレント。
宿で休んで夕食はチキンを買って済ます。
延泊したけど、明日移動でよかったか……?
コーヒールンバが、我を呼ぶ!
第二百六十八話 Cの時代の愛 / 恋を忘れた哀れな男に
出立65~6日目(通算315~6日目)コロンビア13~4日目 メデジン7日目~ サレント1~2日目
本日は移動日。メデジンからサレントまで目指す。
アルメニアを経由して乗り換えるのが一般的なようだが、直通の便がいくつか出ていて、8時、9時、11時、13時の便がとりあえず確認できた。
ホテルを出た時点で8時半ちょっと前。チェックアウトに間誤付いてしまったが、速足で行けば3kmとて間に合わぬ距離ではない。
とちょっと汗をかきながらなんとか到着。滑り込みで最後の一席らしきものをゲットできた。ミニバンみたいなタイプで、15人乗りくらいだろうか。45,000ペソ。少し遅れて出発した。
メデジンからサレントまでは山道。それを何かに急き立てられるように、運転手は飛ばす。凄い遠心力とガタガタの道で、上下左右に振り回される。
ちょっと寝ようと思っていたが、これは思ったよりハードそうだ。酔い止め飲んだ方がいいかもしれない。
小一時間も走ったころ、バンは停車。何かと思っていたが、どうも工事か何かのために、片側ずつ車を通している様だ。これが数度あったので、このロスを埋めるために飛ばしていたのかもしれない。
途中一度休憩を挟んだ。きちんとレストランでの停車で、皆昼食やトイレを堪能。ここには大型のバスも停車していたので、もしかするとこれもあるのかもしれない。
私はといえば、サンドイッチを自作していたので、車のWi-fiを活用しつつ、時を潰す。
あまりお腹いっぱいにすると今後の道のりで苦労するんじゃ……と思っていたら、案の定だ。まぁ、なんだかんだ寝たけど。
6時間くらいで着くかなーと思っていたが、結局16時半前後に着。7時間半か……飛ばしてなかったら8時間はかかったかもしれない。
てかこんな掛かるんだったら夜行便もあった方がいいんじゃ……。到着のことを考えると、8時か9時の便に乗るのがよさそうだ。
サレントは山間にある小さな町で、当然『地球の迷い方』には載っていない。一体どういう選考基準なのか、役に立たない書物であるが、欧米人はバリバリ来ているので、ロンリープラネットさんには載っているのだろう。
コーヒーの農園があることでも大変有名であり、静かな街だ。メデジンの喧騒に疲れたら立ち寄るといいかもしれない。
チェックイン後、さっそく街に出る。
広場に建つ小さな教会「Temblo Nuestra Senora del Carmen」。町のシンボルだ。
中はコロンビアスタイルで非常にシンプル。それゆえか、ステンドグラスに目がいくのも同じ。
この日はサッカーコロンビア戦だったようで、街中の飲食店ではその模様が流れ、多くの人々が画面にくぎ付けに。そういえば、来るときのバンの中でもユニフォーム着た人たちがいたな。
街はグアタペとは違った方向性にオシャレな彩色で、土産物屋も多い。よくわからんが欧米人バックパッカーがめっちゃ来るようになった様で、それに向けて街も変わったのだろう。浮浪者のような人も確かに見かけないし、夜の治安も相当いいようだ。
ただ、メデジンより若干美人が減ったような……。
街を見渡せるという展望台へ。黄昏時の街並みが美しい。
少し歩くとココラ渓谷を見渡せる展望台に。やはり山はいいな!ここはハイキングもできるらしいので、体調と相談しつつ行ってみたい。
街の中心に戻って、カフェを探す。広場に二つカフェがあり、「Café Quindio」へ。
フィルターコーヒー、2,700ペソ。店内で飲む場合も紙コップだ。うむ、味としてはSalonm Malagoのが近いか。欧米人御用達ということもあり、街の物価はやや高い(いうてもだが)。
壁面にはコーヒー農園と鳥の絵が描かれており、雰囲気がいい。
