第百五十四話 Jに進路をとれ / 旅は続くよどこまでも
出立163日目 台湾・台北4日目~日本
遂に来てしまった。帰国の日である。
現在、台湾の桃園空港からこれをUPしているわけだ。
きっかけは、職場で先輩から仕事を引き継ぐ際。彼女から「世界一周旅行に行く」という話を聞いたことが最初だったと思う。この不景気のご時世に、伊達や酔狂で仕事を辞めるとは……。
当時の僕には衝撃だった。元々、5年経ったらどうするか決めようと思っており、それが翌年に迫っていた頃だったと思う。
「お前は資本主義否定してるところがある」と、当時の上司に言われたが、それは確かにその通りで、結果的にこの人から「この先お前はどうしたいのか」と、営業への移動中に問い詰められ(考えてみれば滅茶苦茶な人だなw)、やめることを決意した。
前述の先輩もこの人の部下だったからか、「俺辞めさせ屋みたいだなww」と言っていたが、この先この人には頭が上がらないだろう。
その後、お決まりの「深夜特急」を読んで、何となく陸路で、ユーラシアを回って、自分のやりたいことをやろう、と思っていた。
初めての海外旅行で、しかも英語の成績はかなり悪い、中学英語もいいところだった。世界情勢は混乱していくし、もう帰れないかもしれない、と片道切符覚悟で飛び出したのだった。
当然、親や友人、上司らの心配や忠告、警告等、本当にありがたい言葉ももらった。
しかし、もう行かないことには先に進めないと思っていた。
初めての海外、中国は上海に降り立ったのは、去年の11月。右も左もわからないが、ワクワクしたのは間違いなかった。何せ飛行機の乗り方もよく分かっていなかったのだから、今にしてみれば、恐ろしい話だ。よく行く気になったなww
それから色々な経験があった。
ぼられたり、詐欺にあったり、スラれたり、幸いにして暴行等は受けなかったけれど、失うことも多かった。でも、生きるってことはなくすことばっかじゃないね。得たものはそれ以上に大きかったし、金銭には換算できない。
何よりも人との出会いは代えがたい。その土地に住む人との出会いはもちろん、旅先で出会った、多くの日本人たち。少しでもタイミングがズレれば、決して出会うことがなかったわけで、これはすごい事だ。
リョウ君の言葉を借りれば、僕が「引き寄せた」ものであり、カルマで言えば「そうなる必然があった」ということになるのだろう。
果たして、当初の目論見通り、自分の弱さや醜さが見え、それに向き合った上で、この先どうしていくのか、ということを考えさせられた。
こういうことが日々の生活の中でできる人もいるだろう。羨ましい。
しかし楽天家の自分は極限状態でなければ無理だと思った。つまり、殴られれば、頬が痛いことくらいわかるだろ、ということ。その通りだったけど。
出てすぐは長く感じた期間も、終わるとなるとあっという間だった様に感じる。帰りたいと思う時期もあったし、早く会いたい人たちもいるが、今はやはり、終わってしまうことがものすごく嫌だ。このままネパールにもう一度戻るか、マレーシア辺りに飛んでしまいたい。南米もいいらしいね。いっそのことピラミッドでも拝みに行ってやろうか……。
「これを最後の旅にしよう」と思って出てきた。しかし、旅先で出会った多くの人たちが、「それが最初の旅になるんだよ」と言っていた。その通りだと思う。どうしようもなく旅の魅力に取り付かれてしまった様だ。全く、厄介な奴にホレちまったもんだよ……。
何はともあれ、あと数時間で日本だ。
遅れてるけどな、ピーチ。キャンセルしたらどうしようか、ピーチ。怖いわー格安航空マジ怖いわー。
旅先で出会った皆さん、お世話になりました。日本で、もしくは海外で、また会いましょう。
そして日本で送り出してくださった皆さん、今から帰ります。ジャミルでもないのに三十路ニートですが、まぁ、ちょっと一杯くらい付き合ってよ。
そんなこと言って、またフラフラとどこかへ出掛けそうな自分がいますが、というか、帰国とか言いつつ沖縄行くんですが。
ソフトランディングだから。台湾でちょっと失敗気味だったから。そう易々と帰らんぞ!
ま、ブログタイトル的には世界旅行だし、Wi-Fi環境逆になさそうだしで、沖縄~は特に掲載しません。つーか、今月の画像容量がもう足りない(またか)。
長々と、ブログというより、ただの日記をさらし続け、お目汚し失礼いたしました。
にも関わらず、お読みいただいた皆さん、本当にありがとうございました。
多分帰ったら、普通に特撮ネタをぶち上げるだけになるんじゃないかな。Facebookでいいか。ま、ユーラシアとか言って、まだアジアしか行ってないし、そのうちまた出掛けます。多分6月くらいに。
そういうわけで、『新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)』(結局仮題のままだったなぁ)、まずはこれまで!