第二百四十二話 M・オブ・デス / ドランク・モンキー・ダンス
出立18日目(通算268日目)メキシコ16日目 プエブラ4日目~オアハカ1日目
移動日である。
S君は帰ってくることなく、メキシカン2人にお別れを告げて宿を出る。
プエブラは意外と近代的な街だった。S君は嫌いだと言っていたが、まぁ住んでる人の好きにしたらいいんだよな。
市内バスでバスターミナルへ。
一番すぐなのは10:45発のだが、570以上する。高い……しかし12時発まで待てば416ペソ。う~む。しかし、時間もないしな。と高いADO社の窓口に行くと「今空いてるのは15:45しかない」なん…だと……?
そもそも選択しないやんけ!と祈る気持ちで残るAU社に行くと、12時の便がギリギリ2席空いていた!そうか。そういえばオアハカは今、祭りの時期で、結構混むんだよな。油断してたぜ……
待合室で1時間半ほど、本を読んだりホットドッグを食べながら時間を潰す。
そして出発。2等バスは狭くて隣の爺さんと肩がぶつかる。そしてトイレもついていないし、モニターも何もない。少し寝てからぼーっと車窓の外に目を向ける。
窓の外の雄大な景色は素晴らしい。
さらっとサボテンが生えている辺が、メキシコ感を主張する。
なんせ6時間に及ぶ移動のため、iPodを使用したが、エキセントリック少年ボーイと景色の取り合わせが何とも言えない。
こうして街に到着後、目的のバスを求めてさまよう。宿は1等バスターミナル(ADO)の近くらしいのだが、バスがなかなか見つからない。
バスの運ちゃんたちに聞くと、親切に教えてくれる。やはりメキシコ人は気がいいんだろう。
しかしホテルの位置を地図上にピン打っていたが、看板が出ていないらしく、1時間は彷徨ってしまった。地元の人間も全く知らない様で、仕方なくコーヒーショップに入ってWifiを使う。
このコーヒー店が当たりだった。オープンカフェで気持ちよく、コーヒーも酸味がある浅めのローストで実に味わい深い。
ついでにかわいい猫までいる始末!めっちゃええとこ見つけた!
ってなわけで無事場所もわかった。皆も住所番号は控えておこうな!
今回は日本人宿「たなばた」へ。ここは昨年末にオープンしたばかりのところで、入るなり夕食時だったらしく(まぁ既に8時近くだし)、ご相伴にあずかる。
夕飯代35ペソで食べれるんだから安い。今回はカレーライス。圧力鍋なら現地の米でもふっくらになるらしい。いい加減トウモロコシに飽きていたので、丁度良かった。
さて、宿は大変きれいだし、オーナー夫婦の人柄も大変いい。飯もうまいし至れり尽くせりだ。驚いたのは、この日の宿泊者は大半が女子ということ。それも妙にキラキラした若い人達で、何やら場違いなところに来たような気分になった。今現在、男子はもう一人だけいて、夕食後に荷を解いていると帰ってこられた。
Jさんは何やら私のおじさんに似た、物腰柔らかく笑顔が素敵な方で、その方からメキシコの酒メスカル飲みまくれる祭りがすぐ近くでやっている話を聞く。
そういえばR君からその話を聞いていた!オアハカの街は結構安全らしいので、21時過ぎにさっそく出掛ける。
ああ、やってます。40ペソの試飲会会場。要は即売会なので、店側も売ろうと頑張ってくるので、そこをうまくやり取りするらしい。
行程が実物で示されている。蒸留酒ですね、当たり前ですが。
アジア人は相当珍しいらしく、というか私しか見かけなかったが、警備員にも話しかけられる。
ブースはとにかく多く、何十とある。そこで少量ずつもらったとしても、全部回ればえらいことになる。メスカルはテキーラみたいなもんで、40度以上の強烈な酒なので、注意しなければ……。
熱心にスペイン語で話されるが、全くわからんww何となく原料がいくつかあるらしいことはわかる。実際、各ブースごとでかなり味が違うし、原料でも全く異なる。うーむ、これはブースがこれだけあるのも納得だな。
会場ではライブみたいなことも行われていて、酔っぱらった地元人&観光客が盛り上がっている。熱を冷ましていると、メキシコ人Jちゃん姉妹に話しかけられる。
妹さんは英語がそれなりに話せるが、お姉さんはそうでもなく、ふわふわした会話をした後、明日また会おう、ということになった。逆ナンやーww
この時の僕は、まだあんなことが起こるなんて、想像もしていなかった―。
彼女らと別れ、再びブースに向かうと、先程入り口でも会ったメキシコ人L君と再び会う。このL君、どことなく吉田類に似ていて、つい一緒に酒を飲んでしまう吉田マジックが私の中で勝手に発動。一緒に回り出す。彼のおかげで英語の解説が付いたりで相当に助かるし、無料分以外の酒もおごってもらった。やっぱ吉田さんはいい人だな(錯乱)!
