新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百七十四話 たったひとつのEのごとく / ギリギリのボーダーライン

出立75日目(通算325日目)コロンビア23日目 イピアレス3日目~エクアドル1日目 オタバロ1日目

 

 

目覚めは雨の音と共にだった。移動日なのに豪雨感がすごい。

荷物をまとめ、パンをモサモサやってもおさまらないので、意を決して国境を目指す。

 

国境行きのコレクティーボはバスターミナルの他、セントロの南西の道を下ったところにもある(Maps.meに記載あり)。

 

ソロで行くなら8,000と言われたが、8時半前だとすぐに集まったので、急がなくても大丈夫だろう。

なお、忘れ物をした私はもう一往復しているが、9時過ぎでもすぐに人は集まった。ついでに言うと、エクアドル側も同様だ。

 

 

大体10~15分ほどで着く。

1回目はイミグレーション前で降ろしてくれ、2回目は通り過ぎてエクアドル側に行ったが、その後戻って降ろしてくれた。結構いい人が多いな、タクシー運転手。1,900ペソ。

それにしても、そのまま降りて行ったコロンビア人だろうか?はイミグレ通らなくてよかったのか、何なのか……。

 

イミグレーションでは行列があるものの、手続き自体は難なく終わる。あれ、なんか間違えたよね、係員。スタンプ一個多いんだけど?

ここから歩いて国境越えだ。

 

その前に残った小銭は両替できないので、その辺にあった商店に行き、これで買えるものちょうだい、と言ってお菓子を買う。初めていわれたんだろうね、笑って考えてたよ。

 

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黄色い橋の向こうがエクアドル。まぁ、さっきタクシーで一回越えてるけどね!

一応飛び越えてはいるあいのり方式。そんなことをしているのは当然私だけだが。

 

ここでは大きな荷物は置いて入館手続きが必要。

荷物を置いておくことに不安があったが、入り口の係のおっちゃんが、近くに置け、というので、彼に任せることにした。

それにしても、入管に入らずに屯している人間がコロンビア側にもいたが、彼らは何してるんだろうか……。

 

この列の間に、何人だか忘れたがA君と仲良くなる。国境の写真で右に後姿が写っていた彼だ。

スペイン語と英語がごちゃ混ぜになって話してくるが、妙に理解できる。カリから直でイピアレスに来たらしい。話しながら進んでいると、前の方にいた、エクアドルからコロンビアに入るこれまた何人だか忘れたが、ラテン系の男性も加わる。双方の国の情報交換をする。

うーむ、やはりエクアドルの都市部は夜間外出は危険そうだ。

ま、ビール買ってさえあれば外出しないけどね。することないし。

 

こうして無事出国手続きを終え、バスターミナルのある街・トゥルカンへ向かうコレクティーボを探す。

が、目の前で定員に。

A君というかAさんか、仕事で来ているんだろうか、決断が早い。すぐにタクシーで行こうと乗ることに。

タクシー、高くないかなぁ、と思いつつも、これも成り行きというか一期一会だからね、旅程の話をしながら目的地へ。

「ついでだからいいよ」と割り勘を拒否するAさん。心もイケメンかよwwあ、イケメンでした。

 

彼はキトへ直接向かうというので、ここでお別れ。

私はその手前、オタバロの街のチケットを買う。3.75ドル。

あ、そうそう、エクアドルは自国の通貨が破綻したとかで、アメリカドルをそのまま使っている。いい鴨だね。

おかげで計算しやすくなった。そして乗り込んだ私の後から、当然Aさんも乗って来たのであった。

 

バスは途中、何度か検問があり、一度目に私は降車を命じられた。外国人だからだろうか。、アジア人だからだろうか。そういえば、他の人のブログで何度も降ろされて荷物検査をされたとあったなぁ。

 

バスの兄ちゃんが荷物も降ろせる準備をしていたが、たばこは吸うか聞かれた程度で、パスポートの確認のみで終了。

うむ、身ぎれいにして愛想よくしてればいいだろうと思って、この日のために髭を落としていたからな!

 

こんなに厳重なのは、コロンビアからの薬物流入を防ぐためだとか。

まぁ、大麻クリームとか普通に売ってたしな、エクアドルはダメなんだろうな。

 

停車の度に物売りが入ってきたので、食べるものには困らないだろう。何売っているかわからん人めっちゃ多かったけど。

 

ウトウトしながら3時間ちょっとで到着。14時過ぎだが、キトは更に2~3時間かかるだろうな。Aさんに別れを告げる。

到着っていうか、セントロから2km以上離れた路上に落とされたけど。いや、もうちょっと先にバス停ないか?とも思ったし、実際あったが、運動不足になるとアレなので歩く。大した距離じゃない。

 

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実際、通りは長閑なもので、意味不明なモニュメント(アクアマンか?)がコロンビアよりも多い以外は特に変化はなさそうだ。

というか、チキン屋がまた多い。やはりこの辺のソウルフードなんだな。

 

宿に到着。

チェックインに困らないやり取りのスペイン語をそれなりに覚えたせいで、以降の説明もすべてスペイン語になったが、まぁ、いいや。何となく雰囲気で、というか見たらトイレってわかるしね。

 

その流れでお勧めのレストランもスペイン語で聞く羽目になったが、宿の近くにあった。

エクアドル料理がいい、と教えてもらった店で、出てきたのがこちら。

 

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おお、いい感じに初めて見るものだ。プレートで4ドル。コロンビアに比べるとチョイ高めか?

