新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百六十八話 Cの時代の愛 / 恋を忘れた哀れな男に

出立65~6日目(通算315~6日目)コロンビア13~4日目 メデジン7日目~ サレント1~2日目

 

 

本日は移動日。メデジンからサレントまで目指す。

 

アルメニアを経由して乗り換えるのが一般的なようだが、直通の便がいくつか出ていて、8時、9時、11時、13時の便がとりあえず確認できた。

 

ホテルを出た時点で8時半ちょっと前。チェックアウトに間誤付いてしまったが、速足で行けば3kmとて間に合わぬ距離ではない。

とちょっと汗をかきながらなんとか到着。滑り込みで最後の一席らしきものをゲットできた。ミニバンみたいなタイプで、15人乗りくらいだろうか。45,000ペソ。少し遅れて出発した。

 

メデジンからサレントまでは山道。それを何かに急き立てられるように、運転手は飛ばす。凄い遠心力とガタガタの道で、上下左右に振り回される。

ちょっと寝ようと思っていたが、これは思ったよりハードそうだ。酔い止め飲んだ方がいいかもしれない。

小一時間も走ったころ、バンは停車。何かと思っていたが、どうも工事か何かのために、片側ずつ車を通している様だ。これが数度あったので、このロスを埋めるために飛ばしていたのかもしれない。

途中一度休憩を挟んだ。きちんとレストランでの停車で、皆昼食やトイレを堪能。ここには大型のバスも停車していたので、もしかするとこれもあるのかもしれない。

私はといえば、サンドイッチを自作していたので、車のWi-fiを活用しつつ、時を潰す。

あまりお腹いっぱいにすると今後の道のりで苦労するんじゃ……と思っていたら、案の定だ。まぁ、なんだかんだ寝たけど。

 

6時間くらいで着くかなーと思っていたが、結局16時半前後に着。7時間半か……飛ばしてなかったら8時間はかかったかもしれない。

てかこんな掛かるんだったら夜行便もあった方がいいんじゃ……。到着のことを考えると、8時か9時の便に乗るのがよさそうだ。

 

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サレントは山間にある小さな町で、当然『地球の迷い方』には載っていない。一体どういう選考基準なのか、役に立たない書物であるが、欧米人はバリバリ来ているので、ロンリープラネットさんには載っているのだろう。

コーヒーの農園があることでも大変有名であり、静かな街だ。メデジンの喧騒に疲れたら立ち寄るといいかもしれない。

 

チェックイン後、さっそく街に出る。

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広場に建つ小さな教会「Temblo Nuestra Senora del Carmen」。町のシンボルだ。

中はコロンビアスタイルで非常にシンプル。それゆえか、ステンドグラスに目がいくのも同じ。

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この日はサッカーコロンビア戦だったようで、街中の飲食店ではその模様が流れ、多くの人々が画面にくぎ付けに。そういえば、来るときのバンの中でもユニフォーム着た人たちがいたな。

 

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街はグアタペとは違った方向性にオシャレな彩色で、土産物屋も多い。よくわからんが欧米人バックパッカーがめっちゃ来るようになった様で、それに向けて街も変わったのだろう。浮浪者のような人も確かに見かけないし、夜の治安も相当いいようだ。

ただ、メデジンより若干美人が減ったような……。

 

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街を見渡せるという展望台へ。黄昏時の街並みが美しい。

 

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少し歩くとココラ渓谷を見渡せる展望台に。やはり山はいいな!ここはハイキングもできるらしいので、体調と相談しつつ行ってみたい。

 

街の中心に戻って、カフェを探す。広場に二つカフェがあり、「Café Quindio」へ。

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フィルターコーヒー、2,700ペソ。店内で飲む場合も紙コップだ。うむ、味としてはSalonm Malagoのが近いか。欧米人御用達ということもあり、街の物価はやや高い(いうてもだが)。

壁面にはコーヒー農園と鳥の絵が描かれており、雰囲気がいい。

 

先に店にいた北欧人(スウェーデンだかノルウェーだか忘れてもうた)のCさんが話しかけてきた。彼は日本の某大手商社でしばらく働いていたらしく、日本の話になった。

「日本は文化も食事も生活には素晴らしい。ただ、ワーキングカルチャーだけはヒドい。だから止めたよ」

ああ、知ってるよ。私もその口だから。しかし高福祉の北欧の人間の口から聞くと、なんとも思うところがあるね。「なんであんなにすることがあるんだろう」というのは、こっちが聞きたいくらいだ。どうしたらいいんだろうね。

