新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百二十一話 Cの闘い / 深い闇ほど美しい星空になる

出立143~4日目(通算393~4日目) ボリビア10日目 ウユニ4日目 ~ チリ1~2日目 サンペドロ・デ・アタカマ1~2日目

 

 早朝4時半過ぎに宿を出る。

明日は5時出発だったが、30分前はさすがに嘘だろ&待つとなったら寒いだろうと思ってのんびり向かったが、意外にも既にバスはあり、観光客連中は同じ認識だったけど、地元南米っ子は乗り込んで待っていたでござる。サーセン(いや、出発時間前だが)!

 

隣の席は埋まっていたが、英語の話せるおじさまで、ブランケットも確保していてくれた。この時期には大変にありがたい。

さて、バスはほぼ定刻通りに出発。国境の前で休憩。この時も、隣の方がスタッフの言葉を速攻で英語訳してくれた。な、何者なんだ!?

 

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いい感じの景色が見られる。南米もバスの旅が基本だが、アジア圏よりダイナミックな自然が見られるのが魅力的。まぁダイナミックな自然加減だとアイスランドも思い出されるけど、こちらは荒涼とした「カラフルさ」がいい。北欧美女と南米美女、どっちもいいよね、みたいな。

 

休憩後、おじさまと話したのだが、彼はペルー人で、南米の観光ガイドを生業とするフリーランス。以後Jさんとするが、この日はカマラで降りて、飛行機でチリのサンティアゴまで行くらしい。

職業柄か、いつもの旅の話だけでなく、どういうルートでどう行くのかまで聞かれた。

「その手があったか。いいね。自分で決めたの?」と興味津々。さらに「この街は行った方がいい」という情報もくれた。検討していなかったところだが、アクセスのしやすさを考えると全然行けそう。さすがコーディネーターだ。

 

そして国境へ。

さて、この国境、何かと大変だと聞いている。ボリビア側のイミグレはなんてことないのだが……という話。

今回使用したバス「Cruz del Norte」さんはアタカマまで160ボリで、他に聞いたところは120ボリとか。ここに一つ潜むものがある。

どうも話を総合していくと、安いバスは国境で乗り換えがあり、国同士の力関係上、ボリビア側からのバスは待たされる、ということだ。

ボリビア側からのバスはチリから来たバスの乗客を乗せてボリビアへ。チリ側のバスはボリビアからの客を乗せてチリへ運んでいくシステムらしいが、太平洋戦争でドンパチやった戦勝国チリは、敗戦国ボリビアをなめまくっているため、1~2時間平気で待たせるとか。くそ、なんか悔しい!

 

その点、今回利用したバスは多少高いものの、同じバスが直接アタカマまで行くのでそのストレスはゼロ。高いなりの訳があるんですね!

あとどうでもいいけどペルーより南なのにバス会社名が「北の十字架」。「Cruz del Sur」は南十字ですからね、面白いね。

 

さて、ここでの待ち時間がないのでまず第一段階クリア。次ね。

チリ側まではバスでしか移動できないので、短距離乗って降りると、別のバスが既にいた。

彼らが荷物検査している間に、入国手続き。これはあっという間。バス内で何故か税関申告書しか配られなかったが、入国カード無しで終わった。バス会社が何がしかまとめてやっているのかもしれないが、手間が省けた。問題はここから。

 

チリは国境での荷物検査が滅茶苦茶厳しいことで有名。動植物の加工品(食べ物とか毛皮とか)に対して、カバンを開けさせて、かなり綿密に検査する。これは今までにないレベルだ。

まぁ、ペルーとボリビアはコカの葉製品合法だが、チリはNGという、そりゃコカインの原料だからね的な理由もあるわけだ。なので、コカキャンディーも持ち込んじゃだめだよ。日本へのお土産にもできないけど。

 

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まずはカバンを一列に並べて、麻薬犬がこんな感じでチェック。しかし、どうもコイツ、集中力がない。途中で違うところに走りだしたり、まるで落ち着きがない。もうコイツ自身がキメちゃってんじゃないかってくらいだ。

 

最終的にここは誰も引っ掛からなかったわけだが、途中からおもちゃ投げて取ってくるとか、わざと匂いのするカバンを置いて褒めてやるとか、マッチポンプなこともしていた。ま、かわいいは正義だよね。

 

ここから荷物を持って、建物内へ行き、所持品検査。自分はお土産のせいでカバンパンパンだったわけで、開けて検査っていうのが地味に嫌。

この際に税関申告書に嘘があるとどえらい額の罰金になるため、該当しそうならYESにしといて説明した方がいいだろう。

 