ブースに並んでいると、酔いの回った姉ちゃんに話しかけられ、踊ろうよ、と誘われる。ああ、さすがラテンのノリというか、積極的だなww
スルーするのも「日本人はそんなもんか」みたいなことになってしまえば申し訳が立たん!踊らされようとも構うまい。同じアホなら踊らにゃ損という言葉もある!
まぁ、ここでも日本人ということが多分に作用したようだ。
かくして11時も回って会場は閉まり始め、L君と一緒に出て、ではもう一軒みたいな流れに当然なり、店はもう開いてないだろうからとリカーショップまで行ってテキーラを購入。
これがL君お勧めで、116ペソするイイヤツだ。おごってもらったこともあり、ここは私が。
日本人宿だから彼を入れるのは無理だし、すぐ近くなので彼の宿へ向かったが、ここも宿泊者以外はダメ、ということで、路上で酒盛りを開始ww
日本の伝統的な音楽が聞きたいというので、「男はつらいよ」と「銭形平次」を聞かせる。日本人ならほぼみんな知ってるからね。
お互いの国の何かを利かせ合ったりしながら、1時過ぎに解散、宿に戻ると、Jさんが一人酒盛りをしていたので、このテキーラを以って合流。互いの酒を飲みながら語らう。
どうもJさんはお店をやっていたりその後はコックをしたりしながら、今回は一年くらい、中南米を回る予定らしい。音楽もやっているというし、ますます叔父に似ている。面白い話とメキシコの鳥の丸焼き料理「ポジョ」のもも部分をごちそうになって、気付けば4時。
ああ、なんか、昼間のやることのなさを取り戻すかのような濃縮具合だったww
さて、明日はちょっと遠出して、それからメキシコガールと会うことになる。まぁ、これかいた時点でもう翌々日ですけどね。
カリブの海が、我を呼ぶ!