 

昼のサンドイッチが結構腹にきていたが、食わんわけにもいかんだろうと、フライドチキンを食べに行く。

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ビールを入れると7,000ペソ。一つ2,000とかだから、ビールが半分近く持っていっているねwwチキン一つにつきジャガイモが一つ付き、この塩味の素朴さがいい。

机の上にはケチャップとオーロラソース、蜂蜜が置かれている。

蜂蜜って……と当初は思っていたが、コロンビアではフェイバリットらしく、やってみると癖になる。ケンタッキーのビスケットの感覚だろうか。

そんなんある割にみんながみんな太っているわけじゃない辺り、コロンビア人の美意識の高さを感じる。

テレビでは別の試合や今日のハイライトのスポーツニュースが流れている。地元の人々が持ち帰りで買っていくようで、賑わっている。こういうのがいいよね。

 

宿に買い物して帰ると、宿泊者に水のボトルを1本ずつ渡しているらしく、このタイミングでくれた。私の手の中には先ほど買った5Lの水のボトルが……。

 

コロンビアはボゴタメデジンは確実に水道水が飲めるが、地方都市の上水道の整備は7割強。ボゴタのホテルのおば様が「この二都市以外では水道水を飲むな」と言っていたので調べたが、そうらしい。

しかし高原地方でメデジンほど暑くないこの街で、果たして6Lの水は……。

 

3人部屋にはオランダガールが一人おり、彼女は日本に旅行したことがある、というので少々盛り上がった。

11時発のバスで18時半に着いたというから、おおむね予想通りと言えよう。

 

翌朝、宿付きの朝食を済ませ、少しダラダラしつつ、出掛ける。

 

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サレントはコーヒーの産地としても有名。農園を見学するために5kmほど歩く。

2か所ほどあると聞いていたが、目的地に着く前に呼び止められた。第三の農園だ!

断る理由もないので、まずはこちらにお邪魔する。

「Las Acacias Coffee Farm」

ここでは8,000ペソで農園を見学でき、最後にコーヒー1杯が飲める。

人が一定集まるとツアー開始。英語とスペイン語の2コースがある。一緒に行ったのはカナダ人のおっさんだったが、英語コースの案内の兄ちゃんはおっさんにしか話しかけない。もう声かけられたのはヤギを日本語で何というかくらい。おい、差別か。

まぁ、仕方ない。コーヒーはEspressoかアメリカンを選ぶ形式。ここにきてEspressoマシーン系かよ、という感じだが、コーヒー自体は旨い。

説明も口頭のみでおっさんへの語り掛けだったので、正直微妙かなぁ。まぁ、人によるのかもしれんが、あんまお勧めしない。

 

次に当初の目的地「La Finca de Don Elias」へ。

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こちらは10,000ペソだが、説明は丁寧だった。他の形式は1つ目と一緒。行くならこっちの方がいいと思う。

同じく人が集まるのを待ち、ついでに英語のガイドさん待ち。今回はUKボーイ、エクアドルガール、オランダガールとのツアーだった。3人は同じホテルだったらしいが、気さくでコミュニケーションを取ってくれたので、打ち解けた。エクアドルガールが日本が好きで、ここでも「NARUTO」とか出るんだからやっぱジャンプスゲーわ。まぁ、今の連載陣はどうなのか知らんが。

では、両方の農園で得た知識をまとめて紹介しよう。なお、我が英語力の限りであるので、誤りがあった場合はご容赦いただきたい。

 

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コーヒーは豆から芽が出て、そこから双葉の状態に。

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これをチャポラと言い、羽を広げた姿に似ていることから、蝶の名がついているとか。

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植えて1年で人の1mくらいまで成長。

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この年から実を付けるが、いい豆となると3年目以降になるという。

また、あまり年月が経ち過ぎても質が落ちるため、一定期間が過ぎると伐採し、新たに成長するのを待つ。

元々アフリカ原産のアラビカ種を使っているが、コロンビアでは手摘みでの収穫となるため、彼らの身長に合わせて低めに改良したり、上に伸びる部分はカットしたりしているという。

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手摘みという点も実は重要で、例えば生産量世界一のブラジルでは機械で摘み取るため、完熟した赤い実も、未熟な青い実も一緒に収穫することになり、結果豆の質にばらつきが出てしまう。

手摘みであれば完熟したものだけを積みとめるため、高い品質が保てるのだ。

「La Finca de Don Elias」では常駐スタッフ以外にも収穫時には雇うが、収穫量での給金のため、時たま青い実も収穫してくる輩がいるらしいが、そういうときはお帰りいただくのだとか。

