新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百四十六話 M・オブ・デス / 小さな町のメロディー

出立22~3日目(通算272~3日目)メキシコ20~1日目 サン・クリストバル・デ・ラス・カサス1~2日目

 

過酷な長時間移動も、腰が…とか、眠れない…とかでなく、単純に冷房効き過ぎが主要因になるとは思わなんだ。

「えっ?こんな寒いの?そんな気候変わる?」と停車のタイミングで外に出れば、あったかい。一体誰のためなんだ…あっ!そうか!俺合わせのはずないだろ、メキシコ人は皆デ…(サポテコ人の言葉で、皆さん元気ですか、の意味)

 

取りあえず預けた荷物から防寒着取り出しましたよ、ええ。皆さんも移動の際はご準備を。

 

そんな訳で夜7時発のバスは朝6時半過ぎに駅に到着。空は白み始めているが、一応明けるまで待つ。」あ、OCCのバスは640ペソくらいだったかな。ADOならジュースとかも付くみたいだけど、200ペソ高いしね…。

 

そういうわけで、次の移動先への切符を購入し、街へ。

ホテルは入れるかなぁ、と不安になりつつ、8時くらいに着くと、快く迎えてくれた。一緒に入ったオランダ人の子が朝飯を食ってたので、「僕も食べていーい?」」と聞くと、オーナーさんが「いつもはダメだけど、いいよ」と応じてくれた。

いい人だな。きっとこうやって付け入られて…いかんいかん。ケサディージャに軽いサラダが付いたもの、あとはコーンフレークやコーヒー、フルーツもあって、おいおい、スゲーサービスだな。相当いい宿だぞ、コレ!

 

今回止まったのはイグアナホテルというトコ。日本人宿もある街なんですが、遠いとか、連絡先も見当たらないとかもあって、見送りました。メールアドくらいどこかに入れればいいのにね。

 

荷物を預けていざ!

この近くに先住民の村=チャムラがあるとかで、宿のお姉さんに行き方を聞き、向かう。

 

メルカドから西に一本入った通りに、乗合バンがあり、片道18ペソで行ける。

 

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はいドーン。

この村の人は明治の日本人みたいに「写真撮られると魂取られる」みたいな思いがあるとかないとかで、撮られるのを嫌うとか。

でも盗撮か…

「ウエクサさん!タシロさん!透視の力、お借りします!!」フュージョンアップ!

ということで、ミラージュ・オクトパスの力を使った結果、左下に移っているのが原住民です。テカテカの上に羽毛の様なスカートを履き、さらにカーディガンや革ジャンを羽織っている。男はマタギみたいな感じ。

 

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この街の唯一の観光地が、こちらの「Cathedral San Juan Bautista」。

今まで見たことのない可愛らしい模様入りの建物だ。

 

カトリック教会ではあるが、現地の人たちが土着の文化を完全には捨てておらず。そのため内部はかなり他の教会とは異なる。25ペソを支払えば見れるが、撮影は禁止。流石にミラージュ・オクトパスの力を以ってしても撮影不可。ま、そら二人とも捕まったしな。

内部を簡単に伝えると、下の図のようになる。

 

白い壁に外観の様に緑に縁どられた窓やらがあり、奥には十字架等が。天井からは横断幕の様なものが、左右に斜めになるようにかかって5つほど並んでいる。

地上には松葉が敷き詰められて所々床が見えており、そこに蝋燭やグラス入りのキャンドルを立ててお祈りされている。

蝋燭はその後係の人に撤去され、グラス入りのものは左右のテーブルに置かれる。

床と左右、正面のろうそくの炎が独特の空気を生み出し、幻想的な風景が広がる。

土着の文化を捨てきれなかった彼らは、この異国の神に何を祈るのだろうか。

 

彼らが真摯に祈る場を撮影するのは、遠慮してしかるべきなのかもしれない。町中の教会であっても、同じなのかもしれない。日本じゃ撮影禁止なんてざらだし。

 

なにかそんなことを思わせる場所であった。

 

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あとは民芸品くらいしか見るところがないが、

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この民族が作っているものとかも結構あり、かわいいものも多い。イイねぇ…

とか思っていたら、腹が……減った…。

ポン

 

ポン

 

ポーン

 

店を探そう!

