第四十三話 熱狂のC/水上都市と蚊と斜陽の湖
全身が蚊に刺されて痒い!!!
本日は次の国の準備をしつつ、ツアーへの参加である。
今日はトレンサップ湖とキリングフィールド+1のツアー。
沈む夕日見たさに午後のツアーを選択。
バスに乗り込むと、他の客のピックアップが始まる。なんと日本人の家族連れに遭遇。
初めてツアーに日本人がいた、と一人感動。
マレーシア勤務で、こちらに旅行に来たとのこと。
こちらで仕事ということは、大手企業なんだろうなぁ。
そしてバスはまず、私のホテルの裏に停車。
最初の場所、お土産工場であった。
木工で仏像やらなにやらを彫る工場だった。知らなかったよ。
例によってお土産売りを終え、続いての目的地へ。
トレンサップ湖は、メコン川の上流にあたり、ベトナムなどの水源でもある。
この川沿いに、水上都市がある。これを船に乗って進むのだ。
パッと見高台にある家。学校も病院も全部こんな感じ。
そこまでしてここに住まなければいけないのか、と疑問が生じてしまう。
広場のようなところに上陸した。
子どもたちはめっさフレンドリーで、バレーなどが空き地で行われている。
ちなみに、この真ん中の道路のようなところ、雨季には水没する。
乾季の今だけ、このように広い土地があるのだ。
この子達、雨季は何して遊んでるんだろう。泳ぐしかないよな。
感心したのが、観光客との距離感である。
上陸早々、ノートと鉛筆の束を持ったおばちゃんたちが寄ってくる。
意味不明だと思っていたら、子どもたちも寄ってくる。
そう、観光客に買わせ、子どもたちに配らせるという、例えは悪いが、鯉の餌的な売り物だったのである!つまり完全地元還元型!
おお、上から目線の観光客心理を巧みに生かした、若干ひっかかる見事な商魂!!
そして、ここでツアー客たちに選択が迫られた。
トレンサップ湖の夕陽を見る=キリングフィールドはいかない、ということになるのだが、皆夕日を選択。それはそうか。
ちなみにキリングフィールドは、つまりクメール・ルージュによる虐殺が行われた土地を指すものであり、プノンペンで行ったところとは別である、念のため。
マングローブの林を抜け、船に揺られること数分、湖に出る。
四方に陸が見えないほどの広大な湖である。
そしてまさに、夕日が沈む!!
見事である。長野県人的には水平線がすでにすごいんですけどね。
この後、船のトラブルで闇に沈んだ川を、蚊と戦いながら帰路に就いた。
蚊は、何とかならんもんかなぁ。
ちなみにこの水上都市、夜はほぼ真っ暗である。
電線が引かれていないため、明かりはバッテリーを使うのだが、当然高価になる。
まぁ、電線切れたら、デン・ジ・エンドだよな、無理もない。
明日はゆっくりし、明後日にはラオスへの旅が始まる。
ラオスは……怖そうだぞ、治安が。