新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第八十話 Iが止まらない / ジャンパー損、ファイト!フォー……

出立90日目 インド5日目 ブッタガヤ1日目

 

 

悲劇である。

電車到着予定時間 6:15

気づいた時間 6:25

 

ギャー!!!

 

周りの人間寝てる!

乗り込んできた人たちに尋ねながら、慌ててチェーンを外し、靴を掴んで出口に向かう。

外のインド人に尋ねると、やはりガヤだというので、ジャンプ!

えぇっ!?ジャンプっ!!?

 

後々考えると恐ろしいが、動き出している電車から飛んだ。

尻餅着きながらも着地に成功し、特にケガもない。

心配したインド人が大勢寄ってきた。大丈夫だと告げると、去っていく。やはりいい奴らが多いな。

 

無事にY君と合流したが、一つ気付いた。

掛布団にしていたULジャケットがない。

 

なんてこった、置いてきちまった!

 

思えば、日本を出るとき、中国の大理より北の激寒地域など、奴がいなければ乗り越えられなかった。

 

それを忘れてくるなんてガッテム!

 

……しかし、あの列車が次はどこに止まるかわからない。

乗り過ごした場合にどういう処理になるかもわからない。

 

そういったことを加味すると、私のそういうリスクを、彼が身をもって防いでくれたのだろう。

彼とはここで別れるカルマだった、と自分に言い聞かせる。

願わくば、必要とするインド人の体を温める余生を送らんことを……。

 

気を取り直して、Y君と駅の外へ。

ブッタガヤへは、ガヤからオートリキシャで移動する必要がある。

地球の歩き方」によると、だいたい150Rとのことで、駅中からすでに声をかけてきたオヤジに、200R→150Rで話を付けて、乗り込んだ。

しかし他にも乗客を募るオヤジ。そこにHさんという年配の日本人男性の方がやって来たが、価格を聞いて驚く。

「地元民なら、チャーターしても80Rだよ」

な、なんだってーっ!

 

促されてリキシャを降りると、オヤジはいろいろと言ってくるが、すべて無視。

Hさんが80Rで話を付けた別のリキシャに乗り込む。

「ペースに乗せられちゃ、ダメだよ」

「カッケ―!!」

相場を誤認していたとはいえ、あれよあれよという間に、一人当たり75R→23,333…Rに。

話を伺うに、どうやらかなり旅慣れている方らしく、今回で3回目のインドとのこと。

 

他の都市の話など拝聴しているうちに、運転手が2人のインド人をリキシャに乗せる。

「外国人を相場で載せるのが悔しいからだろう」とのことだ。

ここでリキシャの構造の説明だが、バイクの後ろが3人くらい掛けの椅子と、その後ろにトランク兼2人用椅子がある。

何が言いたいかというと、すべて埋まった状態なのだ。

そこに2人のインド人は、運転手の横に無理やり座る。おい、無理すんなよ!

 

しかし走り出すリキシャ。だ、大丈夫なのか!?

 

途中でさらに一人拾いつつ(!)、ブッタガヤに到着。

最初に言い値に文句を言うドライバーに金を渡して、終了である。

 

さて、Y君はその日のうちに次の街へ行くというので、Hさんとの宿さがしである。

 

いろいろ聞いて決定。1泊100Rのドミトリー。ただし、Wi-Fi弱しwww

ホットシャワーも眉唾だが、そこまで汚くないので了承した。

 

朝食。

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屋台で食べるチャパティら。これで20Rというから驚きだ。

インド人に交じって食事。

 

Hさんと別れ、Y君と向かうはメインの観光地、マハボディ寺。

 

入場無料だが、カメラ持ち込み代は100R。

靴を預けるのだが、先日のようなことは面倒なので、袋に入れて持ち歩く。

 

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こちらは仏陀が悟った菩提樹のあるお寺で、その場所に高さ52m、ウルトラマンレオとどっこいくらいの塔が建っている。

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中には金ぴかの仏像があり、仏教徒たちがお布施の品を備えているが、何故か僧侶が施しもしており、意味不明なままお菓子を受け取るY君。何してんだ、君は。

 

塔の裏に回ると、仏陀が坐したとされる菩提樹が。

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おお!これが!