サンクリの街に戻って来た私は、メルカド内に安い飯屋があると睨んで突撃。

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ここはどちらかというと食料品や日用品が並んでいて、お土産はなさそう。

 

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お、現地人で賑わうところ発見!で、よくわからんが、市場にエビが並んでいたので、エビが入ってる奴「Caldos de camaron」をチョイス。

 

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おお!ぱっと見トムヤムクン!エビがこれでもかと入っていて、ライスを付けて40ペソ。お得だ…。後は味だが……おおっ!

 

エビの量も相まって相当に出汁がきいている。しかも塩味が濃すぎず、他のもので誤魔化していないためか、エビ本来の味がガンガン出ていて、ことによるとトムヤムクンよりおいしい!?

付属の玉ねぎや青唐を入れ、ライムを絞ればトムヤム感もますが、うまい。サルサぶっこむと更にトムヤムだ。

これをライスと一緒にトルティージャで包み、サルサをかけて…ああ、最高!先日のモーレの半分以下でこんなうまいもの食えるなんて!

サンクリ、何故1日しかいられないんだ!!(←お前のせい)

 

宿に戻ると、チェックインできた。客が多く、男は離れに、って感じみたいだ。ただ、本来はこっちの方が高いらしく、確かにベッドも一段だし、ラッキー。

ここのオーナーはカナダ人らしく、滞在中にスペイン語を学び、宿を開くに至ったらしい。日本人宿と同じ経緯だな。ほとんどが欧米人だが、過ごしやすい。また、ボランティアスタッフみたいのがたくさんいて、彼らも欧米人。

 

さて、腹も満ちたところで移動を開始しよう。

 

ここ、サン・クリストバル・デ・ラス・カサスは、マヤ文明崩壊後に原住民が移り住んだ街だ。1528年にスペイン人マサリゴスが周囲を統治する拠点として、コロニアル都市を建設。のちに州都が他に移るまで、政治や文化の中心地として栄えた。

午前中に見たチャムラの様に、原住民が多く暮らしているのも特徴だ。

 

さて、ここも小さい街ということもあり、さほど見るものもない。

 

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ホテルのすぐ横の「Iglesia de Santo Domingo」は、この街最大の教会。1560年に完成したが、外観の壁面は17世紀に作成されたものとか。

細かい装飾は確かに見応えがある。左右下の像は首がないように見えるが……

 

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中も何か豪華というか荘厳。

 

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ここら辺一帯は民芸品の市場が所狭しと並び、観光客や地元の人でにぎわっている。

メインの歩行者用の道は多くの人でにぎわっている。この通りには土産物は少なく、レストランなんかが並んでいる。もちろん、路上の物売り入るので、買える。

そしてどう見ても例のアレにしか見えない草を小袋に詰めて売る男が。

実はこの街は数少ない、「許されている街」らしく、宿の主がガンガン吸ってたりするらしい。ウチの宿にはいなかったが。

 

そして「マリファナクリーム」なる、緑色の軟膏状のものを売る男が。

「何に効くの?」

「そりゃ、何にでも効く」

……まぁ、そうだろうな。なにか困ったことがあっても、これでキマり、ってわけだ。

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カテドラルはソカロの前に。

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この周りにも原住民の物売りが多く、市民の憩いの場にもなっている様だ。

 

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「Templo de Carmen」は16世紀の建造。正面のアーチ状の鐘楼はグアテマラの意匠だとか。

 

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「Iglesia de San Cristobal」は丘の上に立つ。これは街が見渡せるぞ!と意気揚々と、つっても相当しんどいが、登る。いやー、サンクリも山の上だからな。空気薄くて大変だぜ。

よし!

 

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そんなんに見えねぇ!!

