新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百十六話 Bの贈り物 / チチカカの輝き

出立134~5日目(通算384~5日目)ペルー30日目 プーノ3日目~ボリビア1~2日目 コパカバーナ1~2日目

 

パソコンの不調で上げるの遅くなったよ。

 

7時発のバスということで、6時半前に宿を出る。既に外は明るく、歩いている人もいるので、特に不安なこともない。歩いて2kmもない道のりだ。

 

ターミナル使用料(微塵も浸かってないけど)1.5ソルを支払い、バスを待つ。

てっきりラパス行と一緒だと思っていたが、別のバスで、何ならこちらの方がいいバスだ。

 

さて、昼くらいには着くと聞いていた今回のバスは、「Tour Peru」さんで20ソル。左側の席にすると窓からチチカカ湖が見えると聞いていたので、前日にこれで予約していたが、乗って見ると結構ガラガラ。やはりオフシーズンなのだろう。

 

バスは少々遅れて出発。

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湖岸からついたり離れたりするが、基本的に景色はよい。

 

イミグレカードが配られるので、これを記入していくが、結構わからないと言うか、英語の訳が結構雑な気がするんだが、まぁ、地球の歩き方見れば余裕だと思っていたら、7年前とはまるで違ったでござる。当たり前だね。

 

3枚もあったので割と時間がかかってしまったが、取り立ててすることもないので、いい暇つぶしだと思う。

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車窓の風景は流れていく。雲を見ると、標高が高いことがよくわかる。なんか近いよね。さすが富士山より高いだけはある。

 

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心なしかボリビア側の方が水の透明度が高い。

 

イミグレの手前の街でトイレ休憩と両替所。イミグレでごたごたしないための配慮だろう。なかなかいい会社だ。

20ソル=40ボリビアーノ、40ドル=268ボリビアーノに。まぁ、そこまでレートは悪くないかなぁ。

 

何だかんだ3時間しないくらいでイミグレーションに。

他人様のブログだとえらく混んでいた様だが、ここでも5分くらいしか並ばなかったかな。

 

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そして国境!もちろんジャンプで越える。右に見えるのは教会。入ってすぐの所にあるなんて、何だろう、結界的な印象を勝手に受ける。ペルーに吸血鬼でもいるんだろうか。

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 入国時に使いたかったよね……

 

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日本語表記もあるが、使えないトイレ。ペルーはアレだが、ボリビアも繋がり深いんだろうか。この奥にイミグレがある。

ここも特に問題なく通過。バスが開くのを待って、乗り込む。老夫婦がえっちらおっちらと乗り込んで出発かと思ったら、コリンボーイ2人がイミグレに向かってのんきに歩いている。うんこでもしてたのだろうか。さっき行っとけよ!

 

運転手に促されて小走りに乗車。直後に発進したので、マジアイツらだけだったんだな。まぁ、5分も待ってないからいいんだけど。

 

そこから15分もしないでコパカバーナへ。てっきりバスターミナルでもあるもんだと思っていたら、路上に停車。おお、いきなりペルーとの違いを見せつけて来る!

 

下りた印象も、かなり貧しくなったイメージ。とはいえ、ペルー最初の街チクラヨでも同じことを思ったので、国境の地方の街なんてこんなもんかもしれないね。

 

宿はあらかじめ目星をつけたところへ。やはり予約していない方が安いようだ。

荷物を置いて、いざ街の散策へ!

あ、言い忘れてましたが、ボリビアはペルーよりも1時間早い。日本とは13時間差というわけだ。

そう考えると、今朝6時が既に明るかったのもうなずける。だって湖の反対側は7時なんだもの。

 

バスターミナルのある広場から、湖と反対側に進むと、巨大な教会が見えてきた。

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「Tienda de Imagenes de Iglesia」

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16世紀にここを訪れたスペイン人は、この美しい湖畔を聖地とすべく、このムーア式のカテドラルを建てたようだ。以来ここは周辺の巡礼先となり、特に8月上旬の「湖の黒い聖母祭り」や独立記念日、4月上旬にカルナバルが開催され、信者が多く詰めかけるとか。

内部は撮影禁止だが、ボリビアで最古の祭壇が置かれ、1570年代に造られた褐色のキリスト像が祀られている。

 