先に店にいた北欧人(スウェーデンだかノルウェーだか忘れてもうた)のCさんが話しかけてきた。彼は日本の某大手商社でしばらく働いていたらしく、日本の話になった。
「日本は文化も食事も生活には素晴らしい。ただ、ワーキングカルチャーだけはヒドい。だから止めたよ」
ああ、知ってるよ。私もその口だから。しかし高福祉の北欧の人間の口から聞くと、なんとも思うところがあるね。「なんであんなにすることがあるんだろう」というのは、こっちが聞きたいくらいだ。どうしたらいいんだろうね。
昼のサンドイッチが結構腹にきていたが、食わんわけにもいかんだろうと、フライドチキンを食べに行く。
ビールを入れると7,000ペソ。一つ2,000とかだから、ビールが半分近く持っていっているねwwチキン一つにつきジャガイモが一つ付き、この塩味の素朴さがいい。
蜂蜜って……と当初は思っていたが、コロンビアではフェイバリットらしく、やってみると癖になる。ケンタッキーのビスケットの感覚だろうか。
そんなんある割にみんながみんな太っているわけじゃない辺り、コロンビア人の美意識の高さを感じる。
テレビでは別の試合や今日のハイライトのスポーツニュースが流れている。地元の人々が持ち帰りで買っていくようで、賑わっている。こういうのがいいよね。
宿に買い物して帰ると、宿泊者に水のボトルを1本ずつ渡しているらしく、このタイミングでくれた。私の手の中には先ほど買った5Lの水のボトルが……。
コロンビアはボゴタとメデジンは確実に水道水が飲めるが、地方都市の上水道の整備は7割強。ボゴタのホテルのおば様が「この二都市以外では水道水を飲むな」と言っていたので調べたが、そうらしい。
しかし高原地方でメデジンほど暑くないこの街で、果たして6Lの水は……。
3人部屋にはオランダガールが一人おり、彼女は日本に旅行したことがある、というので少々盛り上がった。
11時発のバスで18時半に着いたというから、おおむね予想通りと言えよう。
翌朝、宿付きの朝食を済ませ、少しダラダラしつつ、出掛ける。
サレントはコーヒーの産地としても有名。農園を見学するために5kmほど歩く。
2か所ほどあると聞いていたが、目的地に着く前に呼び止められた。第三の農園だ!
断る理由もないので、まずはこちらにお邪魔する。
「Las Acacias Coffee Farm」
ここでは8,000ペソで農園を見学でき、最後にコーヒー1杯が飲める。
人が一定集まるとツアー開始。英語とスペイン語の2コースがある。一緒に行ったのはカナダ人のおっさんだったが、英語コースの案内の兄ちゃんはおっさんにしか話しかけない。もう声かけられたのはヤギを日本語で何というかくらい。おい、差別か。
まぁ、仕方ない。コーヒーはEspressoかアメリカンを選ぶ形式。ここにきてEspressoマシーン系かよ、という感じだが、コーヒー自体は旨い。
説明も口頭のみでおっさんへの語り掛けだったので、正直微妙かなぁ。まぁ、人によるのかもしれんが、あんまお勧めしない。
次に当初の目的地「La Finca de Don Elias」へ。
こちらは10,000ペソだが、説明は丁寧だった。他の形式は1つ目と一緒。行くならこっちの方がいいと思う。
同じく人が集まるのを待ち、ついでに英語のガイドさん待ち。今回はUKボーイ、エクアドルガール、オランダガールとのツアーだった。3人は同じホテルだったらしいが、気さくでコミュニケーションを取ってくれたので、打ち解けた。エクアドルガールが日本が好きで、ここでも「NARUTO」とか出るんだからやっぱジャンプスゲーわ。まぁ、今の連載陣はどうなのか知らんが。
では、両方の農園で得た知識をまとめて紹介しよう。なお、我が英語力の限りであるので、誤りがあった場合はご容赦いただきたい。
コーヒーは豆から芽が出て、そこから双葉の状態に。
