新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百一話 Pのボレロ / ホッとな気分にさせるもの

出立108~9日目(通算358~9日目)ペルー4~5日目 チクラヨ4日目~カハマルカ1~2日目

 

 

10:45発のバスだが、距離があるので1時間前に出発した。

宿のおばちゃんにはコンビー使えと言われたが、荷物も多いし、歩ける距離だし。

出がけにバナナっぽいデカい奴を揚げたチップスをくれた。ありがとう。

あと、Booking.comの評価書いてねーと言われた。これ結構南米では言われるが、日本語表記の方がありがたいって言われたな。でも私、辛口で書いちゃうよ?

 

さて、出発20分前に着いたが、まだ何も出来なそうで。待てと言われた。

その後すぐに荷物の受付が始まったが、タグをつけてくれ、飛行機張りの安心度だ。

しかし、何もせずにカウンターにいるおば……お姉さんがいる横で、せっせとパソコンの打ち込みからタグ付け、荷物の輸送まで一人でやるって、バカなのかな?

 

バス乗り込みを待っていると、ペルー人のE君が話しかけてきた。大学で英語科を出たらしく、初の実践だと喜んでいた。

その後、席に移る。2階建てバスの1階で、窓の覆いのために暗くて寒い。

出発後、2階席のE君がやってきて、2階席ガラガラだし、外の景色見えるからおいでよと誘われた。

 

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休憩時に撮ったバスの写真を掲載しよう。

御覧の通り、横の窓全体が覆われている。何か、防犯とかそういう理由なんだろうか。E君に聞いてみたら、日よけじゃないか、という。

 

こういった状況のため、外の景色がまともに見られるのは、2階席の前の方だけ。

車内にはモニターが付いていて映画が流れているので、基本的にはそれを見る以外の暇つぶしはないわけだ。これは、E君に救出されなければ大変なことになっていたな!

 

10:45出発で、休憩は14時過ぎ。あ、バス代は24ソル。エクアドルから比べると、バス代と宿代は全体的にちょっと高めかもしれない。

 

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地層がかなり特徴的な山々が見られる。

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E君が「タマル」をおごってくれた。南米各国に見られるものだが、コロンビアで食べたものより味付けが上手だ。しょっぱいけど。

 

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お返しにジュースとお菓子を。パイ生地コロネにキャラメル状のクリーム。牛乳と砂糖で作ってるんだろう。キンコンにも挟まってたが、これ好きなんだな。

 

E君とは道々楽しく話をしていた。これから向かうカハマルカには名物にマスがあり、釣りができるとかセビチェもあるとか、観光名所の話も聞いた。

彼自身はお婆様が倒れたとかで、時折携帯で話をしたり、メールをしたりしていたが(日本だとアレかもしれないけど、中南米ではマナー違反でも何でもない)、それ以外の時は積極的に日本のことを聞いたり、これまでどこに行ったのか聞いたりと積極的だ。

こちらもペルーのことを聞いたり、甥っ子の写真を見たりとしていたが、休憩後に超低速走行を始め、暗くなってくるとさすがに何時に着くのか、周りの人に聞いたりと落ち着かない様子になっていた。

「多分ダメなんだと思う……」と弱気な事を言っていたから。こちらも返す言葉がなかなか見つからなかったが、それでもさっき知り合ったばかりの人間に気を向けられる彼の人柄には感服した。

 

車内の映画はほぼスペイン語で、1度英語のものが流れた時以外はあまり楽しめなかったが、よく眠れたので良かったかな。前述の通り、休憩時にはもう半分以上来ていたが、山道に入って超低速走行。「歩いた方が早い!」と文句を言うおじさんが出る始末。終いには30分以上停車したりしていたのだが、どうも片側通行で順番に通していた様だ。

まぁ、車体もデカいから仕方ないとはいえ、もうちょい速く……と思わなくもない。

 

かくして8時間以上かけてバスは到着。迎えを待つE君にお婆様の健康を祈りつつ、宿に向かう。

道は薄暗くてちょっと怖い。カハマルカはチクラヨに比べれば治安はイイと聞いていたが、デカい荷物があると不安感が増す。

 

場所で迷っていると、同じ宿に向かうトルコ人青年と会う。Maps.meはBooking.comと連動して宿の場所が出るのはいいが、たまに不正確で迷うので住所も控えているが、それでもわからないことがある。もうそこからは聞き込みしかないわけだ。

 

幸いすぐ見つかってチェックイン。

宿のお姉さんに近場のレストランを聞き、2人で向かう。

 

旅行の情報交換になり、キューバに行った話をしたら大興奮。これから行こうと思っているけど情報少ないから教えてくれ!という感じだ。

 

レストランではよくわからないものを頼んでみたらこちら。

 

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思ったよりよくわからない組み合わせが出てきた!

