新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百四十一話 M・オブ・デス / コンクエストクエスト

出立17日目(通算267日目)メキシコ15日目 プエブラ3日目

 

 

今日はチョルーラの街に向かう。

と言っても直線距離で8kmくらいの近場ではあるのだ。ただ、アクセスがややこしく、日本の旅行サイトに載っているものを参考にしようと思っていた。

 

ただ、昨日のBちゃんとR君と行くことになり、彼らが地元の人間に聞きまくったため、それについていく形になった。

大通りに出てバスに乗り、途中のバス停で下車した。

「S君も向かっているから」ということらしい。しかし待てど暮らせど来ない。1時間待っても来ないので、バスに乗り込むと、連絡を取り合っていたBちゃんと示し合わせて、途中のバス停から何とか乗り込んだ。

この時点で一人旅になれていたために疲労していたが、まぁ、仕方ない。というか、結構みんな海外で通じる携帯持ってるんだね……。

 

既にお昼を回ってようやく到着のチョルーラ。

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1519年にスペインの征服者エルナン・コルテスが、「スペイン以外でこんなに美しい街は見たことがない」と感嘆しながら、先住民の文明を徹底的に破壊するという、サイコパスな行動の始まりの地である。

その中心地がここ。小高い山に見えるが、実はここはピラミッドがあり、それを埋めて教会を建設したのだ。何度も言うが、スペイン人頭おかしい。この頃の倫理観を考えると、イスラム過激派のことを非難できないよな……。

このピラミッドはトトナカ文明の遺跡とされ、「手作りの丘」を意味するトウチウアルベトルが正式名称とか。

5~8世紀につくられ、幅404m、高さ64mで、現存するピラミッドでは世界最大幅、アメリカ大陸では最大のサイズを誇っている。

 

道なりに登っていくので、ティオティワカンの時の様な感覚はなく、本当に山を登っている感じ。

 

で、頂上。

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Santuario de la Virgen de los Remedios教会は黄色を基調にしたシンプル仕様で、横に売店がくっついちゃってるお茶目な仕様。

これは別にアレなんですが、頂上ということで、眺めがいい。

 

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あちこちにカトリック教会が見える。

 

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奥に見えるのは活火山のポポカテペトルで、頂上は雪に覆われていたが、この日も煙の出ている様が観測できた。

 

昨日も食した虫さんですが、正式名称チャプリネスといい、ここでも売っている。しかし味見したR君が「やはりオアハカのが一番だな」と一言。たしかに、すぐにそれとわかる。

理由としては、オアハカは草がいいので、栄養状態が違うらしい。へぇ……。

 

ピラミッド部分は拝観料が必要で、70ペソ。しかしS君が拒否し、メキシカンコンビは学生証でタダで入れるという状況で、何となくまた一人にするのもアレだしと、S君についていくことにした。若いからね、金掛けられないとこはよくわかる。

Bちゃんがいなくなった途端に男の子トークが爆裂し、「おい、あの前の三人だったら誰がいい?」みたいに聞かれた。さらに下関係の単語や夜の誘い文句は日本語で何ていうか、どうせなら素敵なバックパッカーの姉ちゃんに会いたいねーみたいな、もう、ずっとしたかったんだな、そういう話が!状態。20代前半の性欲は仕方ない。

 

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外からも一応ピラミッドの様子は何となく見れる。

「あ、何だ、金髪の姉ちゃんいるじゃん!クソ、入ればよかった!」

S君!!

 

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庭を再現するためにフェンス際で作業する人たちがおり、指揮する女性が英語が話せたため、そのような趣旨を伺う。なるほどね。今や定着したシンボルだ、とR君は言っていたけど、本来の姿を取り戻したい、という思いも少なからずあって当然だろうな。

 

そういえば、3人に聞かれたのが、「日本人と中国人って、隣なのになんで仲悪いの?」である。微妙なバランスの上で成り立っているとは思うが、対外的にそんな風に見えていたんだな。昔日本が侵略したからだよーと、まぁ複雑な事情は置いておいて説明したら、「じゃあスペインとメキシコと同じだね」と返された。

あー、まー、そうだな。そうなんだが、いや、まぁ他の国がどうとか言うわけじゃないが、取りあえず文明は破壊してないんじゃないかな、わかんないけど。

 

……スペイン人も肩身が狭いのかなぁ……。

 

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広場で集合すると、メキシコシティでも見たアレがまたやっていた。かわいい女の子が、帽子にお金を集めて回っている。

 

