第二百九十二話 たったひとつのEのために / 残す爪痕
出立96~7日目(通算346~7日目)エクアドル22~3日目 ガラパゴス12~3日目 サンクリストバル島2~3日目
買ってきたチョコパンとハーブティで朝食を済ませ、街に出る。
とはいえ、小さな町なので、昨日とさほど変わるところもないだろう。
しかし晴れている!海がキレイだ……。
まずはツアーでも探してみよう、と通りに入っていく。何とかいいものを見つけたが、日曜日のものなので、明日は暇になるのか……。まぁ、いいや、のんびり行こう!
たまに見かける街の名前看板の島版。子どもたちが屯。遠足かな?
と思ったらアシカ。
不用意に近づくと威嚇してくる。さすが地元っ子は距離感がわかっている様だ。
さて、歩いていけそうなところにいくつかポイントがある様なので、そこへ向かうことにする。距離的に、サンダルで大丈夫だな!
「Centro de Interpretaciones」という施設。ガラパゴス諸島の成り立ちを、地形~現在の保護活動に至るまで紹介した施設。
如何にして生物が同時に進化したか、如何にして人が入植したか、現在の経済状況は、という理科社会な内容が紹介されている。途中から流し読みになったのは言うまでもない。
ここから伸びる通路を更に進んで行くと、小高い丘に出る。
おお、いい眺め!水の透明度がここからでもわかる。
遠く「Puerto Baquerizo Moreno」の街も見える。
下りて行った先に海に降りられるスポットが。右隅にアシカがいる。ここで泳げばアシカと一緒もできるね。
アシカが「オウオウオウオウオウ……」って鳴いているの、最初は泳いでいる欧米人のゲップか何かに聞こえて、「汚ねえなぁあ」とか思っていたが、理由がわかって、「汚ねぇ鳴き声だ……」に変わった。
ちょっと登ったところにダーウィン像。座っているおっちゃんは、サンドイッチを食べていたので、倣って持ってきたパンをかじる。
ここからの眺めもいい。アシカやウミガメが泳いでいるのが見えた。しかし海の色が、ソーダゼリーみたいに透き通ってキレイだよなー。こんな色してるのにしょっぱいなんて理不尽だよな。ソーダゼリー味になればいいのに。
高台には機関砲が。エクアドル軍が持ち込んだ、だったかな。
そういえば前述の資料館に、太平洋戦争の影響でガラパゴスにも基地ができたってあったな。ちょっと責任を感じる一方、こんなとこに作んなよ、とアメリカに対しても思う。
ビーチに出た。ここはアシカたちの楽園でもあり、前日のシーライオンビーチにも増して奴らがいる。
「彼氏とアシカとビーチなう」に使っていいよ!
どうでもいいが、仲いいのか喧嘩しているのか不明。まぁ、雄?が私を追い払おうとしたところ考えると、雄雌なんだろうな。
赤ちゃんは可愛い!興味ありながらも少し怯えた様子で、懸命に前に進む。
こちらは波乗りアシカ。陸上でのトロさが嘘のようにカッケえぇえ!土日のお父さんと仕事中のお父さんくらいの違いがある。
木陰には土日のお父さん。まぁ、家族連れだが。
街に戻ってくる。
教会のステンドグラスも、ガラパゴス仕様だ。
宿に戻ったら、奥さんが調理中だった。
肉をさばくときはガンガン来るキャラメルちゃん。
私は優雅なティータイムを過ごしてから、夕飯の調理。奥さんが分けてくれた自家製野菜らで、サラダも付けられた。
前日のマグロはネギと炒めてネギま炒め。味噌汁出来れば完璧だったな!今回もキャラメルちゃんが来たが、今回は多少あげた。なお、その後前足をずっと私の太ももに乗せていた模様。
しかし、醤油って本当に偉大だよね……。
翌朝は、前日に買ったパンで朝食を済ませ、ダラダラしてから昼前に宿を出る。今日も快晴だ。
目当てのカフェはやっておらず、どうも土日は厳しそうなので、諦めて昨日とは反対方向に向かってみる。
空港の脇を通っていく、「Las Negritas」というところだ。5kmくらいの道のりがあり、だだっ広いアスファルトの道が、北海道の様に荒野に延びていく様は、自転車ならよかったかと考えさせられる。
