新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百六話 Pのボレロ / 砂上の夢走

 出立116~7日目(通算366~7日目)ペルー12~3日目 リマ5日目~ワカチナ1~2日目

 

 

今日も野菜サンドを食べ、宿を出る。案の定、見送りはないが、つい先ほどまで眠そうにオーナーが頑張っていたので、まぁ、挨拶はできたかな。

 

初日には利用できなかったメトロビアで、「Peru Bus」というバス会社のターミナルまで。

リマ―イカのみかわからないが、いいというので乗ってみた。 

f:id:haruki0091:20171028215225j:plain

こんな感じ。内装はほぼ「Cruz del Sul」と一緒で、個人モニター付き。

映画も見られるが、スペイン語で字幕なしなので、早々に諦めた。ここはマイナスかなー。

 

f:id:haruki0091:20171028215656j:plain

出ないと思って持ってきたおかし食べていたら、一応スナックとドリンクが出た。

ドリンクはコーヒーかソーダを選ぶ形。

WiFiもあり、そこそこ使えたし、充電もできるのでまぁまぁかな。42ソルだったが、「Cruz del Sur」も同じくらいの値段だったので、好みでいいと思った。

 

こうして5時間ちょっとかけてイカという街に。

ここからワカチナは6kmくらいで行けるが、タクシーとモトタクシーのみ。

早速群がるタクシーの運ちゃん。欧米人の後ろで聞いていたのだが、彼女は5ソルで交渉。お、俺と同じ目安だな。ネット見ると7~10ソルで乗っていたので、まぁ、二人とかだが、1人と考えるとそんながいいなと思っていたわけだ。

おっさんが彼女に6と吹っ掛け、5だというやり取り。彼氏は特に何するでもない様で、辺りきょろきょろしているので、そういう割り振りなのだろう。

交渉決裂し、おっさんこっちにやってきて「8ソル」を提示してきた。

おおいっ!お前さっき6でスタートしてたろっ!見てたぞ!てかすぐ後ろにいたんだからわかってただろうがっ!

 

思わず苦笑いしてしまったが、こういう手合いは相手にするだけ時間の無駄だ。差別か、おっさん。

 

そこにやって来た兄ちゃんが、行先を聞いてきたので、値段を尋ねたら5というので、即決。うむ、いいぞ、兄ちゃん。グダグダやって逃すより、数をこなす方が効率いいと俺は思う!

 

兄ちゃんは積極的に話しかけてくれ、しかも「この辺で写真撮るんだ!」と街が見える辺で泊まってくれる。イイ奴だ、兄ちゃん!

 

宿に着くと15時。丁度チェックイン可能な時間だ。これを狙って設定しているのかもしれない。普通にBooking.comで取ったところだが、2泊で58ソル、朝食付きでキレイなドミだ。Wi-fiも早いぞ!逆に、あのリマの宿どんだけ安いんだよって感じだが!

 

f:id:haruki0091:20171028215938j:plain

さて、ワカチナを含むイカの街は、砂漠地帯にある街だ。

中でもワカチナは、泉(人工のものらしい)の周りに発展したオアシスの街で、多くの観光客が訪れるリゾート地だ。

5~10分で見て回れる、おそらくこれまでで一番小さな町。そして、物価が高い。

イカから5kmとかなのに、滅茶苦茶ぼっている。ちょっとそこ行けば安いだろうに、ぼっている。足元見やがって……。

試しにレストランの価格調査したが、定食で30もざら。安い所で10、平均15前後。

 

f:id:haruki0091:20171028220145j:plain

この屋台みたいなところのは9ソルだった。

レンジでチンしてたので、作り置きなんだな。マズくはないが、ペルーで食べた中では最下層だろう。もう少しマシなところもあったので、そこは翌日に残しておこう。

ビールも倍とは言わないが、かなりのもの。ここでは我慢だな。幸い食材もあるので、夕飯は自炊することにしよう。

 

この街一番の目玉は残しておき、あっという間にすることがなくなったが、オアシスだし、のんびり過ごすのが一番だろう。

 

と言いながら、夕暮れを待って砂漠に飛び出す。

砂丘を登って夕日を見ようという魂胆だが、勢いは最初だけ、すぐに激しい息切れだ。

砂に足を取られるとはこのことか。思った以上に体力が削られる。

 

『世界の果てまで』とか言いながら、初砂漠。鳥取砂丘も行ったことないレベルに初体験ゆえ、舐めていましたすいません。

 

それでも息を切らし、挫けそうになりながら登っていく。しかし、微妙に間に合わない!

