第二百八十五話 たったひとつのEのために / ナチュラル・ダイバーシティ
出立87日目(通算337日目)エクアドル13日目 ガラパゴス3日目 サンタクルス島3日目
ツアーへの参加のため、7:45には旅行会社へ向かった。
ここでウェットスーツを試着して、そこから車で移動になる。
初日に空港からサンタクルス島に渡って来た港にやってきて、そこから船に。目指すは火山島「Daphne Major」だ。
今回、4軒ほどツアー会社を巡って検討したが、ここを提案してくれたのは1社だけだったので、取りあえずここに。
昼食やら諸々込みで100ドル。安くはないが、どのツアーも100ドル~が相場なので、取りあえず見たいものを決めてから相談するとよい。
今回決めた旅行会社は、説明してくれた女性が、見られる生物を写真や映像交えて、かなり丁寧だったことで決めた部分があるが、無数の旅行会社がひしめき合っているので、肌の合うところはどこかしらあるだろう。
話を戻そう。
小型のボートで客は6名。
コロンビアの老夫婦とドイツ人女子2人、UKガールと私だ。朝は冷え込んだが、海風の当たる仕様ではないため、ダウンは大げさだったかなぁ、と思っているうちに現地へ到着。
2000年前に活動していたとか言うもので、現在は恐らく休んでいる。といっても人は住んでいないため、文字通りの動物の楽園だ。
船は島に寄り、我々も帆先へ移動。
真っ先に見えてくるのは蟹じゃい(檜山)!
とにかく波打ち際に大量に居る蟹。茶色~赤~黄色と、歳を重ねるごとに色が淡くなっていくらしい。まぁ、デカいのは黄色いから、そりゃそうなんだが。
カモメかな。雛もいる。デカいけど。
これも。蟹食うのかな。
ハイ、出ましたよ、名物アオアシカツオドリ。マジで青いな。ペンキで塗ったみたいじゃねぇか。お土産物のモチーフにもなるくらいの有名鳥だ。
ガイドが叫び、指さした方向にはこちら。大変わかりにくいかもだが、マンタである。
船上からかなりの数を見かけた。水しぶきの上がり方やひれなどなのか、かなり遠くからも見つけるガイドと船員。さすがプロだ。うっすらとはいえ確認できる辺り、水の透明度も流石と言わざるを得ない。
そしてここからがメインのスキューバダイビングだ。船に立って見ていたのもあって若干気持ち悪いので、さっさと海に入りたい!ダイブ!
なお、ここからは私ではなく、ガイドさんの写真を使用。また、私が見たものと必ずしも同一ではない。当たり前だが。というより、映像がほとんどだったので、容量の関係でアップできなそうなので、文字大半です、さーせん(日本に戻って可能だったら上げますね)。
ふおーっ!入ってそうそう足元にウミガメ来たーっ!
ビビッて海面から潜っていないが、それでも十分にわかる近さと透明度。この日は海の状態も良かったらしいが、それにしても!
悠々と泳ぐ姿に癒される。魚群も見られる。そしてものすごく水が冷たい!
ウェットスーツはこれ、サイズ合ってるのか?こんなもんなのか?半袖の奴じゃなくて長袖のが良かった!とかいろいろ頭を巡る。
こうして一本目は終了。少し移動してまたダイブ!今度もウミガメキター!もう泳いでいても探すのが楽しくなる。だが寒い。
更にもう一回!今度は近くにマンタを確認してからのINだ。
うぉおおおおっ!マンタキターっ!
小さいの追いかけてたらガイドさんに肩叩かれ、振り向いたらデカいのが!しかも丁度真上に出ることができた私。興奮しっ放し!コバンザメが上にもついとるやんけ!しかしデカいな!
ガイドさんは接近して下にも回り込む。スゲーな。映像も撮っていたが、容量の関係でアップできませんな、さーせん。
↑ 凍えながらも泳ぐ私
しかし寒い!体が震える!そして船酔いと波酔いで気持ち悪い!だがこの景色は最高に気持ちいい!
こうして次のポイントまでの移動時、ガタガタ震えながら出されたグレープフルーツを齧っていたが、見事にリバース。いや、海の仲間におすそ分けといおうか。ダディの辛味噌が頭に流れる。
無事生まれ変わった私は、小さな海鳥たちの屯する岩場で再びダイブイン!