採掘場がある。やはり特撮好きには外せない採掘場。いい感じだが、ここで火薬の使用は許可下りないだろうな。何の話だか。
とはいえ、地層的な面白さもありそうな断面だった。
到着。デカいウミイグアナが岩場に。まぁ誰もいないだろうかと思ったが、ツアーのスキューバ客みたいのがいた。確かにビーチにも接していて、アシカがたくさん。
こうたくさんいると、段々ウザくなってくるな。あの鳴き声もちょっと……などと勝手なことを思ったり。
相変わらず、水はきれい。右下にはアシカの赤ちゃん。1頭で泳いでいたが、魚でも捕ろうとしているのか、単に遊んでいるのか、グルグルと出たり入ったりしている。
そして地図上の情報を頼りに、ビーチの先に進んでいくが、ドンドンエッジの効いた岩場になっていく。アシカはいなくなり、ウミイグアナが大量に表れる。ちょっと茶色っぽいのが多い気がするなぁ。
これなんか、もう大戸島に現れたゴジラですよね。のしのし歩く様は迫力がある大きさ。
一応道しるべはあるが、道らしい道はなく、ビーチサンダルではケガするレベル。
ここがゴール地点からの景色。ひえー、高い。風が強くて波が荒く、ぼやぼやしてると風にあおられて真っ逆さま……なんてことになりそう。
帰りにビーチによって、ぼーっと海とアシカを眺める。水着は持ってきたが、何となく今日はイイや、って感じだ。うーむ、いかんな、完全に飽きてきた。こう、もっと熱心なあれがあればいいんだが、正直、アシカもいっぱいい過ぎて希少性がないというか、まぁ見に来いて何言ってんだって感じだが、なんか一通り見たかなーみたいな。
そんな何度も見なくてよくね?みたいなね。これはいけませんわ。
なんか新しい動物でもいないもんかなー、などと勝手なことを思っていたら、写真に撮れなかったが細い蛇がトカゲを追いかけている所と、
こちらのヤドカリを発見。近づいたら慌てて隠れたので、ひっくり返してみると、
おお、これは鉄壁の防御感!うまいこと出来てるなぁ。しばらくすると動き出したが、蟹に比べるとゆっくりだ。特性が違うんだね。
長期滞在の私に、神様からの粋なプレゼント、といったところだろうか。
街まで戻ってメルカドへ。
土曜日&14時過ぎていたこともあり、開いてる店は減っていたが、その中の一つで「Almuerzo」を。4.5ドル。
スープには肉と、この丸いのは衣のないコロッケみたいな感じのもの。
確か「エクアドルの伝統的な朝食メニュー」みたいな表記で、これが単品でいくつかとコーヒーが並んでいたのを見たことがある。それがスープに―残り物か?
メインは肉と豆。意外に柔らかくておいしい肉だった。食べてる時に子どもたちが話しかけてきた。名前を聞かれていると思って答えていたが、何度も来るので、よく聞くと「○○は英語では何て言うの?」と聞いていた様だ。
向上心があっていい質問だ。しかし生憎、その○○のスペイン語の方がよくわからないんだよ。ジャガイモくらいしかわからんかった。
近くにいたおっさんが「食ってる時に話しかけるのはやめなさい」的な事を言ってくれ、子どもたちは去っていった。このメルカド、一角に遊具スペースがあり、買い物中に子どもたちはそこで遊んでいる様だ。
宿に戻ると、御主人と奥方がテレビでエクアドル音楽の演奏を見ていて、誘われて一緒に眺める。心地よい音色と吹き込む風に、穏やかな午後の幸せな空気に包まれ、ウトウトと軽く寝てしまう。
はっと起きると、「部屋でお休み。付き合ってくれてありがとう」と奥さん。
お言葉に甘えよう。しかし、こういう家庭にお邪魔してる感、いいよね。キューバのオブさんの所を思い出す。
お昼寝して、ちょっと遅めの夕飯。
メルカドで魚買えなかったので、野菜のスープパスタに。昼が意外に重かったしね。
さて、明日は久しぶりのツアーだ。
これで最後。見に行かなきゃ見られない動物を見に行くぜ!
命の神秘が、我を呼ぶ!