第二百四十一話 M・オブ・デス / コンクエストクエスト
出立17日目(通算267日目)メキシコ15日目 プエブラ3日目
今日はチョルーラの街に向かう。
と言っても直線距離で8kmくらいの近場ではあるのだ。ただ、アクセスがややこしく、日本の旅行サイトに載っているものを参考にしようと思っていた。
ただ、昨日のBちゃんとR君と行くことになり、彼らが地元の人間に聞きまくったため、それについていく形になった。
大通りに出てバスに乗り、途中のバス停で下車した。
「S君も向かっているから」ということらしい。しかし待てど暮らせど来ない。1時間待っても来ないので、バスに乗り込むと、連絡を取り合っていたBちゃんと示し合わせて、途中のバス停から何とか乗り込んだ。
この時点で一人旅になれていたために疲労していたが、まぁ、仕方ない。というか、結構みんな海外で通じる携帯持ってるんだね……。
既にお昼を回ってようやく到着のチョルーラ。
1519年にスペインの征服者エルナン・コルテスが、「スペイン以外でこんなに美しい街は見たことがない」と感嘆しながら、先住民の文明を徹底的に破壊するという、サイコパスな行動の始まりの地である。
その中心地がここ。小高い山に見えるが、実はここはピラミッドがあり、それを埋めて教会を建設したのだ。何度も言うが、スペイン人頭おかしい。この頃の倫理観を考えると、イスラム過激派のことを非難できないよな……。
このピラミッドはトトナカ文明の遺跡とされ、「手作りの丘」を意味するトウチウアルベトルが正式名称とか。
5~8世紀につくられ、幅404m、高さ64mで、現存するピラミッドでは世界最大幅、アメリカ大陸では最大のサイズを誇っている。
道なりに登っていくので、ティオティワカンの時の様な感覚はなく、本当に山を登っている感じ。
で、頂上。
Santuario de la Virgen de los Remedios教会は黄色を基調にしたシンプル仕様で、横に売店がくっついちゃってるお茶目な仕様。
これは別にアレなんですが、頂上ということで、眺めがいい。
あちこちにカトリック教会が見える。
奥に見えるのは活火山のポポカテペトルで、頂上は雪に覆われていたが、この日も煙の出ている様が観測できた。
昨日も食した虫さんですが、正式名称チャプリネスといい、ここでも売っている。しかし味見したR君が「やはりオアハカのが一番だな」と一言。たしかに、すぐにそれとわかる。
理由としては、オアハカは草がいいので、栄養状態が違うらしい。へぇ……。
ピラミッド部分は拝観料が必要で、70ペソ。しかしS君が拒否し、メキシカンコンビは学生証でタダで入れるという状況で、何となくまた一人にするのもアレだしと、S君についていくことにした。若いからね、金掛けられないとこはよくわかる。
Bちゃんがいなくなった途端に男の子トークが爆裂し、「おい、あの前の三人だったら誰がいい?」みたいに聞かれた。さらに下関係の単語や夜の誘い文句は日本語で何ていうか、どうせなら素敵なバックパッカーの姉ちゃんに会いたいねーみたいな、もう、ずっとしたかったんだな、そういう話が!状態。20代前半の性欲は仕方ない。
外からも一応ピラミッドの様子は何となく見れる。
「あ、何だ、金髪の姉ちゃんいるじゃん!クソ、入ればよかった!」
S君!!
庭を再現するためにフェンス際で作業する人たちがおり、指揮する女性が英語が話せたため、そのような趣旨を伺う。なるほどね。今や定着したシンボルだ、とR君は言っていたけど、本来の姿を取り戻したい、という思いも少なからずあって当然だろうな。
そういえば、3人に聞かれたのが、「日本人と中国人って、隣なのになんで仲悪いの?」である。微妙なバランスの上で成り立っているとは思うが、対外的にそんな風に見えていたんだな。昔日本が侵略したからだよーと、まぁ複雑な事情は置いておいて説明したら、「じゃあスペインとメキシコと同じだね」と返された。
あー、まー、そうだな。そうなんだが、いや、まぁ他の国がどうとか言うわけじゃないが、取りあえず文明は破壊してないんじゃないかな、わかんないけど。
……スペイン人も肩身が狭いのかなぁ……。
広場で集合すると、メキシコシティでも見たアレがまたやっていた。かわいい女の子が、帽子にお金を集めて回っている。
さて、15時も回り、腹が減った私たちは、メルカド内の食堂を目指す。
S君が「肉ダメ」「辛いのダメ」「チーズもちょっと」という、お前何しにメキシコ来たんだ的なオーダーだったため、メキシカンズが四苦八苦。ようやく見つけたこちらで、ケサディージャ(S君はチーズナシ)を。
S君、発言は肉食系なのにね……
多分親子で店をやっていて、生地もその場で作りつつ、具も選べる。私はチョリソを頼む。太いソーセージを取り出したかと思うと、皮を剥ぎ(えぇっ!?)、細かくして焼いていく。そ、そうなんだ。まぁいいんだけどさ、ソーセージなのかな、それは。
サルサも選べるが、R君に倣って半々にしてもらった。通常閉じているが、中身わかりやすくするために開いてますよー。
生地が黒というか緑なのは、黒いコーンを使用しているため。
メキシコにはコーンが4色あり、黄色、白(屋台で食べましたね)、黒、赤となる。
かつてO君が、これを用いた神様の絵を基に、実はこの4色は世界の人種を表しており、赤は中米等の民族なんだ、という解説をしてくれたことがあった。
日本人が米で国を回していたように、やはり彼らはコーンを中心とした世界観になるんだな。
話は飛びましたが、これ旨いです!チーズがめっちゃ伸び、チョリソも塩気が強いんですが、生地と合わさるとちょうどいい。よく考えたら24時間以上ぶりの食事ということもあり、疲れも溜まっていたので、メキシカンがみんなやるコーラと合わせてみたが、なるほど!ビールがほしい!
