新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百五十一話 C 32歳の革命 / ブルー・シー・ブルー

出立30~3日目(通算280~3日目)キューバ5~8日目 プラヤ・ヒロン1~4日目

 

 

さて、キューバ国内の移動方法は数あれど、今回は最もポピュラーな「ビアスール社」というツーリスト向けバスを利用することにした。しかし!

 

出るのがギリギリになったうえ、バスステーションまでのバスが全く来ない!

Cさんがタクシー運転手と交渉し、2CUCで乗せてもらった。クラシックカーではあるが、ソビエト製の四角いヤツで、っぽさ爆裂な機体だ。

何とか時間には間に合ったが、チケットのない我々。もう席はない、という運転手らに食い下がり、立ち乗りでいいからと交渉するCさん。

確かに、この10:45発を逃せば次は14:15発とかだからな!多少揉めたが乗り込むと、1席空いていたのでそこをCさんに譲る。するとバスのオヤジがクッションを渡してきて、段差のところに座れ、という。ああ、まぁ、ありがたかったよ。これによって巻き起こる拍手。

ということで、実際は16CUCくらいのところ、Cさんは13CUC、私は7CUCで乗れた。よっしゃラッキー!ケツ痛くて白人の子どもの干渉もすごかったけど、横の韓国人のおっさんが気を使ってくれて助かった。息子はクソだったけどな。

 

 

こうしてうつらうつらもしつつ、一度の休憩を挟んで14時半ごろに到着したのは、「プラヤ・ヒロン」という小さな海の街だ。

日本のガイドブック『地球の歩き方』には存在すら明記されていないため、日本人はほぼいなそう。韓国人や欧米人は見かけたので、『ロンリープラネット』には載ってるんだろうな。

「ペンギン村みたいなところ」というCさんの言葉通り、ハイ、ご覧ください。

 

f:id:haruki0091:20170823212111j:plain

f:id:haruki0091:20170823213639j:plain

もうこんなに土地が余っているというかだだっ広い!何の用途もない!スゲー!

町は大体コの字型に建物が並び、後の真ん中の空間とかは草と砂、馬、羊、時々木。草原でも密林でも砂漠でも岩場でもない、私が今まで見た中でもトップクラスに本当に何もない空間。1枚目なんてバス停(繁華街?)振り返った場所の画像ですからね。

でも、それがいい!

 

f:id:haruki0091:20170823212156j:plain

宿は昔Cさんが仲良くなったという漁師のオヤジのところで、交渉の結果、素泊まりだが15CUCになった。門の上のエビに光るセンス。

荷物を置いて早速…ビールだな!

レストランでビールを飲むと、日陰はさほど暑く感じず、風が心地よい。周りには平屋がわずかに立つだけで、取り立ててみるものもない。ああ、いいねぇ。ゆっくりできる。

f:id:haruki0091:20170823212329j:plain

そしていざ、海へ!足元岩場だが、凄いキレイ。

住民たちが楽しそうに泳いでいて、心地良い風が吹く。イセエビが生息しているのを見かけるというすごい状況。

 

別の海岸にもいき、違いを楽しむ。欧米人もいくらか見かける。地球の歩き方には全く載っていない穴場だが、それ故に非常に過ごしやすいように思える。

 

夕食まで軽く飲み、カサで頼んでいたランゴスタ(ロブスターというか伊勢海老というか)に挑む。

f:id:haruki0091:20170823212438j:plain

おお!

 

f:id:haruki0091:20170823212522j:plain

おお!!で、デカい!身だけで20×8cmというところか。昼に海で見た、昔の懐石料理に合ったイセエビのグラタンくらいのサイズのやつを想定していたから、相当にたまげた。

 

まずスープがうまい。こんなちゃんとしたスープ出来るんだな、キューバ。ってくらいうまい。

そしてランゴスタ。肉厚ジューシーなしっかりと詰まった身に、シンプルな塩味。しかしうまい!当たり前だけどな!これが海の近くの強みだ。事前にスタッフの兄ちゃんに「塩辛くしないでね」と言っていたからなのか、ものすごくちょうどいい。幸せだ。10CUCとキューバでは値が張るが、全然見合ったうまさ!大満足だ。

とかやっていたら別の宿泊者がやって来て、「俺は夜這いをかける」と他の部屋に突入していった。

Cさんは横綱がどうこうとか、アイツ入っていったよ…と言っていた気がするが、ビール一缶も飲んじゃったし、覚えてないなぁ。悲鳴は聞こえなかったな……。

その後買ってきたラムでまた一杯始める。

 

ちょっと二日酔いを感じながら外に出ると、7時代はまだ涼しく、読書に最適な環境だった。

f:id:haruki0091:20170823212624j:plain

朝飯に人民ピザを食いに行く。10CUPだが一から手作り。

「場所によっちゃあ、ゴムみたいなチーズなんだよ」という、逆に食ってみたい煽りを食らっていたが、なんてことはなく、普通においしかった。たかりに来た野良犬が大人しくお座りしていた。

