第二百六十話 Cの時代の愛 / 時代に輝け
出立56日目(通算306日目)コロンビア4日目 ボゴタ4日目
お昼前に宿を出る。日曜日ということもあり、お店は結構閉まっている。
「Museo National de Colombia」はその名の通り、国立博物館だ。
3階建ての各フロアーに先住民族系の資料や美術品、歴史の資料などが置かれている。建物が十字型になっているのも特徴だろう。
そして日曜日は無料だ。これがデカい!というより、無料じゃなければいかなかっただろう!
シモン・ボリバル周りのアイテムが多く展示されている。
天界の扉?潜れる大きさ。
貨幣銀行では撮影禁止だったものに近いものが。これなんだろう。キリスト教周りか?エメラルドとかもちりばめられていたかなぁ。
後半から急速に飽きてきたので、本当に無料でよかった!
トランスミレニオを利用するため、少々歩き、「Pepe Sierra」駅まで。
ここに来てこの乗り物の複雑さを思い知る。
では、わかった範囲で解説しよう。
トランスミレニオは先日も記したとおり、専用レーンを設けられた大型バスで、路面電車のイメージが近い。街の各所に伸びており、大変便利だが、乗り方を理解しなければ苦戦する。
各バスは「J23」の様に、アルファベットと数時から成る。
アルファベット部分がいわば路線で、AとかDとかが「銀座線」や「半蔵門線」に相当する。
次に数字部分だが、同じ路線でも、この部分に寄って止まる駅と止まらない駅が分られているのだ。
つまり、「銀座線12」は表参道に止まるけど赤坂見附は通過、「銀座線51」は赤坂見附と銀座、日本橋に停車してあとは通過、の様になっているのだ。これは決して「快速」や「急行」の様に「主要な駅には必ず止まる」形式ではないのが面白い。
単純な話、効率よく回すための方策の様だ。
加えて主要な路線を各駅停車する数字だけの路線がある(空港から私が初日に乗ってきたのがソレ)。
ちなみに土日はこれらの路線に制限が加わり、日曜日は相当大変。つまりこの日!
まぁ、無事目的の駅に着き、約3kmの道のりを歩いたわけです。まぁもっと近いバスの駅はあるんだけど、体使わないとアレなんで。
「Plaza de Usaquen」を中心に、お土産や食べ物の巨大な市場が立っている。おそらく、日曜日は大規模になるんだろう。手作りのものからお馴染みマリファナクリームまで(警官居るのに……。麻薬王は絡んでいないのか?)、多様な商品が並ぶ。
お昼代わりにエンパラーダ。
トルティージャ生地でコロッケの具材を包み、揚げた品。屋台ではなく、店舗の出店で買ったのが功を奏し、温かい。味は想像していただいた通り。これにサルサを乗せられるが、非常にうまい。1,800ペソ。
店を冷やかして、同じ駅に向かう。実はもう一つ、目的があってこの駅に来たのだ。
ハイ、これです。そうです、メイド喫茶ですね。理由はさっぱりわからないが、日本っぽい名前まで付いている。ここまでお膳立てされていて、行かなかったらコロンビアに失礼なので、おっさんが意を決して―いや、日本の客層的には正しいからいいか―突入。
左側に大型モニターがあり、日本のアニメが流れ、店内には日本のアニメの曲が流れているっぽい(前前前世がどうとかね)。意外にもファミリー層が多い。そうか、オタク向けというより「店員さんがかわいい格好した異国風カフェ」ってことになるのか!?でもマダムだけとか、どういうこと!?
困惑する私の元にお姉さんがやって来た。「オカエリナサマセ、ゴシュジサマ」。
本場の人間が来たからなのか新人なのか、ハニカミながらメニューを渡してくれる。
こ、これはコロンビア人にもそのまま言うのか?ただの呪文詠唱みたいに聞こえないか?
