第二百七十三話 Cの時代の愛 / 永遠に美しく…
出立73~4日目(通算323~24日目)コロンビア21~22日目 ポパヤン3日目~イピアレス1~2日目
Kさんと同行し、国境の町を目指す。なんせ遠いもので(8時間かかる)、6時半のバスを目指して宿を出た。
当初予定していた信頼と実績のボリビアーノ社のバスだが、カウンターに人の姿はなく、数社ある中でバスとブースの大きいところを選ぶ。35,000ペソ。
バスは7時前に出発。地元民が多く、旅行者っぽいのは欧米人が一人いるくらいだ。
山道の様だが、運転手が希望者に黒いビニール袋を配るという不穏当な動きを見せたことで不安になり、ジェスチャーで地元民に揺れるか聞いたら、ニコニコしながら、そりゃもう抜群よ!と返す。何てこった!車酔いを警戒するKさんもこれには苦笑い。しかし、行くしかない。
調べれば夜の便もあるのかもしれないが、宿には朝~昼の便しか記載がなかった。まぁ、どのみち私は昼の便で行くつもりだった。
実はこの国境付近、かなり治安が悪いという噂がある。
数年前まで反政府ゲリラが大々的に活動していたというのだ。最大手とは停戦したけど二番手がまだ元気~みたいな話もある。
一方で、こんな話もある。ゲリラも生活があり、平日は仕事をして、週末だけゲリラ活動をしているらしい、というものだ。週末ゲリラ、つまり『血の色クローバーZ』状態。
やる気出して夜頑張らないとも限らないので、昼の便で行けるポパヤンまでやって来たという側面も実はあった。
しかし車内は至って平穏。Wi-fiも遅いが偶に動く。まぁ、山道なんで、小さい画面見てる場合じゃないんですけど、走り出して小一時間で早くも休憩。どうやら朝食タイムらしい。
昨日買ってあったので、それで済ます。トイレは無料だが、やはり品物は少々割高。
バスの写真。なんか雰囲気あるというか、どっちかっていうと東南アジアっぽいイラスト。
ここから地獄の山道。結構寝たけどね。
バスの車窓から。大体右側が景色見れそうだったので、そっち側がおすすめ。
以降はほぼ休憩なしだが、社内にトイレがあり、たまに道端で行商人を乗せるので、食べるものには困らないだろう。
何だかんだで8時間ちょっとでイピアレスに。
バスターミナルカラフル!っていうか寒っ!
そして謎の鳥のモニュメント。携帯ゲームに出てきそう。本当に謎。
宿はブッキングサイトで一番安いところをチョイス。セントロの近くなのだが、このセントロへの道のりがヤバい。
この心臓破りの坂!45度はあるね。
最近の荒行のせいか、はたまたサレントも高地だったのもあってか、取り立てて苦労はなかったが、Kさんは結構きつそうだった。後ほど他の人のブログを見たところ、一気には登れなかった旨の記載が多かったので、これは高地に慣れていないと、重い荷物を背負っての移動は厳しいかもしれない。
イラストがやたら多いイピアレス。カラフル都市にしようとしているんだろうか。
宿は個室の割に安いが、やはり多少はボロい。あと、私の部屋にWi-Fi届かない。まぁ、いいけど。
そこから少々街歩き。コーヒーを飲んで、明日移動のKさんは戻ったので、ここから単独行動。
イピアレスの街は国境の町という割に思ったより大きめでゴミゴミしている。ポパヤンの旧市街の整った街並みとのギャップはスゴイ。そして標高も2,900mとかなり高く、夜は冷え込むらしい。短パンとサンダルで乗り込んだKさんマジ意味不明ww
両替場もあるが、個人の両替商もおり、壁に沿って並んでいる。こんなに並んでいて意味あるのかわからんが、強盗対策かもしれない。
売っているものも観光客向けはなく、日用品がほとんど。そしてインディヘナ系がさらに増え、ふくよかで背が低い人達が多い。美人が減った……