第二百九十一話 たったひとつのEのために / 最後の島は奴らのシマ?
出立95日目(通算345日目)エクアドル21日目 ガラパゴス11日目 イサベラ島6日目~サンタクルス島~サンクリストバル島1日目
前日に知らせていたとはいえ、朝5時前からガサゴソやるのは、やはり気が引けますなぁ。
さて、予定通り5時ちょっと過ぎに宿を出る。
何だかんだ安くてオレンジもあって、いい宿だった。
まだ明け切らない、街灯に照らされた道をとぼとぼ歩く。人の姿はなく、これはいいことだが犬の気配もない。これ私以外に船乗る人いるの?ってくらいだが、時折タクシー(荷台付きの厳つい4WD、TOYOTA製)が通るので、港に向かう人はいるのだろう。
しかし、7時には開いている店もあるってことを考えると、もうじき夜も明けるのだろう。
港に着くと、思った以上に人がいた。1日2便だし、当然といえば当然なんだが、みんなもっと早く出ていたのか……。荷物検査も終え、同じ手順で出発。
タクシーボートから。夜明けである。
晴れてるし、来た時よりいいだろうと思っていたが、取り立ててよくなった印象はない。つまり、荒れている。もうあれだ、これがデフォルトだ。
苦笑いで意識を飛ばす。今日は戻す人もいなかったようで、耐えきった。し、しんどい……。
時計を見ると8時過ぎ。今日は2時間で着いたようだ。
ホテルのオヤジと合流し、ATMで無事支払い完了。75ドルだが、5ドルは手数料として渡しておいた。ここまでご足労願ったし。
さて、次の便は14時発。結構時間はあるが、バックパックが重い。
港に預かってくれそうなところはないし……。一か八か、船のチケット買ったツアー会社へ。
店のオヤジがいて、快く預かってくれた。すべてのツアー同じところで手配したし、功を奏したと言えるかもしれないww
イサベラ島から戻ってくると、やはりサンタクルス島は都会だ。洗練されている。
行くところはもう1つしかない。チャールズ・ダーウィン研究所だ。
いつもは隠れている方のリクイグアナが、この日は外へ。どこかの島には赤いのもいるんだって。
この日は時間もあったので、これまで飛ばしていた、調査の情報とかも見ていく。
ゾウガメさんって、植物食べるときに種とかも摂取して、それが糞をするタイミングで10kmくらい移動することで、植物の繁殖範囲が広がってるんだって。大体1回で9種類とか取り込んでいるらしい。
この島最大の陸生動物ということもあり、他の土地での象と同じ対象として捉えられていた―それでゾウガメ?いや、んなわけないか。
なお、野生のゾウガメの中には、GPSを取り付けられたものがあり、移動情報は一般人でもネットで確認できるとか。スゲー時代になったなぁ。
そんな見納めゾウガメ。次の島にもいないことはないが、恒常的に見られる環境ではなくなるのだ。何てこった!
これは他の島も共通だが、イグアナ横切るかもしれないから徐行してね標識。日本でいうと山間部の鹿飛び出し注意とかが近いね。
昼過ぎに船に乗ることを考え、朝食をとって時間を潰す。安かったが、写真映えしない粗末な感じだったのでオミットww
もう一度ゾウガメの顔を拝みに行き、いざ船へ。
これまで曇っていたのが嘘のように、大変晴れている。移動日に限って……
しかしこれで船の揺れは関係なくなるんじゃないか。朝方はともかく、昼ならば……
関係なかったー!富士急からディズニーランドくらい変わるかと思ったけど、富士急内で別のジェットコースター乗っただけだったー!!
気持ち悪くなる前からすぐにダウン状態に置いてダメージを押さえようとする私を見て、既に酔ったと思った船員の兄ちゃんが、後ろの席に移るよう言ってくる。
いや、でも飛沫が……という躊躇の様子を、具合悪くなって動けなくなったと見た兄ちゃんが迎えに来た。くそ、行くしかねぇ!屈強な海の男も手を貸そうとする。イイ奴らだ!全然元気なんだけども!