R君を通じて、お母さんたちがめっちゃ私のことを聞いてくる。どうやら先日日本のテレビが来た&滅多に日本人が来ないということが理由らしい。そういえば、プエブラに入って以来、日本人はおろか、あんなにアホみたいにいたコリアンも見ない。つーかアジア人をほとんど見ない。何故だ!こんな面白いものいっぱいあるのに!
かなりボリュームがあり、大満足で退店。って待て!これじゃあモーレ料理食えねぇじゃねぇかっ!いや旨かったけどね!どうしようか!
こうして他にも教会見たかったが、何かもう帰るみたいな空気になり、もう教会もいいか、という気持ちになって同意した。
恐らく一人ならもう少し早く着いて、この辺をずっと見て回っただろうな。ただ、だからといってどちらが良かったか、なんてことは言えないだろう。やはり人と行動すると、一人じゃ見れない景色も見れる。旅は水物といえるかもしれないなぁ、なんて考える。
さて、帰りは前述のサイトでは離れたところに行かないとバスには乗れない、とあったが、全然そんなことはなかった。セントロの上の、3と8の道の交差点辺りでプエブラ行と書かれたバスが通りかかるので、これに乗ればいいだけだ。ソカロ周辺とはいかないが、歩いて10分以内の場所に降りれる。
メトロでもそうだが、若者は結構すぐにお年寄りに席を譲る。ガイドを買って出たO君然り、R君やBちゃんもすぐに道を人に尋ね、彼らもものすごく丁寧に教えてくれる。
ぱっと見彫りが深いこともあって怖そうな印象のメキシコ人だが、実はかなりいい人が多いんじゃないか……そんな印象を受ける。
バスを降りたところで一旦解散し、私は先日も見た教会を二つ、もう一度見て回る。何だかんだ、落ち着いて一人の時間ができたのは今日初だ。
宿に戻って寛ぎ、夜のソカロへ。
あー、いい感じだね。
噴水もキレイ。
モーレ料理を食べれるか、歩きながら検討したけど、これは無理だ。。。
ビールを買って帰ったら、R君とBちゃんが戻っていて、メキシコの酒「メヒカル」を飲ませてくれた。
味はテキーラに近いが、少し癖があるかな。中に芋虫というか、リュウゼツランに付くヤツらしいが、それが入っていて、精が付きそうwww
一口入れて口の中でテイスティングし、その後残りを入れると香りが広がっていい。
なお、これにはサル・デ・グサーノというオレンジの粉末が付いており、こいつはその芋虫をすりつぶした&塩とかを混ぜたもので、ウォッカ飲むときの塩みたいな感じで使う。が、風味があるので、メヒカルのテイストが変わっておもしろい。
と、すっかり酔っぱらってしまったが、これらはオアハカが本場らしいので、これは移動が楽しみだ。
明日はオアハカへの旅。ドンドン海が近づくぞ!
