第二百五十七話 M・オブ・デス / 海よさらば
出立50～53日目（通算300～3日目）メキシコ25～8日目 カンクン4～7日目
空港に着き、市内に向かうバスを目指す。
CUC→メキシコペソはかなりレートが悪い。キューバで変えた方がマシかも。
バスを待つ間に台湾人と、スイス人の女の子と話をしていたが、乗り込むときにはバラバラに。
車内ではシビルウォーが流れ、それ越しにスイス人の子が隣の男性と話している姿が見えた。
さて、再びロサス７にやって来た私。ハバナで再会したT君もいて、ひと心地した後、懐かしのタコスを食べる。旨い。
翌朝は朝食にワッフルが付いた。うまい。ここは食パンとゆで卵が基本なのだが、こういうのがあると嬉しい。
久しぶりのネットで諸々整理し、ねじをなくしたメガネの修理に出掛けたが……なんかこう、雑な感じだ。帰国したらまた直そう。
と思っていたら例のスイス人の女の子と……隣に座っていた男が手を繋いで歩いている。
あー手が早いというか、尻が軽いというか……ま、いいや。爪の垢でも貰っとけばよかったな。
近くにスーパーがあるというので行ってみた。物のないキューバからすると、商品があれこれ並ぶ光景は楽しい。T君みたいにラーメンでも買ってこうと思っていたが、ついいろいろ考えてパスタ周りのものを購入。
ハイ、久しぶりの自炊！シーチキンと市販のサルサ、更にアボカドを絡めるという、荷物を極力増やさずにしかも手間かけないでイケる料理を作っちゃう俺天才！と自画自賛して食べる。
それにしてもアボカド、1個60円くらいだから、若干日本より安いかな。ま、置いてる量が日本と段違いだったけど。
しかしこのビール、「ドス（2ね）エキス（エックスのスペイン読み）」っていうんですが、ついエックスだけそのままに勢いよく発声したくなるんですよね。中学生かお前は。
次の国への情報収集でこの日は終え、翌日に「そういえばカンクンってビーチリゾートなのに海見てないやん」と今更気づく。
とはいえ泳ぐのはもういいので、取りあえず歩いていけそうな海を目指す。
スゲー雨に降られながらも、ホテルの脇からようやく海へ。
うむ、水はきれい。魚もいるし、イグアナもいる。そうね、トゥルムにもいたものね。もう驚かないわ。
そのまま海岸伝いに歩いていく。辺りはまだ開発中らしく、建設途中のホテルやらで作業する人の姿がちらりと見えるが、あとは何もない道で誰ともすれ違わない。うむ、こういうことする奴だったな、私は。
やがてホテルなのか別荘なのか貸別荘なのか、高級そうな邸宅のプライベートビーチっぽいゾーンに入っていくが、そういうところゆえ逆に出られない。
さらにホテルソーンへ至り、フェリー乗り場へ。
楽しそう。三十路オーバーのおっさん一人じゃなければ。
陸側をテクテク歩き、街に戻ってスーパーを経て公園に入ると、コヒマルに一緒に行ったA君に再会。
「お、運命的ですね。結婚でもしますか」「異性ならね」とやってベンチに座り、これまでとこれからをダラダラと話す。別れ際、「またどっかの国で！」とこれから南米へ向かう彼は言った。次に会ったら……結婚か？
宿に戻って同じ様にパスタを作る。結局15km歩き、いつもの観光と変わらない感じに。
T君らは釣りに行っていたが、釣れた魚で鍋にしていた。大したものだ。
ロサス７はボロいけど清潔で、慣れればオーナーの人柄も楽しいところであった。
翌朝早々に宿を発ち、空港へ向かう。
さて、ここに至って問題がある。次の国「コロンビア」へは出国のチケットがいるのか、いらないのか問題だ。もっと正確に言えば、出国できるのか問題だ。
仮に入国を断られると、航空会社の責任になるため、入国への対応が相当シリアスになるのだ。ただ、会社に寄るところであり、ブラジルからの入国では求められなかったという。
ロサスのオーナー曰く、「interjetなら無理」とのこと。しかし、陸路で抜けたい！
色々検討した結果、「全額払い戻し可のチケットを購入しておく作戦」で行くことにした。
単純に、航空会社のサイトで変更型のを買って、入国後にキャンセルするのだ。
やり方はよそさんのサイトを参考にしていただくとして、ANAので日本帰る便を取ってみたらどエラい金額になった。もう貯金の半分。これ1月後とかに返ってくるって……その間大丈夫か？って額。っていうかよく決済降りたな、俺のカード。
みんなは英語を恐れず、近場に飛ぶ航空会社のサイトを使おうな！
そういうわけで、チェックインに向かうと、案の定、帰りのチケットを聞かれる。どうもチェックインに際して、この会社はシステム的に入力が必要なようだ。
予約なしで行ったという人もいたが、まぁ、安パイきったほうがいいよね。
（逆にコロンビア入国時には提示は求められなかったので、ここの突破だけが障害）
窓側の席からパシャリ。いい青さだ。ようやっとメキシコとおさらばし、ついに当初の目的の南アメリカ大陸へ。
次なる国はこの旅で最も危険な国！燃えてきたー！
コーヒールンバが、我を呼ぶ