ここもすごい!いわばということもあり、魚の大群が舞い踊る。
見たこともないメッキみたいな魚や、小魚の群れ、そな中に混じって泳ぐ爽快さ。
そしてあっという間に潮に流される!
一度船に上げてもらったが、もうゴーグルつけ直すことが困難なレベルでガタガタ体が震える。後やっぱり気持ち悪い。潜っていない老夫人が気遣ってくれたが、ここでやめたら意味がない!もう一度行くぜ!
今度は鮫キター!
岩の下にいるのを、ガイドさんが撮影して引っ張り出してくる。うわー、スゲーなー。
相変わらず魚もすごいし。これだけ見られれば、言うことないな。
見られなかったアシカの勇姿!
こうして最後のシュノーケリングを終えた私は、船上でガタガタと震えまくっていた。何度か死を垣間見たが、というか目の前の景色がもうこれ天国じゃねぇかみたいな、寒さと気持ちよさと悪さの波状攻撃という訳の分からん気分だったわけだが、よくよく考えると、こんないいものを見られたんだから、運が良かった。
あまりにも青い顔してたんだろうな。コートまで掛けられた。
しかし他の人間たちはそこまで寒くなさそうだ。細いUKガールも私程ではなさそうだし。民族の差か。他はまぁ、アレだ。やはりアザラシとかが生き延びるためのアレと同じだろう。
震えていたため、海鳥たちの島の写真撮れず。残念。
昼飯として供された、セビチェとライスも、ほとんど食えない。というかこの酸味が効いた味が、さっき出したものを彷彿とさせてだな……。
船はサンタクルス島のビーチに到着。陸路で行けないため、当然観光地化していないので、とても静かなビーチ。濡れている砂浜より先に入ってはいけない、というルールも。
まぁ、他の船の奴らはちょっと行ってたけどな。
陸に上がれば元気が戻るもので、ここで小一時間の滞在がある。
岩場の蟹。こいつらが思った以上に早い。飛び跳ねたりするし、日本のよりも相当素早いんじゃないかしら。
それもそのはずなのか、こいつらの巣と思われる砂場の穴付近には、無残な姿の蟹の死骸が転がっている。ああ、襲われたんだな。おそらく鳥に。だって鳥くらいしかいないから。
のんびり歩いていると、ペリカンさんが魚を狙う場面に遭遇。
確かに前日にチャールズ・ダーウィンで見たような魚が泳いでいたからな。この透明度だと、発見もたやすいだろう。食えてなさそうだったが。
いやーい景色。何ていうんでしょうか、この漂うジャワカレー感。
「大人の辛さ、ジャワカレー」ってつい口をついてましたからね。カレー食いたいなぁ。
帰り際に穴から出る蟹発見。荒くてすまんな。めっちゃ警戒心強くて、少しでも動いたら引っ込むんや……。
帰りは2組に分かれたわけだが、UKガールと我々の車は全然来ない。20分くらい待ってガイドさんらと乗り込む。
途中で「Santa Rosa」という村に立ち寄り、ビールの差し入れ。ありがたい!
さらに牧場に。バンガローもある様だが、ここでいいものを見せてくれた。
ハイ、ゾウガメ。ここに連れてきた、ということは野生というのでもないのだろうが。整備されているために一年中フレッシュな草が食えるから、ここにいる様な事を言っていた。
牧場だからって、食うわけじゃありません。
亀の甲羅の模様は年輪と同じ仕組みなんだって。そういうところは似てくるんだねぇ。
さらに接近して写真を撮ってくれた。ビール持って撮った人間は、果たして何人いるだろうか。バカにするのもいい加減にしてほしい。
それにしても、今日のゾウガメというコーナーが出来そうなくらい毎日ゾウガメ見てるな、私。ガラパゴス感あって最高だね。
こうして待った甲斐ありという感じでツアーは終了。先に行った人らは、見られたんだろうか?
夕飯は昨日のマグロと買ってきた野菜でシチュー風パスタ。自炊する人が今日は少ないな。
さて、ちょっと疲れたので、明日はのんびりしようかな。
命の神秘が、我を呼ぶ!