持っていたものとしてはコーヒー豆やチョコレートだ。加工してあると概ねいいらしい。日本の缶詰もOK。梅干しは当然アウトなので、持ってきたのはウユニで消費しきった。

また、毛皮だ木製品だと他のサイトにはあったが、少なくともここではその辺は聞かれなかった。ケーナとかアルパカの製品とかも多分大丈夫。空港は知らん。

 

そんな訳でちょっとドキドキの検査も終え、荷物閉めるのも手伝ってくれたので、割とすぐに出発。とはいえ、ここで2時間とか使う前提になった到着時間設定なので、そこは覚悟が必要だ。これで乗り換え待ちまであった日には、おじさんもう……。

 

バスは再出発。直後にお菓子が配られた。あ、皆さん、食事休憩は朝ちょっとしかないので、持ち込むことをお勧めする。もちろん、フルーツとかは国境の前に食べきってね!

 

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この白いのは塩だ。前回の記事でも述べたが、この辺りは超大きな湖で、それが干上がる過程でいくつかの塩湖が出来た~という内の一つだ。

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こっちの方がわかりやすいかな。

多少ある水辺にはフラミンゴとかもいた。Jさん曰く、そこに小さなエビがいて、フラミンゴはこれを取るためにこの辺にいるとか。また、彼らのピンクの体はエビの色らしい。いやー無料のガイドがいてくれてラッキー!

 

こうしてバスはカマラの街へ。Jさんをはじめ、結構な人数が降りていく。なんかあるんだろうなぁ。北部でも治安が悪くて有名とか言うけれども。

 

バスはすぐに出発。だいぶ減った。左側には女の子とお母さんがのっていたが、彼らも降りて行った。若いお母さんだったが、子ども1歳ちょっとくらいなのにチョコ系のお菓子はあげるわ、コーラ飲ますわで、わが目を疑うことしきりだった。お国柄だろうか。健康云々もあるが、こうやってエリートぽっちゃりへの道を切り開かれていくんだろうなぁと何とも言えない目で見ていたものだ。

 

さて、この辺りでだいぶ体調が悪化していた。いやー久しぶりに風邪感が強い。思えば、「全然まだイケるし!」って感じで飛べないハードルを負けない気持ちでクリアしてきたけど、そりゃセブン状態にもなりますわ。「太陽エネルギー作戦」でのナレーションが頭よぎりますわ。セブン上司来ちゃうわ。

とか思いながらバスはアタカマのターミナルへ。

とにかく、宿に向かわねば、とターミナル近くの目押しを付けていたところへ。

1泊9,000チリペソ(約1,610円)。た、高い!急に宿代が倍くらいになったぞ!しかしそうも言ってられないので、取りあえずチェックイン。後で調べて分かったが、アタカマはBooking.com経由の方が安そう。実際2泊目は8,200ペソになったので、参考までに。

これがチリ全体に言えるかは検証が必要ですなぁ。

 

あ、ちなみにチリペソは大体6で割ると日本円っぽい。単位大きすぎるのだるいからどうにかしてほしいよね。

 

ここでしばらく寝て休む。いやー久しぶりにダウンだ。無理しすぎたな。つーかよりにも寄って高い街で……

しばらくして宿代のためにも両替に街へ向かう。

 

f:id:haruki0091:20171126001544j:plainサンペドロ・デ・アタカマは砂漠の街だ。標高2436m。アタカメーニョ族が住み着いたことで始まったという、チリ最古の街。日干しレンガなどでできた小さな町で、1時間もかからずに回り切れるだろう。

 

うむ、なかなかに風情がある。ほとんどがツアー会社とお土産屋で成り立っている。

両替屋も固まっていて、そこへ向かう。一番レートがいいところで1ドル=6.28チリペソ。アタカマはレート悪いらしいので、最低限だけにする。持ってきた米ドルへのチェックが超厳しく、3mmも破れていようものなら弾かれる。絶対アメリカでも使えるレベルだぞ、こら。

 

その足でツーリストインフォメーションに行き、明日出発のバスを扱う会社を聞く。

どうも曜日によって運航している会社が違うことがあるらしいので。

ターミナルまで戻って、明日出発のバス会社に行くが、売り切れ。仕方なく翌日のバスを探す。片方はフルだがもう1個はOKだったので、そちらを購入。とはいえ、翌日移動は不可になったので、高いけどもそれでも「休め」というインカの神かなんかの思し召しだろう。

 

腹も空かないので、この日は薬飲んで寝る。

 

翌朝。ホテルは紅茶とかは無料なので、これと持っていたパンを何とか1個食べる。うーむ、まぁ、薬のおかげで多少良くなったかな。

バスチケットが現金のみだったので、再度両替に行くと、今日は1ドル6.3ペソに。変動するんだな。ちなみに1ボリ90ペソで、こちらもイマイチ!