これをチャポラと言い、羽を広げた姿に似ていることから、蝶の名がついているとか。
植えて1年で人の1mくらいまで成長。
この年から実を付けるが、いい豆となると3年目以降になるという。
また、あまり年月が経ち過ぎても質が落ちるため、一定期間が過ぎると伐採し、新たに成長するのを待つ。
元々アフリカ原産のアラビカ種を使っているが、コロンビアでは手摘みでの収穫となるため、彼らの身長に合わせて低めに改良したり、上に伸びる部分はカットしたりしているという。
手摘みという点も実は重要で、例えば生産量世界一のブラジルでは機械で摘み取るため、完熟した赤い実も、未熟な青い実も一緒に収穫することになり、結果豆の質にばらつきが出てしまう。
手摘みであれば完熟したものだけを積みとめるため、高い品質が保てるのだ。
「La Finca de Don Elias」では常駐スタッフ以外にも収穫時には雇うが、収穫量での給金のため、時たま青い実も収穫してくる輩がいるらしいが、そういうときはお帰りいただくのだとか。
また、農園内にはコーヒーの他にも、バナナやオレンジ等が植えられている。
これは日よけ等の実用面や、虫や動物がコーヒーではなくフルーツを狙うよう仕向けることで、無農薬ゆえの被害を防ぐ目的があるらしい。
併せて、「La Finca de Don Elias」では唐辛子も栽培。これを農薬代わりに散布して、害虫を避けているとか。工夫がすごいね。当然、肥料もオーガニックだ。
こちらのツアーでは熟した実を食べさせてくれもした。ほのかに甘い。
赤い部分と豆はこちらの機械で分離。1日~水洗いして実をはがし、虫が付かないようにする。
天候にもよるが、1週間~2週間ほど天日で干す。そして薄皮を剥いでいく
行程的にはこの後炒って粉砕~となっていくが、実はコーヒー豆は政府の管理が相当に徹底していることもあり、大きな工場に持ち込まれて加工されるのが大部分であり、施設の多くは観光客用だったりする。
また、豆のほとんどは輸出用であり、国民が品質の良い豆を口にすることはほぼないという。
植民地時代も通じて国の最大の収入源であったことから、このような状態になっているらしい。何か複雑な思いだ。
園内には花も咲く。ひと月に一つ、房が増えていく花。
観光客用に炒って用意されたコーヒーが供される。
「Las Acacias Coffee Farm」ではEspressoで、
「La Finca de Don Elias」ではフィルターで出た。
前者は浅く炒られており、酸味などがある今どき風。後者は深めに炒られ、コク重視の仕様だ。
どちらも流石にそこで取っただけあり、文句なく旨い。ここまでの歩行とツアーの疲れも吹っ飛ぶというものだ。
また、どちらも犬とか猫、鶏を飼っていた。単純に居付いたものと家畜と目的は違う。
一緒にツアーを回った3人。UK・エクアドルカップルは日本のことを結構知っていたが、オランダガールはあまり知らないようで、そうなると中国との文化面の区別も結構つかない。
犬は農園にいた奴で、私が農園に来るときは先に立って歩き、ツアーに付いてきて、帰りにはお見送りまでしてくれた(例の一件以来、急に犬が足元に現れると、若干恐い。これ以外にも何匹かいて、みんないい子だったが、それでもドンドン来たときはちょっとね)。
これを見たオランダガールが、「日本は犬食べるの?」と聞くに至ったわけだが、3人同時に「それ中国や!」といった具合に。つーか、中国では犬食うってのは、結構世界共通?認識なんだな。
帰りも歩きだが、実はサレントの街からずっと下り坂で来たため、帰りは当然上り坂。傾斜はそこまできつくないが、行きよりも疲労は溜まる。
しかし他に人がいると気は楽なものだ。
景色もいい感じ。
空模様が怪しくなる中、無事街へ。3時ごろになっていたが、飯でも食うべとなり、安い食堂をリサーチしていたので、そこへご案内。オランダガールはベジタリアンで、そこには該当のものがなかったため、残る3人でお食事。