さて、15時も回り、腹が減った私たちは、メルカド内の食堂を目指す。

S君が「肉ダメ」「辛いのダメ」「チーズもちょっと」という、お前何しにメキシコ来たんだ的なオーダーだったため、メキシカンズが四苦八苦。ようやく見つけたこちらで、ケサディージャ(S君はチーズナシ)を。

S君、発言は肉食系なのにね……

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多分親子で店をやっていて、生地もその場で作りつつ、具も選べる。私はチョリソを頼む。太いソーセージを取り出したかと思うと、皮を剥ぎ(えぇっ!?)、細かくして焼いていく。そ、そうなんだ。まぁいいんだけどさ、ソーセージなのかな、それは。

 

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サルサも選べるが、R君に倣って半々にしてもらった。通常閉じているが、中身わかりやすくするために開いてますよー。

生地が黒というか緑なのは、黒いコーンを使用しているため。

メキシコにはコーンが4色あり、黄色、白(屋台で食べましたね)、黒、赤となる。

かつてO君が、これを用いた神様の絵を基に、実はこの4色は世界の人種を表しており、赤は中米等の民族なんだ、という解説をしてくれたことがあった。

日本人が米で国を回していたように、やはり彼らはコーンを中心とした世界観になるんだな。

 

話は飛びましたが、これ旨いです!チーズがめっちゃ伸び、チョリソも塩気が強いんですが、生地と合わさるとちょうどいい。よく考えたら24時間以上ぶりの食事ということもあり、疲れも溜まっていたので、メキシカンがみんなやるコーラと合わせてみたが、なるほど!ビールがほしい!

 

R君を通じて、お母さんたちがめっちゃ私のことを聞いてくる。どうやら先日日本のテレビが来た&滅多に日本人が来ないということが理由らしい。そういえば、プエブラに入って以来、日本人はおろか、あんなにアホみたいにいたコリアンも見ない。つーかアジア人をほとんど見ない。何故だ!こんな面白いものいっぱいあるのに!

 

かなりボリュームがあり、大満足で退店。って待て!これじゃあモーレ料理食えねぇじゃねぇかっ!いや旨かったけどね!どうしようか!

 

こうして他にも教会見たかったが、何かもう帰るみたいな空気になり、もう教会もいいか、という気持ちになって同意した。

恐らく一人ならもう少し早く着いて、この辺をずっと見て回っただろうな。ただ、だからといってどちらが良かったか、なんてことは言えないだろう。やはり人と行動すると、一人じゃ見れない景色も見れる。旅は水物といえるかもしれないなぁ、なんて考える。

 

さて、帰りは前述のサイトでは離れたところに行かないとバスには乗れない、とあったが、全然そんなことはなかった。セントロの上の、3と8の道の交差点辺りでプエブラ行と書かれたバスが通りかかるので、これに乗ればいいだけだ。ソカロ周辺とはいかないが、歩いて10分以内の場所に降りれる。

 

メトロでもそうだが、若者は結構すぐにお年寄りに席を譲る。ガイドを買って出たO君然り、R君やBちゃんもすぐに道を人に尋ね、彼らもものすごく丁寧に教えてくれる。

ぱっと見彫りが深いこともあって怖そうな印象のメキシコ人だが、実はかなりいい人が多いんじゃないか……そんな印象を受ける。

 

バスを降りたところで一旦解散し、私は先日も見た教会を二つ、もう一度見て回る。何だかんだ、落ち着いて一人の時間ができたのは今日初だ。

 

宿に戻って寛ぎ、夜のソカロへ。

 

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あー、いい感じだね。

 

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噴水もキレイ。

 

モーレ料理を食べれるか、歩きながら検討したけど、これは無理だ。。。

ビールを買って帰ったら、R君とBちゃんが戻っていて、メキシコの酒「メヒカル」を飲ませてくれた。

 

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味はテキーラに近いが、少し癖があるかな。中に芋虫というか、リュウゼツランに付くヤツらしいが、それが入っていて、精が付きそうwww

一口入れて口の中でテイスティングし、その後残りを入れると香りが広がっていい。

なお、これにはサル・デ・グサーノというオレンジの粉末が付いており、こいつはその芋虫をすりつぶした&塩とかを混ぜたもので、ウォッカ飲むときの塩みたいな感じで使う。が、風味があるので、メヒカルのテイストが変わっておもしろい。

 

と、すっかり酔っぱらってしまったが、これらはオアハカが本場らしいので、これは移動が楽しみだ。

 

明日はオアハカへの旅。ドンドン海が近づくぞ!

カリブの海が、我を呼ぶ!