 

余裕ができたので、観光してみる。

f:id:haruki0091:20171126001631j:plain「Iglesia de San Pedro」。

記録の残る1641年より前から信仰の場になっていたとかで、1951年には国の歴史的建造物に登録されたとか。7年前の地球の歩き方だと白い壁だったが、なんかあったのか。

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中も何か味がある。天井にはサボテンが使われているとか。

 

さて、なんか博物館とかもありそうだが、これは無視してw、お昼ご飯をどうしようか。

この街、宿代だけでなく、飯も高い。安い定食が3,800チリペソ。つまり600円超えてくる感じだ。チリは銀行の手数料が高いので、持っている金の両替で済ませたい。最小限にする以上、こんな額払ってる場合じゃねぇ!

そこで小さい商店に入ってみると、意外にも食品の価格自体はそこまで高くない。宿はキッチン付きなので、これは利用するに限る!

 

ってことでソーセージとトマトを買って帰る。

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パスタの麺は持っていたものを使ったが、これで100円以下に抑えられた。え?後ろにビールが見える?

そう、チリはビールも安い。この物価の高い街でさえ、1缶600ペソと、ボリビアよりも安いのだ。他にもワインが300円くらいからあったり、その辺は大変にありがたい。ジュースより安いんだから。

そうじゃない?体調?いや、アルコール消毒だから。

南米ビールもいろいろだね。これはクリスタルに比べると濃いめだったかな。

さて、することもないので横になる。

 

郊外には「月の谷」とかの観光地もあるらしいが、高いし、っていうかそこまで回復してないしで行かない。つーかラパスで行ったしね、月の谷。

 

夕方に再び街へ。

 

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オシャレな雑貨の店も並ぶ。さすが南米の先進国。洗練されてきたな。Tシャツのデザインも、これまではエクアドルが圧倒的に良かったが、霞むレベルだ。やっぱ都会には敵わないのか……

つーか、お姉さんもきれいだな、おい。

 

民芸品系は意外にもそこまで価格の差は……まぁあるか。他の国で買った方がいいが、これがサンティアゴとか行ったら案外普通の額になりそう……って、アレ?

コカキャンディーとかコカ茶が並んでいる。おい、どうした!?いや、ここも高地だから、その効果のほどは確かに納得だが、国境でのあのチェックは何だったんだ!?

闇が深い。

 

さて、9時過ぎに再びパスタを作って夕食としたが、なんかスゲー腹痛に。な、なにが原因だ(ビールじゃね?)?まぁいいが。

 

こんな状況で何しに来たんだよ、と思われるかもしれないが、ここアタカマは高地で乾燥している=空気が澄んでいるため、旅人の間で「世界一の星空」が見られると言われているのだ。

また来たよ、世界一。もうお前らのいうこと信じてないが、言われた以上は行くしかあるまい。

実際、星空を見るツアーも多数取り扱われている。内容としては、郊外の一軒家に行って、望遠鏡を覗きこむのだ。ガイドの解説とコーヒーやらワインやら飲み放題、みたいな。2時間で3,000円以上ということで、それどうなんだ的な話もあるが、私としては、体調があれなので、断念。

「っていうか暗いとこ行けば見れるよー」という話もあり、今回街から少し距離のある宿にしたのにはその目論見もあった。

といっても明るかったが、それでもだいぶキレイに見える。まぁ、環境的にウユニのサンライズツアーで見た時の方が良かったが。

夜中に起きた時にまた観てみたが、明かりが減った分、よりきれいだった。このことを以って語るには多少語弊が生まれえるが、「確かに世界一の星空が見えそう」な環境だった。

 

とはいえ、どこで見るかより、誰と見るかじゃないですかね!つまりどこで見ても私ぁ暗黒だよ!

 

心に闇を抱えていないものなどいない。闇があるから光がある。心に闇の無い者に、世界を照らすことはできない。見せてやるぜ、俺のスーパースター!

 

 

輝く自然が、我を呼ぶ!