新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第百四十二話 Nにラブソングを / 縦穴と横穴と一番うまいカレー

出立151日目 ネパール5日目 ポカラ3日目

 

 

相変わらず、朝食の雑穀雑炊がうまい。今日は玄米か。

 

ヒマラヤの山々が見えるか、湖まで出てみた。先端の方だけ見える程度だ。これは是非とも見える位置に行かねば!

とはいえ、日が高くなると雲に覆われる可能性が高いため、こちらは明日に回す。

 

適度に時間を置いて、サンタナにある自転車を借りて、湖の南側のスポットを目指す。

 

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Devi’s Fall。

その昔、スイス人ツーリストのデヴィさんが転落死したために、この名前がついたという、何とも複雑な思いに駆られる由来を持つ。

 

谷自体は狭いが深く、確かに手摺がなければ落ちそう。微妙に底まで見渡せないつくりが歯痒い。

 

そこからものの1分、今度は「Gupteshwar Mahadave Cave」。

地元の釣り人憩いの洞窟が、ある日修験者がここにシヴァ神の像が眠っている夢を見て、本当にあったため、ここを寺院にしたという。

 

中は薄暗く、滴る水で湿っており、ちょっとした冒険感で楽しめる。寺院部分は撮影禁止であった。

 

隣のチベット人村も訪れる。例によって中国政府から逃れた人々の居住区である。

しかしインドもだが、土地を分け与えるなんて太っ腹だよなぁ。日本じゃあ、長年住んでる隣国民でさえ、揉めているのに。寛大に行こうぜ。

 

街に向かう道々、左右の店がほとんどシャッターが下りている。ど、どうしたことだ!?

 

何と、今日から3日ほどストライキで、多くの店は閉まり、バスだけでなく、タクシーもほぼ動かないという。

何てこった!

そういや、ポカラ来る前にもデモしてる現地人がいて、珍しくて写真撮ったなぁ。

何つータイミングww

 

とはいえ、商店やツーリスト向けのレストランは開いているので、生きては行ける。

寧ろ、そんなの見られてラッキー?

 

いや、ちょっと待てよ。山までタクシー使えないじゃん。

あー歩きフラグかー。

 

開いていたローカル食堂で、フライドモモ。100Rって安過ぎww

そういえば、フライドは初めてだ。ま、揚げ餃子だけどさ。

 

「Perky Beans」というカフェへ入ってカフェラテとマフィン、110+50R。ともに味は悪くない。

これくらいの方が気が楽かもなー。

 

まったりと時を過ごす。時折店の外を通りかかる欧米人。店に入る人もいれば、こちらを見て通り過ぎる人もいる。

共通なのは、平日の昼日中に異国の地でダラダラと街をそぞろ歩きしているという点。これについてだけは、年齢・性別・思想全てに関わりなく共通。そのことが妙におかしく、楽しく感じる。

 

宿に戻って時間を潰し、同室のS君と連れ立って夕食へ。

 

数年前の「地球の歩き方」に、「世界中で食べたどのカレーよりもおいしかった」という経験談が掲載されていた「Lemon tree」という店があったので、そこに行ってみた。

 

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キンカレー+ナン、300+110R(別途サービス料)。うへー、高い。

ネパールのカレーらしく、あまり辛くなく、甘みを適度に効かせていい感じ。具はチキンのみとシンプルな仕様。確かに手間のかかった味。

ま、世界一、って程でもない。ダラムサラで食ったチキンアフガニーや、デリーのアンナプルナの方がうまいし、つーか、そもそもうちのオヤジのカレーが一番うまい。

 

そうなのだ。ある程度のレベルは求められるとはいえ、結局慣れ親しんできた味は何物にも代えがたい。おふくろの味、郷土料理。そういったものがパワーをくれるというのもあるが、それはそれとして。

多分投稿者の家庭の味に一番近かったんだろうなぁ。

 

今日はネパールの地酒「ロキシー」を飲むということを決めていたので、ローカル食堂へ。

メニューには「ローカルワイン」とあった。1lのペットボトル入りで120R。これにつまみ的に「チョウメン」を付け、つつきながら飲む。

 

ロキシーは家庭で作るどぶろく的な存在で、「ワイン」という触れ込みに反して蒸留酒。ぶっちゃけ焼酎。比較的飲みやすいが、1カ月以上ぶりの酒なので、効くーww

 

大学休学して飛び出してきた、というS君と居酒屋気分で話をする。酒が入ると、また関わり方も違うのね。

 

飲み切れなかったロキシーと、割る用のスプライトを持ってホテルに戻ると、別の階のS木さんから飲みに誘われる。

この方も定年越えてインド・ネパールに来まくっている旅好きの人。S君とヒマラヤ登山の話~旅話に流れ、終いに人生話という酒の席にありがちな方向に。ああ、夜景って程でもないが、街の灯がきれいだなぁ。

毎度のことながら、年齢や環境など、国内なら交わることもない人との出会いは旅の醍醐味だろう。

S木さんから分けていただいた、地元「MARPHAK」のアップルブランデーはアルコール度数の高さもさることながら、香りもよく、ブランデーのイメージを少し変えてくれた。

 

寄って寝るS君を隣のベッドに見つつ、ポカラの夜は更ける。

 

山登りは…まぁ、明後日でいいかな。