第二百九十八話 たったひとつのEのために / オーバー・オーバー!
出立104~5日目(通算354~5日目)エクアドル30日目 クエンカ5日目~ペルー1日目 チクラヨ1日目
エクアドル最後の朝を迎え、食卓はTさんと。
少し前にキューバに行ったらしいのだが、ハリケーンが直撃した後らしく、街路樹が根こそぎもっていかれたり、市場が開いていなかったり、食堂が一部だけ、数時間しか開かなかったりと、かなり大変な状況になっていたという。
ま、まぁあれだ、いつもこの時期はそういう感じなんだろう!早い復旧を祈る。
しかしこのままだと、コロンビアとエクアドルも……
気を取り直して、次の国に行く準備だ。情報収集と荷物のパッキングをしてチェックアウト。
しかし、街の中央にあって朝食付きで、眺めもいい上に7ドルいかないなんて、いいところだったなぁ。
今日は街の南にある丘を目指す。3.5kmくらいの道のりらしい。中央の道を南下していき、久しぶりの階段に息絶え絶え、汗を浮かばせた先に、展望台はある。
うむ、いい眺めだ!
16世紀の街並みが残る、と初日の記事にも記したが、見渡す限り、統一された美しい街並みだ。近代的な高いビルもなく、落ち着いた雰囲気が伝わってくる。これは、一歩間違えば沈没していたな……。
丘の上には教会もあるが、まぁ、これといって特徴もない。ここは眺めればOKなんだろうな。
なお、市内を回る赤い二階建て観光バスがここにも泊まっていたので、これを使えば疲れずに眺めることができるだろう。
さて、昼だ。インド料理屋の並ぶ通りがあると、これまた以前記載したが、セントロに向かう途中でカレーの香りに誘われ、入店。
「Almuerzos」が2.5ドルであるというので、それをお願いする。
スープは優しい味で、インド感はない。そしてポップコーンは……どうすんだ?試しにスープに入れてみた。うむ。無くはないが、別にやらなくてもいい感じだな。
そしてメイン。
おお、スゲー!おもったよりボリューミー!
左奥からチキンカレー和え、ベジカレー、そして懐かしいなんか甘いヤツ。このなんか甘いヤツ本当に懐かしいのだが、名前が出てこない。豆のあんこみたいな。あんこは豆か。
あと赤い漬物みたいなアチェ―だか何だかってヤツがあればもうほとんどインドだな。
味は……薄いな。スパイスのパンチがイマイチ効いていないのは、コストを抑えるためにケチったのか、現地人の愛他に合わせたのか、微妙なところだ。
とはいえ、普通のカレーは7ドルくらいすること考えると、久しぶりにアジアンテイストが味わえてよかった。
防犯用のワイヤーを1本無くしたので、工具店を巡ってみたが、望むものはなかった。チェーン持ち歩くってのも、アストラみたいっていうか、チェーン万次郎みたいだし、やめておこう。
途中で立ち寄った市場で、日本人女性が折り紙などを使った店をやっていた。
日本人旅行者は滅多に見ないという彼女。個人的には住んでる方がすごいと思うが、日本語教えたり、漢字書いたりで生活費を稼いでいるとか。
きっかけを聞いたら、信仰している宗教の布教に派遣されたという。さすが、宗教系はフットワークが軽い。まぁ、金も出してくれるなら会社の海外派遣とそんなに変わらないかもなぁ。私なら嫌だが。
グアヤキルには仏教系の施設もあるという。インドはともかく、南米は縁もゆかりもないし、大変だろうな。
そういえば行ってなかったなぁ、と思い出して、中央銀行博物館へ。
過去に使われていた貨幣などが展示。まだ紙幣も自分たちで発行していた頃のものもある。うーむ、コインは500円玉サイズまでだよな。直径4cmくらいあるのが各年代に存在しているのだが、これ持ち歩くのイライラしそう。
2階には各民族の衣装や住居が展示されている。
久しぶりの干し首のお守りも。
変わった土器発見。
市場であった女性が、「南米人と日本人の遺伝子の類似性」の話をしていたが、縄文人が南米に渡ったとか、陸続きの頃に南米から渡ったとか、いろんな話が存在している。
そういえば、こっちで日本の友人に似たヤツを見かけることが何度かあり、興味深い。
しかしここで締め出された。どうやら16時で閉まるらしい。土曜日だからか。まぁ、タダだったからいいんだけどね。
先日チョコラテをいただいた店へ。
「食べる?」と日本語で聞いてくる兄ちゃんに笑う。お茶菓子としてクッキーを、それに合わせてカフェラテをお願いした。
ってラテにクッキー付いてるんかい!
