新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百二十五話 セブン・P / 地球の裏側盆踊り

出立152~53日目(通算402~3日目) パラグアイ4~5日目アスンシオン4日目~イグアス居住区1~2日目

 

 

珍しく8時過ぎまで目が覚めなかった。

そのために幼稚園に向かったマナちゃんとお別れの挨拶ができなかったが仕方がない。どうせあたしの事なんかすぐ忘れちゃうわよ……。

 

朝食と荷造りを済ませてバス停へ。上田夫婦ご両人にも本当にお世話になったところ。最後までご丁寧なお見送りで、感謝だ。

 

さて、大通りまで出た私はバスターミナルに向かうバスを捕まえる。

荷物おろして席に座り、GPSを確認したらもう降りるところだった。は、早い!

 

ターミナル内からはいくつものバスが出ていると聞いていたが、客引きの男に連れていかれると、何故かバス会社の裏口へ。絶対ボラれているので別の所へ。

シウダ・デル・エステまで60,000グアラニー。そういえばメキシコの日本人宿で、「パラグアイのバスは値引き交渉できる」という話を聞いていたのを、バスに乗っている時に思い出したので、皆さんはしてみてください。奥様は「50,000グアラニーくらい」と言っていたので、それくらいまで落ちるのかも。

 

さて、バスはガンガンエアコンの効いた2階建てバス。なのだが、これまでのローカルバス同様に途中でガンガン人を拾っていく。最初は広々2席使えたが、次第に混み合う。

 

映画も流れていないので、音楽を聞いたり、ぼーっとしたりで、結構時間の使い方が余ってしまった。よく休めていたからだろう。ほとんど眠くならなかったことも大きそうだ。

 

そんな中、前日の余りの半あーがーを食べ始めるのだが、これが終わらない。何て量だ。恐るべし。

なお、物売りも結構来るので、食べ物を持っていなくても大丈夫だろう。

 

11時半ごろ出て、大体17時半ごろだろうか。

今回降りる「イグアス居住区」の宿は、シウダ・デル・エステの街から41km地点にあるため、乗る際に伝えておく。GPSを見ながらタイミングを計れば完璧だ。

ビビッて入り口前に早めに出ていたが、それまでの様子を見るに、きちんと呼びに来てくれる。まぁ降りる位置がきちんと伝わっていれば、だが。

 

こうして無事に降り立った41km地点。目の前にはガソリンスタンド。ここから目的の「ペンション園田」には、バスの進行方向左、つまり通りを渡って石畳を進む必要がある。50mも行けば左手に門が見えてくる。4匹の巨大な犬が吠えながら現れるぞ!

 

案の定、この宿も一人。Oh……。一番安い部屋35,000グアラニーにして、取りあえず説明を受ける。

この日は金曜日で、週末だけやっているラーメン屋さんに行くのがよさそうだ。情報ノートを見たり、日記を書いたり……をテラスでしようと思ったら蚊に襲われた。忘れていた。アイツらがいることを!そうなんだよな、夏なんだよ!

 

ということで、開店前に軽く街を見て回ることにした。

 

このイグアス居住区は日本からの移民が多く住む町であり、すでに2,3世も住んでいる。所々で日本語が飛び交い、日本の文化にも触れることができる。

f:id:haruki0091:20171205050906j:plainこんな看板もあったり。うーむ、地面の赤土以外は完全に昭和の風景。

 

 

お目当ての「農協」はしかし閉店していた。18時までだったか。シエスタの時間がある点は南米だが、その表記が日本語でされているのが面白い状況だ。

 

別のスーパーで価格調査。アスンシオンとそこまで大差はない。ビールとワインとお菓子を購入し、宿に戻る。いい頃合いなので、再度ラーメン屋へ。

 

ま、ラーメン屋っていったけど、スナックで、金~日にはラーメン出してます的な感じらしい。即席系以外ご無沙汰の私を、満足させられるかな?

