第百五十一話 翼よ、あれがTの灯だ / シティ派んがー!!アンチ・ゲットワイルドの洗礼!
出立160日目 中国 昆明(トランジット)→ 台湾・台北1日目
硬い椅子ではさほど深くは眠れず、早めに起きる。
6時前にはカウンターが動き出したので、素早く手配。奴ら、中国語で話しかけてきやがる。見た目東洋人括りは仕方ないが、わからないと分かった途端めんどくさそうになるなよ!
そういえば、最初の頃は中国人にキレまくってたなぁ。
それにしても、妙に当りが強い気がする。中国東方航空で台湾に向かう、「FREE TIBET」缶バッジつけた日本人なんて腐るほどいるだろうに。
飛行機は順調に桃園国際空港に到着。どうやら、ここからは空港バスか、鉄道との乗り継ぎか、タクシーで、ということらしい。
空港バスが一番安いようで、案内に従ってチケット購入し、乗車。125元=約480円。(約3.8倍すると日本円)
ゲッ、高い!いや、落ち着け、そんなもんだ……!
バスはおよそ1時間で、台北駅に到着。ちょ、ちょっと待て!都会すぎる!!
イメージ:タイのチェンマイくらい
結果:名古屋くらい
ホテルまで歩いてみたら、街角にはセブンやファミマ、吉野家にやよい軒にくら寿司に……それ以外にも日本語の看板が氾濫。
まるで日本が統治していたことがある様な雰囲気(よそ見)。
「いきなり羽田とか成田何て降りたらね、ギャップでショック死するし、ソフトランディングですよ。俺冴えてる~」とか思ってた私。だいたい正解だけど都市選定が間違っとるわ!
ホテルにチェックイン。当然ここも、あまりのキレイさに失神寸前。整ったシティ派のドミ!おとといまでのよくわからん染みとかが壁にある薄汚いトコとは訳が違う。トイレの床に寝転べる程キレイ。
あまりのショックと疲労に(空港泊だからね)、ローカル食堂での昼食後に爆睡。あっという間に夜になってしまった……。
「おお、めざめたか、ゆうしゃよ」
8時はヤバいだろ、ということで、一番近い「遼寧街」の夜市へ。
台湾グルメと言ったら屋台だろう。
屋台街なのに、シティ派……。
ええい、食は台湾にありだ、食うぞ!
胡椒餅 40元: 大きめに刻んだ豚肉やネギの入った揚げ肉まん。肉汁たっぷりでジューシー。
麻辣臭豆腐と鴨血 60元: その字の如く、ニンニクの効いた豆腐と、固まった鴨の血を、辛味の効いたスープに投入。更に刻みニンニク入りで超スタミナ食。空港泊後の疲れた体にイイ感じ!口臭そう!
魯肉飯 35元: トロトロに煮込まれた歌肉やピーナツをご飯の上にかける、庶民の味。
紅豆湯 35元: いわゆるお汁粉。どうやら頼んだものと別のものが来たようだ……。この気温でコレはちょっとキツイなぁ……。
(どうでもいいが、半袖のおっさんが歩いている横で、ダウン来たカップルが寄り添っている。個人的には半袖派なんだけど、何?人によって気温差ある街なの、ここは?)
いやー、食べ歩いたww満足満足。単位小さいからあれだが、結構高くついたなぁ。ま、観光するわけじゃないからいいか。
バックパッカー向きではないかもしれないが、日本の都市に行く前に、ということであれば、程よく日本的だし、言語が違う点は外国だし、ソフトランディングという意味ではいいのかもしれない。
しかし、コンビニに並ぶ商品は日本と変わらず、しかもご当地コンビニスイーツとかは特に見つけられなかった。何かつまらんというか、刺激がない。しかもどうやら、今の私の格好は浮く!ってことは日本もすべからくそうだ!
日本に帰った旅人は皆気分がダウンするというが、何となく片鱗が見えてきたぞ!
これで回り歩いてる人間がみんな理解できる言語で話し出したら、頭おかしくなる気がしてきたぞ。しかも急に「日本人の方ですか?」とか話しかけたら頭おかしいと思われるのか!
うっ、い、嫌だ!帰りたくない!
落ち着け、ゆっくり体を慣らしていこう。まだ日にちはある……