第二百十九話 Iと共に去りぬ / アイスランド・ダイナミック!
出立79日目(通算242日目) アイスランド3日目 レイキャビック3日目~ヴィーク
昼食のサンドイッチまで作り、一度宿を出る。
途中でEさんはAさんを迎えにバスターミナルへ向かい、Mさんと二人でレンタカーを借りに、国際線ビルまで向かう。
しかし、この時の我々は、空港の横の建物がそれだろう、という大きな勘違いをしていた。
寒風とたまに雨が吹き荒れる中、やっとこさ辿り着いたそことは、滑走路を挟んで反対側だったのである。
大きく迂回し、更に2kmの道のりを歩く。もう悪天候だし、この時点で挫けそうだがww、チェックアウトタイムまであと少ししかない。
Eさんと、合流したAさんをピックアップした我々は、ホテルに滑り込み、慌ただしく飛び出した。
さて、予定よりも大きく遅れての出発となったが、Mさん運転のもと、マシンはレイキャビックの街を抜け、メインの1号線に出る。
フラットな土地。彼方に山々が見える程度で、緑の草や黄色い花等の真ん中を、一本の道路が通っている。
日本人には、北海道を彷彿とさせるような、広大な自然がどこまでも続いている。
天気は乱れても、この光景にはテンションが上がる。
40分ほど移動したところで、最初の目的地に到着する。
シングヴェトリル国立公園。
ここでは、アイスランドの裂け目=ギャウを見ることができる。
本来なら海底数kmにあるはずの海嶺が地上に露出しており、大陸プレート下のマントルの動きによって、隆起してくるもののようだ。
アイスランドで見られるものは、ユーラシアプレートと北アメリカプレートによって引っ張られてできたもので、島を南北に分断している様だ。
うーん、見事な裂け目と絶壁だ。
高い木のない、荒涼とした感じは、『ウルトラマン物語』で少年タロウが修行していた谷間の光景を彷彿とさせる。
しかし寒い!
そしてトイレが有料!しかも高い!
幸い係員がいなかったので、タダで利用できたが。
さて、わずか100円程度かもしれないが、ここではカード決済ができる。
というか、昨日のホットドッグ屋もカード決済できるし、スーパーも同様だ。
今のところ、アイスランドの金銭・クローナを1円も降ろさずに過ごしている。
実はアイスランド、2008年の金融危機に際して、自国通貨の信用度が低下→現金決済をしなくても暮らせるよう、8~9割の店舗でカードが使える状態になっているのだ。
うーむ、現金派としては複雑だ……。何か見えないお金って不安になる……
あまりの寒さに外でのランチは諦め、車内でお手製のサンドイッチ。
出来れば晴天の元に食いたかったが、この際、贅沢は抜き。つーか普通にうまいぞ!
車は再び走り出す。
80~100℃の温泉が吹き上がる名所である。
火山国アイスランドは、水力と地熱によって電力を得ているほどの国で、当然温泉も名物の一つだ。
ファンタスティック!!
最もよく吹き出るこちらはストロックル。5~6分おきに最大30mほどの高さまで登る。
つまり仮面ライダーブラックの跳躍力程度。
これがド派手に吹き上がるのだが、最初の噴出で立ち位置を誤り、落下する水をヒーヒー言いながら避ける羽目になった。
そして、残念ながらMさんがめっさ濡れてしまったww
その後何度か、吹き出る瞬間をカメラに収めるべく、悪戦苦闘する一同。
瞬間の勝負のため、走る緊張感が妙に楽しい。
こちらは最大60m。つまり仮面ライダーブラックRXの跳躍力と同じ高さまで上がる。
ミントブルーの穴がどこまでも続く場所も。何かダイバー的な潜り方をしたいが、水温がなぁ……
ここからの湯気がとても暖かく、温泉に入っているような錯覚を生んだ。
湯気に当たりながら悶える日本人4人は、相当に怪しかっただろう。
大満足の我々は、ここを後に、次へ向かう。
10分ほど進んだところに、グトルフォス=黄金の滝と呼ばれる巨大なウォーターフォールがある。
ビュリホッ!!
幅70m、落差30mの超巨大な滝。晴れた日には虹が出て、反射もあって黄金に輝くことから、この名がつけられたとか。
雨のせいか、コーヒー牛乳を思わせる色だけどな。
この辺りを「ゴールデントライアングル」といい、アイスランド観光のハイライトといえる地域になる。いやー満喫。
そういえば、お土産を見ている時にふざけてバイキングのヘルメットをかぶっていたら、
「友人のためにハッピーバースデーの動画を作成しているから、あの歌を日本語で歌ってくれ」と言われた。ハッピーバースデーの歌って、他の国では現地語らしく、英語だよーと言ったら困惑された。
「ジャパニーズ・イングリッシュで!」というので、バイキングのまま陽気に歌う。
面白いことするなぁ、欧米人は。ともかくおめでとう、デイビット。
さて、200km程走ったビークの街が、今宵の宿。
ビールをちらっと買いに行き、夕飯を作り始める。
キャベツとソーセージのトマトパスタ。
塩も油も備えてなかったが、Mさんの持っていたごま油と醤油で事なきを得る。
やはりこの二つは日本人にとって必須だな。つーか自炊楽しい。
奥は地元のビール。バイキング。「ライト」でアルコール度数は2.25だ。スッキリテイストでいい感じ。
うーん、アイスランド。広大な自然が楽しい。できれば晴れてほしい、マジでマジで。
さて、明日はさらに東へ向かうぜ!