新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百七話 Pのボレロ / ナスカの風が吹く

出立118~9日目(通算368~9日目)ペルー14~5日目 ワカチナ3日目~ナスカ1~2日目

 

※月のアップロード制限を超えたために更新遅れました。墜落して死んだとかじゃないです。

 

 目が覚めて、オアシスの周りを歩く。f:id:haruki0091:20171030091326j:plain

あーいい感じに砂丘が写るな。こうして見ると、やっぱりオアシスだな、って感じだ。

昨日の夕方と同じ丘に登って街を眺めると、徐々に明るく照らされていくのが印象的だ。

 

当たり前というえばそうなのかもしれないが、砂漠なので朝晩の気温は低く、昼は暑い。更に乾燥している。夜洗ったTシャツが翌朝部屋干しで乾いているレベルだ。これは今までのどんな暑い国でも経験のない事態で、流石としか言いようがない。まぁ、踵のガサガサの進行具合もすごいけど。

 

さて、朝食は目玉焼きにして見たら野菜が付かなくて損したので、ここはオムレツなんだな、と思ったくらいで、荷物をまとめてさっさと出る。

宿はキレイで本当に良かったし、物価以外は過ごしやすい所だった。屋内なら暑さも気にならないのも、砂漠の乾燥具合を表しているかもしれない。ホテルによってはプールもあるようなので、さすればもっと滞在できただろう。

 

来た時と同じ5ソルで行ってくれる元タクシーをすぐ見つけられた。前日のバギーツアーに参加していた欧米人たちも基本5ソルで交渉していた様で、今回も6を提示→5で一発だったので、この辺が相場だろう。

 

1人で2人分のウエイトを占めそうな運転手だが、音楽をかけて軽快に飛ばしていく。

コレクティーボ乗り場まで、と頼んだら、他のバスよりいかに安いか説明してくれたので、彼もそのつもりだったのかもしれない。つながりがあるんだろうね。

 

さて、そのコレクティーボ乗り場は地図上にもあるが、バスターミナルから少し下ったところ。事前にネット検索したバスの料金30ソルに対して、15ソルで乗れるというので、即決。地元民も同じ金額だ。

リマ→イカ5時間が40ソルで2時間ちょっとの区間が30ソルってのもイマイチ釈然としませんよね。

コレクティーボはバンタイプで、16人くらい乗れる感じ。大きい荷物は上に載せる。当然、私以外はペルー人。人数が揃ったら出発で、10:50頃出た。

エアコンはないため、窓を開けているが、砂漠地帯を走る際は障害物がないため、風がめちゃ強いので注意。しかし開いてないと暑いという……。

バスは2時間ちょっとでナスカへ。

 

途中展望台の付近を通っていくのだが、地上絵っぽいのはあるが本当にそうか定かではない感じ。

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しかし、地上絵ができるのもわかる地面の状態。

 

バスターミナルのすぐ横がコレクティーボの発着所で、ナスカの街も小さいので、宿も歩いていける範囲になるだろう。

 

さて、先程も少し触れたが、ナスカといえば、もちろん地上絵。

 

紀元前後~800年にかけて、海岸から80kmほどの乾燥地帯に栄えたのが、ナスカ文化だ。

広大なパンパ・インヘニオの平原に、300もの直線と、30ほどに及ぶ動植物や魚といったモチーフが存在している。

しかし、現在に至ってもなお、その目的は解明されていない。

 

この地上絵をセスナに乗って観光するのが、街最大のアトラクションだ。

バスターミナルを降りたところで早速おばさんがやってきて、勧誘しだした。

当日の夕方便で、あと一人で席が埋まるので、80ドルで!という。

 

聞いてみれば大型の飛行機だというし、小型は100ドルになるとか。

大型の方が安定するが、各窓に一人の割り当て&低い高度を飛ぶ(=絵が近い)のは小型。名簿を見れば、他は140とかで申し込んでいるが、いきなりここで契約していい金額ではないし、他も当たってみたいので、取りあえずスルーして宿へ。

宿でも申し込みできそうだが、オーナーがちょうど不在のため、町で聞くことにしよう。

 

とかいいつつ、既に昼過ぎなので、腹ごしらえからだ。

 

歩き回ってみたが、広場付近やそこからバスターミナルまで向かう辺りに、地元民~観光客向けの店がかなり並んでいる。広場でも決して高くなく、むしろ最安値は広場にあるところで6ソルだった。

ワカチナの後だと、ものすごく安く感じる(実際に安いが)

 

今回はその店から少し行った、7ソルの店に。

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スープはチキンベースで、パスタ入り。毎回付いてくるジュースが、飲んでも何味かわからないという辺に、ペルー料理の闇を感じる。いや、これは他の南米諸国も同じか。

 

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メインはシュラスコー。柔らかいしジューシーだし、7ソルが大変ありがたい。まぁ、ポテトとか、米に合うかは別だが。

 

運命を左右するツアー会社探しへ!