カリブの海が、我を呼ぶ!
第二百四十話 M・オブ・デス / プエブラプラプラ
出立16日目(通算266日目)メキシコ14日目 プエブラ2日目
数日蚊に悩まされている。よく考えれば夏だから当たり前なのだが、久しぶりだとウザいものがある。
さて、ダラダラと過ごして出掛ける準備をしていたら、同室のMさんから朝食に誘われた。食べなくてもよかったが、異文化コミュニケーションということで、嬉々としてついていく。
どこでもいいよ、と言ったためか、手っ取り早くて安いだろう、ということで、マックへ。
ひゃー久しぶりだなぁ。メキシカンマフィンみたいものあるが、チーズパイとコーヒーにした。それでも32ペソ。まぁ、海外資本系は仕方ないね。
衝撃だったのは、甘いのヤダからチーズにしたのに、甘かったことだ。チッ、こいつら好きだな、甘いの。コーヒーは日本のマックの方が優秀だ。
Mさんはガッツリ。「まさか昼もそんな感じなのか?」と聞かれた。朝はガッツリ食べるんだな。国籍忘れたけど、体系的にはメキシコ人に近い感じだもんね。何話すかって、自分の国や、これまで行った街やこれから行く国の話、その他諸々である。ま、日本人と一緒ですね。
そうして出掛けたプエブラの街。
プエブラは正式名称「エロイカ・プエブラ・デ・サラゴサ」といい、名の由来は1862年にプエブラの会戦でフランス軍に打ち勝ったイグナシオ・サラゴサ将軍から。メキシコ第四位の都市で、セントロ・イストリコが世界文化遺産に登録される一方で、すぐ脇の道には近代的な通りが広がっている。
天使たちが生んだ街といわれることに因み、街の各所に天使のモチーフもある。
街中にカトリック教会が建ち並び、コロニアル都市の様相もあって、過ごしやすい街だ。
「Catedral Basilica de Puebla」
ソカロ前に建つ、象徴的な建物。1575~1649年に建設され、絢爛豪華な内装で知られるメキシコの代表的な教会。
写真撮っちゃダメって書いてあったので載せられないんですが、まぁ、これは本当にすごい。今まで見たすべての国の中でも随一レベルである。ただ、みんなバンバン写真撮っていたので、検索すれば出てくる気がする……。ああ、やっぱり!コピー&ペーストで検索だ!
「Santo Domingo」
1571~1647年に建造された、これまた豪華な内装が特徴。
特にこっちの、マリア像が飾られたロザリオ礼拝堂がヤバい。壁面から柱、聖壇まですべて精巧な浮彫+金箔張りで、マリア像の冠には多種多様な宝石も使われているとか。
バロックと先住民族の様式が融合した、メキシコ建築の最高峰ともいわれているとか。派っ手派手。その割にはいい感じなのが不思議。
いやースゴイポカーンですよ。派手なのはいいけどね。
他にもたくさんの教会が並ぶ。
こっちはブルー主体で中までブルー。
こっちはオレンジで対照的。
「Templo de Nuestra Senora del Carmen」
何かお祭りだったらしく、内装が違う感じに豪華。
天井の何かの宗教画なんだろう。ガメラがウルティメイト・プラズマ撃ってるとこにしか見えないよ!全然信心ないよ!
通称「砂糖菓子の家」。
18世紀の迎賓館として建築され、今は古代文化や美術の博物館。
屋根の装飾がクリームを載せたように見えることがその由来とか。甘いもの好きだな、本当に。
エルパリアン市場は民芸品の並ぶお土産用市場。プエブラは「タラベラ焼き」や刺繍などで有名でもあり、店のレイアウトはともかく、売っているものはかなりかわいい。
ここの近くで昼食へ。
プエブラはモーレ料理発祥の地とか。モーレ料理といえば、かつてO君らとティオティワカンで食べた時に微妙と称したものだ。いつかリベンジしようと思っていた!
