新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百五十話 C 32歳の革命 / HAVe A Nice dAy

 

出立27~30日目(通算277~80日目)キューバ 2~5日目 ハバナ2~5日目

 

 

朝食はパンとオムレツ。にフレッシュマンゴージュース、コーヒー。

Kさんとコリアンカップルが先におり、あとから日本人女性Yさんもやって来た。

彼女が醤油を持っていたのでそれを使わしてもらったが、本来はバターもケチャップもない。おお、面白くなってきやがった。サルサ買っとけばよかったな。

 

半年出ているので日本食恋しい話も盛り上がったところで、YさんとKさんは今日宿を出ることが判明。おおい、一人じゃねぇか!なんでも、海辺のリゾート=バラデロで食べ飲み放題二泊三日のツアーに行くとか。ああ、いいね、それ。でも私、行ったら泥酔して記憶なくしてそう……。

人口比的に一気に韓国人宿になったが、まぁ、いい。とにかく観光だ!

 

f:id:haruki0091:20170823132954j:plain

ここキューバハバナは首都ということもあり、文化経済の中心都市だ。

その辺をゴロゴロとクラシックカーがはしっているのも、この国ならではの光景だろう。ソ連カーもあるよ!

 

そしてこの国を、街を旅するうえで欠かせない人物がいる。

まずは当然、エルネスト・チェ・ゲバラ。そしてカストロ議長にカミーロである。

もう一人は作家・ヘミングウェイ

ということで、この革命の動きと作家の動きを中心に、今回は回っていきたい。

 

f:id:haruki0091:20170823130953j:plain

旧国会議事堂は修復中。ホワイトハウスを模していたというのが皮肉が効いている。

 

f:id:haruki0091:20170823131602j:plain

アリシアアロンソハバナ劇場はキューバクラシックバレエの総本山。

 

f:id:haruki0091:20170823131755j:plain

革命博物館は元大統領官邸だった場所。

ここに写真や武器等の展示が並ぶ。

f:id:haruki0091:20170823131914j:plain

当然悪役のバティスタやアメリカ大統領ズはこんな感じに弄られている。

f:id:haruki0091:20170823132028j:plain

チェとカミーロ。死んだからなのか、やはりこの二人のヒーロー的展示が多い。ある意味、フィデルの奥ゆかしさのようなものの表れかもしれない。

 

f:id:haruki0091:20170823132221j:plain

当時の突入に使った車なども展示。銃痕が生々しい。

 

今更キューバ革命について多くを語るまでもないだろう。本もたくさんあるし、映画もいいのがたくさんある。

世界の警察=アメリカと相対し(今も不利益あるし)つつも、ここまで世界中で愛されているのは、ある意味日本でいうところの「滅びの美学」があるのかもしれない。

キューバ革命で英雄としての、そして経済的にも安定した地位を得たチェは、にもかかわらず他国の独立戦争のために地位も家族も擲って、生涯一兵士であり続けた。まぁ、頭おかしいやつともいえるが、若き日の彼が旅空の元に見た中南米の国の悲惨さは、独立を勝ち取ることでしか脱することはできないという、理想主義を確固たるものにしたのだろう。しかもイケメンだし。まさしくカリスマの王者。

カミーロにしても飛行機の墜落で死んでいる。義経然り、幸村然り、新撰組然り。どうも悲劇的な人物を英雄視する風潮は古今東西変わらないのだろう。

 

街にはスペイン統治時代~アメリカ統治(実質)時代にかけての要塞も多く残っている。

f:id:haruki0091:20170823132333j:plain

プンタ要塞に

 

f:id:haruki0091:20170823132440j:plain

モロ要塞。美輪明宏……何でもない。

  

f:id:haruki0091:20170823132609j:plain

フエルサ要塞。てっぺんの女性はキューバのシンボル「ラ・ヒラルデージャ」である。見えねぇよな。

 

ここの守衛さんが日本人と知ると、知ってる日本語を連呼してきた。彼以外にも結構同じ様なキューバ人がいた。実は日本とキューバはもうすぐ国交90年を迎える。

f:id:haruki0091:20170823132739j:plain

そのため、例えばこんな日本人像が立っていたりするくらい、ちょっとした親日国みたいだ。仙台のみなさーん!私はここですよー!とか一人で言ってたのは内緒だ!