 

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入り口。もうこの時点でここはどこなんだ状態。地球の裏側なんだが。

入ると完全にスナックで、開口一番に「いらっしゃい」と言われて面食らう。まぁ麺食らうわけですけど、カウンターにも日本人がいて、日本語で会話。テレビでは日本の番組。もう訳が分からない。

混乱する私におそらく2~3世の子だろう。日本語でいろいろ説明してくれる。いや、それがさらに混乱するわけだがww

らぱちょ行ってなかったらさらに訳わからんことになってただろうなぁ。

 

ラーメンの中22,000グアラニーを注文した。リーズナブルだな。小~特大まであったし、ライスもあったのでラーメンライスもできそうだったが、いやいや落ち着け。

 

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こちらである。うむ、まさしくラーメン。

鳥をメインにした塩系のあっさりスープで、浮いた油で最初はこってり風味だ。チャーシューに見えるのは鶏肉で、甘辛く煮こまれた柔らかさがスープに合っている。注目は麺で、自家製と思われる。もちもちで日本にもなかなかないタイプだ。うむ、うまいぞ!

途中でビール頼んじゃうくらいに旨い。そして冷やし中華もある様だ。

また、店内では日本食品も売られていて、みそ漬けや梅漬け、さらにイカの塩辛まである始末!うっ、こ、これはっ!思わぬ伏兵。しかしこの量を数日で食いきるのは不可!と諦める。

クリームパンまであって、これには迷ったぜ……。

カウンターにはおじさんたちが並んでマスターと話しているが、彼らも移民。塩辛を初めて食べた話なんかを聞くと、見た目も言語も完全に日本人であるが、やはり違う環境で育ったのだということがわかる。不思議なものだ。

 

ちなみにテレビで流れていたのは録画された「イッテQ」。ブログタイトル的にアレだが、世界の果てまで来て世界の果てに行く番組見なくてもいい気がする。

 

さて、満足した私は宿に戻って一人で酒盛り。

ここを紹介していたブログでもなんか楽しそうだったが、1人ってのがね。あ、でもNHK見られるんで、あさイチ見ながら飲むっていう日本でやったら完全にダメ人間な真似もできた。いや、今まともな状態かと言うと、それもそうなんだが。

 

そこに奥さんが登場。扇風機やら色々設置してくれた。最近は宿泊客自体が減っているそうだ。

 

イグアス居住区には2つの日本人宿がある。このペンション園田と民宿小林と言われるところだ。Jマップにも両記載があったが、メキシコで会った女性からペンション園田を勧められて以来、既に決めてきていたが、どうも最近は小林人気がすごいらしい。あちらの方が新しく、町から離れていることもあって自然が堪能できるのだとか。

ま、確かにこっちの方が年代ものって感じだな。でも人が、特に若いのが多いのも好きじゃないので、これでいいです。時間あれば、両方行くのもありかもしれない。

 

さて、翌日。とりあえず朝からやっているらしい農協に出掛けてみる。

朝といっても8時過ぎ。既に太陽は高く登り、日差しは強い。しかし湿気がないのが幸いしてしんどいほどではない。

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中央公園。鳥居があるが、神社そのものはない。しかし日本感が一気に出る。

 

農協は7時からやっていて、やはり日本人がたくさん。もうなんだろうな、訳わからん。

お弁当も売られていて、焼きそばが安いので買ってしまった。

 

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宿で前日のハンバーガーとで。昼のつもりだったが、気付けば10時過ぎ。朝食だな。

焼きそばは12,000グアラニー。さすがに日本人居住区だけあり、日本食だからって滅茶苦茶な値段ではない。

 

ここを紹介してくれた人も言っていたが、ぼーっと過ごすのがここでの時間の使い方だ。街も取り立ててみるものがあるわけじゃない。まぁ日本人が住んでいるってだけといえばだけだからね。

マナちゃんみたいな子もいないので、動画見たりお昼寝したりでゆっくりと過ごす。

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リビングにはこんなものも。堤チーフ、意味わかるようなわからんような感じです! 