 

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また、農園内にはコーヒーの他にも、バナナやオレンジ等が植えられている。

これは日よけ等の実用面や、虫や動物がコーヒーではなくフルーツを狙うよう仕向けることで、無農薬ゆえの被害を防ぐ目的があるらしい。

併せて、「La Finca de Don Elias」では唐辛子も栽培。これを農薬代わりに散布して、害虫を避けているとか。工夫がすごいね。当然、肥料もオーガニックだ。

 

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こちらのツアーでは熟した実を食べさせてくれもした。ほのかに甘い。

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赤い部分と豆はこちらの機械で分離。1日~水洗いして実をはがし、虫が付かないようにする。

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天候にもよるが、1週間~2週間ほど天日で干す。そして薄皮を剥いでいく

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行程的にはこの後炒って粉砕~となっていくが、実はコーヒー豆は政府の管理が相当に徹底していることもあり、大きな工場に持ち込まれて加工されるのが大部分であり、施設の多くは観光客用だったりする。

また、豆のほとんどは輸出用であり、国民が品質の良い豆を口にすることはほぼないという。

植民地時代も通じて国の最大の収入源であったことから、このような状態になっているらしい。何か複雑な思いだ。

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園内には花も咲く。ひと月に一つ、房が増えていく花。

 

観光客用に炒って用意されたコーヒーが供される。

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「Las Acacias Coffee Farm」ではEspressoで、

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「La Finca de Don Elias」ではフィルターで出た。

前者は浅く炒られており、酸味などがある今どき風。後者は深めに炒られ、コク重視の仕様だ。

どちらも流石にそこで取っただけあり、文句なく旨い。ここまでの歩行とツアーの疲れも吹っ飛ぶというものだ。

また、どちらも犬とか猫、鶏を飼っていた。単純に居付いたものと家畜と目的は違う。

 

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一緒にツアーを回った3人。UK・エクアドルカップルは日本のことを結構知っていたが、オランダガールはあまり知らないようで、そうなると中国との文化面の区別も結構つかない。

犬は農園にいた奴で、私が農園に来るときは先に立って歩き、ツアーに付いてきて、帰りにはお見送りまでしてくれた(例の一件以来、急に犬が足元に現れると、若干恐い。これ以外にも何匹かいて、みんないい子だったが、それでもドンドン来たときはちょっとね)。

これを見たオランダガールが、「日本は犬食べるの?」と聞くに至ったわけだが、3人同時に「それ中国や!」といった具合に。つーか、中国では犬食うってのは、結構世界共通?認識なんだな。

 

帰りも歩きだが、実はサレントの街からずっと下り坂で来たため、帰りは当然上り坂。傾斜はそこまできつくないが、行きよりも疲労は溜まる。

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しかし他に人がいると気は楽なものだ。

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景色もいい感じ。

 

空模様が怪しくなる中、無事街へ。3時ごろになっていたが、飯でも食うべとなり、安い食堂をリサーチしていたので、そこへご案内。オランダガールはベジタリアンで、そこには該当のものがなかったため、残る3人でお食事。

昼の定食7,000ペソをチョイス。物価の高いこの街では、他のレストランだと倍~といった感じだ。

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スープは米とジャガイモ入りの優しい味で、期待が高まる。

私とエクアドルガールはマスとジャガイモに、UKボーイは鶏肉と豆にしていた。

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シンプルな味付けで半身だったが、量的にはこんなもんで十分。味も申し分ない。

目の前の空き地に犬がおり、ちょっと分けて値的な感じでお座りしている。隣の現地人たちが少し分けていた。

 

こうしてコーヒートリップを終え、彼らに別れを告げた。

2軒目は思いの外楽しいツアーになった。やはり一緒に回る人間というのは大切である。

コーヒー豆も買えて満足だ。

あとは街の土産物屋を冷やかして、宿で休憩。最近コーヒーの摂取量のせいか、あんま寝れないのでww

まぁ、疲れてないというのも事実だが、前日の夜は代表選に興奮したのか、若者が窓のすぐ外で遅くまでボール蹴って盛り上がっていたのもあるだろうな。

 

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夜を待ち、チキン屋が締まっていたので広場でホットドッグを買う。5,000ペソ。

チーズにフライドオニオン、いろいろソースも掛かって複雑な味だ。いや、もちろんうまいが。

 

さて、一泊追加したので、これで心置きなく明日も楽しめそうだ。

 

コーヒールンバが、我を呼ぶ!