昼の定食7,000ペソをチョイス。物価の高いこの街では、他のレストランだと倍~といった感じだ。
スープは米とジャガイモ入りの優しい味で、期待が高まる。
私とエクアドルガールはマスとジャガイモに、UKボーイは鶏肉と豆にしていた。
シンプルな味付けで半身だったが、量的にはこんなもんで十分。味も申し分ない。
目の前の空き地に犬がおり、ちょっと分けて値的な感じでお座りしている。隣の現地人たちが少し分けていた。
こうしてコーヒートリップを終え、彼らに別れを告げた。
2軒目は思いの外楽しいツアーになった。やはり一緒に回る人間というのは大切である。
コーヒー豆も買えて満足だ。
あとは街の土産物屋を冷やかして、宿で休憩。最近コーヒーの摂取量のせいか、あんま寝れないのでww
まぁ、疲れてないというのも事実だが、前日の夜は代表選に興奮したのか、若者が窓のすぐ外で遅くまでボール蹴って盛り上がっていたのもあるだろうな。
夜を待ち、チキン屋が締まっていたので広場でホットドッグを買う。5,000ペソ。
チーズにフライドオニオン、いろいろソースも掛かって複雑な味だ。いや、もちろんうまいが。
さて、一泊追加したので、これで心置きなく明日も楽しめそうだ。
コーヒールンバが、我を呼ぶ!
第二百六十七話 Cの時代の愛 / Dethティニーを越えて行け
出立63~4日目(通算313~4日目)コロンビア11~2日目 グアタペ3日目~メデジン5 ~6日目
8時過ぎに宿を出て、バス乗り場へ。
少年が客の呼び込みをしており、料金は乗ってからでいいという。
8:30発のバスは、街の大通りを呼び込みをしてから出たため少し遅れたが、それにしても彼がやっていたのだからすごい。日曜日で休みなのだろうか。
休日の早い時間ということもあり、乗っている人間は少ない。うつらうつらしている間に客の出入りがあり、気付いたら10:30前には着いていた。行きの時よりも遥かに早く着いたが、出る前のグダグダと、途中の山道の異様な飛ばし様を考えれば、まぁ、こんなものかもしれない。
さて、前回とは宿泊場所も変わり、「Cerro Nutibara」の裏に来た。悪魔の岩やらの影響で筋肉痛があり、すでに宿に着いた時点でヘトヘトだったが、目的があったので出掛ける。
しかし、目的の場所「HAIKU魂」なる店は、日曜日営業から土曜日営業に切り替わっていた。。。ここも所謂メイドカフェで、週一の開店という殿様商売だ。
ボゴタのリベンジを、と思ったが、まぁ、ぶっちゃけもう体力的にきつかったし、打ちのめされないですんだしで、丁度良かったな!
ということで、「San Antonio」駅の近くまで歩く。
小腹も空いたので、近くの飲食店へ。
伝統料理「Tamal」は朝食などでも食べられたりするもので、トウモロコシの粉を水で練り上げ、その中に肉やら野菜やらを入れて蒸しあげた料理っぽい。トウモロコシ部分が特徴的で、後半はちょっときつかった。肉類は酒に合いそう。
一緒に飲んだのはこれまたコロンビアのフェイバリットな清涼飲料水「PONY malta」。これは麦を使った微炭酸飲料で、カラメルの様な、甘いビールの様な飲む人間を選びそうな味。
Maltaが麦的な、似た系統の飲料に使われているっぽい(キューバで似たヤツ飲んだなぁ。ドイツ製だったけど)
合わせて6,500ペソ。安食堂はこれがいい。
前述の喫茶店「Salonm Malago」に再びやって来た。
今回は店内の写真。何というか、「Café Pergamino」はカフェで合っているが、こっちは「喫茶店」という表現の方が合っている気がする。
コーヒーは深煎りめだがフレッシュさを残す仕様。店内に流れるレトロな音楽と、穏やかな客層が心地いい。