しかし船の後ろの方が揺れないのは本当で、皆後ろに固まるなぁ、とか思っていたが、それも道理だったわけだ。
こうしてなんとか港に到着。どうも何人か吐いたようだが、こちらは飛沫に当たり、同じ呪文唱えていたこともあって、ちょっとコンドールマンが食料守るためにずぶぬれになりながら耐えていたのを思い出し、島へと移る。
やはり2回連続は応えるな……イサベラ島1日減らして、サンタクルスに1泊しとけばよかったぜ……。
宿はBooking.comで最安の所だが、これまでで最高額になった、民宿的なところへ。家族の生活スペースをお借りしている感じだ。その代わり、個室だぜ!イエイ!WiFiも部屋で使えて結構早いぜ!イエイ!
しかしもう17時になろうという時間なので、慌てて軽い街歩き&食材調達へ。
サンクリストバル島は前2つの中間くらいの発展で、実に過ごしやすそう。
物価もイサベラより安い。と思っていたら、
軒先にアシカ!砂浜からちょっと柵を回り込んだ場所にある民家だ。な、なぜわざわざここまで来たんだ!?
ふと海岸の方を見ると、至る所にアシカが!なんてこった!あんなに貴重っぽい感じで思っていたが、ここにはこんなにおるんかい!
至近距離であくびするアシカ。柵の向こうなので接近しても大丈夫。やはり他の動物よりも人間臭い。
Maps.meで浜辺に「Sea Lions(アシカ)」とあり、なんのこっちゃと思っていたら、
ああ、これね!これは確かにそう書くわ!スゲー数だ。ここはアシカの島だったのか!
メルカドでマグロをゲット。1kg2.2ドルだから、プエルト・アヨラの街より安い。見た目アレだけど今日捕ったっていうから、信じて刺身だ!
宿のお母さんがコンロの付け方を教えてくれ、米を焚き始めたが、そこから諸々の説明が始まった。この間に調理もしたかったところだが……とかやっている内に「ちょっと焦げ臭いわね」ああっ、しまった!
炊き込みご飯みたいにww
とはいえ、マグロの皮の剥ぎ方とかも教えてくれ、大変ためになった。
そして飼い猫がずっとマグロを狙ってきて、家族が追い払ってくれるという、油断ならない調理時間であった。
ご飯と刺身はイイね!と思ったが、やはりというか、さすがにというか、マグロの味に飽きてきたな。いやー一生に一度は言ってみたいセリフだったが、これで満足だ。また食べ続けよう。
とりあえず明日はツアーでも見て、街歩きでもしようかな。
命の神秘が、我を呼ぶ!
第二百九十話 たったひとつのEのために / 金が天下の回し蹴り
出立93~4日目(通算343~4日目)エクアドル19~20日目 ガラパゴス9~10日目 イサベラ島4~5日目
さて、差し迫った問題ができた。手持ちの現金が少なくなってきたのだ。
そんなものATMでおろせよ、と思った皆さん。おっしゃる通りです。
しかしまさか、これが2日に跨る大仕事になるとは、この時は思いもしなかったのだ。
結論から言おう。イサベラ島にはATMはない。
というか、金を降ろす手段がない、と言った方がいいだろう。
目についたATMは既に何年も前に役割を終えた破壊された状態。
それならばと窓口に行っても、おろせないというじゃないか。
うーむ、ツアーはともかく、このままだと宿泊代が支払えないぞ、とホテルのオーナーに相談に行くと、「それなら、○○というホテルでクレジットカードが使えるから、そこで現金にしてもらえ」というのを、スペイン語で言ったっぽい。
しかしレセプションに何度行っても人がいないので、この日は諦めた。
そして翌日、朝食後に訪ねて人がいたので聞いてみたが、できないという。
「あそこの商店なら……」と言われたが、そこもダメ。何でダメかはスペイン語で言っていたので定かではないが、そもそもクレカで決済できないようななんかそんな。
再度オーナーに聞いて別のところに行くもダメ。
こうしてオーナーも途方にくれたのである。ちなみに、このとき宿代がBooking.comで予約した時よりスゲー安くてラッキー(予約時20ドルちょっと、今15ドル)だなぁ、とか思ったりした。
結局、オーナーも明日プエルト・アヨラに行き、そこでおろして渡すという、もうなんか本当申し訳ない解決を見ることになった(まぁさすがに他にも用事があると思うが)。
確かにプエルト・アヨラで受け取った地図では、この島に銀行マークがない。
地球の迷い方にはツアーの紹介しかないので頼りにならないし、数年前のブログ記事でもそのようなことへの言及はなく、ホテルに貼られた数年前の地図には銀行マークがある。
とすると、ここ数年でなくなったのか?他の国のガイドブックには載っている、有名な話なのか?
