第二百六十三話 Cの時代の愛 / アニマル怪進撃
出立59日目(通算309日目)コロンビア7日目 メデジン2日目
宿に朝食はついていないが、コーヒーはサービス。簡単に入れているだろうに、旨い。流石コーヒーの本場はレベルが違う。
情報収集中にアメリカオヤジがやって来て、日本の話に。同僚から日本語を習っているというが、ナンパとか、そういう単語を覚えているあたり、さすがという感じ。
「コイツをやろう」と渡されたのが、コレ。
そう、蟻である。そういえば、町中で売っているのを見たが、日本の大黒蟻とか言うレベルじゃない。もう蜂とかのレベル。
「これで精力バッチリ。ナンパに持って来いだぜ!」
まさか、初見のおっさんにまで、何か見抜かれたか……?
メトロに乗るべく、駅を目指す。ホテルから1.5kmあることもあり、途中にはたくさん店がある。そこでエンパラーダを購入し、いただく。1,500ペソ。
先日と見た目は同じだが、こちらの方が肉が多めで、香草も入っていて味がワイルドに。イイね、嫌いじゃないわ!
今日は「Universidad」駅まで出る。
「Jardin Botanico」は簡単に言うと植物園。駅名の通り、大学の目の前にある大きな公園で、何と無料で入れる。
多くの動物も生息しており、大都会メデジンの癒しのスポットだ。
軽めのところから言うとニャン。
街ではほとんど見なかったが、ここはネコパラダイス。子猫も多い。
そしてイグアナ。もうたくさんいる。右上に小鳥もいる。
気付かずに近づいた少年や、ウェディング写真撮っていた新婦さんは悲鳴。まぁ、そうだろうな。
こっちの鳥のエサ場?にもたくさん。他にもカメがいたり、アヒルっぽいけどアヒルじゃない感じの鳥がいたりと、ぼーっと見ているだけでも知らない動物がやって来る。
「わーっ、木がお花のスカート履いてるみたーい」
と本気で思った私の純真を評価していただきたい。
大きな網で囲まれた蝶のゾーンがあり、そこへ。
ここの兄ちゃんは片言の日本語が話せた。
デカい。こいつは翅にフクロウの目に見える模様があり、これで威嚇するらしい。かなりたくさん生息しており、大きさ的にもビビる。
周りを飛んでいたので動かないでいたら、胸に止まる蝶。最初はそろりと動いていたが、結構アクティブに動いても離れない。
なんてこった!
また私の「適齢期の女性以外にモテる」伝説の1ページが刻まれちまった!
お兄さんをはじめ、他の親子連れらにもその懐きっぷりを微笑まれ、写真を撮られたりした(そういう時に髭が中途半端だな)。
「変なアジア人が虫に好かれていた」とか、見るたびに思うんだろうな。見ないかな。帰ったら消すな。
これもキレイ。
翅が透けた奴も。お兄さんが籠から出して見せてくれた。
他にも数種生息しているらしい。
お兄さんが解説する蝶の話がスゲー面白い。幼虫や蛹も別途飼育されており、まだ動ける奴がいたり、どれがどうなるのか教えてくれたりと、マジで楽しい。
そういえば今日乗ったメトロで、目の覚めるような美女がいた。もう一駅ごとに一人は確実に美人が乗ってくるなーとか嬉しい気分で眺めていたが、その時よりも遥かに楽しい。
少年ハートはいつまでも虫が好きなのね、フフフフ。
こちらのお兄さん、日本に少し滞在していたようで、ウチの国をベタ褒めしてくれた。
ありがたいことだ。ま、かくいう私もこの国のじょせ……この国好きだよ!
駅の構造物でアートをする人も。昼日中から堂々とやるということは、これは認められたものなのか?
この辺には科学館もあるが、なんか公園だけで4時間もいちゃったし、これ以上どこか行っちゃうと明日以降やることなくなっちゃうので、最寄り駅まで帰る。
駅前でコロンビアの定番スイーツ「Obreas」。大判のウエハースに各種ソースを挟む、手軽なアイテムで、町中どこでも見つかる。フルーツソースやチョコレートソースもあるが、ここは「arequipe」と呼ばれる、牛乳と砂糖を煮詰めた南米の定番のものにする。
チーズや練乳を追加トッピングできるので、試しにやってみる。チーズの塩気が甘じょっぱさを演出し、意外にイケる。チーズ多いとこはしょっぱいけどね。2,000ペソ。
近くの公園には原住民ぽい女性の像が。そういえば、塩の教会の男性の像もこんな感じの見た目だったな。
教会も向かいにある。結構石造りが多いんだろうか。
宿で小休止し、夕方に出掛けたのがこちらの「Café Pergamino」。
現地在住の日本人の情報によると、「コロンビアコーヒー文化の最先端の店」らしい。
確かに、昨日の店から漂う昭和レトロ感に比べると、平成の、表参道とかそういうところにある感じだ。
かなり賑わっており、順番待ちの列に並ぶ。
さて、ここではEspressoマシーンを用いた各種もあるが、ドリップ、エアロプレス、フレンチプレス、サイフォンと、各種の淹れ方で地元コロンビアの豆を楽しむことができる。
ドリップ大好きな私は、「Familia Lasso」なる豆をいただくことに。
席で待っていると、挽いたばかりの豆を持って来て、匂いを試させてくれる。チョコレートっぽい香りかな?こんなことしてくれたのは人生初。さすが最先端だ。
豆も売っていたが、各種道具も売っていた。日本製のやつが。
メキシコで見たのも日本製だったが、このコーヒーの国で久しぶりに見る日本語が、コーヒーの道具に使われているってのが妙な気分だ。もっとやる気を出せ、コーヒー諸国家。
混み合っていることもあってしばらく待ったが、店の雰囲気も良く、Wi-Fiもあるので気が焦ることもない。ここではパソコンを使う人もいて、治安が不安視されているのが嘘みたいだ。
そうして出てきたのがこれ。めっさデカいマグカップに並々。5,200ペソって200円いかないんですが……。
浅く炒られたのであろう。トレンドの酸味のあるテイスト。すっきりした後味だがコクとビターチョコレートのような余韻と、スパイシーともいうべき痺れが舌に残る。うん、控えめに言って旨い。さすがはコーヒー大国。少なくとも日本で飲んだら4倍はするな。
飲み干す頃には日が暮れていて(店の写真はその時撮ったよ)、ついでに飯を食いに行く。
朝エンパラーダを食べた時からどうにも気になっていたので、同じ店へ。
フライドチキンとビールだ!絶対旨いに決まっている組み合わせだ。店で食べる場合はなのか、芋が付く。チキン1個2,000ペソで計7,000ペソ。260円くらいだ。や、安い……。
味は言わずもがな。ここにケチャップやハチミツ、サルサも付けられるのだから、もう一つくらいイケたかもしれない。
事前清算だったが、レジに並ぼうとしたら、突然道端から現れたらしい小汚いおっさんに軽くどつかれた。何か言って去っていったが、「気にしなくていいよ、クレイジーっぽいから」と店員のお姉さん。
元より毛筋ほども気にしていなかったが、一体なにでクレイジーになっているのか、多少の疑問が残るのだった。
コーヒールンバが、我を呼ぶ!