第百三十三話 Iが止まらない / 巷に雨の降るごとく
出立143日目 インド57日目 リシケシ15日目
私の心に雨は特に降っていませんが、リシケシは雨だった。
幸い、今日はヨガの予定もない。ただ、ホテルから出ないというのも面白くないので、カッパを着て出かけることにした。
すぐに雨は止んだが、この間にも抜け目のないインド人。簡易なカッパを販売している。
カッパといっても、半透明のゴミ袋にフードを付けた様な代物で、水に突っ込む系のアトラクションで使うものをイメージしてもらえればいい(実際もっとゴミ袋だが)。
以前も行った「Chill Out」というカフェで、マッシュルームタコス、140Rを。
うん、うまいね。当たり前だが、野菜たっぷりで食い応えもある。
ここのウェイトレス・マノージさんはKATさんと仲良しな縁で紹介してもらった。
ネパールから出稼ぎに来ているらしい。
知らなかったのだが、インドとネパールは両国民ともビザフリーで行き来できるらしく、「どれくらいこっちにいるの?」と聞いたら、しょっちゅう帰っている、とのことだった。
そんなもんかー。
本も読んでいい感じだったが、そろそろ河岸を変えるか、ってことで、Little Buddaへ。
ここにはとあるものを食べるために来た。それがこれ。
「Hello to(2)tha Queen」.
イギリス植民地だったことを考えると、妙に勘ぐりたくなるが、「食べる貴方は女王様」ってくらい、すごいヤツ、ってところだろうか。
砕いたビスケットやバナナなどを混ぜた土台に、アイスクリーム、ドーン!さらにチョコレートソースだらーという、かの「チョコボールwithアイスクリーム」と「ボナフィーパイ」を組み合わせた様な、最終兵器である。
(まぁ、店名を冠したさらに高い上位互換みたいなパフェ的なものもありそうだったが……)
これがまぁ、後半特に、色々キツイ。
まずわかると思うが、甘い。もうこれでもかってくらい、甘い。お汁粉に塩昆布付けようと思った奴はマジ天才だが、欧米舌の大雑把さでは、そういう繊細な気配りは期待できない。
そして、土台部分はレンチンするのか、温かい&乳脂肪分が低いアイス→溶けてドロドロ。
ツラい!!
前回、チョコボールwithアイスクリームでアクシズ落とされたくらい衝撃を受けて、人の心の光を世界に示さんといかんなぁ、とか思っていたのに、舌の根も乾かぬうちに地球に向けてコロニーレーザー撃っちゃおうぜ、みたいなのを許してしまうとは、情けないな。
(しかも例えが特撮でないという、趣旨に反した振る舞いもアレだな)
ちなみに、この辺のカフェのほぼすべてで売っている。が、店によってどうもボリュームやらが異なるらしい。が、食い比べるつもりはない……。
そしてここ、毎回私のオーダーをスルーするという、スイーツの他に喧嘩も売ってくる店である。が、この辺ではたまにある。この国では主張しない奴に権利は得られないのだ。
11億人がひしめく、弱肉強食の国家なら、さもありなん。まぁ、ムカつくけど。
再び雲息が怪しいので、早めにホテルに戻る。
案の定、雨は静かに降り出した。
明日もちょっと天気悪いらしい。移動日なんだがなぁ……。
きっとこの街が、私が去ることを嘆いて、泣いてるに違いないわ!というお花畑な加害妄想。
夕飯はキイロイ家食堂(?)でオムライス。
海外にある日本料理扱う店では、ほぼ必ずジャパニーズフードの欄にあり、無性に食べたくなる。
えっ、ってことは、これ、日本食(前にも同じこと書いたかな…)?
移動日といっても明日は夜中に移動して、明後日朝に再びのデリーである。
ようやく肉と酒が!