現地の人々は困らないのだろうか?皆この島で経済が閉じていて、おろさなくても生活できているというのか……?
疑問は尽きないが、その辺の経済事情もガラパゴス進化しちゃったんだから、外部の者がとやかく言っても仕方ないだろう。とにかくこの島では金を降ろすことは不可能なので、しっかり現金を持って島に入ろう。
そして、もし手遅れなら、取りあえずホテル代と船代はどうにかしよう。
幸いどちらもクレカ使えそうなところはあるし、商店は無理でもレストランならカード決済出来て、飯もどうにかなるかもしれないから。
今回のことで学んだことは、私個人としては全く活かす場面がない。そもそも今後島とかほぼ行かないだろうし、地続きなら手はいくらでもあるだろうしね。
さて、気を取り直して、そんな中この2日に見たものを紹介していこう。
まずは飯、5ドル。食うには困らない程度に現金があったのは幸いしたね。前日に行けなかったところ。肉は相変わらず小さいが、スープに出汁として煮込まれた結構大きめの豚肉が入っていたので、まぁいいんじゃないかな。辛味のサルサも野菜多くていい。
初日以来港の方に行ってなかったので、こっちにATMないかなーという淡い期待も持って行ってみたら……
アシカのお昼寝タイム!桟橋にいたんだから、そりゃいるよな。
それにしても気持ちよさそうに寝ている。
こっちなんか完全に休日にソファーで寝てるお父さん。ちなみに雄雌は、、まぁ、あれ見ればわかるよね。1枚目のは親子みたいで、ちょっとしたら寝てる母親からお乳吸っていた。
母親が若干ウザそうにしていたのが面白い。
こちらは小さい子ども?たち。抱き着いている様がキュート。
時折こちらをちらちらと見て、また眠りにつく。なんか哺乳類だからなのか、妙に人間臭くて和む。そしてその間を平然と歩くウミイグアナ。
アシカって魚食うよな。ウミイグアナは食わないのか?まぁ、私なら食わんが……。
そして反対方向のゾウガメセンターで、今日は小さいカメたち。ご飯の時間らしく、バリバリやっていた。器用なもので、前足で抑えて繊維方向に裂いて食べている。
右下の2匹はたくさんあるにもかかわらず、同じものをポッキーゲームの様に食っていた。
太い奴だから、柔らかかったりするんだろうか。片方が咀嚼している間にもう片方が奪って齧り、そいつが咀嚼している間に……というループだ。
夕飯は炊き込みご飯に。これは正解かもしれない。米のパサパサ感がほぼ気にならなくなるし、醤油使うだけで日本感抜群。まぁ、たぶんこっちの食堂の米って油とか塩とか入れてるし、しばらく浸水させるとかやってないんじゃないかな。ともかく、シーチキンとトマト風味で若干洋風、大変おいしゅうございました。
翌日の朝食は、ガラパゴスコーヒーの店でバナナケーキと。
2ドルだが、ボリュームを考えれば、かなり安い。そしてバナナ感やナッツのアクセントがうまい。甘いケーキと一緒の時は、昔ながらのコクと苦みのコーヒーの方が合うよね。
地元民も朝食に使っている様だが、ガラパゴスの経済は内地とは違うのだろう。5ドルの朝食も余裕しゃくしゃくのようだ。
金策に翻弄&不在のオーナー待ちで、ほとんどホテルにいたので、というか若干の足の筋肉痛も来ていたので、これ幸いとハンモックに揺られてダラダラしていたため、もうお昼だ。
これまた5ドル。前日の店の近くで、この日はこれしかないという、ランゴスタのサラダ。
まぁ、米と合うかと言うと微妙なところもあるが、個別の料理としては旨い。スープ残しておいてよかった。これにも結構大きめの肉が入っていて俺によし。
揚げたバナナだが、慣れてくるとこれがないと物足りなくなりそうで、今後恐い。
ウミガメ繁殖センターは閉演間近だったが、これで見納め。17時過ぎると奴らもほとんど動かないことが分かった。
海辺。朝は晴れていたから、このまま行ったら泳げるな!と思っていたが、見事に今日も曇っていた。チェッ、泳ぎたかったな……。
……ということは、そろそろシュノーケリングか?
