第二百八十八話 たったひとつのEのために / バカは休み休み行け
出立90~1日目(通算340~1日目)エクアドル16~7日目 ガラパゴス6~7日目 サンタクルス島5日目~イサベラ島1~2日目
宿の朝食は6時からと聞いていたが、まるでやっていなそう。職務怠慢だな、と思いながらフェリーの時間なのでチェックアウト。
7時に出るヤツだが、6時半にはチェックインとなっていた。ちょっと遅れて行ってみたが、荷物検査があるようで、それで早めに、ってことかーと納得。やはりその場で買えそうな様子はないので、前日までに、ということなのだろう。
ここでも果物とかは没収ートらしいので、使い切ってから船に乗りましょう。
初回のツアーと同じように、ボートで船まで運ばれる。これ別会計っておかしくないか?0.5ドル。
荷物は前の荷室に押し込まれ、結構大人数で詰め込まれ、出発。
この日は曇りで大しけ。めっちゃ船が揺れる!もう笑えるレベルで揺れる!いやー、目の前の天井からぶら下がる黒い袋を見た時から嫌な予感がしていたが、こういうことかww
こうなってくると、朝食を食わなかったのは幸いした。そういうことね、神様。
船の後ろの方は吹き込む波でエラいことになっており、途中で防風用の布を降ろしていたが、その間もえらい揺れる。俺、絶対この船で働けない……。
案の定、袋を所望する人間が多数出る。そんな中、気を紛らわそうとしている内に、私自身も舟を漕ぎだしていた……
うつらうつらするたびに波に起こされていたが、島から離れたら多少はマシになったんじゃないかしら。徐々に収まって島に。
ここでも乗り継ぎのボートに1ドル取られる。おのれ……20ドル渡したらえらいコインの量になった。財布が鈍器になってしまった。
桟橋ではアシカの赤ちゃんがお出迎え。
と思ったら、上陸と同時に10ドルの請求。ああ、そういえば、イサベラ島は入島料が別途いるんだっけか。何かドンドン取られていくな。コインで払ったよ、もちろん!
2時間と聞いていたが、時計を見ると10時。結構かかったなぁ。荒れてなければ早いんだろうか。
宿は……結構遠いな。コイン払いとかしている間になんかカミオンみたいな奴で皆行ってしまったので、歩くが、あれは金が要るのかよくわからない。まぁ、ボートですらいるんだからいるんだろうな。
宿までの道すがら街を見るが、これは本当に田舎というか、発展していないというか、プエルト・アヨラの観光化した街とは似ても似つかないぞ!?
加えて宿が高かったことも考えると、物価も高いんだろうなぁ。更に田舎だものなぁ。食事事情がますます危機に……
割り切って、街へ。
いやーなにもない。
取りあえずビーチに出てみようかな、と展望台みたいなところへ。出たなウミイグアナ!確かに、これはわざわざ見に行くまでもないな!子どもイグアナの群れもあったな。
海は取り立てて、というかさっきも見ていたので、足元に目を移してみると蟹じゃい(檜山)!黒いな。例の奴と同じよう種なのか、別の種なのか、角度が角度だけに不明。たぶん違う。
教会があった。ガラパゴス感を出してくる外観。
中もキリストの足元にゾウガメとか、やはり特色出してくる。
腹減りがマックス!マックス!マックス!だったので、方々探したが、取りあえず最安は5ドル。これは、更に厳しい戦いだな。
スープと、こちらがメイン。魚と言ったらこれだった。おい、ここ島だろうが、獲って来いよ、って感じだが、やはり魚の市場がないというのは本当らしいな。
気を取り直して、この島はペンギンが見られるというんだから、それを見ねばな!とツアー会社に向かったら「今はシーズンではないので、見られない」
なんてこった!
一番の目的が潰えてしまった!まぁ、一番の目的なら時期調べとけって感じだが、もう切符も買ってあるし、5日か……。ちょっと疲れ溜まってるから、のんびり過ごそうかな。
街歩きを再開したところで、子どもたちと男性に囲まれた。どうやら英語の授業で、質疑応答して、それを動画に撮りたいらしい。いいけど、私の英語力……と思ったら、子どもたちの方がない!発音がスペイン語だからごちゃ混ぜになってわからんものも!
堪らず先生が助け舟を出して、Take2。ええっ?もう一回やるの?
