第二百二十一話 Iと共に去りぬ / 地球の光
出立81日目(通算244日目) アイスランド5日目 ホフン周辺
豪雨に打たれる音で目を覚ます。
これはあまり動けなそうかなーとか思いながら、パン食を済ませ、出掛ける。
しかし、あまりにも暴風雨!
ツンドラ地帯を見るも、降りるどころではない!なんてこった!
滝を見渡せる場所まで来て、お昼におにぎり。
そう、こっちの米は粘りが強くておにぎりにできる!やったね!
それに持参した梅漬けを入れて日本の味!オヤジさん、ありがとう!
意を決して、降りてみる。
ギャーっ!!
先に降りていたので台風中継ごっことかしてから、滝へ。
おお、荒ぶっておる!水の飛沫が!
車移動を始めた最初の日から風は強かったが、そのあまりの強風に、滝が途中で落下をやめ、全て風に飛ばされるという、まず説明のつかない光景を目撃していた……。恐ろしすぎる……。
あまりの強風に思わずTMさんの「White Breath」とソフィアの「街」を1人で熱唱し、踊り狂う。
そうです、昔から台風とかで大ハシャギする子なんです、ごめんなさい。
悪天候に、これ以上の進軍は無理と判断して、引き返すことに。
しかし、ここで悲劇は起こった。
レンタカーのディスプレイに、突然の「タイヤ圧力の低下」マークが表示されたのだ。
いや、この時は何が起こったのかわからなかった。
取りあえず異常を告げるマークがついた→付属の説明書見てみる→ドイツ語の表記
オーマイ!なんだよ、ヒュンダイ!
大慌てで200km近い道をホテルまで戻り、宿で日本語訳→上記原因が判明→確かに後輪から異音がしている。
レンタカー会社に連絡すると、新型ヒュンダイ車は、パンク修理用キットが付いているという。スペアタイヤスペースにタイヤないと思っていたら、そんなものが!
描かれた絵を頼りに何とかやってみて、最寄りのレンタカーショップのある空港を目指す。
走り出したところでマークは消え、空港に着いた際も圧力低下はなかった。一安心。
しかしながらレンタカーショップの支店はなく、近場のガソリンスタンドのおっちゃんが見てくれるから、とそちらへ行くことに。
ここで、タイヤに釘が刺さっていることが判明。これじゃあ、走っているうちに穴がまた開く可能性がある。週末の夕方だが、ギリギリ修理工場が空いていた。
明日から休みというからギリギリだ。
ここの爺さんが無事修理してくれた。「納得していないから」と安くしてくれたが、おそらく元の車自体の歪みだろうな。やれやれ。
釘の出どころはおそらく、脇道に入った時に馬の蹄鉄を固定していた釘が刺さったのだろう、ということだった。うーむ、なるほど……。
まぁ、運は悪かったが、何とか直ったし、運が良かった。
あいにくの天候も晴れ間がのぞき始め、ついには夕焼けを目撃。
雲がピンク色に染まり、空の色とのコントラストでボーダー柄に。
夕飯はパスタ。シーチキンと一緒に似たトマトソースだ。
国際免許不所持の私はもっぱらナビゲーター。代わりにお食事は率先して作るよ!
Aさんが持って来てくれたロゼワインと。ホテルに泊まった時のウェルカムで、そこのハウスワインらしい。うめー。
風呂に入って、そろそろ様子見てみるかー、と外に出てみると、なにっ!!??
お、オーロラ見えとるがな!!
やっぱり、おばあちゃんが言った通りだ。
俺が望みさえすれば、運命は常に俺に味方する。
他の宿泊客にもお知らせ。皆興奮して部屋に知らせに戻る。
しかし、これがオーロラ!は、初めて見た!!
残念ながらiPhoneの画質ではとらえられないので、心のシャッターを切る。
昼までの暴風雨を考えれば、奇跡的だ。
とか言ってるうちに、なんとか撮れたものを画像加工したものがこちら。
あー、ギリギリww
車でさらに移動し、見えやすい暗い所へ。
ちなみに、他の方に「ズッ友だよ!」と言いまくって、戴いたものを加工したのがこちらです。
やばーい。
カーテンがひらひらするように揺らめくオーロラ。時間経過とともに形を変えて、空一面に広がるものが、集まったように凝縮して強い光を放つことも。
ピンク色は光が強くなければ見られないとか。写真では感動は伝えきれない!!
すごいなぁ。
北斗七星と。
スゴイ時は一晩中見れることもあるらしい。
が、この日は結局、以降見えることはなかった。
うーん、懸念されたが、これでほぼ目的は達成されたぞ!
明日は復路である。