 

色々聞いて回ったが、中央広場からバスターミナルに向かうにつれて、金額が上がっていった。つまり、バスターミナルで申し込むのが一番高い!

2017年10月末現在、最安70~最高90ドルという形で、話しかけてきたおばさんのが一番高かった。危ねー。おそらく中間マージンを結構抜いてるんだろうな。

 

ただ、金額以外にも何を見に飛んでくれるかは確認した方がいい。実際、75ドルだけど他の所より2つ見るのが多い所もあったし、これは翌日のフライト後にわかったが、名前入りの「乗りました」記念証みたいのをくれるところとくれないところがある。

結局70ドルの所を選んだが、ここは記念証無しだった。まぁ、いらんけど。

 

ちなみに、近くのパルパの地上絵まで見せてくれるツアーもあり、倍の時間飛んで160ドル。形状は結構違うが、こちらの方が古いともいわれている。ツアーデスクの人があんまり勧めていなかったけど。

ハイシーズンはかなり高くなるようで、過去の他人様のブログを遡ってみると、年々順調に値上げしている、というのでもないことがわかる。時期に寄るんだね。

 

そういえば、飛行経路説明のための図上に、日本語の表記がナチュラルに載っていて驚いた。どうもたくさんの日本人観光客が来るようだ。会わなかったけど。

 

というわけで、無事に申し込みを終えて、市内をブラブラ。

ナスカの地上絵という、これ以上ない観光資源を得た街は、当然これを前面に押し出す。

 

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広場の舗装には所々に地上絵のモチーフ。

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バス停というか休憩用のベンチというかにも、こんな感じに。

当然、土産物屋が多く、それもほぼすべて地上絵モチーフ。ま、私でもそうしますわ。

 

スーパーの価格はリマくらいだし、目立って高くはない。

 

夕飯を食べに、19時過ぎに宿を出る。

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先ほどのモチーフバス停のあったメイン通りと広場は土曜日ということもあってか人通りは多く、危険な感じはない。

ただ、これを外れるとまぁまぁ普通の暗い道なので、警戒はした方がいいだろう。屋台があったりするので、そこまで危ないというのでもないが。

 

f:id:haruki0091:20171030092017j:plain開いている店でブロースターのセット、8ソル。要はフライドチキンとポテトで、豊富なソースをかけて食べる感じだ。ジュースとかはつかない。店は結構夜も開いているので、食べ物には困らないだろう。

 

翌日のフライトに備え、就寝。

宿は朝食込みだが、飛ぶ前はちょっと……思って前日に相談。戻ってからでいいというので、お言葉に甘えて先に出る。

ツアーには送迎のバス代が含まれるのがほとんどで、宿から空港まで向かってくれる。8時半ピックアップだ。

受付にはパスポートが必要。空港利用料別途30ソルもいるので、財布も持って行こう。そして体重も測られるので、いろんな意味で注意。旅の前より痩せたなぁ(自慢?)。

ここで10時発のフライトだからと、1時間待つ。

待合室のモニターではナスカ文化についてのナショジオDVDが流れているし、周りにはお土産物屋、ちょっとしたカフェもあるので、時間潰すのは苦ではない。

ここの土産物屋はナスカの街よりも安い(特にTシャツ)ので、ナスカグッズが欲しければここで買うのがいいだろう。他の街で買えるものも多いけどね。

時間になって行ってみたら、1時間待てとか言われてワロタ。更にか!

