第百四話 Iが止まらない / 行先あっちこっち…どっち?
出立114日目 インド29日目 ダラムサラ1日目
何度か夜中に起きながら、目覚ましで無事目覚めた。
スマホのGPS機能が働かず、現在地点がわからなかったが、取りあえず準備をして、停車したところでホームに向かう。
目的地なのか、昨日声をかけてくれたインド人に聞いたところ、わざわざホームまで下りて、確認してくれた。
どんだけイイ奴なんだよwww
鉄の箱から一瞬出たことでGPSも始動。まだまだ手前の駅=つまり電車は遅延中であることがわかった。
「次がパタンコートだよ」と丁寧に教えてくれたムスリムらと握手でお別れ。ありがとう、君たちのおかげでインド人を嫌いにならずに済みそうだ。
結局1時間ちょっとの遅れでパタンコートに着いた。
最寄りのバススタンドまで歩き、1時間ほど待つ間にサモサの朝食。
インド人だらけだ。
ここからダラムサラまでバスで3時間半の道のり。
ローカルバスのため、相変わらず乗り降りが激しい。ウトウトしながら、ガタガタ道を上っていく。132R。
到着場所からさらにローカルなバスに乗り換えて、「マクロードガンジ」という地域へ。ここがメインの場所らしい。1時間に1本なので、暫く待って乗車。
発車かと思われたタイミングで、乗客が一斉に下車。ど、どうした!?
何とギリギリでバスが変更になったのだ。
超満員だったため、出遅れた私は、バックパックを抱えて立ち乗りという悪魔状況。オーマイ!
これがグニャグニャの道を行くのだから始末が悪い。酔いそうだしバックパックは邪険にされるし(そりゃそうだ)、ヘトヘトである。
そしてとある地域で停車し、またしても乗客が一斉に下車。ど、どうした!?
どうやらバスはここまでらしく、「あっちのジープに乗れ!」と既に満員一歩手前の小さな車に押し込まれる。
この流れは「地球の歩き方」にも載ってないぞ!
道はここからさらに入り組み、急カーブが続く。
確かにジープの方が有効だろうが……。
路上で停車した。ここが目的地らしい。もう腹も減って訳が分からんくなっていたが、15Rを支払って移動完了である。
街の第一印象は、温泉街。もちろん温泉はないと思うが、ごちゃごちゃと宿やお土産や、飲食店などが軒を連ねる様は、地方で見かけるそれである。
しかし、とにかく休みたい私はさまよううちに見つけた「レディー・べンチャー・ゲストハウス」へ。
ドミが1泊120Rと破格だ。まぁ、改装工事中だがwww
取りあえずもうこれでOK。飯を食いに出かける。
マトンモモスープ90R。
ここダラムサラは、チベット亡命政府があるということで、チベット人たちも多く生活している、つまり、インド人が少ない!
「インド人にもいい奴がいるなぁ」とか言った直後に、彼らから逃げ出したようなところに来てしまったが、結果論である。少なくとも、移動開始後については。
話が逸れたが、そんな訳でチベット料理屋も多いわけである。
そして私は餃子好き=モモ好きなのである。もうサイコー!
マトンというのが斬新だったが、中国のそれと比べると臭みがなく(やっぱあっちは山羊、こっちは羊なんだろうか)、わずかなそれも香草とピーナツで和らいでいるため、嫌みのない味に仕上がっている。
味が薄いのは、どこのチベット料理屋も共通の様だが、コーヒーのブラックと同じ感覚の様だ。
朝からのカロリー摂取総量的にもおそらく足りていなそうなので、喫茶店へ。
欧米人の客だらけの、正確にはイタリアンレストラン、ニックズイタリアンへ。
ここでミルクティーとレモンチーズケーキ。
おお、チーズケーキ美味し!ヨーグルトを彷彿とさせるような爽やかな風味と柔らかな口どけ。まさしく王道!!
合わせて90Rとは……。インド価格としては高いが、日本円に置き換えたら200円行かないんだから、そりゃあ、沈没するわ。
しばらく宿で休んでいると、ドミに新たなメンバーが(ラブワゴンかよ)。
韓国籍の女の子のSちゃんである。
彼女も1カ月程度、インドに滞在中らしい。ドミは2人だけという気まずい展開である。つーか、女の子と同じドミって、いつぶりだ?
日本人宿って、基本分けるからなぁ……。
ラブワゴンかよ。
夕食は「チベットレストラン」でチキンモモ。
今日はモモ祭りなのでふ。
これがうまい!形状的に小籠包風だが、内容も然り。
肉汁がたっぷり詰まっており、しかもチキンなので味が濃厚ながら臭みや嫌みがない、すっきりとした後味。
唐辛子ペーストを付けると、さらに味が引き立った。
ちょっと足りないので、ドーナツも買って帰る。
うーむ、1人だと気兼ねする相手がいないから食う量が増えるなぁ。
まぁ、ダラムサラはダラダラ目的で来たからな、ラブハンドル育成に事欠かんだろう。
そんなおいしい1日でした。