と、外で若者たちが何やら騒いでいる。客も興味津々。店主がシャッターに手をかけて外の様子を見ていた。急に世紀末都市感が出てきたなww
それとは対照的に、流れる音楽に合わせて踊る中高年男女。確かにダンスホールみたいな趣がありますからな。
騒ぎが収まったところで、メトロで戻る。13時過ぎてチェックインができた。
部屋にはチリ人の青年がいて、彼と話す。彼が買い物に出かけたので昼寝をしていると、帰って来た彼からビールをおごられる。うむ、疲れていたと思っていたが、酒が入ると活力が湧く。
再び部屋を出た彼をしり目に、力を取り戻し、自炊でもするかと意を決したころ、今度はUKガールが。彼女はボゴタでスペイン語を習っていたらしい。ぎこちなくスペイン語で話したところで、出身を明かされ、「いやー、母国語だから英語の方が楽」となり、そこからはマシンガンだ。
彼女が部屋を出たところで、アルゼンチンボーイからスーパーの場所を聞きだしていた私は、食材の確保に向かう。
明後日にはいどうなので、そこまでに終わらせねばならないと、手持ちのパスタとの組み合わせを考えて帰宅。早速調理と思っていたところ、別の宿泊者が「1階にフリーパスタがあるぜ」と教えてくれる。
そうか。聞いた以上は彼の顔を立てる必要もあるし、いっちょその面をいただきに行くか、と思って降りていくと、そこには「平和」と書かれたTシャツを着たおっさんが。
「いやー30年前から6年くらい日本に住んでたんだけど、久しぶりだから日本語わからんわー」と流暢な日本語、十分です。
そうして彼からもらったフリーパスタは、この通り、完成していたやつでした。
なんてこった!乾燥した麺くれるのかと思ったぜ!
ともあれ、これを夕食としていただく。具だくさんのミートソースうまし!
ってか、私宿泊費として2日分で1,000円いかないくらいしか払ってないんですが、これ食ってていいのか?
翌朝早くにアルゼンチンボーイは去り、UKガールを見送る。
下着にバスタオルだけ巻いて出てきたときは、お前どういうつもりだと思ったが―まぁ、欧米人は男も下着で歩き回るし、前の宿でも似た状態の女子いっぱいいたし―、こっちもやることがある。
宿の兄ちゃんに聞いて、病院へ向かう。
そう、例の狂犬病はどないかなー問題である。うっかり隣の処方箋受付とか行っちゃいつつ、病院の受付へ。
事情の説明は事前にメモに書いていたので、それを交えて説明。ただ、アクリル板の向こうからされる質問は聞き取りづらく、もちろんスペイン語だからわからん部分もあるが、という状況。
業を煮やした姉さんが、英語を話せる医師を呼ぶ。しかし聞き取れない。ただでさえ不如意な語学力に加え、アクリル板の思った以上の弊害!
埒が明かぬと女医殿は私を診察室に入れ、ゴム手袋をしながら「傷を見せて」と言いつつ靴下をめくりにかかる。
ああ違います、そこじゃなくてここ……とふくらはぎの傷を見せると、
「これ?何だ、これなら全然大丈夫!」
と、ギャバンの蒸着するタイム並みの速さで診察終了。ああ、結構ガッツリいかれてないと危険性はないのか。こう考えると、グアタペの先生方のリアクションの薄さも頷ける。
そりゃあ、「熱出たら来てね」って言うわな……。
一応まとめ
・犬に噛まれたらすぐに傷口は洗う(石鹸があればベスト)
・すぐに医師にかかる
・事情の説明は現地の言葉でできた方がいい(紙に書いておくとなおよし)
また、長ズボン、できればジーンズを履いていればダメージが抑えられるだろうな、という点(結構ガッツリは方残るくらいいかれると危険性はある)
海外旅行保険あった方が安心。
→今回これがないので焦った。クレジットカードに付帯したものについて、楽天カードは持っていたが、日本出国のチケットをこれで決済していないと保険適応が無い等、カードごとに使用条件が異なるので、こちらも確認しておいた方が。
しかしまぁ、いろいろ考えさせられたなぁ。名前の後ろにビヨンドとか付けようかな。
