第二百九十話 たったひとつのEのために / 金が天下の回し蹴り
出立93~4日目(通算343~4日目)エクアドル19~20日目 ガラパゴス9~10日目 イサベラ島4~5日目
さて、差し迫った問題ができた。手持ちの現金が少なくなってきたのだ。
そんなものATMでおろせよ、と思った皆さん。おっしゃる通りです。
しかしまさか、これが2日に跨る大仕事になるとは、この時は思いもしなかったのだ。
結論から言おう。イサベラ島にはATMはない。
というか、金を降ろす手段がない、と言った方がいいだろう。
目についたATMは既に何年も前に役割を終えた破壊された状態。
それならばと窓口に行っても、おろせないというじゃないか。
うーむ、ツアーはともかく、このままだと宿泊代が支払えないぞ、とホテルのオーナーに相談に行くと、「それなら、○○というホテルでクレジットカードが使えるから、そこで現金にしてもらえ」というのを、スペイン語で言ったっぽい。
しかしレセプションに何度行っても人がいないので、この日は諦めた。
そして翌日、朝食後に訪ねて人がいたので聞いてみたが、できないという。
「あそこの商店なら……」と言われたが、そこもダメ。何でダメかはスペイン語で言っていたので定かではないが、そもそもクレカで決済できないようななんかそんな。
再度オーナーに聞いて別のところに行くもダメ。
こうしてオーナーも途方にくれたのである。ちなみに、このとき宿代がBooking.comで予約した時よりスゲー安くてラッキー(予約時20ドルちょっと、今15ドル)だなぁ、とか思ったりした。
結局、オーナーも明日プエルト・アヨラに行き、そこでおろして渡すという、もうなんか本当申し訳ない解決を見ることになった(まぁさすがに他にも用事があると思うが)。
確かにプエルト・アヨラで受け取った地図では、この島に銀行マークがない。
地球の迷い方にはツアーの紹介しかないので頼りにならないし、数年前のブログ記事でもそのようなことへの言及はなく、ホテルに貼られた数年前の地図には銀行マークがある。
とすると、ここ数年でなくなったのか?他の国のガイドブックには載っている、有名な話なのか?
現地の人々は困らないのだろうか?皆この島で経済が閉じていて、おろさなくても生活できているというのか……?
疑問は尽きないが、その辺の経済事情もガラパゴス進化しちゃったんだから、外部の者がとやかく言っても仕方ないだろう。とにかくこの島では金を降ろすことは不可能なので、しっかり現金を持って島に入ろう。
そして、もし手遅れなら、取りあえずホテル代と船代はどうにかしよう。
幸いどちらもクレカ使えそうなところはあるし、商店は無理でもレストランならカード決済出来て、飯もどうにかなるかもしれないから。
今回のことで学んだことは、私個人としては全く活かす場面がない。そもそも今後島とかほぼ行かないだろうし、地続きなら手はいくらでもあるだろうしね。
さて、気を取り直して、そんな中この2日に見たものを紹介していこう。
まずは飯、5ドル。食うには困らない程度に現金があったのは幸いしたね。前日に行けなかったところ。肉は相変わらず小さいが、スープに出汁として煮込まれた結構大きめの豚肉が入っていたので、まぁいいんじゃないかな。辛味のサルサも野菜多くていい。
初日以来港の方に行ってなかったので、こっちにATMないかなーという淡い期待も持って行ってみたら……
アシカのお昼寝タイム!桟橋にいたんだから、そりゃいるよな。
それにしても気持ちよさそうに寝ている。
こっちなんか完全に休日にソファーで寝てるお父さん。ちなみに雄雌は、、まぁ、あれ見ればわかるよね。1枚目のは親子みたいで、ちょっとしたら寝てる母親からお乳吸っていた。
母親が若干ウザそうにしていたのが面白い。
こちらは小さい子ども?たち。抱き着いている様がキュート。
時折こちらをちらちらと見て、また眠りにつく。なんか哺乳類だからなのか、妙に人間臭くて和む。そしてその間を平然と歩くウミイグアナ。
アシカって魚食うよな。ウミイグアナは食わないのか?まぁ、私なら食わんが……。
そして反対方向のゾウガメセンターで、今日は小さいカメたち。ご飯の時間らしく、バリバリやっていた。器用なもので、前足で抑えて繊維方向に裂いて食べている。
右下の2匹はたくさんあるにもかかわらず、同じものをポッキーゲームの様に食っていた。
太い奴だから、柔らかかったりするんだろうか。片方が咀嚼している間にもう片方が奪って齧り、そいつが咀嚼している間に……というループだ。
夕飯は炊き込みご飯に。これは正解かもしれない。米のパサパサ感がほぼ気にならなくなるし、醤油使うだけで日本感抜群。まぁ、たぶんこっちの食堂の米って油とか塩とか入れてるし、しばらく浸水させるとかやってないんじゃないかな。ともかく、シーチキンとトマト風味で若干洋風、大変おいしゅうございました。
翌日の朝食は、ガラパゴスコーヒーの店でバナナケーキと。
2ドルだが、ボリュームを考えれば、かなり安い。そしてバナナ感やナッツのアクセントがうまい。甘いケーキと一緒の時は、昔ながらのコクと苦みのコーヒーの方が合うよね。
地元民も朝食に使っている様だが、ガラパゴスの経済は内地とは違うのだろう。5ドルの朝食も余裕しゃくしゃくのようだ。
金策に翻弄&不在のオーナー待ちで、ほとんどホテルにいたので、というか若干の足の筋肉痛も来ていたので、これ幸いとハンモックに揺られてダラダラしていたため、もうお昼だ。
これまた5ドル。前日の店の近くで、この日はこれしかないという、ランゴスタのサラダ。
まぁ、米と合うかと言うと微妙なところもあるが、個別の料理としては旨い。スープ残しておいてよかった。これにも結構大きめの肉が入っていて俺によし。
揚げたバナナだが、慣れてくるとこれがないと物足りなくなりそうで、今後恐い。
ウミガメ繁殖センターは閉演間近だったが、これで見納め。17時過ぎると奴らもほとんど動かないことが分かった。
海辺。朝は晴れていたから、このまま行ったら泳げるな!と思っていたが、見事に今日も曇っていた。チェッ、泳ぎたかったな……。
……ということは、そろそろシュノーケリングか?
蟹を見たが、結局撮れたのは横の写真。まぁ、黒いのは確定だから別の種類だろう。
そしておそらく初めての海鳥。
本日の夕飯は、残りの野菜を使ったラーメンライス。
2chのお料理系まとめを見て日本食への思いを高めている私は、今猛烈に家系ラーメンライスが食いたい!天一のこってり雑炊食いたい(そんなものはない)!
さて、明日は先日のプエルト・アヨラに一度戻り、そこから別の島に渡る形になる。
どうでもいいが、5時半チェックイン、6時発って、ちょっと頭おかしくないですかね。
命の神秘が、我を呼ぶ!