 

さて、そんなことしていたら奥さんが呼びに来た。

「盆踊りがあるけど行きませんか」

そうなのである。実はこの日、たまたまこの街の夏祭りが行われるらしい日で、特に告知もしてなかったらしいのだが、運よく私は居合わせたのである。よっしゃラッキー!

 

庭に出ると「JICA」メンバーとしてパラグアイで活動する若者たちが。そういえば、この日は10人くらい来るって園田さん言ってたな。浴衣女子も見れて満足。今年初浴衣だが、やはり3割増しだな。

 

車に乗っていく彼らを見送って徒歩で中央公園へ。ちょっと距離あるわけだが、7時も回れば涼しいくらいだ。近づくにつれ、祭囃子が聞こえて来る。おいおいマジかよ。

 

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そして中央ステージ。櫓の上には太鼓。お馴染みの「月が~出た出った~」の曲。繰り返しますが、ここは地球の裏側。赤土と時折見かけるパラグアイ人以外は日本だ。

浴衣とドレスっこ混ぜた様なのきているちびっこがかわいい。

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屋台も出ている。日本食も~20,000グアラニーくらいで並んでいる。ちまちま日本食レストランに行く必要なかったな。

 

JICAメンバーが気を利かせて誘ってくれたので、彼らのテーブルに着く。

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こちらが私の購入した鳥南蛮とビール。カリカリ&甘カラダレでいい仕上がり。日本人が背後にいるかどうかで、日本食料理屋はだいぶ違う。

 

研修所が私の地元にあるようで、ここに来るまでの経緯やどんな支援をしているのかを聞く。JICAの人らときちんと絡むのはトルコ~ギリシアの青の洞窟に行った時以来だが、教師や看護師、農業従事者など、幅広い層がいる。こういう時、自分の前職が役に立つものなのか、想いを馳せちゃうよね。

バックパッカーみたいな渡り鳥とは違い、一つ所に根を下ろして活動する彼らの方が、より深くその国を知ることができるのは間違いない。日常的に現地人と触れ合うのだから猶更だ。そういう点が羨ましく感じると同時に、私の様に我慢弱く、落ち着きのない人間には務まらんだろいうなぁという気もする。だっていろいろ見たいじゃん?

 

しかしアレだな。こういう属性の違う、完成された輪の中に入るのは勇気と行動力が求められる。戦隊の6人目というか、追加メンバーが何か尖って個性出したくなるのもわかる気がする。

 

「この機会にたくさん飲んでください」なんて言ってくれていろいろと摘まませてくれたが、お好み焼とかタコ焼き、更に刺身まで食えたのは衝撃だった。内陸国やぞ!

 

この間も盆踊りは続く、いや、まぁ盆じゃないんだが、背中にゼッケンが振られていて、どうやら審査されていた様だ。その結果がアナウンスされている。

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さらに神輿も。スゲーな、これはどうしたんだろう。持ってきたのか、こっちで作ったのか……。

そして仕上げに花火があがる。2000年代の夏の定番曲みたいのが流れ、訳の分からない半端なノスタルジーを感じながら、祭りは幕を閉じた。

 

 

帰り道も一緒に歩き、ペンション園田まで戻って初めて知ったが、彼らは奥にある別の建物にステイしていたのだ。なんか2次会みたいのやるって言ってたが、1回シャワー浴びてみると、今更合流しに行くのもどうなんだろう、という気がしてきた。手元には食べかけのお菓子とビール2本で、特に持っていけるものがない。しまった、流れで行っとけばよかった!

 

しかし同じ国というだけで任地も違う彼ら。ここは大人しく引くのもまたいいのではないかと、見送ることにしたのだった。

べ、別にジードの最新話が配信されてるの思い出したからじゃないんだからね!

 

さて、特に理由もなくあと2日はここにいる予定なので、まぁのんびり行こうかな。

 

輝く自然が、我を呼ぶ!