第百六十一話 Tはわかってくれない / 突然、異星のごとく

出立7日目（通算170日目）　トルコ6日目　カッパドキア1日目

バスは遅れることなく、目的地、ギョレメに到着した。

おおっ！これは！

ここギョレメは、小さいながら、街全体がいかにも「カッパドキア」な岩が乱立した地域。

中をくりぬいて住居として使用することも珍しくないということで、高ければそういうホテルもあるわけだ。

ちなみに、こっちの人に「ギョレメ」と言っても通じない。「ゴレメ」の方が近い。日本のローカル呼び、マジでどうにかしてくれ。

予約済みの宿へ移動。その名も「TERRACE HOUSE」へ。

快適なテラスの空間があるからということの様だが、共同生活を通して何か始まるんじゃね？という期待wも過ぎる。

なんとドミの隣のベッドで寝ていたのは、イスタンブールで隣に寝ていた欧米人だった！ま、マジか！始まる……かよ、同性だぞ！！

ダラダラしていると、テラスで日本人、Q女史に会う！おおっ、日本人2人目っ！

そう。ここカッパドキアでも、日本人は見かけない。いるのは欧米人8割、韓国人2割、といったところ。つーか、韓国人多すぎ。

社会経験ということで、親が金出してくれる場合が多いらしい。いいご身分ですね、フフフ。

せっかくだし、と近場の観光地へ行ってみる。

ギョレメ屋外博物館である。

ここはかつてキリスト教系の教会やらとしても使用されており、中はくりぬかれ、天井や壁には多くの宗教画が描かれている。

残念ながら撮影できないが、野ざらしのものはいくつかあった。

内部のものはもっときちんと残っているが、そこはイスラム教国。案の定、目やら顔やらを削られたものが多数。ここから先は特に言わないけどな。

しかし、快晴ということもあり、眺めは最高。

敷地外にも近しいものが多く、住居などとしても使用されていた様だ。背後の雲と形状が似ているかもww

戻ったところで、先ほどのQ女史から、飲まないか、と誘われてテラスへ。

この時期のカッパドキアは昼の日差しが強く、野ざらしに近いテラスは暑い。日が翳った途端涼しくなり、湿度はそんなにないため、日が傾いたこの時分には、過ごしやすい気温に落ち着いていた。

Q女史は小笠原のペンションで働いており、休みを利用してこの辺を回っているらしい。

海と日焼けに必要以上にこだわる、酒好きの人であるw

そこへYさんも加わり、旅話で盛り上がるなか、テラスから見える丘の上に、人影を発見。ボチボチ日も沈むから、行ってみるべと立ち上がる。

坂自体は急だが、20分程度で山頂へ。

おおっ、いい感じ！ギョレメの街が一望できる。

地層の感じとか、たまらんねぇ。

スゲー異国というか、もう別の惑星？スターウォーズのさ、ルークがいた街っぽくね？みたいな。あっこは砂漠か。

街に戻って夕食。豪華にビーフシシとビール（ミラー）だ！18＋10TL。

よく考えたら、今日初の食事wということもあり、うまい！この肉々しい赤身の食感と、インドのマサラ系とは違う、さっぱりとしたスパイス使い。これがトルコのシシか！

ミラーもフレイバーがフルーティな一品で、こっちで一番人気のエフェスにくらべると、香りが強いのが特徴だ。

Q女史が早くも店のオーナーと仲良くなっており、何かサービス満点。さすが、旅慣れているというか、懐に入り込むのが上手な方だ。見習いたいものである。

宿で少し飲み直し。

明日はQ女史が気球に乗るらしいので、Yさんと下から見ようぜ、何てことになりました。

一人旅も楽しいが、旅先で出会った人と行動するのはなお楽しいね。