新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百九十五話 たったひとつのEのために / ノリは時間で変わるもの

出立100~1日目(通算350~1日目)エクアドル26~7日目 ガラパゴス16日目 サンクリストバル島6日目~グアヤキル~クエンカ1~2日目

 

 

いつものスタートを切り、ちょっと街でガラパゴスコーヒーを買い、荷物を整えて宿を出る。

この旅一番の値段ということもあり、大変いい宿であった。

野菜分けてもらったり、便宜も図ってもらったしね。

f:id:haruki0091:20171012110704j:plain最後に記念撮影。お世話になりました!

 

アシカを見てのんびり向かったら、カウンターが閉まっている。あれーまだってことかなー?とブラブラしていたら、係員のお姉さんが慌てたやって来た。

「この航空会社?」と慌てて手続きを始める。2時間前には宿を出て、1時間以上前には着いている。国内だし大丈夫だろう、と思っていたが、ここでピンときた。

ひょっとしてこのチケットの時間、エクアドル本国の時間=1時間早いで記載されているのか?

 

そうなると、出発まで20分切ってるね!それはやばいね!とバタバタ手続きをする。荷物も手持ちで飛行機まで持って行く。ようやっと席について一息。手元のペットボトルに水入ってるけど、それすらスルーって、よっぽど急いでたんだな。

 

そういや、『地球の歩き方』に「ツアー開始時間はエクアドル本国時間かもしれないから、注意」みたいに書いてあって、最初は用心してたっけな……油断したぜ。

皆さんも十分に注意してください。乗り逃したらシャレにならないので。

 

まさか最後の最後にバタつくとは。名残を惜しむのも巻き目になってしまった。アイスランド以来、久しぶりのタイトル通りの『世界の果て』っぽい旅路も、ひとまずおしまいだ。

 

軽食とジュースが出て、小一時間もするともう着陸態勢だ。予定より1時間半は早いな。この電子チケット、クソの役にも立たないじゃねえか!

 

しかしいい点もある。グアヤキルからさらにバスで移動予定だったのだが、到着が19時回る予定だったので、早まれば一気に楽になるはずだからだ。

宿も高いし治安悪いし、もうすることないしでとどまる理由もない。バスターミナルへは空港から歩いていけるので、なおさらだ。

 

若干バスターミナル内で迷子になりつつ(広くてチケット売り場わからなかったんや。1階にあるやで……)、14時発のクエンカ行きに。8.25ドル。

 

出発早々眠りに落ちる。物売りが大声でやってくるのも懐かしい。

市内より当然高いバスターミナル内の物価ですら、ガラパゴス後だとお安く感じるほどだ。

 

1度のトイレ休憩を挟み、4時間程度で到着。休憩後から山道に入ったが、酔う様な運転でなかったのが良かった。ただ、高度はグングン上がるので、高山病を恐れたが。ガラパゴスでリセットされてるから、不安だよね。

 

バス停からセントロまでは市バスを利用。

バス停が2か所あるが、北側の、時計塔の裏にある方から乗る。偉そうに言っているが、違う方に行って姉ちゃんに場所聞いたからね、皆は間違えないでね。私は18番に乗ったが、他にもあるはずだ。入り口で25センターボコインをぶち込んで乗車。

 

18時を回り、街は病の中に沈みつつあるが、クエンカはエクアドル有数の治安のいい街。バスを降りた後も危険そうな雰囲気はなく、宿に着いた。

 

同じ部屋に日本人の男性Hさんがおり、しかも同年代、大学が一緒ということがわかる。久しぶりに日本人と会ったなぁ。日本語喋れてよかった。

 

久しぶりといえば、街にビールを買いに出たが、500ml缶で1.25ドルって、久しぶりに安いなぁ。

 

f:id:haruki0091:20171012110908j:plain夕食は前の宿で作って来たネギま炒めを温めて、ビールと。10日ぶりくらいのビールうめぇえええええええっ!!!

 

キッチンには同じ部屋の台湾の子がおり、その子と少し話す。そこへ吹奏楽が流れてきて、ベランダに出てみると

 

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おっ、パレードやんけ!