Kさんから日本人女性目線のコロンビア人男性の容姿について聞いていたので気を付けてみてみると、確かに美人が多いコロンビア。が、イケメン率は低い。以前は多いように書いたが、個人的に抱かれてもいいかな、というイケメンは片手で余裕で足りるくらいしかいなかった……より正確に言うと、男に興味がなくて見ていなかったのだが、一体これはどういうことなんだろうか。
広場。謎の像と青白の教会がここのランドマークだろうか。中に入ってみると……
キタコレ!久しぶりの電飾系!東南アジアの寺院でおなじみのこれも、教会だとなんか新鮮。
地味目な印象の多かった北部に比べ、南下するごとに派手になってきたがここに極まれり!って感じ。この分だとエクアドル以南の国もイケイケっぽそう。
バスターミナルの方まで戻ってもう一つの大きな教会へ。
謎の像はまたしても猛禽系の鳥に載っている。コロンビアのビール「Aguila」の名前も、こいつから来ているのかもしれない。
国境行きのタクシーを見にバスターミナルへ一度行ったが、帰りに犬に少し囲まれ、流石にトラウマ発動して動けなくなる。ちょっと前に追い抜いた女性が犬を鎮めてくれたおかげで事なきを得たが、普段は大丈夫でも、吠えられるとやはりキツイ。
一度宿に戻り、夕飯時に再び街へ。
鶏の丸焼き屋さんで、どれがいいのかわからなかったので他の人の頼んでいたのを頼むと、1/4サイズであった。
で、でかい。スープ付きで5,500ペソ。
味付けは濃いめだが中の肉と合わせて食べれば丁度良い。ケチャップやマスタード、サルサもあり、味の変化を付けられる。これをビニール手袋をして豪快に食うわけだ。
うん、旨いに決まってるね!この肉食っている感じ、自分の中の縄文の遺伝子が騒ぎ出す。
手が汚れなくて思いっきりいけるので大変いいのだが、日本で流行らなそうなのは作業っぽいからだろうか。ケンタッキーとかあった方が絶対いいだろ、手袋。
満腹を抱えて街に出ると、もう結構な数の店のシャッターが閉まっている。人は結構いる。特別治安が悪いとは思わないが、いいともいえない雰囲気かな。ビールを売っている店を探したが、開いているのは薬局ばかり。というか、薬局多すぎるぞ。二軒おきとかにいらんだろ。それとも傷がたえないのか……?
翌朝早くにKさんは旅立ったらしい。
私は8時過ぎにはもう宿の工事が始まったこともあり(内装のためか、粉塵がね)、取り急ぎ朝食を、近所のパン屋で。
チーズパンとココナツパン、コーヒーを合わせて1,800ペソ。安すぎる。味もそこそこなので、申し分ない。
さて、イピアレスの観光といえば、やはり外せない場所が「Santuario de Las Lajas」、日本でいうところのラスラハス教会である。
何がすごいって、「世界一美しい教会」なんですって!
来ましたよ、何とかイチ何々な何とか。アイスランドでは「宇宙一旨いホットドッグ」を食べましたね。あれはクリントン元大統領が言ったということがわかりましたが、これは果たして誰が言ったのか!?
そんな疑問を抱えつつ、教会前からコレクティーボに乗る。宿のおっさんは「153」だったかな?と言っていたが、係の奴に聞いたらこれに乗れ、というのがあり、それに乗る。
市民の足として走り回るコレクティーボは小型のバス。1,200ペソで一律料金だ。
なんだかMaps.meで見るとえらい遠いとこで降ろされたが、このタイプはそこまでらしく、バスターミナルとかから出るちゃんとした奴に乗れば、すぐ近くまで行ってくれるらしい。確か2,200ペソとか。
では、世界一美しい教会がこちらです!
うん、遠いね!さっきも言ったとおり、遠いところで降りたからね、仕方ないね。
この教会、大渓谷の中に建っているということもあり、この雄大な景色の中にある。うーむ、ひょっとして、この周りの景色込みで世界一なんじゃないか?
大体3kmくらい歩くことになったが、どうせイピアレスの小さい街じゃあ対して体も使わない。というか、もうこの街でやることはないし、ガンガン歩くぜ!
道の途中にキリスト像。復活でもしてるんだろうか。イイですね、教会行く感を盛り上げてくれる!
