第百九十四話 R・アローン / 旅は道連れ、余は情けない?
出立50日目(通算213日目) ルーマニア5日目 ブラショフ4日目~シギショアラ1日目
移動日である。
が、昨日切符を買った時点で気づいてはいたが、微妙な時間だ。
シギショアラ行は13:20発~15:55着で、その前は8:45発とかだ。なんでやねん。
本当は普通車を頼んだが、売り切れていたらしく、今回も快速だ。とはいえ、23RONなので、気にするほどではない。
ホテルでは、昨日のコリアン女性Mさんの他にもコリアンがおり、うち一人は日本在住でペラペラ。フランス人も交えて、しばし話をして時間を潰した。
Mさんは同じ電車で行く、と言っていたが、切符を買うために先に出た。
することがないため、駅まで歩いていく。3km位だが、どうせ今日はほとんど動かないからちょうどいい。
そういえば、先日同じ宿であったNさん、4年の長旅ということもあって七日、荷物の重量が30kg超えと、どえらいことを言っていた。
「いやー、荷物は増えるし、歩くから体重減るしで、そのうち荷物に追いつかれるわー」
個人的には何が入っているのかとか、そんな細い体で本当に持ってるんですか、寧ろバックパック本体みたいな、サンダーボルトのガンダム的なものを想像してしまうわけだが、残念ながら装備状態は見れなかった。
旅慣れ=荷物減るという常識を覆す、面白い人だったなぁ。
そんなこと考えているうちに駅に到着。
駅前のスタンドでホットドッグを購入し、ちょうど来た列車に乗る。席を探しているとMさん発見。っていうか。席同じBOX!?何つー偶然!
そこには台湾人のS女史もおり、ここだけアジア枠なのかと勘繰ってしまう。
ちなみに、1BOX8人掛けね。
Sさんが葡萄くれたりで、楽しく話したり寝たりしながら移動。
車窓からはトウモロコシ畑が見え、思わず「メーイ!」とか叫びたくなる。しっかし広いなぁ。ここでママリガの原料が作られていると思えば、納得。
ちなみに、ママリガの味のイメージだが、粉のコーンスープの塩分を減らして、少量の水で練れば、多分近い味になる。
確か時間通りくらいに着き、3人でホテルどこかとか話していたら、同じホテルであることが判明。そのまま一緒に向かう。いやー、こんなこともあるんですなぁ。
Mさんは「最後の一つだった」と言っていたが、私の取った時は「残り二つ」だったので、ものすごい狭い空間で連続して予約されたのだろう。
さて、この街は非常に狭く、観光だけなら2時間くらいで済みそうだ。
この街は1191年、ハンガリー王クラウスの命でざくせんじんが入植したことに始まる古都で、最盛期の15~16世紀の15のギルドが存在した、城塞都市だった様だ。
観光地化も進んでいないため、非常に素朴だが、街並みが何というか、かわいいのだ。
本格的に回るのは明日だが、
こんな感じだ!
こちらの時計塔はこの街のシンボルで、14世紀のもの。ま、ここも細かくは明日だなー。
宿はなぜか日本語の本が置いてあったり(行き違いで日本人女性がいたらしい)、女将さんが優しかったりで、早くも居心地のよさが露呈。どうやら家族経営のペンション的なところらしい。それくらい予約の時に見ろよww
ぼーっとしていたら、スイカをもらった。夏といえばスイカだよな!「私なんか最近毎日食べてるわよー」と言っていたので、ルーマニア人も同じ感覚の様だ。
さて、前述のMさん、Sさんと夕食に出掛ける。
おかみさんお勧めのイタリアン的な店だ。
麺が食いたくてパスタをチョイス。あーうまい。ブルガリアで食った奴は麺が柔らかすぎたが、ちょうどいいなぁ。
Mさんはポークソテー&ポテトを選んでいたが、食いきれないからと分けてもらう。
そしてSさんはベジタリアンらしい。久しぶりに見たなぁ。
チーズとかOKらしく、軽い方だ。
「お世話になったから」となんと奢ってくれるSさん。あーざーす!
この後アイスまで奢ってもらう。メロン味♡
ここの店先にモップみたいな犬がいて、現地の少女と私が目を輝かせて駆け寄るという、大人げない事態にww
「気に入ったら持ってけよ」とか言われる。面白いこと言いやがる。
おかみさんから「今日はシナゴークでコンサートがあるわよー」と聞いていたので、行ってみた。
既に始まっており、ルーマニアんボーイが駆けこむので、つい自分もダッシュ。
人がいっぱいなので、2階から見ることに。
チェロ?セロ?
単体での演奏は初めてだが、ギターで言うアルペジオ的な奏法も交えて演奏。
すげーテクニカル。つーか、ソロでやるってすごいな。
左の人は楽譜をめくる掛かりだ。
そして、さすが教会、音の響きがいい。
今度は複数人での演奏。ああ、スゴイ素敵。シナゴークの中というのもいいが、この小さな町自体が雰囲気を持っているため、心も穏やかになる。
小一時間で演奏は終了。最後に花を渡された出演者たちは、拍手の中ステージを去る。
複数人演奏時にチェロを担当した兄ちゃん、帰り際に通路で拍手を送る女の子に花をさっと渡す。
か、カッコいい!!あまりのさりげなさにルーマニア人もニヤついていたが、私が女子なら落ちていたな。
帰りの時計塔。闇夜に浮かび上がる様は素敵だ。
今日は同行者のおかげか、外に開いていた。せっかくだから絡みに行かないと、面白くないよなぁ。
さて、明日は観光だね。