拍子抜け&一安心から、再び中心街へ。
先日の「Arepa」屋のオヤジさんの店でそれを頼む。
甘い味付けの「Arepa de chocolo con cuajada」をチョイス、2,800ペソ。
おお、丸ごとチーズ。Arepaはトウモロコシ原料の、コロンビア伝統のパンで、サンドイッチなどにも使用される。
字面の印象でチョコレートでもかかっているのかと思ったが、出てきたのはこんな感じ。味の薄いチーズケーキがのった、密度の高いホットケーキといった感じで、思いのほか腹に溜まった。
そしてまた、Salonm Malagoへ。こうなると店の姉ちゃんも顔を見るなり「コーヒーね」と奥に行き、すぐに出してくれる。
この姉ちゃんも美人で、本当に離れがたい街である。
やることもないし健康とわかったので、宿まで歩いて帰りつつ、教会を見ていく。
「Igresia de San Antio」と
「Perpetuo Socorro」。二つとも特徴的な外見だ。
中はシンプル。教会はこういう方が落ち着くよね。
宿で何気なく起動した「Pokemon Go」では普通にポケモンが現われた。
まぁ、Wi-Fiないとできないから部屋で捕まえたけど、こうなるのね。
食材を無駄にできないので、ようやく自炊。シーチキンとズッキーニ、フレッシュチーズを使用。うん、うまそう。てか旨い。奥のチリソースはメキシコの空港で余った小銭で買ったやつだが、タバスコの方が辛い。豆の菓子も辛いヤツって……私の味覚大丈夫かしら。
この日もフリーの食品が置いてあったが、一体どういうシステムなのか、謎が残る……。
窓の外を見ると、街の夜景が見える。例の夜景の見える丘のすぐ近くなのだから、見えても不思議なじゃないが、これだけ見られれば満足というものだ。
何だかんだでやはり都市生活は便利で快適だ。明日は移動日。コロンビアに来た目的が一つ近づく。
コーヒールンバが、我を呼ぶ!
第二百六十六話 Cの時代の愛 / Die another day
出立62日目(通算312日目)コロンビア10日目 グアタペ2日目
海外の病院に行くことになったのは、これで二度目だった。一度目は黄熱病の予防接種。そして今回は治療のためである。何ゆえなのか、時間を巻き戻してみよう。
宿には有料の朝食があるが、10,000ペソはさすがに簡便ということで、街に出る。
雨が止むのを待ったため、時間は10時。ぼちぼち店も開き始めた。
パン屋兼カフェテリアでこちら。
ミルクコーヒーとエンパナーダ亜種、チーズ使ったちょっと甘いパン。亜種はチキンたっぷりの山型で、「Piedra del Penol」を意識しているのかもしれないし、していないのかもしれない。チキンの出汁も効いて旨い。パンの方はまぁ、普通。思ったよりおいしいのでよし。メキシコで最初に食べたパンのイメージが抜けない中南米編である。
街を歩いてみる。
曇りなので、あまり写りはよくないか?
宿に戻る。曇りなので少し肌寒い。一人でカヤックとかも死にたくなりそうなので、宿の案内にあった「滝まで歩いてみよう」に挑戦することにした。
宿の前からの景色もいい感じ。
怪鳥が羽を広げるサービスショット。
地図上にない場所のため、宿の文字案内のみが頼りだ。早速歩きはじめる。
「Piedra del Penol」とは反対の方向に進んでいく。グアタペ越しの「Piedra del Penol」もなかなかにいい。
こうして順調に進んでいた私だが、釣りも楽しめる「マスの養殖場」に入ったところで迷ってしまった。説明では、この中に入ってどこかに行くはずなのだが……ウロウロしていると、犬の遠吠えが聞こえた。二匹の犬が駆けてくる。最初はようわからなかったが、どうやらこっちにめがけてきている様だ。ゲッ、ヤバいか?
しかし判断の遅れがマズかった。距離を詰めた彼らは駆け出した私に襲い掛かり、一匹がふくらはぎに噛み付いた!