 

f:id:haruki0091:20170823132834j:plain

カテドラル。

メキシコに比べるとそこまでではないが、一応カトリックの国。しかし教会は滅多に見ない。

 

f:id:haruki0091:20170823133224j:plain

酒狂いとしては訪れたかった「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」はヘミングウェイが愛したモヒートが飲める店で、彼のサインなどの足跡が店内に残り、バンドの演奏もされている。

 

f:id:haruki0091:20170823133335j:plain

混み合う中、何とか座れた!一杯5CUC。暑いさなか歩いてきて、この一杯は強烈に効く!ガチミントをガシガシ目の前で潰し、キューバ産のラム「ハバナクラブ」で割って作ってくれる、まさしく本場の味だ。

 

f:id:haruki0091:20170823133511j:plain

ということで、ハバナクラブのラム博物館へ。ここはラムの製造工程を教えてくれ、最後に一杯飲ませてくれる。

ちなみにこのロゴの人型が女神「ラ・ヒラルデージャ」である。

f:id:haruki0091:20170823133620j:plain各工程で各国の酒で例えてくれ、日本が最後のオチに使われる。アジア人は私だけ、言語体系・文化が全く違うため、「何それー?」状態ながらもリスペクトを感じる雰囲気。いやぁ、日本人のいいイメージを築いてきた諸先輩方のおかげですな!背筋が伸びますわ!

「日本人か!俺日本好きなんだ!よろしく!」とか「今のどういう意味?」とか「ウチのはバーテンダーになるんだ!おい、お前、この写真撮っとけ」「親はああ言ってるけどまだ何もしてないんだよ。困るよな、本当に。俺、柔道好きだよ。大外刈りいいよね!」とかね。

 

ハバナクラブ安いの5CUC代かー。今日飲む用に買ってこうかなー」と思ってたら、日本好きと言っていた親父さん、ニヤニヤしながらこれ見ろ、という。

 

f:id:haruki0091:20170823133715j:plain

1,700CUC!?19万円くらい!?スゲー、超スゲー……。

 

宿に戻る途中でアイスを買う。

f:id:haruki0091:20170823133804j:plain

地元用で人民ペソで買い物。2,5CUPだから……11円!?安い!ってかうまい!

 

もう1つの日本人宿「ホアキナの家」には「情報ノートがある」と聞いたので、行ってみると、結構日本人がいる!しかし部屋は空いていない!

これは……パスだな!

考えても見ろ。革命のメッカに来たのに、何も他人の敷いたレールを走ることもあるまい。いや、確かに今までも情報は取得していたけれども!入国した以上はもう持てる範囲の力で乗り切ろう!

そうなるとめし屋が全く見当つかんがな!

と彷徨っていると、おっちゃんに呼び止められ、おっちゃんの店?なまりが強すぎて英語がわからんが、ついていくと、店の中でどう考えてもネイルケアをしている。

取りあえずビールをもらう。おお、これがキューバの2大ブランドの一つか。すっきりテイストなのはメキシコと変わらず。1,5CUCかな。最後おつり誤魔化されたけど、いいや。

飯は5CUCと言われたが、取りあえず断る。高くはないがね。

店にいた娘さんを「嫁にどうだ」「日本で歩いても大丈夫か」という田舎のオヤジみたいなトークも炸裂し、面白かったが、翌日行くかなぁ。

 

宿の近くでピザとビールを買う。

f:id:haruki0091:20170823133849j:plain

これまた地元民用なので、ピザ20+ビール34CUP=240円くらい。急に安いな!

キューバ飯はうまくない、と脅されていたが、このピザもよくわからん甘さがあり、微妙といえば微妙。タバスコ欲しい。返す返すもメキシコでサルサ買っとけばよかった!

 

翌日には日本人のY君がドミに来た。空港で夜を明かしたからと眠る彼を横目に新市街へと足を延ばす。

 

f:id:haruki0091:20170823133942j:plain

革命広場。

メーデーなどでの国家評議会議長の演説の場になっているとか。中央のホセ・マルティ像は18mというから、ガンダムと同じ大きさである。でかい……。

 

f:id:haruki0091:20170823134056j:plain

また、これの向かいの内務省の壁にはエルネストの肖像と

 

f:id:haruki0091:20170823134209j:plain

カミーロの肖像が。クラシックカーで乗り付けた外国人たちがめっちゃ記念撮影。おい!カミーロの前でも撮れよ!