どうやら消防関係のものらしく、ファイヤーマンたちが火を掲げて歩いている。勇壮な音楽もいい。

このホテル、安い割にセントロ近くなので、屋上からこれを見られたわけだ。ラッキー!しかし何のパレードなんだろうな。

 

部屋に戻り、出掛けていたHさんにパレードの話をしたら

「火の用心じゃね?」

「あんな派手にっすか?」

「じゃあ松明持ってたし、火を付けに行ったか」

「んなマッチポンプな……」

という話をしたとかしないとか。

 

翌朝。

ホテルはパンとスクランブルエッグ、バナナにコーヒーという、軽めの朝食が付く。Hさんと一緒させてもらった折、ベネズエラで買ったというコーヒーを、別途馳走になる。

入れる道具までお持ちのHさん。伊達に荷物は多くないのだ。

 

既に南米を回り、1月後には帰るという彼から、情報を仕入れる。

うーむ、また早めにしといた方がいいところがありそうだ。

 

さて、町歩きに出掛けよう。

 

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クエンカはグアヤキル、キトに次ぐ、エクアドル第3の都市で、平均気温14℃、標高2,530mに位置する。

16世紀にスペインに侵略されて以来、カニャーリ族の街の雰囲気は消えたものの、住民の大半はインディヘナが占め、至る所に華やかな民族衣装に身を包んだ女性たちの姿を見かける。そして街並みも、16世紀の雰囲気を残し、1999年に世界遺産に登録されている。

 

石畳が特徴的で、車通りは多いものの、コロンビアのポパヤン程運転も荒くなく、空気もキレイな印象だ。

ガラパゴス後ということもあるだろうが、相当に都市として完成されている印象で、エクアドルの京都、といったイメージだろうか。

 

まずは街の中央にあるカテドラルへ。

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1885年に建設された新しいものだ。

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反対側から見ると分かるが、青いドームの乗った大理石造りの見事な建物。

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中も荘厳な造りで、音楽も雰囲気たっぷりで、久しぶりのこういう文化文明に触れている感が心地いい。そう、ここからは人類の築き上げた英知=プレシャスを探す旅という実感が改めて湧いてくる。

 

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接近。うーむ、いいね。派手ではあるものの、全体的に落ち着いており、神聖な気持ちになる。ステンドグラスにゾウガメもいないし。

 

ここの向かいにはかつてのカテドラルが博物館としてあり、1ドルで観覧できる。

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正面には最後の晩餐の像。壁画も面白い。

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こちらのカテドラルは1557年の建設で、当時の壁画も残っている。大体信長さんがウォーミングアップ始めて、弟を暗殺した頃だね。

 

ここに今のカテドラルの模型もあったが、それだとツインタワーの上にはさらに何かある。一体この差異は何なんだろうか。

 

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こちらはサントドミンゴ教会。町中には至る所に教会が存在している。南米に入ってから、結構中に入れない率高い私は、当然、ここもダメだった。残念。

 

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「Museo Manuel Agustin Landivar」は博物館にインカの遺跡が併設されている。

町中に突然こんな石組みの水路や建物跡が現われるんだから、驚きだ。

博物館自体は出土品が少し並んでいる程度だ。

 

実は何だかんだ回っているうちに、既に正午。腹も減って歩くのしんどいので、飯だ!

 

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今日はこちらの店。なんと、「Almuerzos」が1.5ドルというのだ!こ、これはガラパゴスはもちろんのこと、キトやグアヤキルよりもえらく安い!どんなものが出て来るのか……

 

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スープは牛肉だしで、コーンを入れるタイプ。既にいい感じのボリュームだ。もう1.5ならこれで終わりなんじゃないかと疑うレベル。

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そしてメインキター!結構大きい鶏肉に山盛りライス。ジュースも自家製だ。軟骨も食べられるほど十分に煮込まれて柔らかい。これで本当に?ってレベルだ。間違いなくエクアドル最強レベルのコスパだ。

街の平均は2ドルだった。うーむ、見事だ、クエンカ。

ちなみにこの店だが、「San Bias」教会のある広場の北西の角を北に上がっていくとあるので、興味のある人は探してみよう。スープを飲み終わる頃には店は相席&満員の状態だったので、正午前の入店をお勧めしたい。

 

再び道を南下し、「Iglesia de Todos Santos」の前に。

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実際の扉を用いたオタバロ族仮面の見事な壁画と教会。こういうアートの写真を集めている旅人もいたが、たまに面白いのがあると撮りたくなるよね。

 