……うわっ、やってもうた。すいません、皆さん。間違えました。犬の数え方は「頭」でしたね。
その後も何故か敷地の外に出る道を塞ぐという意味不明な威嚇を繰り返す犬達を何とか振り切る。いやー、この理不尽さ、シビルジャッジメンターさんみたいですわ。
取りあえず傷口を小川の水で洗う。透き通ってるし、そのままにしておくよりいいだろう。幸いというか、若干皮膚の下が出ている箇所があるが、流血には至っていない。薄手とはいえ、長いカーゴパンツを履いていたことが幸いしたのかもしれない。
しかし、やはり気にしなければならないことがある。そう、狂犬病だ。
もう滝とか言ってられないので、宿に戻る。消毒液で消毒し、狂犬病のことを調べ、病院の場所を聞く。「マジで?」みたいな感じだが、重要性は認識しているらしく、すぐに教えてくれた。
少し迷いつつ、病院に付き、受付へ。午後のためか、医者たちも私服の人がほとんど。事情を説明すると、「見せてみろ。あーあー、痛そう」みたいな感じだ。そ、そんな感じなの?!
待っていると看護師がやって来て、事情を聞かれる。当然彼女はスペイン語で聞いてくるが、こちらもわかる範囲でしか答えられない。おそらくしつこく噛み付かれたかとか、そんなことを聞いている様だ。
その後、消毒と蒸留水による洗浄が行われ、医師たちが来る。要領を得ないので、英語で状況を説明と相成った。そして注射。
一人の医師がGoogleさんを使って日本語で治療について説明。
「彼女が消毒して、それから注射を打つ」うん、もう終わってるね。
「あなたは傷口をよく洗え」そうかい。っていうか、これも意訳だ。やはりまだまだGoogle翻訳さんも改良の余地がある様ですな。
そしていざ清算である。「消毒時に一杯蒸留水を使ったので、シンコミルだ」という。
シンコミル……5,000!?
いやいや待て待て。外国人の私が注射までしてもらって200円いかないはずないだろう!しかも理由はそっちなのか!?と思ったが、翻訳を見ても実際に支払っても5,000ペソだ。しかも一応持ってきたパスポートも特に確認されない。何だろう、いいのだろうか、これで。
狂犬病についての詳しい説明は他のサイトに譲るが、「狂犬病に感染した犬に噛まれると、10日~2年ほどで発症し、発症したら必ず死ぬ」ということらしい。
人から人にはうつらないが、感染しているかは噛んだ犬が2週間後くらいまでに発症しないかどうかでしか図れない。更に「狂犬病ワクチン」は数回にわたって接種の必要があるらしい。一応2年前に予防接種受けているが、この予防接種というのも実際噛まれたらワクチンは投与しなければいけないという、最早やる意味あんのか的なものなわけだが、そういう事情を一応調べていた私は、「また来る必要があるか」と当然尋ねる。
「いや、もういいよ。傷口良く洗ってね。熱出たらその時に」みたいな感じ。「石鹸使ったりとか?」「完璧だね」
本当だろうか。
しかしどこで噛まれたかも説明したし、傷口も見てもらった。現地の医者にしかわからんこともあるだろう。調べてみると、噛まれてすぐに水で洗う、石鹸水で洗えば狂犬病のウイルスは弱いので効果があるというのだ。
しかし…わからんな!
