第百七十四話 Tはわかってくれない / クリムゾンタイフーンにも負けず
出立22日目(通算185日目) トルコ21日目 ~セルチュク1日目
パムッカレから移動である。
9:15発のバス、30TL。トルコで評判のいい、パムッカレ社のバスである。
4時間弱だろうか。短距離だが飲み物やお菓子のサービスがあったので、納得の価格である。
……しかし、私以外ほぼすべて中国人だ。石灰棚には欧米人もいたのに、なぜだ?宿泊はしないで出ていくのか?つーか。中国語だらけでウザい……。
セルチュクバスターミナルでは、着くなり複数社による次のバスチケット売り込みが激しい。次は7時間かかるらしいのでナイトバスだが、そうなるとサービスのいいところがいいだろう。とはいえ、発日は未定のため、1日ステイしてから考えることにし、スルー。
ブッキングしていたホテルに着くと、中国人が……。もう、勘弁してくれ……。
暑いので躊躇していたが、いくつか観光名所があり、市内の手頃なところは回れそうなので、出掛けてみる。
まずは「聖ヨハネ教会」。
エルサレムを追われた12使徒のひとり、ヨハネさんが、聖母マリアと晩年を過ごしたとされている。ヨハネさんのファーストネームは多分ジョン。英語とトルコ語表記がセントジョンだから。……おいジャパン、なんで変えたんや?
これがジョンの墓らしい。
6世紀にユスティニアヌス帝が教会に変え、その後モスクとして使われた記録があるらしいが、もうすでに廃墟然としている。木材などを使った部分から朽ちていったとか書いてあった気がするが、よくわからん。ただ、雰囲気は抜群。
これが往時の模型。
カバーあるとはいえ、野ざらしというワイルドさww
そこから上に行くと、「城」がある。つい最近修復された様で、小高い丘にあることからも今やセルチュクの王冠とされているらしい。
ま、持っているガイドブックのデータが古すぎて、詳細はよくわからないんだぜ。
にしても暑い。湿気がないのが幸いだが、日陰で休み休み回る。
イーサーベイジャーミー。
13世紀に、当時の著名な建築家ディミシュクリ・アリによって建設されたもので、セルジューク朝~オスマン朝の過渡期を表す、代表的なモスクのようだ。確かに、ミナレットの数といい、ドーム部分や中庭の造りといい、これまで見たものと若干趣が違う。
ここの前の土産屋のオヤジが、片言の日本語で話しかけてきた。友好的である。
しかし、500mlの水が低く見積もっても相場の2倍では、流石に暑くても買わないんじゃないか?
どうもこの街は足元見ているのか、飲み物系が高い気がする。
再び歩き、アルテミス神殿跡へ。
豊穣の女神キベレとアルテミスが同一視されたことで、「豊穣の女神アルテミス」を祀ることになった神殿。つっても、今はもう柱一本。
しかし、前7世紀(えぇっ!?)から存在し、何度か建て替えがされているらしいから、仕方ない気もする。往時は19mの柱が127本建っていたらしい。形状は所謂ギリシア式の神殿を想像してもらえば問題ない。世界7不思議の一つだったらしいが、まぁ、10分もいれば頑張った方だな。
ちなみに、個々のポストカード売りは異様にしつこい。
「チャイニーズ!チャイニーズ!」
ウルセーっ!!コ○すぞ!(←ナーバス)
ちなみによく見ると、その残った柱の上に、鳥が巣を作っている、っていう……。
ホテルでニュージーランドから来た夫婦と話す。ま、半分以上わかんなかったけど、半分近くわかったからいいだろう!!
夕食は「アリババケバブハウス」へ。
ここは名前の通り、ケバブが有名な店の様で、名物っぽい、牛と羊肉の挽肉ケバブをチョイス。
これが当たり!!
ハンバーグと言うと豚と牛の合挽だが、この組み合わせは初めてだ。
牛の乳臭さと羊の独特の臭みを、個性を残しつつ中和し、スパイスが加わることで昇華している。変に脂っぽくなく、暑くなってきたこの季節にも嫌みがない。日本では味わったことがなかったが、これは相当ありだ。うまい。
これに合わせて黒ビールの「エフェッスダーク」。王道の味わいで文句なし。
ここのパン用のスプレットが、トマトベースとサワークリームベースで、これまたオシャレ&おいし一品。うーむ、さすが世界一のパンと言わしめるトルコのエキメッキ。そのこだわりたるや、パン王国ならではと言える。
締めて25TL。これまで食べたトルコ料理でも、コスパ含めて最高クラス(まぁ、高いもの食ってないけどさ……)!!
主にハートが、近い海地中海なのにリムっちゃってるが、明日は負けないぞ!コヨーテダンゴの力を見せてくれるわ!!