エンパナーダはまぁいい。手前の円形のものがマッシュポテト的な感じで、奥がマサラチキンが近いか。その下、これが胆。ゆでたトウモロコシ白だ。

ああ、宿の姉ちゃんが言ってたトルティージャって、まんまのトウモロコシのことだったのか。チョイもちっとした食感のアレだ。

サルサで味を変えられるのがありがたい。おいしくいただけたが、やはり野菜がないな。そろそろ体に良くないんじゃないかなぁ。と自炊を決意。

 

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街の広場に行ってみそ、と言われていたので向かうと、民芸品マーケットになっていた。

街の名前オタバロとは、インディヘナ系のオタバロ族が居住することに由来する様だ。

民族衣装を着ている女性が多く、男性も長髪で後ろで結んでいる。おかげで伸びてきた私の髪も目立たないという寸法だ。

 

気温はさほど高くない。朝晩は冷えそうな気候である。

 

人がいなさすぎるので、適当に冷やかして、夕飯の買い物をすべく、郊外のマーケットを目指す。

 

アウトレットが近いだろうか。寄り合い所帯の様に、小さな商店が並んでいるが、八百屋が数十店舗並んで内容もほぼ同じとか、これで商売が成り立つのか、不思議なレベルだ。

食堂も複数あり、ここは安そうなので、明日は利用してみようかな

 

と言って写真がないのがあれだが。

 

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街の一部。地元ネタで恐縮だが、戸倉上山田駅の辺がちょうどこんな感じだ、というくらい日本の田舎の商店街感がある。とても過ごしやすい街だ。

 

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セントロにやってくる。

手前の顔面像は誰だか忘れたが、おそらくオタバロ族だろう。

奥は「Iglesia San Luis」。

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中はこんな感じで、コロンビア終盤の教会と多少似ているが、やはり雰囲気は違う。

正面にはイエスとか船とかが祀られてごちゃごちゃしたカオスっぷり。もしかするとオタバロ族の何かが混じっているかもしれない。

聖人の絵が飾れられている点も特徴だろうか。

そういえば、オタバロに来る途中の道路の中央分離帯に等間隔で胸像が設置されていたが、あれは彼ら聖人なんだろうか。

 

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中央広場から「Imbabura」の山を臨む。街まで歩いている時は山頂が雲に隠れていたが、キレに見えてきた。特徴的な形状が景観にインパクトを与えている。

 

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他の教会「Iglesia El Jordan」も。外観残り具合に比べて、中はいたってシンプル。

 

さて、金を降ろした直後を狙う強盗が都市部ではあるというので、降ろしてすぐにホテルに帰るようにする。まぁ、この田舎町は大丈夫だろうけど。

そしてドルだからなのか、手数料が安いのは大変助かるね。

宿ではコロンビアのグアタペで同じ宿だった兄ちゃんと会う。これまで目撃しなかったが、きっと似たような道をたどってきたのだろうな。

 

自炊と言っても定番のパスタなので割愛するが、キッチンには人が結構いて、楽しい雰囲気であった。日本好きと言ってくれる女の子もいて、珍しく物価の話にならなかったなぁ……

 

明日はこの街に来た目的を果たそうと思いまふ。

 

それにしても危険地帯を抜けてまずは一安心。

実は外務省のページでは、カリからエクアドルの国境付近は「渡航禁止」という、4段階のうちのレベル3だったんですよね。。。

当然、行っちゃダメなんですが、通過してきた人や現地人の情報を得て、土日を避け、夜でなければ確実性は上がる、と踏んで通ってきたわけです。まぁ、この両者でも大丈夫だった人は多いと思うんですが。

いえることは今回「は」大丈夫だったに過ぎないのかもしれないというだけで、確実性を求められるなら人には勧めません。実際現地の日本人の話にしてもやめた方がいい、という人の意見もあるので。

こういうのに慣れてしまってイラクとかに入国して殺される、ということになったのかもしれない例もありますし、「これでなんかあったら生きて帰っても社会的に死ぬな」と思いながらの移動だったのは事実です。まぁ、現地に殺伐した雰囲気は一切なかったですが。

 

とはいえ、今後の移動でここまで危ないと言われている所はないですが、同じ経路をたどられる方は、情報を精査して慎重に行動することをお勧めします。この時期今回この場所が大丈夫だっただけで、「これならほかの地域も大丈夫だ」と考えないようにしていただければと思います。本当に、褒められた行動ではないので。

(他の国の旅行者はそこまで慎重ではないですが、日本政府は慎重な面もあります。平和ボケしてますし、この地域ではアジア人は目立つので、余計に注意した方がいいのは事実です)

 

という自己弁護で今回は終わりです。なんか武勇伝みたいになったら嫌なので、めっちゃビビりながら移動してたのを伝えておきます。まぁ、バスで寝てたけど。

 

レッドラインが、我を呼ぶ!