新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第百五十話 Nにラブソングを / そして別れの空へ

出立159日目 ネパール13日目 カトマンズ4日目~ 中国 昆明(トランジット)

 

 

ラスト・ナマステー。

 

馴染んだこの挨拶ともおさらばである。

 

フライト自体は16時なので、のんびり移動である。

 

「Sai’s bakery」が休みの様で、仕方なくそのまま出掛ける。西方に約2km、小高い丘の上にそびえる巨大なストゥーパ。スワヤンブナートである。

 

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ストゥーパ前には巨大なドルジェ=金剛杵が。本尊は大日如来

 

その昔、カトマンズは巨大な湖の中にあり、そこの巨大な蛇が人々を苦しめていたのを、見かね大日如来が「ほんなら、湖ごとブチのめしたるわ~」と金剛杵でもって湖を決壊させ、今の盆地になったそうな。人々はお礼の意味を兼ねてここにストゥーパを建てた、ということらしい。

確かに湖だった記録はある様で、このストゥーパがかなり年代の古いものであることは間違いないらしい。

 

観光地として整備されたポカラはもちろん、カトマンズの中心地と比べると、途中の道は未舗装で埃っぽい。おそらく、これが本来のこの国の姿なのだろう。

インドよりもクレクレさんはいなかったが、それも裏に入ればいるのかもしれない。

 

朝食に、先日も行った「Everest momo center」へ。ハーフモモを頼むと、5個くらいで出てきた。どうやら先日頼んだものはフルサイズだったらしい。混んでたからなぁ。オープン直後だったため、人はまばらであった。

 

チェックアウトを済ませ、昼食は昨日と同じ「タカリ・パンチャ」へ。今日はマトンのカレー。遂にラスト・ダルバート&ラストカレー。こんなに安く、うまいカレーはしばらく食えないだろうと思うと、悲しくなる。思えば1日1食はカレーという日が、2か月半も続いたのだから、当たり前といえばそうか。

 

カトマンズの空港までは、ホテルからは5kmちょっと離れており、スタッフに聞いてもタクシーしかないらしい。500~600Rくらいじゃないか、と言う。

 

時間はたっぷりあるので、歩いてみた。

20kmの荷物を背負っての移動は結構大変だったが、旅の初期を考えれば、造作もない。

いや、しんどかったけど。

 

だが、空港について驚く。な、なんやこれ! 

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地方空港みたいやないか!これがホンマに首都の空港なんか?

アナログ・ローカル感漂う諸々。ここに降り立った人の多くが、少なからず前途に不安を覚えたと聞くが、それも納得のクオリティである。少なくとも、夜遅くにつきたくない。

 

大気中に日本人の方に遭遇。整体師をされているという、K氏だ。

ABCを登山してきた、ということだった。3年連続でネパールの山にトレッキングに来ているというから、筋金入りだろう。自分の親よりも年上の人と親しくなれるのは、やはり旅ならでは。

 

飛行機は予定通り出発。離陸時に感じる強いGが苦手という話をよく聞く。もしかすると地球は、我々人類が地上から離れることをよしとしていないからなのかもしれない。

地に足着かない僕では、まったく説得力のない物言いである。

 

さて、今回はおなじみ「中国東方航空」を利用。機内食はいかにも中国感の漂う、小袋入りのおかずやらが付いた逸品。昨今の中国産食品問題が頭をよぎるが、最近食べていたものを考えれば、そういうレベルではないのだよ、最早。

 

中国は昆明空港につけば21時半。実質飛行時間は3時間だが、時差は2:15。つまり1日の2:15損してしまった。いや、逆に言うと2:15未来に来たわけで、いわゆるウラシマ・エフェクト……何でもない。

 

この日はここで足止め。K氏と合流し、空港泊。出発が早いため、ホテルを利用するのは無駄。多くの中国人客引きが呼び込みをかけるが、インド人に比べて踏み込みが甘い。その程度ではこちらのスルースキルを凌駕できんぞ!(←日本帰ってからが心配)

 

硬いベンチに寝っ転がる。K氏との話の中で、思いがけず旅を振り返ることになった。思えば、次はこの旅最後の国である。