 

ま、まぁ明日頑張ろう!

もう少し高い所を目指して歩を進めると、途中で帽子を落としてしまった。ハットの宿命、淵が車輪の要領で転がっていく!ああっ!せっかく登ったのに!

もう取りあえず上に行こう!

f:id:haruki0091:20171028220437j:plain

これがワカチナの全貌だ!

ねっ?小さいでしょ?本当に泉の周りに街作ってみました程度。奥に見えるのがイカの街だ。このまま夜景まで粘ってみよう。

なお、帽子は「放っておいたらもっと遠くに行っちゃうよー」という優しい忠告に促され、しばらく後に取りに行った。

 f:id:haruki0091:20171028220723j:plain

もう少し足を延ばして、イカの街。こう見ると向こうは広いなぁ。

 

f:id:haruki0091:20171028220935j:plain

最後にワカチナ越しのイカの夜景。光の川が流れ込んで泉を作っているようにも見える。幻想的。

 

さて、戻ろう。この砂丘を駆け下りていくのが楽しいというが、既に日が暮れて見えなくなりつつあるので、それは明日に回して、来た道を戻る。もう少し前にはやってる奴がいたが、あんな傾斜駆け下りるとか頭おかしいんじゃねぇのって感じだ。ちょっとやったけど。

 

なお、途中で脱いだりしたものの、日が当たっている間は砂が滅茶苦茶暑いので、基本靴で行った。砂がどんどん入り込んできて、これまで感じたことのないフィット感。そりゃああんだけ細かい粒子なんだから、そうなるよな。

なんならグリップ力増して、足を取られる中でも心強いかも、なんて思っていたが、これまた当たり前だが、際限なく入ってくるので、なんか纏足にでもされようとしてんじゃないか、今更みたいな締め付けになり、ちょっと痛いレベルに。

 

f:id:haruki0091:20171028221237j:plain

分かりづらいが、出したらこんな感じ。イマジンに憑依されたかと思うくらい、ズボンのポケットからも砂が落ちる。

 

そしてスマホ。ある意味水没に近い状態になりうる。

私の持ってる子、3年半使ってるんですが、液晶が本体からリトルグッバイしかかってるので、その隙間から入り込む!ああ、電源ボタンが押せないっ!なんてこった!

 

ドミの扉を開けたら、あられもない姿の女子が通りかかって、そっと数歩後退る。女子率が異様に高いから有り得ることだが、少しは気を付けてほしいものである。これだから欧米人は!本当に!ありがとう!!!

 

夕飯は残り野菜でスープにパスタを入れて食べる。いやー久しぶりに動画が見られるWiFiの早さだ。

それにしても、珍しくキッチン使う奴が他に誰もいない……。

 

さて翌朝。

ドミトリーには天窓が付いているので、空が明けてきたことが分かった。

朝焼けでも見ようかと思ったが、気が乗らず、普通に朝の砂漠へ。

 

昨日より飛ばさなかったものの、やはり砂地はキツイ!もうすでに筋肉痛だ!

f:id:haruki0091:20171028221458j:plain

それでも砂以外に何もない光景を見るとホッとする。

昨日は『月の砂漠』を口ずさみながら登ったが、朝と砂漠でいい歌が浮かばない。誰かあったら教えてください。

 

f:id:haruki0091:20171028221724j:plain

ワカチナと砂丘を挟んで反対側にも集落があるが、こちらは観光地ではないためか、いかにも砂漠の街なビジュアル。今にも砂に飲まれそうな……そう、バラージの様。

でも車から「かわいいやかわいいや、ボニートニート」と聞こえてくるので、静かとも言い切れない。ボニートがかわいい的な意味なので、本当にかわいいと言っているかもしれない。ワカチナは特に日本語喋れる奴いるし。やっぱり観光地なんだな。

 

f:id:haruki0091:20171028222006j:plain

イカの街。

同じ様な日の傾きなのに、朝と夕方では印象が違うのは、こちらの気持ちゆえか。

あと、このイカの街を撮るために歩いたところが地味に怖くて足がすくみ、つい這って進んだりしてしまった。

考えてみれば、標高数百m、幅30cmくらいの山の尾根を歩いている(それも足場悪い)様なものなので、怖いは怖いのだ。昨日は暗さもあったが、今日はよく見えるので、余計にアレだ。もう今キーボード打ってる時も思い出したら手に汗が。高いとこ、意外とダメだったのね、私。