と思ったら、何と同じ内容の質疑で5人立て続けにやることになった。なんか新鮮味でも出したくなるレベルだが、これでいいんだろうか。
それにしても、こういう実践的な授業はイイよね。日本でもやれば……って、外国人そんなに歩いてないか。
ちょっと和んだ私は、もう1つの目的地「Giant Tortoise Breeding Center」つまりゾウガメ繁殖センターへ向かう。
ちょっと距離があるので自転車で行く人も多いようだが、歩行者のみの通路があり、ここが面白そう。
いきなりウミイグアナの歓迎。えっ?ウミイグアナはもういい?泳いでる動画とか撮ったんだけど……まぁ、そうだよなぁ。
見たことない鳥が次々に。
と思ったらフラミンゴやんけ!
スゲーなー野生とか初めて見たわ。
更に進んでいくと、今度は林ゾーンに。
何か動いた気がしてよく見たら、蟹じゃい(檜山)!穴が巣なんだろうな。シオマネキみたいに、大きい方の鋏を振っている。意味があるんでしょうか。
到着!
ここではイサベラ島固有種を飼育してるようだ。
説明によると、卵から孵った雛はしばらく土の中で飲まず食わずで育ち、そこから外界に出て自分で育っていくが、ここで守るものは何もないので、保護が必要、ということらしい。
外来種を厳しく規制している理由が、生物ごとに紹介されていて、わかりやすい。
職員なのか違うのか、ガイドのおじさんがいて、いろいろ説明していた。
網の中のケージで小さいカメは保護しているとか。
サイズが大小いるのは同じ。月齢ごとに保護し、交配して成長したら戻す。しかし、ゾウガメの寿命は人間よりもはるかに長いため、巣立ちまで一人の人間が見ることはないんだろうな。
恐らく最大サイズのこいつは、体重280kgで、80歳くらいらしい。さらに倍くらいは生きるというが、まだデカくなるのだろうか??
大きいので、ダイムゲンと名付けよう。亀夫でもいいが。
と思っていたら小さいのにライド!ああ、大圧殺か!?
その場にいた女性がガイドさんに「喧嘩?」と聞いたら、「いや、多分魅力的な女性なんだよ」とのこと。ああ。そっちか。っていうか、80歳でもまだバリバリなのね。
ちなみにゾウガメは、オスの方が体が大きく、しっぽが長い。そして甲羅が下の面まで覆ってる感じになっているらしい。勉強になるね。
こうしてゾウガメをたっぷり堪能した私は街に戻ったが、多くの商店が店仕舞い。なに?土曜日だからか?
慌てて食材を買い込む。自炊できなければ命とりだ!!
しかしまだ16時台だぞ?
3kg2.1ドルと、比較的安い米を購入し、いざ、鍋で焚く。
「コメの調理は初めて見るよ」というカナダ人に、わしも鍋で焚くのは初めてジャーというダジャレin my heartをかましつつ、いざ調理!
うん、ちょっと焦げたね!疑心暗鬼になって火を通し過ぎたが、おこげがうまい。遠い日に食べたおばあちゃんの焼きおにぎりを思い出す……まだ死んでないけどな、ばあちゃん。
名前似てるねーって言ってた同じ部屋のハリーが早く寝たので、私もそれに倣う。寝るのもハリーだな、って……。
部屋にはWi-fi届かないし、そもそも遅いので、早めに起きてアップロード作業をしていたが、8時過ぎには結構皆出かけて行ったので、9時を回って出掛けてみる。
本当に田舎というか、何もないなぁ。そして道端にゴミ結構落ちていて、意識も低い。キューバを思い出させる。
日曜日ということで、頼りにしていたパン屋もやっておらず、朝飯難民となっていたが、屋台がやっていたので入る。
これで5ドル。スープはないが、大きめの豚肉揚げたのが4個くらいゴロゴロ入っていたので、結構お得かも。硬いけど、食い応えありで嫌いじゃない。地元民がジャンジャン来る店だ。
ツアー会社を数軒回ってみて、火山ツアー行こうと思っていたが、イケイケの田舎のオヤジみたいな人のいるところで、47ドルが最安のところ、「明日なら25ドルでいいぜ」というので、乗っかることにした。
ちなみに当日残り僅かな人数のツアー参加「Last Minitu」だと、結構お得になると思われる(本当のところはわからない)ので、飛び入りもありかもしれない。
何だか初めてソロでお得な気がした。二人の方が、宿の部屋もツインとか取れて、この島じゃ安いしね…。
