第百八十六話 グッド・ウィルB / リラ僧院への道 ~いずれ絶望という名の闇~
出立35~6日目(通算198~9日目) ブルガリア11~2日目 ソフィア 3~4日目
「リラ修道院」へのお出かけを企てるも、バス停までのトラムが待てど暮らせど来ない。
バスは1日1本、10:20発のみのため、諦める。
このカラクリは、翌日にわかることになる……。
この日は寝たり、次の国への移動方法などを確認し、夕食。
何故かソフィアは中華料理店が多く、米が食いたくて震えそうなので、炒飯ともう一品を注文。
いや、忘れてたぁああああああっ!!
炒飯は1合くらいあるし、キュウリと鳥の和え物ももうこれだけでお腹いっぱいくらいのボリューム!ヤバい!これでビールまで入れて700円……。異国料理は高くなるセオリーだが、それでも安いな。
ホテルに戻り、メールをチェックしていると、身に覚えのないATMからの出金記録が通知されている。
えっ?血の気が引き、動機が激しくなる。
慌てて確認するが、カードは手元にある。仮に盗まれていたら戻すはずがないし、そもそも暗証番号がわかるはずがない。
とすれば……スキミング?
最終引き出しのヴェリコ・タルノヴァ以降、計5回が、この日に(日本の日付をまたいで、おそらく限度額いっぱい)下ろされている様子。
ま、マジか。いや、こんなこと書いている場合じゃないが。
慌ててマッマに泣きついて、出金を停止してもらう。
取りあえず別口座のカードも持っているから、当座はそれでいいだろうが、被害額はおそらく数十万……。シャレにならん!
が、夜中に慌てても仕方ない。対応は持ち越しだ。
翌日、今度こそリラ修道院へ向かうべく、早めにトラム駅へ。
そこで日本人・SさんとHさんに会う。この国で2回目だ。
ま、ここの観光地といえば限られてくるので、当然といえば当然か。
しかし、やはり全然やってこない。
たまりかねてブルガリア人に聞くと「ここには来ないから、向こうに行け」という。
どういうことかと歩いてみると、何と道路工事中!道路上を走るトラムが走行できるはずがない!そりゃそうだ!
どうやら振替バスが出ていた様だが、この時点でかなり時間を消費していたため、タクシーを選択。
3人いればこその荒業だ。英語が通じないなりに、どうにかこうにか説明。4レフを3人でシェアなので、特に大きな問題ではないだろう。
無事にバス停に着くと、旅行中の日本人家族に遭遇。お子さんはまだ小学生。
これまでヴェリコ・タルノヴァで会ったOさん以外、アジア人すら見かけなかったが、一気に日本人6人に会うとは……
クッソ暑いバスはおよそ3時間でリラ僧院へ。
ここはブルガリア正教の総本山ともいえる僧院で、歴史は10世紀に遡り、現在の形は14世紀になってから。
オスマン帝国の支配時にもこの地は黙認されていたとか。現在の建物は、1833年の火災後の修復のものだ。
アーケードいっぱいに、フレスコ画が描かれており、その極彩色の迫力は言うに及ばず。
内部は撮影禁止だが、多少くすんでいるものの、こちらも同様になっており、ひんやりとした内部にいると、その神秘さが肌に伝わってくる。
ま、信仰がないからアレなんだけどさ……。
ここははっきり言ってこれくらいしか見るところはない。
Sさん、Hさんとお昼ごはんへ。
ここはマスが有名なのだが、最近お昼食べていないので、食欲はイマイチで、ビールとサラダで。
憐れんだか、お二人がおすそ分けしてくれた。ベーシックな塩焼きで、さっぱりといただける。
再び僧院をみて、帰りのバスへ。無論、これも1日1本。滞在時間は1時間半くらいだが、十分堪能できた。
ソフィアのバス停でご家族と別れ、用事を済ませてからSさん、Hさんと再度合流して、夕飯を一緒に。
例のビアガーデンで乾杯し、ソーセージやポテトのチーズ掛けを一緒に楽しむ。
……写真撮り忘れたわ。
その後、気分が乗って2軒目へ。なんと「寿司」を出すという店へ。
サーモン寿司、約7レフ。
海苔とか他の具も入って複雑な味だが、具は1つでいいのもだが、取りあえずマヨはいらねーだろ、マヨは。
でもまぁ、外国人の寿司のイメージってこういうことなんだよな。前にあった外国人、「寿司が好きだ」というから、何が好きか聞いたら、「カリフォルニアロール」。
それは寿司ではない。
かなりいい気持ちでお別れし、宿に戻った。
さて、翌日はスキミングへの対応だ。旅慣れたSさんからお知恵も拝借したので、それでもって対応する。
そういうわけで、翌日のブログ記事はスキミング後の対応になりますww