第二百七十九話 たったひとつのEのために / 君に夢中湯! I want to 湯!
出立80日目(通算330日目)エクアドル6日目 キト4日目~バーニョス1日目
朝軽く散歩に出かける。明るくなり始めた頃の街の空気は清浄で気持ちがいい。教会の雰囲気も厳かさが2割増しになっている気がする。
途中でパンを買って朝食とし、9時くらいに宿を出る。
一泊6ドルはやはり安い。ロケーションも最高だし、シャワーが汚いとか言われていたが、そんなこともなかった。
さて、バーニョスの街に向かうには来た時とは違い、南にあるバスターミナル「Quitumbe」に行く必要がある。
旧市街からは何度か利用した「La Marin Central」の駅の一番手前の乗り場奥から出るのがわかりやすい。
これで50分くらいかな。
直通にもかかわらず、何故か途中で乗り換えさせられたが、客が少なかったからだろうか。ようわからん。
目の前のバスターミナルでチケット購入。いくつかあったようだが、4ドルちょっと。以前の情報だと1時間当たり1ドルくらい見とけばOKと言われていたので、状況は変わりつつある様だ。
ここから3.5時間。
バスの道のりは「アンデスの廊下」と言われる、5,000m級の山々が連なる景色を眺められる絶景スポットでもある。
「Corazon」や
「Illiniza」
有名な「Cotopaxi」はバスの左側の窓から見られるので、そちらをお勧めする。
私は右側だったので姿は見られたが、写真は諦めた。
さて、10:20発で14時前に着いたかな。宿に荷物を置く。日本人の男性が同じ部屋にいたので、色々聞くこともできた。
早速街の散策だ。
相変わらず得あたしの行く街は小さいところが多く、ここも例に漏れない。
街の広場の一つ。雄大な滝が町中から見られるのが素晴らしい。
ここにも面して教会がある。
「Basillica de la Reina del Rosario de Agua Santa」。
昨日キトの新市街で見たものにも似ているので、こちらのフェイバリットなのかもしれない。
中はこんな感じ。人物画などの壁画がある様式はそのままだ。
ここから街の散策。ひなびた温泉街という感じで、お土産物もどこか垢抜けない、素朴な手作り菓子などが並ぶ。
一応民族系のものを扱うところも。
やはり鳥がいるな。
大型スーパーや食堂盛りだくさんのメルカドなどがあり、生活には困らなそうだ。
この街も2.5ドルが相場。
いい感じのカフェ発見。
内装もオシャレ。一応ドリップなどもある様だが、この日はできないというので、チョコラテをいただく。
甘さが程よく、スチームミルクの口当たりが優しく、風味もよい。2ドル。
店内ではパソコンを弄る秘湯の姿も見受けられ、街の治安の良さを思わせる。
野菜不足を痛感していたので、スーパーで買い出して宿に戻る。韓国人カップルも見かけた。ここ以降、またアジア人が増えるかもしれない。
さて、この街に来た最大の理由。それは「温泉」があるということがある。
もうね、浸かりたい。お湯に。水じゃなくてお湯に。水浴びしかしてないし、余計に。
そういうわけで、夜を待って出かける。
火山の麓ということもあり、いくつか施設はあるが、最寄りは滝の下にある。
いいロケーションだ。
他は昼営業だけだが、ここは夜もやっている。
昼は2ドル、夜は3ドル。水着の着用とキャップが必要で、キャップはレンタル0.5、購入1ドルだ。入りまくるつもりなので、当然購入。
いくつかゾーンがあるが、18時~お湯の入れ替えがあるとかで、一番大きなゾーンはお湯が少ない。こんなに混んでいるんだから、時間替えろよ、って感じだ。
最初はこの奥の湯船にイモ洗い式に入浴。打たせ湯浴びてからじゃないと入れないところは、日本とも共通。
もう使った瞬間に漏れる例のため息。き、気持ちいい。控えめに言って最高だ。自然に口ずさむビバノンロック。すべての穢れが落とされる。リライトしていく。
滝がすぐそばにあって、眺めながら入れるのもかなりポイント高い。
こういうロケーションは、日本でもそうそうないんじゃないだろうか。
おすすめは1階にあるこのゾーン。一番熱い。多分43度より上。5分までしか入っちゃダメ、という看板まである。
ここに浸かっては水に入るを繰り返すのがバーニョスっ子のスタイルらしく、外気に当たっていたら「そこに入れ」とおっちゃんに勧められる。慣れると、新鮮な気持ちでお湯に浸かれるので、この組み合わせはベストマッチ!だな。
お湯の濁り具合から酸化鉄なのかと思ったが、塩味はしない。というか、硫化水素の匂いもしない。ところ変われば、なのだろうか。
地元の人らとふわっとしたスペイン語で会話も楽しめた。テルマエは心の距離を縮めるね。
なお、見かけた欧米人たちは全く温泉文化に馴染めなかったのか、早々に出ていた。可哀想な奴らめ。
結局1時間ちょっと楽しみ、ポカポカのままサンダルをひっかけて帰る。
帰りにバシリカ。これはこれは、インスタ映えしそうなことww
飲食店は20時近くでもやっているところがあり、これなら自炊なしでもいいかもしれない。
とか言いつつ、自炊。
宿はイスラエル人の家族経営のとこらしく、彼らのディナーの後にキッチンを使わせてもらったのだが、途中でドライフルーツのプラムと、リンゴconハニーの差し入れをいただいた。
ありがたい限りだ。
イワシの缶詰が安かったので、スープパスタに。
後ろは安いラムだが、そのせいか度数は日本酒並みだ。
いやーやはり、肩まで湯につかってこその日本人だと実感した。さすがは欧米人御用達の街だ。のんびりするには最高だね。
明日はもう一つの名所に出掛けようと思う。
聖なる泉が、我を呼ぶ!