取りあえずメデジンでもう一回聞いてみるかなぁ。まぁ、ここでできることはもうないので、お礼を言って病院を後にする。
宿に戻ると状況を聞かれたので、説明。そこからは各国の犬の追い払い方等に話が移り、コロンビア人は美人が多いという、もうそら男が集まったらそういう話ばっかですわ!みたいな状況になった。
とりあえず、よく変な男に散々な目にあわされると、「まぁ、野良犬にでも噛まれたと思って……」とかいうが、それって大事やないかぃっ!!!と声を大にして言いたい。
まぁ、犬は職務に忠実に、領土を守って奮戦しただけだし(釣りに行った普通の人はどうなるのだろうか。何かルートでもあるのか、気になるところだ)、こちらも判断が遅れたとはいえ、ちょっとやりようなかったね。
かくして唯一の長ズボンにはリアルダメージが刻まれ、これから寒いとこ行ったらどうしようかな、縫った方がいいかな、という新たな疑問が生まれてしまった。
もうやることもないし、昨日気になっていたカフェに向かった。
「BLACK HOLE」はドリップをはじめとした4つの抽出方法が楽しめる専門店で、もちろんEspresso系もある。
ドリップを頼んで目の前で淹れ方を見ている傍らで、カップルの頼んだスタバ系のゴテゴテコーヒーが出てきたから間違いないだろうww
店内にはテーブルのみのため、紙コップで出てくる。店の名を冠する豆もある(挽いた奴だけだが)。これで6,000ペソ。
うむ。香りはチョコレートみたい。酸味とフレッシュさが強い今どき風で、苦味等はさほどなく、後味もスッキリ。飲み続けるとコクが蓄積される感じがあるが、コロンビアに入ってからいい感じの店がみんなこんな感じだけど、これが特徴なのだろうか。
それにしてもチェーン店のコーヒーですら既にレベルが高く、今のところ各都市に一店舗はスゲー旨い店があるというのは、流石コーヒー大国である。
と思っていたら馬軍団登場。馬蹄が石畳を叩く音が心地いい。この後、道に馬糞が散見されたのは言うまでもない。
街歩きも再開。昨日と逆アングルから。
結構至る所カラフルだ。
街の人たちも結構明るい。笑顔で挨拶すれば、お年寄りも、かわいいあの子も、ちょっと怪しい兄ちゃんも、みんな応えてくれる。アジア人が珍しいというのもあるのか、よく見られるからこちらも挨拶するのもあるが、心が洗われるね。
アートも。家の下の方にある浮彫のカラフルな絵は、家ごとに異なっていて、キリスト教モチーフの他、ハトだったり、このように「Piedra del Penol」だったりと、
湖畔の少女の像はちょっと日本のアニメ的?
いろいろと、後悔が残るといけないなぁと思い、湖畔のアクティビティに。
要はハーネス付けて、ロープを伝ってターザンみたいな奴だ。15,000ペソ。さっきの治療費の3倍やんww
4人になるまで待って、自動で登っていく。こんな感じで。
そして頂上に着くなり、先頭の人は連結を解かれて2秒くらいで発車。えぇっ!?
彼は心の準備が出来ていたのだろうか……。
来るときちょっと高くてビビっていたが、動き出すと何ということはない。景色の良さと爽快感で、あっという間にゴール……しないっ?
よく見ると、既に次の人たちの装着が始まっている。ひょっとして、なんかそのためにこんなことになってたりする?
終わってから改めてチケットを確かめてみると、番号が……
不吉すぎる。
これは笑いの女神さまが再び本気出し始めたってとこだな。もう、冗談が過ぎるぞ♡
湖畔を眺め、宿に戻る。レイクサイドヴューという名の通り、これを見ながら過ごさねば、ここにした意味もないしね。
さて、夕飯。
我がホステルのテラスにはタイ料理屋があり、っていうかこれ目当てでここにしたのに昨日やってないし!みたいな感じだったので、挑む。
レッドカリーチキン。ビールも付けて、チップも入れて、30,000ペソ。うむ、これまでで最高額なのがお分かりいただけるだろう。しかし後悔している場合じゃないかもしれないので、日本で食うと思ってね。
本場の味かどうかよりも、こういう感じの味が楽しめてよかったな、という、いや、普通にうまいしね。タイにもまた行きたいですねぇ。
明日にはここを去り、再びのメデジンだ。
あ、えっと、しつこい様ですが、噛まれた箇所はそこまで傷深くも広くもないし、すぐに洗って病院行ったし、メデジンでセカンドオピニオンも念のため行きますので、くれぐれもご心配なく。
まぁ、銃で撃たれて死ぬ方が確率高いと思うので、そっちの無事を祈っていただけると幸いです。
コーヒールンバが、我を呼ぶ!