あ、ちなみにこの広場、アルマスではなくムリリョ広場です。

 

反対側の道を湖に向かて降りていくと、メルカドがあった。イマイチ安い所がなかったので、ここで昼飯にする。

 

入ってすぐの所のおばちゃんに呼び止められて、決める。

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スープは酸味がある、トロっとしたもの。ここではっきりとわかった。ペルーの料理は旨かったんだな、と。

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メインはこちら、ブルセーラとか言ってた気がする。なんか最近アレだな、期せずして下ネタ連呼してる気がするが、どうもインカ帝国の辺は日本語と相性が悪いな。

つまりハンバーグみたいなもので、これは結構おいしかった。芋が2種類付くのも斬新だし、何よりボリュームがすごい。これで13ボリビアーノ(1ボリビアーノ=16.4円、大体17円なので、半分にするとソルになるイメージ。つまり6.5ソルくらい)。

味はね、決してマズくはないが、ペルー後というのが良くない。

なんというか、単純な塩味とかで、出汁というか旨み成分みたいな概念が抜けている気がする。あと、机の上の辛味調味料が辛さを押さえた豆板醤って感じだ。

 

さて、腹も膨れたので、散策再開。海の方へ抜ける。この辺は観光客向けの店も多い。

実際、ラパスとプーノの中継地みたいなところなので、国境をまたいで、ボリビア各地やペルー各地に向かうために、夜行のバスを待つ人も多いのだ。ま、僕は2泊するけどね!f:id:haruki0091:20171117203502j:plain

メインの通りも土産物屋が多いのが特徴的。

 

さて、大変に狭い街なので、これでもう一通り見れてしまった。まだ14時前……。

忘れないうちに明日以降のチケットを取ろう。

翌日の朝にこの街ほぼ唯一の観光地への準備を整え、ついでに同じ会社でラパス行のバスを予約。どうも直接バス会社のオフィス、みたいな概念が無いようだ。まぁ、そもそもバスターミナルがないからね。

宿に戻る途中で、コリアンボーイズにあった。宿を探しているようだったが、金額を伝えると行きたいというので連れていく。というか君ら、調べてなかったんかい。

 

宿で情報収集して、再び街へ。といっても、パン屋でもないかなーとか軽い気持ちでもう一周したくらいだ。

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港を奥まで進んだら、レストランが。これが宿の女将さんが言っていた「マス料理を食べるならここ!」ってところか。よし、夕食は決まったな。

 

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更に進むと、湖畔に2つの像が。おそらくマンコ・カパックとママ・オクリョだろう。

……もうちょっとママ・オクリョに気を遣ってやれないものか。

 

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よくわからん顔面像も。しかも街の外れ。信仰対象としてのマンコ・カパックなんだろうが、これはなんかアレ、弄ばれてないか?

 

帰りに土産物屋を物色。当たり前かもしれないが、ほぼプーノと同じものが、同じくらいの価格で手に入る。この中の一つで、オヤジさんに「コリアン?」と聞かれて日本人だと答えると、がっしと肩を掴まれ、「日本人か!よく来た!」と店の中へ。

翻訳アプリを駆使して、いかに日本が好きかを熱弁する。

どうもドキュメンタリー番組が偶に流れているらしく、技術力や文化、教育面で非常に感心しているらしい。

ボリビアは20年は遅れている。子どもへの教育も見習って取り入れるべきだ!」とアツい。なんか今は斜陽気味っていうかもう結構ヤバいんだよねーと申し訳なくなる気分だ。

「俺は行きたいところが2つある。日本か、火星だ」というジョークもかます。なんかこう、「日本スゲー!」って番組が好きな人が聞いたら大喜びしそうな外国人である。

勿論お世辞ではなく、他の客が来ている時も会話の方に力が入っている(しかし接客も決して忘れない)辺り、ガチだね。そして真面目だ。

 

というわけで買い逃したものをここで購入。ここまで言われたらね!