 

その向かいには「配給所」が。社会主義の名残で、今もあるらしい。流石に撮影は遠慮した。

 

この日はバスで行く海を目指す。しかし1時間以上待っても来ない。この辺が田舎時間だ。タクシーを拾って向かった。2人で5CUC。結構観光客もいる土地だ。

f:id:haruki0091:20170823212924j:plainうわぁ、すげー!超青い!超透き通ってる!超カリブ海

f:id:haruki0091:20170823213235j:plain

潜ればすぐに魚が見られる。まぁ、道具のコンディション良くなかったから大変だったけど、キューバで見た海で、一番きれいだったといえる。ただ、どこの海岸も心無い人たちがごみを捨てて行っているのが残念だ。30分に1本、キンキンに冷えたビールくれればゴミ拾うぜ?

欧米人などの観光客も多い。どうやらすぐ後ろにホテルがある様だ。

 

f:id:haruki0091:20170823213316j:plain

フレッシュジュース1CUC。観光地価格だね。グレープフルーツ?おいしかった。

 

帰りもやっぱりバスは来なかったが、なんとかキューバ人用のバスを止めて乗せてもらう。

2CUPで帰ってこれた……安すぎる……。

 

f:id:haruki0091:20170823213441j:plain

宿の近くの、昨日と同じレストランへ。今日は食事だ。

人民御用達のビール。ぬるい。うすい。そして飯はまだ来ない。食前酒になってしまった。

f:id:haruki0091:20170823213402j:plain

田舎時間たっぷり経過して登場した飯。パラパラのご飯は肉の油で炒めたのかな。

肉は本来豚なのだが、足りなくなったのか、どうも私のは鶏のような気がする……。そんな感じだが、まぁ、味は悪くなかった。チップ込みで2CUCくらい。

 

その後、すぐ近くにあるドラフトビールの飲める店で1杯1CUCのを。昨日も飲んだのだが、麦の味がしっかりして、これは文句なく旨い。キンキンに冷えているのも珍しい。

 

宿で一休みし、朝のピザの店で人民パスタを。

f:id:haruki0091:20170823213531j:plain

ソフト麺みたいな固さ、と言われていたが、ここのはもう少し芯があった。久しぶりの麺類だが、まぁ、それなりの味。25CUP。

蚊はすごいが、昼夜を問わず人がやってきて、寡黙そうな兄ちゃんの人柄がしのばれる。まぁ、女とカウンター内でイチャイチャしてるのもよく見たけど、キューバ人としては朝から晩までなんて、勤勉な方だろう。

 

部屋で飲んでいると、宿の兄ちゃんがレモンの差し入れ。一緒に呑む。

彼はキューバの外で働きたい、と言っていた。彼らの収入は相当低いと聞いている(年100CUCの人もいるとか)し、彼も宿以外に、建設現場で働いているところに会ったりした。スゲー素敵な海の街で、この国の闇を感じた。

 

途中で若者が集うバーに出掛けた。

f:id:haruki0091:20170823213603j:plain

屋外ステージの裏みたいなところで、周りを気にすることなく、音楽ガンガンかけている。これがこの村の若者の娯楽か。日が当たらなければ暑さも気にならず、心地の良い夜だ。観光客いなかったので、相当浮いていたが。

収入が少ないと聞いていたキューバ人だが、兄ちゃんは2回もおごってくれ、ちょっと申し訳なかった。これがCさんの言う、善良なキューバ人だろう。のちを振り返っても、田舎町ほどまともな人が多かったように思える。

 

またも二日酔いに悩まされつつ、飯を食ったり海に入ったりの、まったり海街ライフを堪能。長閑な風情に加えてネットのない生活が心地よい。

 

最後の夜も静かに更けていった。

 

翌日、早朝にCさんはバスを拾う→高速で降りる→ハバナ行の何かを拾うという人民流の交通手段で行くらしい。スゲーな、おい。

私も遅れること1時間、人民流の移動で次の街を目指す。

「カミオン」と呼ばれる、トラックの荷台に座席を付けた強行型バスだ。

兄ちゃんは「10時発だから20分くらい前に行けばいいよ」といい、

オヤジさんは「9時だから1時間前に行け」という。

「オヤジさん、ボケ始めてるかもな……」とCさんの談を受けると10時だな。しかし、オヤジさんの手前8時に出ざるを得ないな!

やはり2時間後、10時くらいに配給所前から。うーむ、配給日なんだーと思っていたが、違ったのか……。

シエンフエゴスまで3CUC。おそらくツーリスト価格で盛っているだろうが、立場や彼らの収入を考えれば、まぁ、くれてやれる額だろう。

 

囚人護送車みたいなものに、立ち乗り。当然エアコンなどない。走り出せば風が吹き、これなら何とか!止まると地獄だけれども!いざ目指すはシエンフエゴス!

 

戦士の魂が、我を呼ぶ!