第百九十一話 R・アローン / Fade to Black ー君の名は呼ばないー
出立47日目(通算210日目) ルーマニア2日目 ブラショフ1日目
ホテルで猫と戯れてから、出た。
寝苦しかったが、扇風機だけだし、仕方ない。ポーランド人と猫と仲良く出来たのでよしとしよう。
さて、ここブカレストで最も治安の悪い所といえば、何と言ってもNord駅だという。
キメちゃってる奴、ジプシーetc……世紀末都市たらしめるようそがここに、みたいな情報で戦々恐々としていたが、やはり遍く太陽の照らすところ、悪は蔓延らぬ様で、何の障害もなくチケットカウンターまでたどり着いた。
急速に発展し、治安も相乗効果でよくなっているのかもしれない。夜はやめた方がいいのだろうが……
特に差し障りなくチケットも買え、乗り込むが、車両番号を間違えていた。
外に描いてあったところに乗ったが、そういうことではないらしい。ちょっと初見の人間にはルールわかんねぇよ。
ちなみに、
・普通車と快速があるが、ほとんど快速
・1等と2等があるが、微妙に広いくらいの差。
・ブカレスト―ブラショフ間は、2等快速で50.5RON(2015.8現在)
→ 普通車だと半額くらいらしい……
ってことでまとめておく。
さて、ソフィア―ブカレスト間は余裕で遅れると聞いていたが、この移動では定刻通りに到着。車内も特に危険はなかったが、駅とか、インドの鉄道を思い出させる。
車両全然きれいだし、速いし、どこの駅かわかるので、断然いいけどww
駅前からチケット購入し、4番のバスで街の中央へ。地球の歩き方の通りだな。2RON。
自分で穴パンチしないといけない点が変わっているか。ブルガリアもそうだったが。
ホテルチェックインし、街歩きを開始。
ここ、ブラショフの街は、ルーマニア第二の都市にして、中世の街並みも残る古都。
12世紀にドイツの商人が建設し、ルーマニア人とハンガリー人の3民族の手で発展してきたという。
高い所から見るとこんな感じ。行ったことないのでわからんが、ドイツっぽいな、知らんけど。
ってことで名所を訪ねるでござる!
歴史博物館とスファルトゥルイ広場。ステージができ、売店も多く展開している。何かロック的な演奏が聞こえたが、うるさいし景観にあってないからか、ほとんどの人間が無視。
……下手だった?
黒の教会。
街の中央にそびえる65mのどデカい、トランシルバニア最大の後期ゴシック教会で。14世紀後半~15世紀初頭にかけ、約80年の年月をかけて建築されたというクレイジーさ。
しかし、1689年にハプスブルク家の攻撃に会い、表面が焦げてこの異名を持つようになったようだ。もとは白かった辺り、SICキカイダーでのハカイダーマシーンが「白いカラス」→「闇夜のカラス」に名を変えたことを思い出すな。俺だけか!
中は派手なフレスコ画もなく、高い天井に落ち着いた雰囲気。特徴といえば、入り口上にあるパイプオルガンだろう。4,000本のパイプと4つの鍵盤から成るというから、もうどれくらいすごいのか全く分からん!しかしやはりこれもSICキカイダーの……もういいか。
そして、写真だとそんなに黒くないなww
聖ニコラエ教会
ルーマニア正教の教会で、かつての先住ルーマニア人居住区に建つ。
このスケイ門で区切られ、許可がなければ現在の中央あたりには入れなかったらしい。
侵略者はいつも勝手な理屈だな。
町中はいろんないかにも西洋的な景観が目立ち、昨日までの東欧とはまた違うことを実感する。これから先もこんな景観になっていくのだろうか。
これは繁華街。
しかし、お土産物屋の魅力はアジアには劣るな。ああいうカオスでわけわからんものが売っていないのが、ちょっとつまらん。洗練され過ぎた工業的なものは日本で買うしねぇ……
ちょっとした丘に建つ「白の塔」と
「黒の塔」。
街を一望できる、対をなす構造物だ。
最初の写真が白の塔から、黒の教会の全体画は黒の塔からの写真だ。景観ポイントだな!
ヘトヘトになりながら、一度宿に戻り、夕食へ。
宿のねーちゃんに聞いたお勧めのレストラン「ROATA NOROCULUI」へ。
ここが、けっこう、いい!ま、昨日のところが微妙だったから、というのもあるが、店もキレイで料理がうまい!
ルーマニア料理の定番・サルマーレ=ロールキャベツにベーコンやこちらの主食的ポジションの、ママリガ(奥の黄色いヤツ3つ トウモロコシの粉を蒸したもの)。
トマトソースで煮込んだものに生クリームソースをかけた本体に、肉厚ベーコンやバターテイストのママリガと、とにかくどれも絶妙。
まぁ、しし唐的なもんだと思って食べた青いの、辛くて悶絶したけどな。
これでビールと併せて22RON。いいねぇ。
宿に戻ったら、隣が日本人の女性だった。4年も旅しているって……上には上がいるもんですなぁ。
明日はバスで行くところに足を延ばすぞ!