つきだし的に出てきたこちらもモーレがかかっている。おっ!旨いぞ!
甘くなく、スパイスと調和している!これは期待できるぞ!
あ、ちなみにこのテーブルのタイルがここで有名なタラベラ焼きって奴で、内装や外装にタイルを使っているのもこの街の特徴だ!かわいいね!
よくわからんが、モーレって入ってればいいだろ!ってことで「Mole de Panza」70ペソを注文!
なんじゃこりゃあ!
豚の臓物を煮込んだスープですね。ああ、これはこれで食べたかったヤツだ―!うん、おいしい!臓物は柔らかく煮え、スープも決してしつこくない。ライムを絞ればさらに爽やかで、微妙にトルティージャが浮くレベルだ。
呼び込みの姉ちゃんが暇もあって何度も感想を聞きに来る。うまいよ、ねぇちゃん。予想外だったけど。
「メキシコ革命博物館:セルダンの家」
建物に見えるのは銃弾の後だ。1910年の革命2日前に戦闘の舞台になった指導者格のアキレス・セルダンの家。
当時の調度品や豪邸の様子も見れるほか、
室内にも銃撃戦の後が見て取れる。絵だったが、かなり死体が転がったとか。こえー。
ここを出たところで雨が。慌てて走り、「Iglesiade la Comania」とその前の市場で雨宿り。
ここはそこまで華美じゃないね。
市場では地元の名産や天然ソープ、ガラス細工に食料品の他、勝手に造られたっぽい、「悟」と書かれた時計やキャラクターグッズ、錬金術師の時計に海賊王の海賊版など、日本の出版社が見たらブチ切れそうなものがたくさん並んでいる。しかも出来がいい!
意を決して宿に戻ると、昨日二人だったことが嘘のように4人増えている。大したものだ。
この街はマジで英語が通じないので、「やべえよ……」という兄ちゃんもいた。私はどちらも不如意だがな。
兄ちゃん―S君は同じ部屋のBちゃんにスペイン語を習い始めた。Bちゃんは唯一の女の子だが、洗濯物干しているのめっちゃ笑われた。
私はS君―おい、こっちもSだな。じゃあR君で。R君からこちらの虫料理を勧められる。
クリケットと言っていたな。つまりコオロギか。
郷土の人はイナゴ食べたことあるかと思いますが、それより全然食べやすい。めっちゃ乾燥してスパイシーなので、バッチリ焼いたエビの頭みたいだ。オアハカの名物らしいが、メキシコシティから見かけるので、相当フェイバリットなのだろう。ライムも絞ってあって、ビールに合いそうだ。
その後上記の4人でビールを飲みに出かけた。
ちなみに、S君=イスラエル、Bちゃん&R君はメキシコ人だ。日本語はやはり相当特殊らしく、説明の度に意味不明みたいなリアクションだ。あと、意外と私の名前が発音しづらいらしく、もう諦めて名前をもじった「Sol(スペイン語で太陽)」呼びで決着した。もうこれからそれでいいや。
ということで今日のビールはSolでした。店で飲むと倍額の30ペソ。つい2本飲んでもうた。
治安がいいため、帰宅は12時を回った。こんな日もあるだろうなぁ。
明日は少し工芸へ向かうが、夜のソカロも行きたいんだよねぇ。楽しみだ。
カリブの海が、我を呼ぶ!