 

さて、宿に戻って荷物を置いて、よい時間になったので夕食に向かう。

 

先程の湖畔の屋台街から、7番の店へ。どうもマス料理のバリエーションが多そうだった&閉まり始めた店の中で、客がいるのでまだ営業しているっぽいのがそこだったからだ。18時くらいから閉まり始めるんだな。f:id:haruki0091:20171117203937j:plain

マスのバターソテー、25ボリ。値段がそこそこするだけあって、1匹丸々、それもデカい。

そこそこといってもウロス島だと2倍近いしね。

一口食べた瞬間に広がる、ジューシーで繊細な魚の風味!うまい!うまいぞ!金額違うとはいえ、今までとはレベルが違う。

そして魚と見るや煮るか揚げるかしかしない南米料理への素晴らしいアンチテーゼになっている。「焼いた魚食いてぇえええええっ!」と常々思っていた私には、まさに渡りに船。あ、うまいこと言っちゃ……微妙に言えてないな!

 

満腹になったのに、帰りにビール買っちゃう私。いや、ボリビアビールの味も知っとかないと!

f:id:haruki0091:20171117204004j:plainボリビアビールもまぁまぁ種類があるっぽいが、今日はこちらのPASENAに。南米らしいすっきりテイストで、苦みが残るのが印象的。この街では、小が10ボリ、大が12ボリなので、地方価格かもしれないが、ペルーよりは高い。

ちなみに手前2つはボリビア生産のスナックで、インポートものより圧倒的に安い。思わず聞き返すレベル。クラッカー2ボリ、ウエハース4ボリ。

 

翌朝、港に向かうと、既に人が集まり始めていた。

いくつか船があるようで、別れて乗船。予定から20分ほど遅れて出発した。

目指すは太陽の島と月の島。この街のほぼ唯一の観光資源で、街を歩けばバスチケット化、ここへの船のチケットを売ろうと声をかけられる。基本的にどこで買っても30ボリだが、バスチケットを買ったところでは、25ボリにしてくれた。

船は8時半発と13時半発があり、プーノから来た観光客は13時半の船に乗れば、17時半に戻るので、18時半発の次の街行きのバスに間に合うようにできている。

ところが、どちらも金額は同じでも、サービスが大きく異なる。

片道1時間半かかるため、13時半発は太陽の島到着後1時間で出発してしまう。

ところが、8時半発は同じ料金で、月の島1時間、太陽の島2時間の時間がとられている。圧倒的に午前発が有利!

 

そういうわけで出港。では2つの島に着いて説明しよう。

チチカカ湖マンコ・カパックとママ・オクリョが降り立ったことは先にも述べたが、正確にはこの太陽の島がその地とされている。2人はここから旅に出て、クスコを中心としたインカ帝国を築いた、とされているのだ。つまりインカ帝国始まりの聖地。勝手にインカトレイルの身としては、行かぬわけにはいかない。

 

距離的には大したことはないが、船の速度がゆっくりのため、1時間半の時間を要する。急ぐ旅人にはイライラだが、のんびりの人間には実に心地よいクルーズだ。船の上にも出ることができる。

雲の低さと空と湖の青さで、非常に気持ちがいい。ウトウトしてしまう。やはりペルー側よりも水がきれいな気がする。

一気に月の島かと思ったが、まずは太陽の島へ。

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ここにはホテルもあるので、デカいバッグを抱えた人の姿も。

どうも人によっては月の島には行かず、ここで4時間過ごすらしい。思いのほか人が降りたためか、別の船の人員と合流。乗り換えた船で出発だ。f:id:haruki0091:20171117204129j:plain

月の島までは30分程度で着く。それにしても空が青い!

 

入島料10ボリを払って、上陸だ。f:id:haruki0091:20171117204202j:plain

まず見えてくるのがこちらの遺跡。太陽の処女の館の様だ。さすがインカ帝国。ぶれないね。

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反対サイドには神殿。花が添えられているので、今も信仰の対象なのだろう。土産物を売る女性たちの姿がある。おそらく、太陽の島と同じ、アイマラ語を話すインディヘナだと思われる。しかし土壁風になっているので、これまで見てきた遺跡とは趣が違う気がする。

ここから展望台に向かえる。

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途中から。先ほどの遺跡と、遠くアンデス山脈が見える。こうやって見るには、太陽の島より月の島の方が近くて良さそうだ。

 

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途中、リャマを連れたおじさんが。照れくさそうだったが、このリャマも荷物を運ぶ足。日本だとピンと来ないが、3000mを越えた高地では、きちんと家畜としての機能を有しているのだ。

 

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石積み越しの太陽の島。これも遺跡なのかもしれないが、羊を囲っておく場所として使われていたりするので、本当の所は不明。いやーしかし、空も湖も青い!