 

こうしてなんだかんだして11時前にいよいよチェックイン。普通の空港よりちょい緩めの身体検査後、しばらく待って順に飛行機へ。

遂に我々の番。11時か。宿のチェックアウト12時だけど、大丈夫か。

 

さて、この地上絵観覧ツアー、飛行機酔いで途中から見られなかったみたいな話も聞いていて、かなりビビっていた。

船酔いも記憶に新しいが、バスも結構酔うし、乗り物には弱い。ただ、ジェットコースター系はいけるので、半々だな、と思いつつ、酔い止めを飲んで備えていた。

「乗る30分前に飲んでね」という注意書きに従ったわけだが、更に1時間待っているので、いや、大丈夫だろう。そんな短時間しか効かないわけないだろうとガクブル。

 

席は図った体重を基に、重心を取るために例えカップルでも離されることがある。

女性1人が一番後ろに、あとはおっさんがひしめき合って搭乗。

小型機はパイロット、サブパイロット合わせて8人掛けで7人。個人スペースはほぼない。

手元の各地上絵についての説明書にも、スペイン語、英語に続いて日本語の表記が。

挨拶は喋れる人もいるし、特に用事もなく話しかけてくる人もいるし。両国の関係性もあるのだろうが、パイロットまでドラゴンボールの話をしてきたのでね。それだけ過去にここに金を落としていったのだろう。諸先輩方、ありがとうございます!

 

場面は戻っていよいよ飛び立つ。初セスナだ。

パイロットが良くしているヘッドホンを装着。エンジン音がうるさいので、基本これで絵の説明が入るらしい(今右側にあるぞ!くらいの奴ね)。

目の前にはビニール袋。

左右の窓から見られるように、右を下にして、左を下にしてと交互に旋回するため、それが酔う原因になる様だ。「吐くのは1回だけだからね」という整備士の冗談に苦笑い。

さて出発だ。もちろん「ジャンファイト!」と叫ぶのも忘れない。ジャンボーグはデザインもいいけど技名にセンスを感じるよね。「ビーム・エメラルド」とか「必殺風車(かざぐるま)」とか。

 

大型機よりもふわっと空に舞い上がり、特にストレスなく上空へ。風で多少揺れるが、これが連続したらヤバくなるのか?とビビる。いや、私は強い、私は強い、私は強い……I’m Strong Boy!

 

約30分のフライトで、地上絵を見ていく。

 

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まずは鯨。結構線にかかっているな。肉眼ではバッチリ見えるが、私のスマホは結構古いので、加工してこんな感じにまでしている。これはピントがイマイチですね。

 

続いてコンパスとか二等辺三角形が続くが、似たようなのが多く、どれというのもわかりづらいので省略。ここは人気もないのだろう。旋回もなかった。

 

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宇宙飛行士。まぁ、どっちかっつーと宇宙人じゃね?って感じだよね。愛嬌があるし。

山に入っているので、大変にわかりやすい。

 

f:id:haruki0091:20171030092155j:plainそして有名どころ、猿。しっぽの辺が少し消えてる?

 

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犬。これは敢えて遠景にしたが、思ったより小さく見えることもわかるだろう。

ただ、飛行機の影やパンアメリカウェイを走る車と比べると絵自体は大きい(犬は51m)ことがわかるのだが、それだけ上空を飛んでいるのだ。

 

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そして1,2を争う人気のハチドリ。アクセサリーのモチーフや、Tシャツの柄にもよく選ばれている、大型のもの。山の上の台地にあるので、見つけやすい。

 

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更には蜘蛛と

 

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コンドルと続く。個人的にはこのコンドルが一番見たかったので、大変満足である。私の心の中の霧彦さんも満足していることだろう。

 

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さらにフラミンゴと

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ペリカン

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オウムと続き、

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トカゲ、木、手である。

中央にあるのは展望台で、昨日通過したが、ここから木と手は見られるらしい。これで絵の巨大感も伝わるだろう。

 

トカゲがキレてしまっているのが残念であるが、何せこの巨大な地上絵に気付かずに道を引いてしまったんだから仕方ない。これ気付けって方が無理だから仕方ない。他にもちょっと切れちゃっている所があるとか。

 

さて、この地上絵、どうやってできているかというと、何のことはない。白い地面の上に載っている黒い石をどけて、溝にしているだけなのだ。

深さ10cm、幅20cm程の溝を、大きいものは手で、細かいものは履いて作ったという、それだけ。

ナスカはほとんど雨が降らないため、数百年経っても残っていたというのだが、俄かには信じがたい。だからこそあんまり低空飛べないんだろうな。石飛んで消えたらシャレにならないし。

あ、でも、消えつつあるという話もある。今後地球規模の環境変動が続けば、これも過去の遺物になるかもしれない。

 