メニューを見ると、大方の予想通り高めだ。メイド喫茶は私も日本で2度ほど行ったが、大きな特徴として、高い割にマズい、というものがある。
ココアなんてお前、森永さんの力お借りすれば小学生でも絶品の作れるのに、どうやったらこうなるんじゃボケぇええええっ!みたいな感じだ。
そしてメニューにはこの国では確実に安パイのコーヒーもない。なんてこった!
ええい、ならばと「Tsubasa no Cake」を注文。そこも日本語か。
ちなみに他のメニューも日本料理系が並んでいる。「Kawaiiが体験できる日本料理屋」みたいな感じなのか。でもラーメンが1,000円オーバーって、どこの意識高い系ラーメン屋だよ(まぁ、仕方ないね)。
どうでもいいけど注文取りに来た姉ちゃ……メイドさん、両腕全体にど派手なV系タトゥーが入っていてミスマッチ。髪黒いかよりもそっち優先じゃねえの?
ハイ来ました。おお、思ったより見た目の完成度高いな。7,920ペソ……昨日のランチと一緒か……
最初と同じお姉さんが、例の「おいしくなるおまじない」をやる。萌え萌えとか言うんだーと聞いていたら、頬を染めてこっちをじーっと見ている。ああ、そうか!私もやるんだね!そうだった、そういうヤツだったな!
無論、これはお料理系じゃないとやってくれないので、図らずして功を奏したわけだ。
そういえばさっき、誕生日の女の子のテーブルの前で、二人のメイドさんが踊っていたっけ。家族連れの人たちの割と低い温度感がなんかつらかったが、こちらも乗り切れなかったから責められない。
しかし……照れながらこんなこと強いられているかわいい子を見るってのは……いいな!ノリノリでやってる慣れた感じより、こういう方がそそ(以下略)
何故コロンビアにあるのか―理由はわからないが、かわいい子+かわいい格好という必勝合体の発想は素晴らしい。VRVマスターも思わずコーヒー牛乳を差し入れするだろう。
ケーキの味は……まぁ、ペコちゃんのほっぺを甘くした感じかな。
これといってすることもないので、というか気付いたが、私この雰囲気苦手だったわ。
なんかこう、「俺何やってるんだろうか」という思いが芽生え、うっかり休憩なしで10kmくらい歩いてたからテンションも持たない!くっそ、失敗した!
こうして店を出るころにはすっかり凹んで出てきたのであった。
最後にお姉さんを撮らせてもらった。いいね!
前述の通り、感じを掴むのに苦労しつつ、ホテル近くに戻ってきた私。既に17時近くだが、このまま帰ったら冥土行っちゃいそうなので、かねてより行きたかった店を目指す。
こちらの店はボゴタのクラフトビールを出してくれるレストラン。日曜日という不安もあったが、無事開いていて、しかもハッピーアワーで安くなっているというから得したものだ。
最初に2種類の試飲用が出てきて、好きな方を選べる。今回はベーシックなこちらのタイプ。もう片方はレモンなどを使っているといっていたが、色が薄く、かなり独特の味だった。
うむ、苦みも酸味もあって、これぞクラフトビールといった感じ。やはりスッキリ目なのがお国というか大陸柄といったところか。
こちらはビール後ろのビラの通り、工場ツアーみたいなこともやっている様なので、興味があれば。おいおい、こういうのやってたらますます出れなくなりそうだな。
料理が運ばれてきた。エンチラーダ、10,000ペソ。
具は数多くあるが、今回は「ほうれん草」に惹かれてこちらに。いや、なんか最近、特定の野菜以外が不足してる気がして……。
具だくさんでさながら太巻き。クリームチーズやサルサのアクセントで飽きずに食べれる。野菜や卵のコンビネーションも抜群だ。
こちらのハッピーアワー(PM4~6時)は2杯で10,000ペソ。本来は1杯7,000ペソだ。
ここのお姉さんも愛想がよかったし、英語で話してくれた。クッソー、ふくよか国の後だからか、余計にハートを抉りに来やがる。コロンビアつえーわ。
とか言いつつ、明日は移動日である。下手すると沈没しそうなので、強い意志で前に進むぜ!
コーヒールンバが、我を呼ぶ!