 

端まで行って戻ると丁度1時間くらい。いい塩梅だが、そこそこの登り階段なので、高地に慣れていないと地味に辛い気がする。

 

帰りはなぜかもう少しかかったが、続いて太陽の島。

行きと違うところに降ろされたが、目の前に遺跡あるからいいか。

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「Pilko Kaina」と地図ではなっているが、何だろうな。月の島のもだが、石の積み方がインカによく見られた、きっちりした形ではない。

 

ここから石段を登っていく。なんせ最初に寄った港まで戻らないといけないので、疲れた人もそんなこと言っていられない。まぁ、ほとんど座って船に揺られていただけだが。あれゆっくりだから酔わない点はイイよね。

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高いとこまで来た。遠く月の島とアンデス山脈、手前には小島が見える。それにしても空と湖が(以下略)

 

太陽の島の展望台を目指して歩くが、面倒な人はそのまま港へ降りていく。あっという間に振り向けばロンリネス、振り向かなくてもロンリネス状態に。慣れてます。

 

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港から40分ほどで展望台へ。よくわからん石が積まれている。

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流石は展望台とされているだけあり、360度見渡せる。絵面一緒なんで省略しますが、非常にいいですよ!

 

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帰り道、家畜だろうロバと羊の大群が道に。熱心に草を食っている。なんかアルパカもだが、普段ふわふわしたイメージがあるだけに、妙な迫力があって若干引く。

 

下っていくと、遅れてこちら側に歩いていた人らの波に合流。

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更に下っていくと、「インカの泉」が。水源不明。若返りの泉と言われているというが、実際に水は冷たくて、顔を洗うと生き返った気になるので、あながち外れていない気がする。

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港に降りると、島の案内板の傍、階段脇に例の2人の像。昨日見た、コパカバーナの像よりもママ・オクリョへの配慮が見られる。

 

乗り換え前の船員とのやり取りがふわふわしていたため、置いてかれる恐怖で若干早足になってしまったが、きちんと船は戻ってきたので(どこ行ってたんや……)、3時までは時間があった。それなら反対側の展望台に……行っても似たようなもんだったな。

この島にはレストランもあるが、高そうなのでスルー。

 

時間になって乗り込み、出港。

やたら喋るオーストラリア人のデ……女性がいて、彼女が会話の主導権を握っていたが、2週間の旅行で来ていたスペイン人が、日本に行ったことがあるという話をきいたり、南米旅行の情報交換をしたりしていた。それにしても、着くまでずっと喋っていたのだから大した女性だ。相手していたスペイン人もすごいが、これとずっと一緒の彼氏もすごい。月の島往復の船でもずっと喋っていたなぁ。喋ってもカロリーってあんまり消費されないんだね。

 

ほぼ定刻通り、16時半に港に戻る。13時半のに参加した人のブログでは不満タラタラだったが、午前からのツアーなら、かなりのんびりしたハイキングが楽しめると思う。まぁ、天孫降臨の地っぽいものは何一つないんだけどね。

 

昼を抜いていたので、メルカドの北側にある10ボリで食べられる食堂へ。

スープは米入りのタイプ。やはりペルー程のおいしさはない。

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折角なのでメインはマスにしてみた。やはり昨日と比べると小さいが、味は悪くない。素材を活かした系なので、変に手を加える必要のある料理よりいいのかもしれない。

「おばあちゃんが言っていた、手の込んだ料理ほど不味い」をこれほど実感できる国も、あまりないだろう。

 

昼飯は遅いし風に当たりすぎたのか、気怠いので、ビールを軽く飲んで終了に。

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これもボリビアのブランド。7%とストロングだが、味自体は南米のスッキリ系。クスクエナがわりと味のある感じだったので、ここでも差が見える。まぁ、国境の町だからなのか、クスクエナも普通に売っているけど。

 

さて、明日は事実上の首都・ラパスへ移動だ。「事実上」って?気になるところだが、待て次回!

 

輝く自然が、我を呼ぶ!