絵の端には石が積まれ、その中央に木の杭の跡がある。これを用いて正確に直線を引いていたと言われている。さらに、見つかった土器から気球で形状を指示したとも。

 

では、一体何の目的で?これも諸説あるため詳しくは触れないが、どうせなら宇宙人とかの方がいい。楽しいので、私が。

 

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こうしてあっという間にツアーは終わり、最後にセスナと記念撮影。

 

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いい感じだ。全く酔わ無かったのは、パイロットの腕によるところが大きそうだ。フライトリターン程ではないが、結構傾いていたんだけど。

 

ただ、このツアーが「がっかりツアー」と言われる理由もそこはかとなく分かった。

何というか、スゲーあっという間なのだ。時計を見れば、なるほど確かに30分経っているのだが、数秒間目の前に絵が提示され(それもまぁまぁ小さいし)、すぐに次へ。あれよあれよという間に帰路についているのだ。体感10分くらいだ。当然こっちのテンションが上がっていることも理由だろうが、「えっ!?もう終わり?!」ともいえなくはない。

これで気持ち悪くなって意識が朦朧としていたら猶更そう思うに違いない。まぁ、「早く終われ」と思ったら長いだろうが。

ただ、個人的には大満足だ。懸念される酔いもなかったし、天気も良かったのでクッキリ見えた。これがあの……という体験は今までもしているが、時間をかけて飛行機に乗って見るという非日常的な状態がプラスされると、感慨もひとしおだ。

コーヒーを豆から挽いて淹れて飲むという儀式が「コーヒー飲むぞ」という気持ちを高めるように、手間をかけたことがより思いを強くしているだろう。

だって画像検索すれば、見たいのなんて見れちゃうし、googleアースで見られるなんて話もあるんだから。それでも見たいと思える人には、やっぱりお勧めだ。

 

あと、特オタ的にはナスカドーパント(青派)がカッコいいので、霧彦さん慰霊のためにもどんなにガッカリだなんだと煽られても見るつもりでした(決意)!

 

さて、宿に戻って慌てて荷物をまとめる。オーナーからツアーの勧誘もあった。

そうだよなぁ、宿代安いし、地上絵ツアーもいない間によそで決めてきちゃったし、できれば他の……ってなるよなぁ。しかし、もう満足したので、今回は遠慮。

ナスカ文化のピラミッドや墓なんかを見られるというものだったが、もう今日これ以上に何か入ってくる気はしないし。

断ったにもかかわらず、昼過ぎだけど朝食を出してくれ、部屋も夜のバスまで使っていいと言われた。どんだけイイ奴なんだ、オーナー。Booking.comのレビュー書こうかなww

 

さて、ツアー無しだとすることもないナスカの街。よく考えたら今日は日曜日で、お土産屋さんも開いてない。おい、マジでやることなかったぞ!?

でもね、実は宿で紹介してくれたツアー、今回地上絵ツアー申し込んだところと同じだったんだけど、結構マージン乗ってたんだ。昨日金額聞いてたから。で、こちらのお財布事情とどちらの顔も立てなければいけないこととで、断った面もあったんだよね。。。テラ政治。。

 

16時過ぎにご飯にする。

 

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何やかんやあって昨日の店。スープは同じそうだったので回避すると、サラダだった。アボカドがうまい。宿の朝飯にもアボカド出たけど、塩振りかけるだけでうまいなんて、すごいよなぁ。

そしてメインはたまねぎと肉炒めの下にフライドポテトのあるロモ・サラード、7ソル。

ペルーを代表する料理だそうな。おいしいね。

 

さて、宿でダラダラし、バスのチケットを購入してシャワーを浴び、荷物をまとめて出発。

お腹が減ったので、途中の屋台で夕食。

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鶏肉とポテトを乗せたご飯、7ソル。火が通り過ぎているのか若干硬かったが、屋台飯ってテンションが上がる。

 

さて、評判のいい「Oltursa」というところのバスにしてみたが、個人モニターも電源もUSBもなかった点は微妙。席は寝やすかったが、「Cruz del Sur」98ソルに対し、これは90ソル。微妙かなぁ。まぁ、ほとんど寝るだけだからいいんだけど。

もう少し安い所も当然あるけどね。高いバスなら客層もよくなる分、盗みも減るかな、ってのがあるので、そこの兼ね合いが難しい。

 

さて、バスは10時間くらいで着くので、さっさと寝る。いい夢が見られそうだ。

 

古代の夢が、我を呼ぶ!