第百九十五話 R・アローン / 小さな古都のメロディー
出立51日目(通算214日目) ルーマニア6日目 シギショアラ2日目
先日のS女史が、朝出かけたようで、朝ごはんにトマトをもらった。
朝市が出ていたらしい。
彼女は今日発つということで、ここでお別れ。
学校の先生と言っていたが、何だかお世話になりっぱなしだったなぁ。
こちらもお昼前に観光に出る。
昨日も通って来た街をのんびり歩く。
ガイドブックで紹介されるもの自体はわずかだが、町全体が観光地のようなものなので、歩くだけでも楽しい。
雰囲気を味わうわけだ。
教会の入り口上にはパイプオルガンがあり、荘厳な曲が流れている。
しかし、ドラクエ的なニュアンスしか感じ取れない私、残念脳。や、なんかさ、広がるんだわー「ぼうけんのしょ」が。
こちらのレストラン、実はかのヴラド3世が幼少期に幽閉されていたところらしいが、今は観光地レストラン。マズくはないらしいが、数割増しの値段を払うほどでもないだろう。
トマトスープ→血のスープとか、そういう寒い感じだろう、どうせ。
時計塔に登る。
14世紀にこの街が商工ギルドの自治都市になったことを記念して建てられたシンボルで、1670年の大火後に再建されている。
最初ここがそうだとは思わなかったわけだが……。
14RON、別途カメラ30RONなので払わず。
ローマ時代の生活用品~18世紀の外科手術用品を展示しているわけだが、時計塔に関わる機械仕掛けの部分以外、超つまらんものしかなかったわ。
ただ、ここからの眺めは素敵。シギショアラの街並みが見渡せ、これから向かう予定の山上教会も見える。
おっと、東京までの距離が記されている!正直ないと思ったが、この先にか……遠いなぁ……。
屋根に覆われて埃っぽい空気の漂う、長い階段を上りきると、そこには山上教会が。
大きいお金しかなくては入れなかったが、覗いたが、下の教会に近い感じだった。
ま、アレなら明日見よう。
パン屋で買ったピザパンとジュースでお昼を公園で。
ぼんやりと人や街を見ながら食べる。
たしかに、この街を観光居ようと思えば、数時間で事足りるだろうが、ここはそういうのじゃない、ロングステイに向いたところだろう。ソフィア・ロスがなければ、もう数日居たかった。
現に同じ部屋のオーストラリア女性、1週間くらいいるらしいし。いいなぁー。
観光が終わったので一休みしていたら、爆音が轟く。雨だ。
ものすごい勢いで打ち付ける大雨。横の屋根がプレハブチックなこともあってか、派手な音ww
少し遅かったら厄介だったな……。
夕食に出る。
昨日のレストランの横で、ルーマニアのフェイバリットスープ「チョルバ・ブルタ」。
牛の臓物が入った、酸味の効いたスープで、出汁は濃厚ながら、サワー系のさっぱり風味。
ニンニクも強烈に効いているので、これは夏のスタミナ食にぴったり。ちょっと塩味濃くしてラーメンかうどん入れたい。パンで我慢するけどな。
ビール併せて20RON(チップ含む)。
満足のいく内容だ。
たまにバイオリンの音が聞こえたりで、かなり雰囲気のいい街。
慌ただしく数時間ステイ→泊まらず移動なんて無粋な真似はやめて、のんびり過ごすことをお勧めする。つーか、今回回った中だと、ルーマニアで一番素敵。
さて、明日は次の国まで一気に移動の予定だが、使用する交通機関が、「結局来なかった」とか「出発時間が超繰り上がった」とか、悪評しかない、クレイジーな会社だ。
無事移動できれば、明後日、そうでなければまだルーマニア。
あ、ルーマニア・モンテ・ビデオの曲効かないと!