蟹を見たが、結局撮れたのは横の写真。まぁ、黒いのは確定だから別の種類だろう。
そしておそらく初めての海鳥。
本日の夕飯は、残りの野菜を使ったラーメンライス。
2chのお料理系まとめを見て日本食への思いを高めている私は、今猛烈に家系ラーメンライスが食いたい!天一のこってり雑炊食いたい(そんなものはない)!
さて、明日は先日のプエルト・アヨラに一度戻り、そこから別の島に渡る形になる。
どうでもいいが、5時半チェックイン、6時発って、ちょっと頭おかしくないですかね。
命の神秘が、我を呼ぶ!
第二百八十九話 たったひとつのEのために / 火と石と草のカラフル
出立92日目(通算342日目)エクアドル18日目 ガラパゴス8日目 イサベラ島3日目
火山ツアーは7:15に迎えが来る。
同じ宿のカップルと共に、迎えの車の……荷台に乗るww楽しーなー、荷台。
ツアー会社の前で停車し、同じツアーに行く人間を待つ。といっても、スタート地点には同じ車で向かうことになるので、揃うかとか分乗どうするかとか、そういった事務的な理由だ。
荷台から席に移動出来て、一安心。
車は島の中央方向に向かっていく。前日に登った山から見えた、霧の向こうにある火山に向かうためだ。
集合地点は霧に覆われ、日焼け止めいるかも、と言われていた事態は全くおこらなそうだ。
ここから8kmの道のりを……って8kmっ!?
思ったよりもハードだな……まだ筋肉痛は来てないけど、大丈夫かしら……というこちらの不安はさておき、進んでいく。
ちなみにガイドはツアー会社のオヤジ自ら行う。イタリアのちょい悪オヤジみたいな恰好である。若干の肌寒さも、歩き出すと解消されていった。
火山ということもあり、動物はフィンチと虫くらいのもの。フィンチの鳴き真似をして、オヤジが鳥を呼んでいた。
ということで、基本ガラパゴスの固有種みたいな植物が中心になる。
絵面が地味!
火山ツアーは「Volcan Sierra Negra」と「Volcan Chico」を主に見るツアー。歩き始めて45分くらいで、前者に着く。
「Volcan Sierra Negra」は巨大なカルデラを形成しており、既に活動は停止している。
直径10kmにも及ぶこちらの眺めは圧巻。左隅から出ているのは水蒸気なのか、ただの霧なのか不明だが、蒸らしている途中のコーヒー豆にも見える。見えない?
なんとなく盆栽にでもしたらいいんじゃないかなーって木や、
ひじきが絡まったような木も。
道々に生えているグアバの木。ガイドが捥いで食っているので、一つもらったら、これがなかなかにうまい。
朝早くということもあり、途中の休憩で皆何か食べていたが、私は特に何も持っていなかったので、カロリーが不足していた。なんかトリコを思い出す感じに「カロリーが足りない」って感じだったので、もう途中から私の中でグアバ探しにメインがシフトしていた。
とはいえ、これでエネルギー回復。
道はついに山道から、火山道に入る。
あー、荒涼たる大地にサボテン。サボテンは本当に生命力が強いな。成長は遅いらしく、5mになるまで50年とか掛かるらしい。
溶岩が固まった状態。こちらでは溶岩の状態で名前を分けているらしく、「アハアハ」とかなんとか、どんな意味やねんみたいな名称が飛び交っていた。
遂に「Volcan Chico」へ。かなりカラフルで衝撃的だ。
溶岩の色は主な成分で異なるらしく、黒は鉄、赤はシリコン、黄色は……忘れたな。
白い部分は時間が経った黄色い奴、茶色が黒かった奴で……という新旧織り交ざった構成だ。
他にも細かい違いの解説もしてくれるが、この眺めのすごさが何よりだろう。
火口を見る。既に時間が経っているため、草も生えて更にカラフルに。崩れやすいし、落ちたら今度は地獄の淵だ、なんて言っていたが、確かに結構高さもある
そしてこの眺めである。