 

今日はやったるでーと、駆け降りてみた。傾斜はなかなかなのだが、砂で足首が埋没するので、思ったより速度も出ず、安定感がある。これは結構楽しいぞ!気分的には走るエリマキトカゲ状態。

あんなに苦労して登ったのに、あっという間に下に来てしまった。しかし、筋肉痛がなかなかだな。

 

宿は朝食付きなので、お願いする。

 

f:id:haruki0091:20171028222138j:plain

オムレツとパンにコーヒー、ジュースで、オムレツは中に3種類の野菜を選ぶことができる。最近食べていない野菜ということで、ブロッコリー、バジル、マッシュルームにした。色が地味ww

宿泊者以外は18ソルというからいい値段だ。この街ではパンを買うのも高くつくから、朝食付きの所がいいかもしれない。

 

さて、メインイベントは夕方からなので、その申し込みをして、あとはダラダラと情報集めて息抜き。

大体の人は1泊で去っていくほど、することがないのは疑いようもない。ぶっちゃけ退屈だ。素晴らしいことに。昼の目当ての店は13時からなので、それを待って出かける。

昨日別の店であった、日本人の血が入ったおばちゃんがいて驚く。姪御さんの店だそうだ。日本語を交えて説明してくれた、そのご飯を頂く。

 

f:id:haruki0091:20171028222432j:plain

チキンとジャガイモ、ニンニクの煮込み。10ソル。もう見た目からして、昨日食べたもの+1ソルというのが信じられないが、スープなどはつかないので、やはり他の街よりも相対的に高いことがわかるだろう。他にすることがあってイカの街に行くのであれば、そちらで食べた方が断然お得だ。私はワカチナから出ません!

 

骨付きもも肉も、じっくり煮込まれているため、簡単に身がほぐれる。レーズン?的なドライフルーツのアクセントもいい感じ。量は多少足りないが、味は大満足だ。

 

さて、腹ごなしに少し街を歩こう。

 

f:id:haruki0091:20171028222654j:plain

宿の反対側から。昨日夕方と今朝登ったのはこの背後の砂丘。一部だけだが、結構そびえてるでしょ?あ、でも数百mは盛りすぎたな。反対側はそんな感じなんで!

しかしさすがに日差しが強い。リマで帽子を買ったことが功を奏した。この街でもたくさん帽子売っているが、そこまでぼってはいなそう。

 

ここでぼーっと歩いている鳥見たり、ゲームしたりして時間を潰し、宿に戻ってツアーへ。

 

サンドバギー&サンドボードツアーは、この街の最も有名なアクティビティだ。もう歩いていればこれの勧誘かタクシーのオヤジしか話しかけてこないレベル。ブッタガヤを思い出すバリエーションの無さだ。

砂が熱すぎるため、夕方からのツアーがほとんどだ。宿で申し込んで40ソル。多分どこも同じ値段。

f:id:haruki0091:20171028222806j:plain

今回はこんな、運転手を含めて9人乗りのものだった。バギーというと、レッドホークがバズーカに変形するのに乗ってたっけ。そしてブラストバギーだね。いやーフルブラストアクションは戦隊映画でも屈指の出来というかなんというか、やっぱガトリングは男のロマ…さぁ、出発だ。

 

コースがあるわけではなく、運転手の長年の経験から導き出された道なき道を突っ走る!ジェットコースター的なものを想像してもらえばいいだろう。砂が舞うので、メガネかサングラスをするのがおすすめ。照り返しもあるしね!

 

f:id:haruki0091:20171028223050j:plain

席も後ろに行くほど高くなるため、座高一でも座らない限り、前は見える。

 

坂を上って急な傾斜を降りたり、斜面を放物線を描くように走ったり、一気に駆け降りて跳ねたりと、とにかく激しくて笑えて来る。爽快感抜群だ!動画撮ったけど、まぁ、これは乗ってみないことにはわからんからな!

 

そしてある程度高い所に来たら、記念撮影。

 

f:id:haruki0091:20171028223527j:plain

ツアー参加者の女の子に撮ってもらったぞ!キマってるね!

