第二百二十二話 Iと共に去りぬ / カラフル・アース・カラー
出立82日目(通算245日目) アイスランド6日目 ホフン ~ ヘラ
昨晩の興奮冷めやらぬ中、朝は比較的穏やかな天候だった。
といっても、曇りだが、昨日到着時には見えなかった大氷河が、宿の前から見えた。これは幸先がいいぞ!
朝食を済ませ、昼食の準備をして宿を出る。
まず向かったのは、先日と同じ、ヨークロスアゥロゥン。
先日はサラっとだったので、本日はじっくり。
しかも晴天になり、氷の青さ、美しさに磨きがかかる!
うわぁ、全然違うやんけ!
海に流れ出した氷河を追って、道を渡って海岸へ。
波に打ち上げられた流氷が海岸に散在し、まるで氷の国だ。いや、アイスランドだけどな。
氷は当然冷たいし、無味無臭。透明度は高いので、太陽光を反射して本当に美しい。
再びの氷河。聖闘士星矢を思い出していたのは、私だけだった様だ
ここから移動していくが、こののちも晴天のため、行きと同じ場所でも、全く違って見える。
つまり二度おいしい状態!得したね!!
アイスランドNo.1の巨大な滝、スコガルフォス。
太陽のおかげで虹もかかる。
うわー、キレイ。
展望台もあって滝を見下ろせるが、足元の透けた足場が崖上に突き出しているあたり、悪意を感じる。股がひゅんひゅんするよぉ!
ここに登っていく過程で、ショッキングピンクのウィンドブレーカーに同色のスニーカー、黒いスパッツのふくよかな女性がいらして、使い込んでいたのか、ショッキングピンクの下着がスパッツから透けて見えた。
見えたことよりも、ちゃんと色を合わせているんだなぁ、なんて思ったものだ。
どうでもいいな。
さて、アイスランド移動中はいろんなものを見かける。
数え切れないほどの滝や、巨大な氷河をはじめとした、大自然。
かつてEさんが他国で出会った人は、アイスランドを「カラフル」と称したそうだ。
カラフルと言われると、どうしても韓国人の服の様な、原色系の組み合わせを想起するが、風景写真を見れば、緑にもいろんな緑があり、岩肌や土の色も多種多様。
つまり、アースカラー的な「カラフル」だったのだ。
この見方は、軽くショッキングだった。言われてみればその通りだが、いつの間にか単純な「緑」や「青」で自然を見ていた。そうじゃないものが、地元にもたくさんあるだろうに。
少し反省した。
他にも。牧場の馬や羊、彼らのエサと思われる干し草の塊をラッピングしたものや、白鳥等も見える。動物注意の標識も、羊や牛など多様なところが面白い。
特に、車や、停めて出てきた人間にビビって、お尻を振りながら逃げ出すモコモコの羊はかわいく、近場で撮りたいなぁ、と思っていたら、車道のすぐ脇を走る羊が。
……ん?
なんか角が悪魔的に禍々しいんだが……。
これだけ見ると、全くかわいくない。『羊たちの沈黙』について思いを馳せたくなる。
車は次なる滝、「サルジャランズフォス」へ。
「ファイナルファンタジーっぽい滝」ということだが、やったことがないのでよくわからん。
大方どっかの誰かがブログで言い出したとか、そんな感じだろ。
ま、たしかに加工するとCGっぽくなるけどな。
ちなみにここは滝の裏側に入れて、新鮮&神性な雰囲気が漂っている。マイナスイオンなんて胡散臭いものは感じないが、心地のいい雰囲気を感じる。
今宵の宿はコテージ。
鍋で米を炊く名人Mさんを飯炊き女呼ばわりしつつ、トマトシチューを作る。
うーん、うまい。
外は満点の星空。天の川が見える!スゲー!
思えば、こんなに星のキレイなところ、今回初めてなんじゃないかな。
結局この後粘ったが、2時ごろのわずかに見える程度であった。
しかも最後私だけだったので、iPhoneのみなのでこんな感じ……。
天気が良くても見えるとは限らない……生き物のようだな、オーロラ。
遂に物語はクライマックスを迎える!!