突如目の前に学生楽団が。ああ、なんか、サレントでも似た感じでやってたな。ローマ法王が来ていることも影響あるのかもしれない。しかし、コロンビアの若者はあまり彼を好きじゃない、と聞いたが……。
谷をぐるりと回って目的地へ。教会周辺には土産物店が並ぶ。イピアレスにはなかったから、ここでバランスとっているのだろうか。インディヘナっぽいアイテムが多い。ま、写真ないけどね。
さ、お待たせしました、今度こそどうぞ!
このちょっと上からの角度が一番有名か?実際は後ろに見える階段から入ってくるので、いきなりはこの画が見られない。いきなり中に入る感じになる。
たくさんの遊歩道があり、眺めることができるので、そんなに美しいか、様々な角度でちょっと見てほしい。
なんでもどこぞの少女がこの辺差し掛かった時にマリア様の姿が岩場に浮かんだとかで、その部分に教会を建てるに至ったのだ。
正面から。
そこに至る参道にも天使がいっぱいで、楽団を結成。あれ、さっきの子どもたちってひょっとして……
内部。
岩場にマリア様の絵があり、その周りを取り囲む形に。うむ、豪華だね。
ステンドグラスには発見時を表したっぽいイラストが使われていた。
遊歩道を少し歩くと、渓谷を堪能できる。若者たちがよくわからんが群れていたりする。
ガブリエル像も近くに。階段の上り下りで、意外と大変。
パパことローマ法王の立て看板があったので、一緒に写る。なんかすごい感じになるな。
戻ってきて中の椅子に腰かけていたら、ゾクゾク人が集まってミサ開始。ああ、アジア人への視線が強いわ!おそらくこの中に一人だから仕方がない。
それにしても、ギターとか使ってポップな曲で始まったかと思うと、ブルースみたいのが流れたり、なんか讃美歌ばっかだろうというこちらのイメージを見事にブレイクしてくれるなぁ。
スペイン語なので早々に切り上げ、博物館があるという地下へ。
地下には懺悔室もあり、そこには巨大なリリス……イエスが鎮座している。
何だろう、こういう電飾、本当にこれで合っているんでしょうか。
博物館の展示によると、マリア様は最初野晒しだったが、時を経るごとに屋根が付き、あばら家になり、教会になり、それを建て直して今に至るという。400年くらい昔からある由緒正しい感じみたいだ。
他には、教会の模型、よくわからんマリア像のモニュメント、渓谷ということもあってたくさん物が出土するのだろう。
インディヘナ感あふれる、というか見たこともないわけわからん土偶みたいのが並んでいる。これで3,000ペソなら面白いね。
帰りも同じ場所まで戻ってバスに乗る。
セントロに行くと言っていたが、行きに乗った場所には止まらず、おかげで坂の下まで来てしまった。クッソ、皆はMaps.meで確認だぞ!
あの坂は嫌だったが、今度は階段が現われた。また鳥モチーフだ。何なんだろうな。そういえばこの街、やたら鶏肉レストラン多いけど、胃袋でも感じよう、みたいなことなんだろうか。
宿の近くのレストランで遅めの昼食。まぁ、無駄に歩いたりしたからね。
いつもの定食コンボで、スープはラビオリ入りだった。
メインはこちら、牛ステーキ。
硬いかと思ったら意外に柔らかい&うまくてびっくり。これで6,000ペソならいい。
ジュースはラズベリーかな。
さて、もうやることもないので、明日の国境越えの確認と次の国の情報収集を行い、早めの夕飯。
屋台が出ていたので、ここで買う。国境の町でアジア人は珍しいのだろう。カメラ目線の兄ちゃんも積極的に絡んでくる。
翌日の朝食も兼ねて、パン屋でクロワッサンを購入。
結構豪華な感じになったな。
ソーセージはポテトも入って3,000ペソ。
クロワッサンは食べてみたらハムとチーズ入りであった。これで1個500ペソは破格の値段だ。
そして最後なので、クラブコロンビアとポーカーをいただく。
当初は二週間くらいの予定だったのに、気付けば3週間越え。コーヒーと美女が溢れる、素晴らしい国であった。
翌日からは今回4つ目の国にして、初の陸路での国境越えだ。
次回も私と地獄に付き合ってもらう!