新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第九十一話 Iが止まらない / 今日に必死なインド人

出立101日目 インド16日目 ヴァラナシ5日目~サルナート1日目

 

 

起きると部屋が明るくなり始めている。しまった、日の出の時間を過ぎているじゃないか。

慌ててガートへ向かう。既に太陽は顔を出していたが、雲の向こうで赤く輝いていた。

好天に恵まれた日の出を未だに見れていない。しかし、今日は移動日だ。

 

朝食となる食品を探してさまよう。

白い粉を蒸して作ったかるかん的なものにマサラをかけたこちらが朝食。10R。

かるかん自体は特に味はしないが、意外と弾力があり、面白い触感であった。

 

チェックアウト後、バックパックを背負って、Jさんの宿へ。

本日:ヴァラナシ→サルナート

2日後:サルナート→ヴァラナシ

数日後:ヴァラナシ→次の街 という予定。

 

その次回移動時に同じ電車に乗るため、一緒に切符を買いに行く。

 

リクシャーの親父たちがめちゃめちゃ吹っかけてくるが、希望値とあまりに乖離があるためにさっさと追い払う。

 

ある程度のFIX値が出たと思ったら、同じ値段でわらわらと群がってくるドライバーたち。

昨日Jさんが言っていた「インド人の人口多すぎる問題」が思い出された。

 

放っておけば職にあぶれるのだ。否、既に様々なものが飽和状態。

だからなのか、取れるときに取っておこうと吹っ掛けるし、金額がまとまりそうだと群がる。

吹っ掛けた結果、他のドライバーに決まればものすごく悔しそう。生活が懸かっているのだ。

決まったパイの取り合いをするために、目先の欲に捕らわれ、しょうもない詐欺で金をとろうとする。

バカだ、愚かだ、と思っていたが、違うわ、思っているが、何だかかわいそうになってきた。

 

このドライバーも例にもれず、復路の利用や、サルナートまでのドライバーをかって出る。

いや、いいよ、バスの方が安いから。

 

昼食に駅前の食堂に入る。フライドライスを頼んだら、チーズっぽいものが入ったカレー味のものが出てきた。これがここの仕様かと思っていたが、会計時にフライドライスより高い別のものだからその額をよこせと言ってきた。

 

どうやら、

コック「今日はフライドライス出来ないけど、こっちならできる」とウェイターに言う→ウェイター、我々に伝えることなくOK出す→給仕し、お会計、というわけだ。

 

ほとんど強盗じゃねぇか。

 

わかってる。たかが10Rの差だけど、やり方が気に食わない。

お前らインド人相手にもそれやんのか?目先の数Rしか頭にない連中だぞ?ああ、こいつらもか。じゃあ、戦争だな。。。

とりあえず罵りながら払ったが、インド人嫌いになりそうだわ。

少なくとも一日の接触回数を絞らないと出国しそう!そして二度と来なそう!

 

うーん、以前香港で言われたけど、まじめで曲がったことが大嫌いな人とか神経質な人、きれい好きな人はインド嫌いになるんだろうな。適当に流せないと潰れる。

拙者もそんな感じでござる!

 

気を取り直してチケット購入へ。

インド人が場所を教えようとしてくるが、実は全然違う、自分たちのところに連れて行って多額の手数料を取るという手口もあるので……と無視していたら、マジで場所を教えてくれた。

外道インド人共のせいで、まともなインド人を信じられない弊害。

 

切符購入時に、サルナート行の電車がちょうど来るという情報を得た。

地球の歩き方」にはバスの情報しかなかったが、地図では確かに近くを走っているので、これはチャンスだ。バスだと10キロくらいなのに40分かかると意味不明なこと書いてあるしな。

 

しかし切符購入方法もわからないし、インフォセンターで聞いても要領を得ない。つーか、言うとおりにしていたら乗れなそうなので、とりあえずJさんとお別れしてホームに行き、乗り込んだ。

……まぁ、なかなか出ないわけだが。

 

ようやく走り出した電車はさほどスピードを上げないまま、隣の駅へ。

大量の人が乗り込んでくるが、やはりなかなか出発しない。一緒に乗り込んでいた欧米人が、「日本じゃあ、有り得ないだろ?」というので苦笑。

業を煮やして近くのインド人に「いつ出るか知っているか」と聞いたら「After some times」と皮肉を込めて笑っていた。

これには笑ってしまった。インドだな、今日もここもインドだ。

 

そのSome timesが来て電車は走り出し、いい感じのスピードを出してサルナート駅に到着。

バスとトントンくらいの時間というか、下手したらホテルから歩いた方が早かった気がするが、足が疲れなかったからさ!

 

そして、金を払うことなく、駅から出てしまった。あーあ。

つーか、これ結構な数のインド人がやってる手じゃねぇのか?

元々5Rという破格の値段だったけど。

 

お土産物屋やらを見つつ進み、目的地・日月山法輪寺へ。

 

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朝夕の勤行に出ることが条件で、宿泊もやっているお寺だ。

先日ステイした仏心寺が「浄土宗」なのに対し、こちらは「日蓮宗」である。

 

宿坊は5台のベッドが並んでいたが、誰もいない。

法輪寺のカズさんによると、今年初のステイ者らしい。まぁ、ヴァラナシから日帰りできるしな。観光場所的にも。

 

そんな観光地へ出掛けてみる。

 

ここサルナートはかつて「鹿野苑」と呼ばれ、悟りを開いたブッダが初めて説法をした、「初転法輪の地」である。

当時多くの修行者が集っていた地にやって来たブッダは、かつて前正覚山でともに修行していた5人の僧に、自らが悟った内容を説いた。

(その時鹿も一緒に聞いていたとかなんとか)

 

メインは明日に置いておいて、「チベット寺」やら「中国寺」やら「タイ寺」なんかを見つつ、「ムールガンダ・クティ寺院」へ。

 

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5人に説法しているモニュメントがあったり、奥にミニ動物園があったりと、市民の憩いの場になっていた。

 

時間が来たので寺に戻り、勤行へ。

 

インドの子たちも参加するようで、5,6人が席に着く。特に内容の説明はなかったのだが、理由がわかった。アクションが多い。

 

読経したり、うちわのような太鼓を叩いて「南無妙法蓮華経」を唱えたり、立ち上がって本尊裏の仏像の元まで歩いたり……。

この内容は日蓮宗の基本的な勤行の一つらしい。

うーむ、宗派が違うと大きく違うもんですなぁ。

 

夕食はチベット料理屋でベジトゥクパ。

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チョーメンの面を使ったヌードルで、ソースっぽい味。スープは油でテカテカだが、さっぱり味で、カレーにヘトヘトな今はありがたい。

この分だと明日もチベット料理だな!

 

法輪寺は近くのインド人たちの生活と密着した寺のようだ。

インドの中の日本という形は、今後の旅に大きく影響を与えてくれるかもしれない。