 

f:id:haruki0091:20171028223752j:plain

f:id:haruki0091:20171028225234j:plain

オアシスから離れてど真ん中まで来ると、本当に砂漠だなぁ、と感慨深い。

 

f:id:haruki0091:20171028224110j:plain

他に日本人居なくてすぐ消えるからって、こういうことを女子の前でするのはどうかと思うなぁ……。

 

またしばらく乗って、いよいよサンドボードのターン。

これはスノーボードを使って傾斜を滑り降りるものだ。少し前までは立ってできたらしいが、事故だか何だかで寝そべる形式のみ。

 

f:id:haruki0091:20171028224253j:plain

こんな感じで滑り降りていく。滑り出すまでが怖さのピークで、やっちまえばもうどうしようもない。

 

最初のところで2回、あと2か所でできるが、ドンドン傾斜がきつくなっていく。

f:id:haruki0091:20171028224659j:plain

2番目でこれ。マジでビビった。滑ってる途中で何故かボードが横に向いてスライド。バランスを崩しかけた。実際にコロンビア人がひっくり返り、サングラスのために流血沙汰になった。砂が入らないのはいいが、転んだらリスキー!

 

最後は更に傾斜がきつく、しかも先ほどの事故映像も生々しいのか、参加者激減。4人だけの参加になった。えっ?私?やりましたよ、そりゃ。金払ってんですから!しかも女子が行って私行かなかったら男が廃っちゃうでしょうに!

という、とても純粋に楽しんでるともいえない理由だが、結果的に楽しめたのでいいんではないでしょうか。もちろんグラサン外して滑りました。さっきスライドしたんで、今回もしましたけどね。何なんでしょうかね。ドリフトしてるみたいで怖いんでやめてほしいんですがね、変なところに力入ってるんですかね。

 

あとは別のコロンビアボーイが母親の名前叫びながら降りてきたのに爆笑したくらいかな。アイツめっちゃ楽しそうだった。

 

そして、砂を吸い出すという荒行で押せるようになったスマホの電源ボタンは、再びいや~んな感じに。こ、これは……いよいよ終わりか、俺のSPライセンス!?一度でも電源落としたらアウトじゃん!!

 

そしてサンセットを眺める。

f:id:haruki0091:20171028224900j:plain

オシャレ写真を撮ってる女子にお願いして、同じ構図で。

 

f:id:haruki0091:20171028225055j:plain

サンセット~

 

懸命に自撮りしようとする一人参加ガールのを撮り、自分のも。

f:id:haruki0091:20171028225418j:plain

トルコのカッパドキアでもやった、かめはめ波!しかし癖のある長髪+ハット+顎鬚で、風都探偵っぽくなるかと思ったら胡散臭いクリエイターみたいになってしまった。アサトヒデトみたいな。

 

f:id:haruki0091:20171028225607j:plain

最後にワカチナの街を眺める。これまでとは逆アングル。こっちの方が高くまで登らなくても泉は入るかも。

 

こうして日暮れと共にツアーは終了。宿に送られるが、再度先ほどのところまで戻って夜景をパシャリ。まぁ、さっき残ればよかったんですけどね。一人参加ガールに話しかけるのに夢中でね。はい、今日のときめきクライシスも絶版だぁ……

 

f:id:haruki0091:20171028225814j:plain

イカの街も写り込むが、まぁいいんじゃないでしょうか。座って眺めてたらバギー突っ込んできて焦りましたけどね。

 

しかし、帰り道に自分の影が砂の上にあったので、驚いて見上げると半月が。砂と夜景に夢中で、昨日は気づかなかった。日本では上弦、下弦というが、流石赤道近く。ほぼ真上にあるので、どちらというのが微妙なところ。

そして再び月の砂漠を歌いながら、街に戻るのだった。

 

夕飯は野菜パスタを作って済ませる。同じツアーに参加した同じ宿の子らは、レストランスペースで食事していた。この街では飲み物とお菓子くらいしか売ってないから、持ち込んでない限りはそうするしかないだろうなぁ。でも夜はもっと高そう。一人旅だと金掛かるだろうなぁ。

 

こうして最後の砂漠の夜は更けていく。

ツアー自体は16時スタートなので、同じルートでも、着いてすぐ申し込めば、1泊だけで済むかもしれない。しかし、せっかくだからオアシスを満喫したい&出来てよかった。

 

さて、明日はかの有名な街だ。実際のツアーは明後日だろうが、過酷なものになることだけは確かだ。零下140度の決戦のセブン状態。どうなる第307話!

 

古代の夢が、我を呼ぶ!