さて、店も開いてないなぁ、ちょっと疲れたしとブラブラ歩いていたが、よく考えたらまだ10時過ぎ。早く起きて、重めの朝食摂ったから昼過ぎのような気がしていたが、ちょっと寝て来るか、と一度宿に戻る
そういえばこの宿、「Free Orange」という意味不明な制度がある。ビタミン不足が解消できるので、これだけは確実にいい制度だ。
13時過ぎにもぞもぞと起きだして、お散歩でもするか、と軽い気持ちで海岸線へ。
この海岸線の道、サイクリングやハイキングのコースがあり、Maps.me上でも観光ポイントがいくつかある。
軽い気持ちで歩き出したが、引くに引けなくなり、最後まで行くことになった。
海岸の反対方向に溜池。何か所もあり、鳥がいたりいなかったり、生態系保護についての看板があったり。沼みたいなところに「魚やカキがいるので……」とあったが、本当だろうか、という感じ。
同様にビーチも結構あり、天候もあって人もいないが、奥に進むほど穴場になっていき、道をウミイグアナの大群が占拠していたりする。
もうリクイグアナレベルでデカくなった奴も散見される。ぐでーっと動かないが、近寄ると小さい奴は逃げようとする。
そういや、しっぽのない奴もいたが、トカゲみたいなことするんだろうか。
あとは、タイヤでやられたであろう、ペチャンコの小さなウミイグアナも。「イグアナ飛び出し注意」みたいな標識もあるが、子どものサイズだと分からないな。大圧殺食らったみたいになっていた。
天然にできたという「Organic Pool」では、家族連れが。日曜日ということもあり、レジャー客にたまに遭遇する。
透明度が高く、魚が上から観察できる。水は冷たいが、晴れていたら気持ちがいいだろうな。
穴。この辺がむき出しの地形で、溶岩が固まったみたいに見えているが、そこに穴。取り立てて何かいそうな気配はなかった。
マングローブトンネル。この辺は赤、白、黒の各種が茂っているとか。海水と真水の境目に生えているんとか。
ハイ、来ました、今日のゾウガメ。野生かな。「ゾウガメに触るな」みたいな標識があったので、くるかなーと探していたら、いましたね。
イサベラ島南部はゾウガメの生息地としても有名で、先日の繁殖センターの様に保護にも力を入れている。
ダーウィン・フィンチ。もう前に撮ったかもわからんが、鮮やかな奴。エサ食うのに夢中になっていて、「あれ、いたの?」みたいなリアクションして、慌てて離れて行った。かわいい奴め。
最終目的地付近にある、通称「涙の壁」。アメリカ軍がこの辺に人を敷いていたときに使用されていたとかで、捕虜がどうとか書かれていた。いきなりの人工物の登場にびっくりしたぞ。
上から。最初は古代遺跡かと思ってワクワクしたが、1946~59年に作られた、とかあったので、最近だね。
ここを登って結構普通の山道みたいなところを行くと。
出ました、絶景ポイント。遠くに見えるのが、ホテルのある街「Puerto Villamil」。えー、結構来たなー。距離にして7.3kmとか。
頂上には途中で抜いたり抜かれたりしていた老夫婦がいて(すべての脇道に入ったからね)、彼らも歩いてきたようだから、ハイキングとしても悪くないだろう。最後の山道を考えると、サンダルで来るところじゃなかったが。
あと、ここの手前にあった山も似たような景色が見られるため、そっち登る意味あったんかいな、と若干思わないでもなかった。
帰り道にもゾウガメ。同じ個体もいるだろうが、5回くらい見かけたので、見どころの減る後半も飽きない。
街に戻る頃には結構暮れなずんでいたが、あの老夫婦は大丈夫だっただろうか。
夕飯は昨日と絵面が似た感じになったので、省略。
最早ほぼペーストの梅漬けで久しぶりに日本テイストを味わっていたら、ハリーが「日本から持ってきた?マジかよ……」とのリアクション。
……あれ、そういえば、これって持ち込んでOKだったのか?
……とりあえず、種も持ち帰って、あとは全て胃の中に納めておこう。
さて、休もうと思っていたのになんだかんだで合計20km以上歩いてしまったが、明日は火山ツアーで歩くぞ!って大丈夫かよ!
命の神秘が、我を呼ぶ!