クリーミーな野菜系ソースのパスタと、牛ステーキ。ステーキ柔らかいし、パスタもキューバの人民系とは違ってまぁいい感じの硬さ。これにティーパックの紅茶付きで8ソル。

 

宿に戻って買っていたキンコンのセットとラムで軽く晩酌して、この日は就寝。

 

9時ごろに宿を出て、街の中央に向かう。

 

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カハマルカはペルー北部を代表する、歴史的に重要な都市だ。

インカ帝国最後の皇帝アタワルバは、ここで温泉に浸かっている際にスペイン人フランシスコ=ピサロに捕らわれ、幽閉されてしまう。

街は侵略後のコロニアルな街並みを今に残しており、町中にいくつもの教会がある。

 

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「La Recoleta」

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子どもたちが礼拝中だ。手前ではイエス像を前に話を聞かせていた。教育に溶け込んでいるんだな。まぁ、キリスト教系の教育機関というだけかもしれないが。

 

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「Iglesia de las Mojitas」は、ブルーとホワイトのコントラストも美しい教会。

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中には偶像があるものの、落ち着いた雰囲気だ。

 

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「Catedral Santa Catalina」は意外に落ち着いた雰囲気。

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祭壇こそ金細工だが、これまた落ち着いている。カハマルカは街自体も落ち着いているが、中心からしてこれなら、さもありなんかもしれない。

 

石畳の町中はモトタクシーやタクシー等が走るものの、チクラヨほど荒くもなければクラクションも鳴らないので、静かな時間を過ごせるようだ。

 

喧騒の中心、メルカドへ。

野菜に果物、肉類や名物のマス、そしてお土産物まで並ぶまさに街の台所。

勿論、食堂街もあり、セビチェリアやカフェテリア、食堂がたくさん。

 

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中でこちらの店にカブリートを見つけたのでIN。カブリート、結局1回しか食べなかったので、もう一度!というわけだ。

この店のおばちゃん、座りっぱなしで作業しつつ、若いもんに指示を出し、必ず何か食っている。いや、味見なのかもしれんが。でも、ガリガリの人よりおいしそうだよね。

なんと5ソルだというので、疑いつつ頼む。

 

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スープから。臓物が入り、コーンや米など盛りだくさん。さらにネギが入るので、香りに懐かしさを感じる。うむ、うまい。いいぞ、ペルー飯!

 

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そしてメイン。おい本当に5か!?

カブリートの他にジャガイモと臓物を煮込んだものがのっている。

カブリートはトマト系。やや臭みもあるが、香草でいい感じに。もう1個の方が強烈だ。多分下茹でをしないのだろう。獣の香りがして、ダメな人には全くダメ。私みたいな人にはとっても素敵な感じ。いいね。ここ2か国ほど味付けが無難な範囲に収まり続けていたので、これくらいパンチ効いててくれる方が、異国に来てるって感じがして、生の喜びを感じる。

 

本当に腹いっぱいになり、最後にジュースも出て、会計時にマジで5ソルだったので、逆にドン引き。凄いぞ、カハマルカ!

でも、10時前に食うものじゃないね!軽めにしようとしたのに、重すぎるわ!

 

さて、町歩きの再会だ。

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「San Francisco」教会。ここは中が見られなかったので、このまま。

外観はなんかメキシコ辺りの感じに近い気がするな。壁面に彫像がある。教会もよく見ると、国や街の違いがあって面白いですな。

 

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街を見渡せる高台があるというので、向かってみる。

 

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階段の両側に、古代文明っぽい彫刻がある。独特の文様で面白い。

 

教会を過ぎ、1ソルの入場料を払って高台へ。

 

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おお、いい眺め。コロニアルな街並みと言われてもいい加減聞き飽きたが、こうやって見てみるとやっぱりいい感じだよね。統一感があって美しい。大抵の場合、町の人も穏やかで治安が良くなる。

人が街を作るものだが、街も人を作るのだ。そんなことをぼーっと考えながら眺める。

この背面は山になっているが、斜面にも建物が並んでいて面白い。

 

さて、少し降りてお土産屋さんがあったので覗く。

 

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ああ、かわいい子ネコ!軒先で飼われていたが、覗いていたら見えるように蓋をずらしてくれた。おばさんいい奴。

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こちらはオーガニックコーヒーの店。

エクアドル以上にコーヒーに期待していなかったが、この店のは旨かった。コクも酸味もちょうどいいのだ。というわけで、またバックパックが重くなってしまった……。

つーかスタジオパークかなんかで藤岡先生が淹れてたのペルーのだったな。 

 

では、カハマルカの目的地である、温泉へ向かおう!