第二百三十九話 M・オブ・デス / 絶望が俺のゴールだ(言い過ぎww)
出立14~5日目(通算264~5日目)メキシコ12~3日目 サンミゲルデアジェンデ4日目~メキシコシティ6日目~プエブラ1日目
ちょっと調子悪い感じ(風邪かなぁ)を抱えて宿を出る。次の街への移動のため、いったんメキシコシティへ戻る。
時間的に頻繁に出ているのは恐らく2等のバス。324ペソで、1等バスとは100ペソ違う。
どうでもいいけど今の文章、「バスとは」と打とうとした「バストは」って出てきたんですけど、何なんですかね。
1等なら寄り道しないので3時間半とかなんだろうが、5時間以上かけて到着。こういう差があるんだね。トイレはありだけど他は何もなし、座席もグレードが落ちる。まぁ、でも、このくらいなら別に。本当かどうか知りませんが、「地球の歩き方」には「夜乗ると強盗に会うかも」みたいのが書いてある。えぇ……。まぁ、大げさではあるんだろうけどね。
ちょっとありそうな熱を抱えて、先日も泊まった「ペンション・アミーゴ」へ。
同じ部屋にチェックインする。おお、YさんもY君もいるじゃないか、と思っていたら「今日出ます」ええっ!?
何ていうか、微妙に送り出せてよかった?かな?
朝以来なので食事を摂りに。オヤジさんのタコス屋は閉まっており、屋台でトルタスを。12ペソ。
骨付きのもも肉を特製のたれで煮込んだ仕様で、これをタコスと同じような具と一緒に小ぶりなフランスパンで挟むのだ。おお、うまい!肉の感じももちろんだが、パンがうまい。こんなちゃんとしたパン食ったの久しぶりだよ!
スゲーしつこく、明日も来るかおっさんに確認されるww
体調のこともあり、7時前には布団へ。その前に家から持ってきた梅漬けを食べる。弱った時は生まれた土地のものが一番……っておやっさん!ペーストになってる!水分入れてないって言われてたのに!土地に合わせてサルサになってやがる!
同じ部屋には新たにKさんが入室。10年近く務めた企業をやめてやってきた人で、「いやー、ニート最高っす!」と言っていた。まぁ、ニートも続けると疲れるけどね。
Kさんはドローンとか持って旅を始めたとかで、動画で旅の記録を付けていた。これも大変だなー。
翌日も移動日。市場を冷やかしてKさんと昨日のところで飯を食い、宿を出ることに。
その場にいた人たちからこの先の国のことをいろいろ聞く。経験があるのでわかるのだが、行った国のことは教えたくなるもので、情報過多で頭がパンクするかと思った。
取りあえず、南米の南の方はそろそろ観光地が閉鎖されて(冬に入るので)、行っても見られないものが多いらしい。
そうか、じゃあまぁいいや……。
食傷気味になりながらバスで。プエブラ行は東バスターミナルからになるので、これまでとは場所が違う。何社も何便も出しているが、一番時間の近いAU社にした。170ペソ。
これで2時間ちょっと。しかし悲劇はここからだった。
バス停でソカロ行きと書かれたものに乗り、実際に運転手にも確認したのだが、待てど暮らせどつかず、気付いたらバス停と街を挟んで正反対のところまで来ていた。な、何故だ!
折り返していく場所だったのか……と思っていたが(実際、「ソカロだな、ここに座っとけ」と前の席を指示されたので、教えてくれるもんだと思っていた)、結局最後までそんなことはなく、GPSを頼りに「ここ?」ときいたら「あっちだ」と返されて、降りて歩いた。
これで2時間時間を無駄にしてしまった……。路線バスではなく、ミニバスやタクシーの方が確実かもしれない。もしくはGPSを使って、近くまで来たらためらわずに降りること。
そんな訳で7時過ぎにようやくチェックイン。しかし、この宿はおかしい!
なんだこれは!貴族の家の一室みたい。
実際図書室みたいなのとか、昔のバスルームみたいのが同じ様に並んでおり、なんだかリッチな気分だ。
街を軽く散策するも、何だか今日は疲れたので、さっさと部屋に引き上げた。
しかし南米も南の方はいかないとなると、またいろいろ計画を変えねば。というか、メキシコ出国が迫りすぎてるし、チケットの日付、変更しようかなぁ。
カリブの海が、我を呼ぶ!