第百八十二話 グッド・ウィル・B / 小さな町のメロディ
出立30日目(通算193日目) ブルガリア6日目 ヴァルナ3日目~ヴェリコ・タルノヴァ1日目
昼過ぎにホテルを出る際、同じくバス停に行くという人に便乗して、タクシーに乗る。
この旅初。
アメリカ人のおっちゃんが同乗者だったが、気前が良かった。アメリカンだった。
今回の「YO-HO HOTEL」にはバスの金額・発着時間が掲示されていたが、微妙に違っており、暫く待つことになった。
やって来たのはトルコを彷彿とさせる、巨大なバス。
車内サービスはなかったが、Wi-fiはあった。
ヴァルナ―ヴェリコ・タルノヴァ 21レフ。
3時間ちょっと揺られて、到着。
ここヴェリコ・タルノヴァは内陸側、バルカン山脈の東部に位置し、ブルガリア人の旅行先としても人気の都市だ。
かつては「タルノヴァ」と呼ばれ、第二次ブルガリア帝国の首都として栄えた。その後、ビザンツやオスマン帝国に支配され、500年後に新生ブルガリア王国最初の国会が開かれる、という歴史的背景を持つ。
ビーチの恋人たちに参った私には、故郷を彷彿とさせるこの街は丁度いいだろう。
ホテルまでは2.5km程度。意気揚々と歩き出したが、いや暑い。
気温は34℃で、なんと昼までいた黒海沿岸都市よりも高いではないか!高地だからか?
斜面を利用していることもあり、街は立体的な構造になっている。
今回使用する「Hikers Hotel」も景観を売りにする高さにある。
ホテルの女将さんは気さくな人で、他の宿泊者も一緒に話をする。
夜には下界の公園でコンサートがあり、つーか夏はほぼ毎日やっている様で、それを進められた。
夕方に宿を出て、街を散策しつつ、公園へ向かう。
うーん、ヨーロッパっぽいww
リゾートの景観はなりを潜め、情緒のある街並みが続く。
傾斜と相成って、思わず息が漏れる。
よくわからんが、おかみさんは「馬」と言っていたモニュメント。で、デカい!
ブルガリアの英雄か何かだろうか。十数メートルある、迫力の像だ。
公園を探索し、時間を待つ。
園内にはビアガーデンの様なものが所々にあり、ブルガリアンたちが楽しそうな時を過ごしている。しかし相変わらず、アジア人がいない。オンリーワンの平たい顔族、浮きまくり。
20時にショースタート。
各国からの客演による、独特の踊りが展開されていく。
驚いたことに、子ども連れからカップルから、幅広い客層が所狭しと席を埋めている。思った以上に一大イベントのようだ。
1時間ちょっと見て、腹が減ったので退散する。
会場は、外のビアガーデンも含めて、益々盛り上がっている。
宿の近くのレストランで、ビールとつくね的なもの。計7レフ。
後者はシンプルな味付けだが、香辛料を効かせており、香りもいい。ちょっとしょっぱいか?腹はすっかり満ちた。
明日は市内の観光だ。と言っても、多く見るところはないので、のんびり散策となりそうだ。