えっ?またかって?そらそうよ!こちとら生粋の日本人じゃ!温泉があると聞いて、黙って素通りなんざ出来るかってんだぃ!

 

コレクティーボは地球の歩き方の位置で大体あってるが、道が工事中なので、注意。まぁ、走ってるからすぐわかるけどね。大体がバニョス行だし。

Dos de Mayo」と「Jose Sabogal」の交差点辺りです。

 

0.8ソルで20分はかからない。混み合っているのに更に乗せていく商魂たくましさで、ミニバンの中で立っている人間がいるという怪奇さ。

思わず子連れに席を譲りたくなるくらい、つぶらな瞳で見つめられた。

中南米の子は、みんな目がくりくりしていて本当にかわいい。それがどうして大人になるとこんなに丸く仕上がってしまうのか。理不尽である。

 

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おおいい感じだ!しかし、ここは入り口ではないようだ。

 

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ええっ!?なんか工事中!?

バ、バカな。宿で聞いても何も言われなかったぞ!しかし地図上ではどう見てもここ!

と動揺していたが、その横にこじんまりとあった。

どうも工事中の所は大きな湯田的なところだったらしく、ってそこ弄っちゃっていいのか?ここ、アタワルバさんが浸かってた湯だろっ!?

 

まぁ、部外者が言っても始まらない。6ソルで入場。

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中庭はこんな感じ。個室の風呂があり、そこにお湯をためてはいるスタイル。つまり毎回入れ替えるきれいなお湯!

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私が入ったのは「インペリアルスタイル」というところで、こんな感じ。

体をまっすぐ伸ばせるところを独り占め。石鹸も持って来ていたので、いい感じ。一応海パンも持ってきたが、今回は不要だ。日本と同じように入れるじゃん!

すっかり皇帝気分を味わう。しかしここに乗り込んできて捕らわれたらキレるわ、さすがに。テルマエ文化を理解できないなんて、大航海時代のスペインとかカッスだわ、マジで。

 

持ち時間1時間をたっぷり使って入浴。温度も蛇口で調整できるので、熱めで日本スタイルで行けたのは最高に良かった。まぁ、つい最近も浸かってたんで感慨はイマイチなんですけどね!気持ちよかった!

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ああ、多分ここがその浴室だろうなぁ……

 

14時に入ったが、出た15時にはかなり混み合っていたから、夕方にかけて人が多くなるようだ。待ちたくない人は、早めがいいだろう。

 

これまたコレクティーボだかコンビーだかでカハマルカに戻る。入り口を出たところで待っているので、すぐに乗ればいい。きちんと街の中央の公園に行きたい旨を伝えないと、セントロじゃ通じないぞ!

 

メルカドでお買い物。

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こちらはツナとあとなんだっけな、謎のフルーツ。

こちらを購入し、ツナはその場で剥いてもらった。

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こんな感じ。味はスイカ系の淡い甘味ながらも繊維質でジューシーな実で、南国のフルーツであることを印象付ける。種の粒々がグアバ的だ。総じていうとうまい。

 

これを食いながら明日の朝食分の野菜とパンなどを買って、一度宿へ戻る。

 

トルコ人と話したりですっかり日も暮れてから、夕食の買い物へ。

買い物と言ったのには訳がある。

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はい、こちら。他人様のブログに乗っていた、串焼きや。何とハツと砂肝の串焼きが買えるというのだ。しかも1本1.5ソル。安いね!

 

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買ってきたチーズとトマトで副菜を作り、これが夕食!さらにビールも添えるぞ!すごい!完全に居酒屋メニュー!勝てる!これなら酒場放浪記見たって負けない!

初も砂肝も濃いめだが、日本の焼きとりと変わらぬテイストで良し。芋付きなので味の単調さも防げる。ビールは思ったより濃いめの味だ。

 

調子に乗って深酒して、翌朝軽い二日酔いになったのはやりすぎたと思った。

 

さて、もう1日延ばしたし、明日はのんびりしよう。

 

 

古代の夢が、我を呼ぶ!