遠くイサベラ島北部の、馬の首のような部分も見えている。イサベラ島はいくつもの火山が結びついてできた島ということもあり、この先にも大きな火山が連なっている様だ。
帰り道で先日ゾウガメ繁殖センターであったガイドのおじいちゃんにあった。そうか、ここのガイドか。79歳とは思えない健脚に目を見張る。
「行けるならドンドン行け」というガイドの挑発に乗り、ガンガン進んで帰ってきてしまった。道は霧に覆われ、と言うか雲の中か。全身に霧吹きを浴びせられ続ける感じで、すっかり濡れてしまった。
帰りはホテルまできちんと送ってくれ、14時前に解散。いやー面白かった。しかし腹が減ったので、街へ。
狙っていた店は既に終わっていたが、飲食店街で6ドルの店に。
エビですよ。カリッと揚がっていて旨い。野菜スープにしているためか、メインに金が掛けられるのかもしれない。とはいえ、野菜も摂りたかったので、一石二鳥。そしてオシャレな盛り付けだな。1ドルでこうも違うのか。
ニャンニャン泣いていた猫がついに机の上に。強引に取らないのはいいが、ずっと狙ってくる。絶対にやらんぞ!という激しい戦い。
食後は移動して、「ガラパゴス・コーヒー」の店へ。
先日から気になっていたが、土曜日は閉店に間に合わないし、日曜日は閉まりっ放しだしで初めてになった。
前日に、この店ではないがコーヒー豆を乾燥させている光景を見ていたので、是非とも、と思っていた。1.75ドルと珍しく良心的な金額で、深煎りの昔ながらの味だ。
そういや、プエルト・アヨラの宿でも毎朝コーヒーを飲んでいたが、あれってガラパゴス産だったんだろうか……。
風は少し冷たいが、のんびりと過ごせる。
時間も余ったので、ゾウガメ繁殖センターに向かおう。
今日もフラミンゴたちが屯している。2羽と1羽に橋を挟んで別れていたが、1羽の方が「どこー?」と鳴くと「ここだぜー」と応え、それに従って探すけれど橋には人間がいるしどうしたもんかとやっている内にまた鳴く、と言うのを繰り返していた。鳥頭故に忘れたんだろうか。
そのうちめんどくさくなったのか、2羽の方が返さなくなる。ああ、なんか、人間にもあるな、こういう風景。
我々が去ったら、橋の下を潜り無事に再会していた。良かったね。
ゾウガメセンター。今日は人が多い。
手前のとカメラ目線の奴が口を開いて激しい威嚇合戦。
その様を取り損ねたおばさんが、去った手前の奴の代わりに中央の奴と「戦え!戦え!」と神崎士郎みたいに嗾けていた。自分のフォトジェニックのために、何と浅ましい!
つーか俺の見立てではそいつら異性だから戦わないと思うがな……。
おばはんの奮戦空しく、集合時間だからと退去させられた。
そのあと、手前の奴が「お、人いなくなったな?」って感じで戻ってきて
ハイ、この写真。もう私のために一応やっとくか、みたいな感じだったんじゃねぇかと思わせる様なタイミング。やはり争いを望むものには相応の報いがあるのだよ。
ここのカメは甲羅の形状が少し違う。
本日行った火山「Volcan Sierra Negra」で98年に保護された個体だ。噴火の危機に連れてきたんやろな。
今ではたくさんの子どもが生まれました~とのこと。良かったね。
夕飯は日本から持ってきたさんまのかば焼きの缶詰をここで開封。と思っていたら、なんか爆発?したのか、既にちょっと開いていた。若干酸っぱいが、もういいや。で食べる(翌朝ちょっと荒れたぞ!)。
米の炊け具合もかなりいい。おこげがないのは寂しいが、洗うの面倒だし良かった。
さて、流石に2日で44kmも歩いてしまったので、明日は休ませた方がいいだろう。この島にもスキューバダイビングできるツアーがあるのだが、もうマンタもウミガメも魚も十分見たし、また100ドル払っても感動するかなぁ……という身もふたもないことを思い出している今日この頃。
なにかした方がいいことあったらリクエストくださいww
命の神秘が、我を呼ぶ!