 

なんか祭り中なのか、楽隊が演奏していたり、屋台が並んでいる。

地元のお菓子と思われるものには、大量の蜂がたかっている。相当、甘い様だな。

 

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更に進むと「Iglesia de San Francisco」。カステラを彷彿とさせる。

 

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「Iglesia de Santa Lucia」は青と白のエクスタシー。

ああ、インスタ映えしそう。

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中も統一した感じに仕上げ、徹底した様子がうかがえる。

 

ここでカフェ休憩。この街はカフェも多いらしく、ものすごく長期滞在向け。スペイン語でわからなかったので、敢えて全く分からないのをチョイスしたら、めっちゃ濃い。多分、リストレストだったんだね。。。

 

宿に戻ると、バーベキューパーティだー!1人100ペソで食い放題だぜ、ヒャッハー!みたいなことがあるらしい。そ、そうか。しかし100ペソ分食うほど腹減ってないからいいよ!と思っていると、サウジ出身のM君は当然参加しないし、ということで、そこにやって来た日本人のKくんを伴って、メルカドの食堂を目指す。

 

お昼食べた横の店へ。両方とも閉店間際だったらしいが、快く引き受けてくれた。

めっちゃ日本人かな、こっちは何人かな、みたいな感じで楽しそうなメキシカンガールズ。

 

メニュー内でまったく内容が想像できなかった「Cochito Adobado」をチョイス!35ペソ。

何が出るかなぁー。 

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はいキター!

チキンをトマトベースのサルサで煮込んだ感じのシンプルなもの。トルティージャで巻いてもおいしい。これは当たりだな!

 

宿に戻るとM君が「よし、本館のパーティに乗り込むぞ!」というので、3人で向かう。

しかし、肉が焼かれる横で、彼らは静かに映画を見ていた。。。

おい、どうした欧米人共!お前らの大好きなBBQパーティだぞ!!はしゃげよもっと!!

 

「ダメだ、俺は他のホテルのパーティに行く」というM君を見送り、別館でしっぽりと旅の話を肴に飲むK君と私。

彼は1年半くらいの世界一周中らしい。肴に差し出したチャプリネスは、その強烈なビジュアルから、ほぼすべての人に拒否られる。おいしいのに。

 

翌日の朝食は衝撃だった。

 

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フレンチトーストという既に甘いものの上にこれでもかというほど載せてできたカロリーの申し子。欧米人、頭おかしい。

 

オランダガールやニカラグアボーイなど、まこと国際色豊かなテーブルである。

 

チェックアウトして街へ。

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ソカロはどこの街も同じかな。自然もあって目の保養に。憩いの場だね。

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カテドラル前には土産物売りや観光客が。

 

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全日登った「Iglesia de San Cristobal」とは街を挟んで反対側に、小高い丘がある。淡い期待を胸に登っていく。

街並みは石畳だったりコロニアルだったりで、とても歩いていて気分がいい。

 

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あー、やっぱり見れない!

 

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麓にはなんかよさげなカフェがあり、今日はここに入ることにする。

 

「Karita」というコーヒーが。あー、日本の器具のカリタかな。ということはドリップしてくれるのか。ということでこちらで。40ペソ。

 

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おお、いいぞ!浅めのローストで酸味もばっちり。香りがいい。

カウンターでじっくり入れていたが、他にもフレンチプレスといった「スローコーヒー」の他にもEspressoマシーンを使ったものもあり、そっちは安い。

 

昼も過ぎたので先日のメルカド内の食堂へ。

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今日はビフテックメキシカン。肉食いたかったので。30ペソ。

肉は硬そうだがスプーンで崩せるほどよく煮こまれている。返す返すも滞在しやすい街である。沈没したかったぜ……

 

宿で荷物をピックアップし、バスターミナルへ。

ここから果てしない、16時間近い大移動である。

 

そしてサンクリとパレンケという今回通過する街の間には強盗が出るという噂がある。

過去には3等だけでなく、1等も襲われたことがあるという。だ、大丈夫なのか!?

荷物と命は!?

 

カリブの海が、我を呼ぶ!!