柵に囲まれた周りで、多くの信者たちが祈りをささげている。

手を合わせた我々は早速座禅開始。

流石は仏教の聖地。1時間ほどの瞑想はかなりアッパー系のものとなった。

塔の周りには、悟った仏陀がいかに衆目に伝えるか考えた道や、沐浴した池などもある。

 

マハボディを出た我々が街を散策していると、日本人男性・Nさんに遭遇。

壮年のこちらの男性はインド人と行動しており、Y君がほしがっていたブランケットを後ほどくれる、というので夜に落ち合うことになった。

 

昼飯は再び出会ったHさんのすすめる安食堂へ。

ターリー50R。とラッシー20R。

Hさん曰く、ターリーの味はイマイチらしいが、普通にうまい。

ちなみに、仏教聖地のこちらの街は、基本的にベジだ。

 

ラッシーはうまい!コルカタの露店のものが水で薄めたものだったが、こちらはほぼ原液じゃないかと思えるような濃さ。これは通いだな。

 

街のグランドで何やら制服の子どもたちが集まっている。象やラクダ、馬といった動物も。

ん?あの金の仏像、よく見ると少年だ!

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インド人の話で、地域の各学校による、何かのパレードだ、という情報は得られた。

きっと金塗りの少年は選ばれ者。

名誉なんだろうが、この暑い中であれはキツイだろうなぁ。汗で金がドロドロに……。

これでも、いじめられてるやつが無理や……よせやぃ、相手は仏だぞ!

 

進行役のグダグダで生徒たちがダレるという、日本でもおなじみの光景が繰り広げられているので、とりあえず脱出。

 

ブラブラしているうちに、先ほどのパレードが開始された。

ここで日本人女性Kさんに会う。ブッタガヤに10カ月滞在中とか。このパレードは、仏陀と二人の高弟の遺骨を祭ったバングラだかの寺のお祭りの最終日らしく、その骨を持って街中を歩く、クライマックスだったとのこと。

しかも今日は満月。いい日に来たようだ。

 

Kさんに紹介された博物館を見てから、先ほどのレストランでラッシー休憩。

ここで再びHさんと遭遇。

 

お分かりいただけただろうか。

そう、この街ものすごく狭い。日本人がいればすぐ会っちゃうし、結構来ちゃってる。

Kさんの話しではピークは過ぎたらしいので人自体は少ないらしいが、なんというか。

 

Hさんも伴って、印度山日本寺という日本僧のいるお寺に。

 

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ああ、日本の寺だ……。

こんなところで日本らしい建物を見るなんて……。

 

こちらは朝と夕方の5時から座禅があり、Y君と2人で参加。

欧米人の僧侶がいる……。

参加者は日本、インド、欧米、他のアジア人とバリエーション豊かwww

 

1時間読経と瞑想で1セット。建物のせいか、日本の人のことばかり考えていた。

 

日も暮れて夕食を同じ店で済ませる。プレーンドーサー、30R。

 

Nさんとの約束の時間になったので、指定の場所へ。

インド人の店で、彼の友人・アソサンと一緒にやって来たNさん。荷物を受け取ったところで、これからラム酒飲むから、と誘われた。

多少警戒しつつ、参加すると、お二人は4年来の知り合いらしく、楽しい話をいろいろ聞けた。途中でY君とはお別れである。

 

翌日はHさんと一緒に周辺観光地を巡ろう、と話していたのだが、アソサンがガイドをか

って出た。金額調整は必要だが、信頼度は高いので、Hさんと相談して……となった。

 

ブッタガヤは狭い街だが、仏教の聖地ということもあり、心休まる街だ。日本人も多いが。

翌日も仏教系の施設を回る予定。