 

旧市街に戻り、ホテル・アンドス・ムンドスへ。

f:id:haruki0091:20170823134321j:plain

ここはヘミングウェイが邸宅を購入するまでの間、根城にしていた場所で、彼の部屋は記念館として残っている。彼はここで「誰がために鐘は鳴る」等の本を書き上げたとか。

 

f:id:haruki0091:20170823134606j:plain

f:id:haruki0091:20170823134411j:plain

ピエハ広場にはクラフトビールを飲める場所があり、ここで黒ビールを。2CUC。

日本のものに比べてスッキリしたテイストだが、味の薄い中南米ビールを考えるとこんなものだろう。

 

のんびり散歩しながら宿に戻ると、日本人のCさんがちょうど到着したところだった。キューバに何度も来ていた、というから、色々話を伺う。

彼に付いて夕食へ。有名な海鮮系のレストランがあるというので、そこで、エビのヤツを頼む。

f:id:haruki0091:20170823134652j:plain

6.5CUC。これが滅茶苦茶うまい。塩とニンニクを使って炒めたシンプルなものだが、それ故に素材の味が出ていて○。一緒に頼んだモヒートとキューバリブレもうまい。おかげで1,300円くらいかかったけどな!

ここでCさんの出身地が、驚くべきことに同じ町内だと判明。キューバの地で海津城の話を展開するというミラクル加減。 

 

この後、彼の知り合いのキューバ人の家に行き、結構話し込む。やっぱりスペイン語話せるのは強いんだなぁ。

ハバナクラブを買って帰り、二人で酒盛りを始めると、Yくんと新たにドミに入ったCちゃんもやって来て、宴会に発展。昼間葉巻を売ってきたオヤジの話をすると、「ああ、それは偽物だね。よくある手口だよ」とCさん。そうか。ガチで金持ってなかったから買わなかったけど、っていうか1箱20~40CUCって高すぎるからね!

そして日本トークに花が咲く。おかげで飲み過ぎちまった……。

 

二日酔いを引きずって、宿を移るTちゃんを見送り、旅立つYくんに別れを告げる。さよならだけが人生だな!

のんびり旧市街を散歩して、「爆風消火だ!」とクラフトビールの店で白を呑む。

f:id:haruki0091:20170823134746j:plain

ああ、のんびりしている。昼から外でビールって最高やん!と思っていたら雨が。

f:id:haruki0091:20170823134834j:plain

カサに戻る途中でスコールの様に!

 

 

雨の間を抜けて、昼飯を買って戻ると、何と停電。暗い!

昼飯は地元民用のハンバーガー25CUP。肉を焼いてその場で作ってくれるので、マックのより全然うまい。

 

一っ風呂浴びてこれをしたためていると、カサの従業員の娘が襲来。5歳くらいか。興味津々にキーボードを弄ってくる。おいー!それ消えるヤツだからっ!!

しかしこの子パンツだけしか履いてないが、色々それでいいんだろうか……。

 

Cさんが帰って来て話していると、台湾人の女の子がジュース片手にやって来た。

「あげるからコップ持って来て!早く早く!」

超マイペース。その後も「暑いから」と、雨が当たる窓辺でスペイン語の勉強を始める。濡れているんだが、いいんだろうか……。

 

バラデロに旅立ったKさんとYちゃんが帰って来て、リゾート自慢を聞く。

Cさん、Kさんの男子組で、地元の食堂へ。

 

f:id:haruki0091:20170823134947j:plain

人民ペソで食べられるごはん。ビフテックだからステーキですね。豆のご飯は赤飯みたいに色がうつるが、味はもう少し攻めた塩味。キューバ飯はマズい、と言われていたが、ここのはうまい。これで30CUPだから、ビールより安い。

 

宿に戻る途中に買ったのはなぜかオランダの輸入ビールだった。炭酸が強く、日本寄りでいい。

 

次の日、ヨハンナの家という、実質韓国人宿になったカサに行き、情報ノートを見せてもらう。結局見せてもらう私。

Cさんにくっついて、次の街へ移動すべく、行動を開始した。

 

カリブの海が、我を呼ぶ!