まぁいいけどね。0.5+1.5ドル。オシャレだし安いし、ラテの味も悪くない。クッキーもソフトでカントリーマァムを思い出すなぁ。その後も日本語で話しかけてくれるホセ。ああ、兄ちゃんの名前ホセね。嬉しいよね、こういうの。
移動用の買い物をして、メルカドへ。
最後の食事はこちら。ねぎの効いた、カリカリポテト入りスープに野菜もたっぷりのチキンプレート。1.5ドル。
アフリカ系のエクアドル人が客にいて、彼がおすすめしてくれたので、ここに。
味は少し濃かったが、備え付けのレモンを絞れば調節効くだろう。何よりボリュームがいい。
荷物を回収し、バスターミナルへ。
歩いてもOKだったが、バスターミナル周辺は夜危険、という話も聞いたので、バスを利用。
バニョスに行った時の通りから一本南、100番で行ける。
バス無くなるのビビッて19時過ぎには着いていたが、出るのは22時だ。まぁ、同じ様な人らがたくさんいたが。
バスはほぼ定刻に出発。出だしで結構揺れが、就寝。
目が覚めると、現地人以外が降りていたので、慌てて降りる。
乗る前に話した韓国人のカップルに聞いたら、荷物のチェック中だという。そこからイミグレまで移動したが、ここがすごい混み方。
他人様のブログでは「何もなければ1時間くらいで終わる」とか見ていたのだが、これはどう見てもダメだな……案の定、まさかの3時間コース。
まぁ、到着の時点で聞いてたのより1時間遅れていたので、もう朝の4時だ。うーん、これは……
手続き自体は早い。エクアドルのイミグレとペルーのイミグレは、同じ建物内、隣り合った机でできるため、「国境を歩いて移動してという面倒がないので、効率的!早い!」と褒めたたえている記事を見ていたが、まぁ、この状況じゃあ、取り立てて褒める気も起きないよね。別にイラつきもしないし、週末だから仕方ないのかもしれないし。
こうして再び出発。目が覚め、到着予定時間の1時間前に目が覚め、停車した場所を見たら、距離的にはクエンカとチクラヨの中間くらい。あーこれは、今日もう何の予定もこなせないなー。
それにしても停車長いなーと思っていたら、乗っていたおばちゃんたちが乗員に抗議を始めた。多分、「テメーこんだけ遅れてんのになにチンタラ停車してんじゃワレ!」ってところだろう。まぁね、イミグレ到着の時点で1時間遅れは何やってたのかな、という部分もあるんでね。
ここからは比較的快調だったのかな。
着いたらすぐ観光しようと思ってパンを買っておいたのが功を奏した。国境跨いだばかりで換金もできなければATMもないし。フルーツとかも加え、荒野を眺めて食事。
国境跨ぐにもかかわらず、WiFiも付いていて、比較的早かったので、もう普通にダラダラとネットして過ごす。南米までわざわざ来て、しかも国境超えて新しい国に!っていうイベント中にも関わらず、家でできることやっているシュールさよ。
ちなみにこの「Super Semeria」社さんのバス、右下の簡単なお菓子とジュースを付けてくれるのだが、流石に時間が昼を越えたからなのか、左上のパンとお菓子を追加してくれた。
メキシコの北部へのバス以来だが、こんなものでは誤魔化されないぞ、モグモグ!
こうして4時間遅れでペルー北部の街、チヨクラのターミナルへ。あれ、バス会社の前に着くんじゃ……と思ったが、まぁ、いいや。ホテルこっちの方が近いし。「Terminal Plaza Norte」というところに着いたが、もしかしたら、この後バス会社まで行くのかも。
ここから2.5kmくらいの道のりを20kg近いの抱えて移動するわけだ。お土産のせいで4kgくらい増えてるな、主に自分のためのコーヒー豆だが。
しかし、道が舗装されていないし、ゴミも結構落ちている。何てこった、インドみたいじゃないか!
来る前は「ペルーは観光地たくさんあるし、きっと南米でも発展している方なんやろうなぁ」と思っていたのだが、逆にコーヒー以外未開の地っぽいコロンビアがMAXで、南下するほど文明レベルが落ちている。どうしたインカ帝国!
ホテルにチェックインして、行きたかった博物館の行き方を聞くも、すでに15時過ぎ。
17時に閉まるし、移動に1時間はかからないにしても、見学駆け足になる&実は地味に治安が悪いらしいチヨクラで暗くなってから歩くことになる、ということで、諦める。
スゲーイライラしながら街を歩く。
というのも、ペルーは月曜日休みの博物館が多く、翌日は月曜日。宿泊費が安くないので2泊の予定だったのだが、一番見たいところが観光できない。10時に着くというから余裕やろ、と思っていたのに、何しに来たんや!ってところだ。
マイシスターに「ふぇええええん!思い通りにならないよぉ」と愚痴ったら「体休めろってことや思いなさい」と返ってきた。さすが、母は強し。
取りあえず中心地を軽く見てきたが、日曜日だから店閉まるのも早い。16時半には飯屋も閉まって、食いっ逸れたので、今日は飲み食いをおもくそしてやるわ!とスーパーでラムとオリーブとスナックを買い込み、Youtubeというタイムマシンを駆使して、夜を明かしたのだった。
しかしこのタイムマシン、大抵よくない未来へ連れて行ってくれる。
あと、テレビあるから見てみたが、スペイン語吹き替えのシュワちゃんの声高すぎだろ。玄田さんくらいじゃないとだめだな、やはり。
仕方がない。こうなれば、明日は街を見て、1泊追加で明後日に賭けるぜ!
古代の夢が、我を呼ぶ!