西に進んで「Mercado 10 de Agosto Seguro」へ。

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ここは市民の台所。野菜にフルーツ、肉、魚、米やらコーンやらと何でも揃う。2階には食堂もあり、ここも安値で提供している。1.25~2ドルでAlmuerzosがいけるし、他の料理も安いだろう。

 

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「Church of San Francisco」。

またしても入れなかったが、見事な造形。これの前に大きな民芸品市場があると聞いていたが、なんか解体されている様な……・。

代わりなのか、目の前の通りにはプレハブの市場が建っている。

 

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こちらの一際インスタ映えしそうな教会が、「Iglesia San Alfonso」。青い屋根と白い壁が美しい。お察しの通り、中には入れなかった。

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こちらの向かいには歴史的っぽい役場が。これも雰囲気あるなぁ。

 

エクアドルはTシャツのセンスがいい、と以前書いた気がするが、もう少し欲しいなーと思って探してみたが、なんか、ポンチョとかはあるのにTシャツが見当たらない。

街の至る所にアパレルショップはあるが、完全に現地人用で、土産物系は少ない。これはちょっと意外だな。グアヤキル辺りがそうというのは比較的理解できるが、歴史的な建物の街=観光業で栄えそうなのに、ベーシックな土産物が置いていないなんて!

一応Tシャツを扱う店(Galapagosというところ)もあったが、お気に入りの柄がないとそこまでだし。うーむ、全体的に物価が安いから期待していたが、Tシャツを買うなら、他の街の方がいいかもしれない。

 

すっかり探索につかれたので、探し回っていた中からよさげなカフェへ。

確か「Nucallacta Cafe」ってところかな。セントロの東にある「Hermano Miguel」という通りの、セントロ以南にはよさげなカフェがいくつかあるが、ここは豆の販売もしているところだ。

 

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こんな感じ。1.5ドル。店の雰囲気もいいが、味はまぁまぁかな。量は多いし、WiFiも飛んでるしね。エクアドルはやはりチョコレート中心に考えた方がいいかもしれない。

 

再度Tシャツ探したり、メルカドでフルーツ買ったりして、宿に戻り、18時ごろに再びメルカドへ。ここでまだ開いていた店で1.25ドルのAlmuerzosにチャレンジだ。

 

おああちゃんが一人でやっているっぽいところで、まずはスープ。

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豆がいい感じに煮えて、ポタージュ状になっており、上のネギがアクセントに。うまい、うまいぞ婆さん!

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メインはこちら。煮込まれた豆と肉だ。ボリューム的にはアレだが、味は満足いくものだ。ジュースは……風味の付いた砂糖水程度だったけどね。

もしかすると、全体的なボリュームとしてはメルカド以外の方がいいのかもしれない。まぁ、1店舗ずつの比較だからアレだけど。

 

あと、街の南部、「Iglesia de Todos Santos」の通りは、西に行くと何故かインド料理屋街がある。何で固まってるんだろう。ちょっと高いけどね。

 

宿に戻り、冷蔵庫にビールを入れていると、Hさんが現われ、スイカを勧められたのでいただく。おお、旨いじゃないか、エクアドルスイカ。

そこに、キッチンで調理する欧米人たちが。な、なぜだ。もうこの街なら確実に、自炊するより外で食った方が安いぞ?確かに、メルカド飯だとどうしても野菜等のビタミンが不足する。それで自炊に走ることもある。しかし……あっ!もしかして!

 

欧米人自体は割と街中で見かけるが、今日私が行ったような地元の人間もガンガンの店で、彼らを見ることはほとんどない。とすると、もっときれいな、観光客向けの店とかに行ってるんじゃないかな。んで、昼はそういうところで高かったから、夜は自炊して節約する私、キャハ!みたいな。

だいぶ悪意のある捉え方だが、メルカドの食堂とか薄暗いしね。ああいうのを「小汚い」と思う人がいても不思議じゃない。衛生的に……とか思うのも不思議じゃないかもしれない。これは日本人でもいるだろうが。

慣れというのは大切だが、感覚を鈍らせるものだということを改めて気づかされたのだった。

 

さ、そんなことより今日も晩酌♪

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1Lの瓶が売ってたよ。これで1.75ドル。ガラパゴスだと、600mlで倍の値段。やはり違うね。本土では600mlは1.5ドルです。どういうことですかね、この値段は。

スナックも久しぶりだなぁ……

 

さて、明日はちょっと遠出しようと思う。

 

 

太古の夢が、我を呼ぶ!